有価証券報告書-第111期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いていましたが、米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱、中東地域を巡る情勢等国際情勢に端を発する世界経済の下振れリスク、これらに加え、東京オリンピックを控える中、当第4四半期に発生したCOVID19拡大により国内外経済に与える影響の長期化・深刻化への懸念が高まっており、先行きにはより一層の不透明感が広がっております。
このような環境下、当社グループでは、大黒屋を中心に既存のブランド中古品の買取販売業及び質屋業に加え、安定的な収益機会が得られ今後成長の望める、シルバー層向け顧客の取り込みを図るべく、更なる中古品の買取販売、質屋業の展開に注力して参りました。
また、日本国内における一般顧客への質屋業本来の役割への原点回帰を図るべく事業ポートフォリオの再編及び資源の選択と集中を進めると共に、当社グループの主力顧客先でもある中国向けに買取販売事業を強化すべく体制見直しを行って参りました。
国内においては、当社グループの根幹会社である大黒屋において、創業70年で培ったブランドとノウハウを基盤に全国で26店舗を展開しており、平成31年4月に銀座中央通り店にて従来からの古物売買業に加え新たに質屋事業を開始し、同年8月には上野店をより店舗面積の広い立地に移転しました。また、新宿駅周辺については現行の2店舗体制(新宿本店、新宿二番館)から新宿駅周辺を南北に縦断する3店舗体制(新宿本店、新宿二番館、新宿東南口店)へと変更を進めております。更に、古物営業法の改訂に伴い、千葉県下においてスマートコミュニティ社と提携し同社敷地内にシルバー層をターゲットとした臨時出店を図る等、新たな顧客層の開拓に努めております。
一方国外におきましては、中国市場での中古ブランド品事業拡大に向け、当連結会計年度よりAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババグループ」という。)が運営する「魅力恵」APPでの当社商品の掲載、販売を開始いたしました。今後、中国事業を再編し、更に中国での買取販売事業を強化していく予定です。
また、英国のSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDを中心とするグループ(以下、「SFL」という。)につきましては、先に公表しました通り同国の質金融大手 Harvey & Thompson Limitedに譲渡し、事業撤退を進めております。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は17,270百万円(前期比3,168百万円減、同15.5%減)となりました。
その主な要因は以下の通りであります。
まず、SFL事業において、先に公表しました通り当第2四半期連結会計年度末より事業撤退を進めて参りました結果、その効果が反映され同事業の売上高は1,512百万円(前期比1,791百万円減、同54.2%減)にとどまりました。
次に、当社グループの根幹会社である大黒屋においては、大黒屋の当連結会計年度の売上高は15,455百万円(前期比1,356百万円減、同8.1%減)となりました。この要因は当第3四半期までは、国内景気が回復傾向にあり、為替変動が小幅に推移しており、売上高は堅調に推移しておりましが、当第4四半期以降に発生したCOVID19の拡大による外国観光客の減少や外出自粛の影響があり売上高は伸び悩みました。主に当第4四半期以降の外出自粛の影響により、店舗商品売上高(リアル店舗のよる販売の事:以下「リアル」という。)が前期比1,756百万円の減少(同15.0%減)となりました。一方で店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売の事:以下「ネット」という。)については広告効率の改善などの継続的なEC販売の強化活動に加え、外出自粛の影響による追い風を受け前期比78百万円の増加(同7.2%増)となっております。また、本部商品売上高(古物業者市場等への販売のこと)については、COVID19の影響によるブランド品相場の下落を見込んで1月以降、市場で売却し早期の在庫圧縮を図ったことで、通期306百万円の増加(同10.6%増)となりました。一方併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に密着していることから、順調に推移し質料(貸付金利息)は919百万円(前期比29百万円増、同3.4%増)となりました。なお、質屋業はCOVID19の影響下でも顧客の逼迫した金繰り要請に応える事が出来、増収が見込まれます。
(利益)
当社グループの営業利益は136百万円(前期比300百万円の改善)となりましたが、その主な要因は以下の通りであります。
まず、SFL事業において事業撤退を進めて参りました結果、営業利益は286百万円の営業損失(前期比459百万円の改善)にとどまり、当社グループ全体としての営業利益は強化されております。
次に、大黒屋においては、営業利益は、800百万円(前期比227百万円減、同22.2%減)となりました。大黒屋の売上総利益は4,141百万円(前期比366百万円減、同8.1%減)となりました。この要因は店舗商品売上総利益(リアル)が売上高の減少に伴い前期比387百万円の減少(同13.1%減)となったことによるものです。一方で店舗商品売上総利益(ネット)については前期比12百万円の増加(同3.7%増)となっております。また、本部商品売上高の粗利益については、前期比37百万円の減少(同7.1%減)となっておりますが、COVID19の影響でブランド品相場が下落傾向にあった1月以降に早期の在庫圧縮を進めた結果、令和元年12月末比960百万円在庫(同比26.0%減少)を減らした事で商品評価損を回避し在庫回転率及び粗利益率の著しい悪化を防ぐ事が出来ました。また質料(貸付金利息)が29百万円の前期比増加(同3.4%増)となりました。なお、質料収入はそのすべてが粗利益となります。
大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に引き続き、広告宣伝を積極的に行いつつ費用対効果の観点から広告宣伝効率を改善しコスト削減に取組んだ結果、3,341百万円(前期比139百万円減、同3.5%減)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、年間償却費541百万円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。その結果、大黒屋の営業利益は、800百万円(前期比227百万円減、同22.2%減)となりました。
当社グループの経常利益は、391百万円の経常損失(前期比330百万円の改善)となりました。これは営業利益が300百万円改善したことに加え、前連結会計年度に実施したSFLのリファイナンス及びSFLの事業撤退により支払利息が187百万円減少したことによります。なお持分法適用関連会社であるBeijing XinBang Daikokuya Trading Corporation Ltd.の業績に基づき、持分法による投資損失156百万円を計上しております。
また、特別利益については、大黒屋において上野店の立ち退きに伴う特別利益(受取補償金)120百万円を計上しました。一方特別損失については、SFLの事業撤退及び当社と大黒屋を加え特別損失(減損損失122百万円、貸倒損失399百万円、事業整理損983百万円及び事業整理損失引当金繰入額46百万円)を計上しました。
以上の結果、当社グループの税金等調整前当期純利益につきましては1,706百万円の損失(前期比966百万円の悪化)となりました。
また、大黒屋の法人税等の負担等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,844百万円の損失(前期比804百万円の悪化)となりました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下の通りであります。
イ.質屋、古物売買業
当連結会計年度における質屋・古物売買業の売上高及び営業利益は、それぞれ16,936百万円(前期比15.5%減)、537百万円(前期比88.4%増)となりました。
その主な要因につきましては、業績の状況にて記載しましたように、大黒屋及びSFLにおいて売上高の減少となりましたが、SFLの事業撤退により当第3四半期以降の営業損失の発生を削減できたことによるものです。
ロ.電機事業
当連結会計年度における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ333百万円(前期比15.2%減)、65百万円(前期比48.2%減)となりました。
電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事などは年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業など、より一層厳しい環境が続いており、当社の電機事業にも大きな影響を与えています。
このような状況の下、当社電機事業部門におきましては、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行うとともに、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
(2)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,793百万円となり、前連結会計年度末から287百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、803百万円(前年同期は、657百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,706百万円及び法人税等の支払374百万円に対し、売上債権の減少1,261百万円、たな卸資産の減少1,013百万円、貸倒損失399百万円、持分法による投資損失156百万円、減損損失122百万円が影響を与えております。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動の結果取得した資金は、50百万円(前年同期は、130百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入174百万円に対し、有形固定資産の取得による支出122百万円が影響を与えております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,155百万円(前年同期は、1,050百万円の支出)となりました。これは、主に、長期借入金の返済1,755百万円に対し、短期借入金の増加600百万円が影響を与えております。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、質屋、古物売買業セグメントにおいて連結子会社であるSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDが事業の撤退を決定したことによるものであります。
③受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格に基づいており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格に基づいております。
2.当連結会計年度において販売実績に著しい変動がありました。これは、質屋、古物売買業セグメントにおいて連結子会社であるSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDが事業の撤退を決定したことによるものであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際しましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」 に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、 「業績等の概要 (1)業績」 に記載のとおりであります。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度における、資産、負債及び純資産の状況は以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、7,646百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,037百万円の減少となりました。その主な内訳としては、現金及び預金が1,793百万円(前期比287百万円減少)、営業貸付金が1,963百万円(前期比1,085百万円減少)、商品及び製品が2,771百万円(前期比1,024百万円減少)、その他の流動資産が685百万円(前期比449百万円減少)、であります。なお、これら流動資産の減少は主にSFLの事業撤退によるものであります。固定資産は1,669百万円となり、前連結会計年度末に比べ488百万円の減少となりました。その内訳としては有形固定資産が309百万円(前期比118百万円減少)、無形固定資産が476百万円(前期比83百万円減少)、投資その他の資産が883百万円(前期比287百万円減少)であります。なお、これら固定資産の減少は主に有形固定資産及び無形固定資産の償却が進捗したこと及びBeijing XinBang Daikokuya Trading Corporation Ltd.の業績に基づき、持分法による投資損失156百万円を計上したことによるものであります。
この結果、総資産は9,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,526百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,813百万円の増加となりました。その主な内訳としては、短期借入金が3,000百万円(前期比600百万円増加)、1年内返済予定の長期借入金が2,900百万円(前期比2,510百万円増加)であります。なお、一年内返済予定の長期借入金が増加したのは、長期借入金の返済予定日が1年以内となったことによるものです。固定負債は86百万円となり前連結会計年度末に比べ4,274百万円の減少となりました。
なお、長期借入金については返済期日が近づいておりますが、現在借り換えについて金融機関との調整を進めております。
この結果、負債合計は、6,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,460百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,065百万円の減少となりました。その主な内訳としては、資本金が2,955百万円(前期期比0百万円増)、資本剰余金が1,003百万円(前期比0百万円増)、利益剰余金△1,075百万円(前期比1,844百万円減少)為替換算調整勘定△958百万円(前期比73百万円減少)となっております。
この結果、自己資本比率は20.6%(前連結会計年度末は29.9%)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)当期のキャッシュ・フローの概況」 に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成30年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
②資金需要の主な内容
当社グループの経常的な資金需要のうち主なものは、電機事業における製品製造のための原材料購入、外注費用及び製造経費、質屋、古物売買業における中古ブランド品の買取及び質草を担保とした資金の貸付け、その他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
当社グループは、営業キャッシュ・フローや金融機関からの借入れ、必要に応じて株式発行等を行い、十分な資金を確保し財政基盤を強化してまいります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。
(1)業績
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いていましたが、米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱、中東地域を巡る情勢等国際情勢に端を発する世界経済の下振れリスク、これらに加え、東京オリンピックを控える中、当第4四半期に発生したCOVID19拡大により国内外経済に与える影響の長期化・深刻化への懸念が高まっており、先行きにはより一層の不透明感が広がっております。
このような環境下、当社グループでは、大黒屋を中心に既存のブランド中古品の買取販売業及び質屋業に加え、安定的な収益機会が得られ今後成長の望める、シルバー層向け顧客の取り込みを図るべく、更なる中古品の買取販売、質屋業の展開に注力して参りました。
また、日本国内における一般顧客への質屋業本来の役割への原点回帰を図るべく事業ポートフォリオの再編及び資源の選択と集中を進めると共に、当社グループの主力顧客先でもある中国向けに買取販売事業を強化すべく体制見直しを行って参りました。
国内においては、当社グループの根幹会社である大黒屋において、創業70年で培ったブランドとノウハウを基盤に全国で26店舗を展開しており、平成31年4月に銀座中央通り店にて従来からの古物売買業に加え新たに質屋事業を開始し、同年8月には上野店をより店舗面積の広い立地に移転しました。また、新宿駅周辺については現行の2店舗体制(新宿本店、新宿二番館)から新宿駅周辺を南北に縦断する3店舗体制(新宿本店、新宿二番館、新宿東南口店)へと変更を進めております。更に、古物営業法の改訂に伴い、千葉県下においてスマートコミュニティ社と提携し同社敷地内にシルバー層をターゲットとした臨時出店を図る等、新たな顧客層の開拓に努めております。
一方国外におきましては、中国市場での中古ブランド品事業拡大に向け、当連結会計年度よりAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババグループ」という。)が運営する「魅力恵」APPでの当社商品の掲載、販売を開始いたしました。今後、中国事業を再編し、更に中国での買取販売事業を強化していく予定です。
また、英国のSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDを中心とするグループ(以下、「SFL」という。)につきましては、先に公表しました通り同国の質金融大手 Harvey & Thompson Limitedに譲渡し、事業撤退を進めております。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は17,270百万円(前期比3,168百万円減、同15.5%減)となりました。
その主な要因は以下の通りであります。
まず、SFL事業において、先に公表しました通り当第2四半期連結会計年度末より事業撤退を進めて参りました結果、その効果が反映され同事業の売上高は1,512百万円(前期比1,791百万円減、同54.2%減)にとどまりました。
次に、当社グループの根幹会社である大黒屋においては、大黒屋の当連結会計年度の売上高は15,455百万円(前期比1,356百万円減、同8.1%減)となりました。この要因は当第3四半期までは、国内景気が回復傾向にあり、為替変動が小幅に推移しており、売上高は堅調に推移しておりましが、当第4四半期以降に発生したCOVID19の拡大による外国観光客の減少や外出自粛の影響があり売上高は伸び悩みました。主に当第4四半期以降の外出自粛の影響により、店舗商品売上高(リアル店舗のよる販売の事:以下「リアル」という。)が前期比1,756百万円の減少(同15.0%減)となりました。一方で店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売の事:以下「ネット」という。)については広告効率の改善などの継続的なEC販売の強化活動に加え、外出自粛の影響による追い風を受け前期比78百万円の増加(同7.2%増)となっております。また、本部商品売上高(古物業者市場等への販売のこと)については、COVID19の影響によるブランド品相場の下落を見込んで1月以降、市場で売却し早期の在庫圧縮を図ったことで、通期306百万円の増加(同10.6%増)となりました。一方併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に密着していることから、順調に推移し質料(貸付金利息)は919百万円(前期比29百万円増、同3.4%増)となりました。なお、質屋業はCOVID19の影響下でも顧客の逼迫した金繰り要請に応える事が出来、増収が見込まれます。
(利益)
当社グループの営業利益は136百万円(前期比300百万円の改善)となりましたが、その主な要因は以下の通りであります。
まず、SFL事業において事業撤退を進めて参りました結果、営業利益は286百万円の営業損失(前期比459百万円の改善)にとどまり、当社グループ全体としての営業利益は強化されております。
次に、大黒屋においては、営業利益は、800百万円(前期比227百万円減、同22.2%減)となりました。大黒屋の売上総利益は4,141百万円(前期比366百万円減、同8.1%減)となりました。この要因は店舗商品売上総利益(リアル)が売上高の減少に伴い前期比387百万円の減少(同13.1%減)となったことによるものです。一方で店舗商品売上総利益(ネット)については前期比12百万円の増加(同3.7%増)となっております。また、本部商品売上高の粗利益については、前期比37百万円の減少(同7.1%減)となっておりますが、COVID19の影響でブランド品相場が下落傾向にあった1月以降に早期の在庫圧縮を進めた結果、令和元年12月末比960百万円在庫(同比26.0%減少)を減らした事で商品評価損を回避し在庫回転率及び粗利益率の著しい悪化を防ぐ事が出来ました。また質料(貸付金利息)が29百万円の前期比増加(同3.4%増)となりました。なお、質料収入はそのすべてが粗利益となります。
大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に引き続き、広告宣伝を積極的に行いつつ費用対効果の観点から広告宣伝効率を改善しコスト削減に取組んだ結果、3,341百万円(前期比139百万円減、同3.5%減)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、年間償却費541百万円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。その結果、大黒屋の営業利益は、800百万円(前期比227百万円減、同22.2%減)となりました。
当社グループの経常利益は、391百万円の経常損失(前期比330百万円の改善)となりました。これは営業利益が300百万円改善したことに加え、前連結会計年度に実施したSFLのリファイナンス及びSFLの事業撤退により支払利息が187百万円減少したことによります。なお持分法適用関連会社であるBeijing XinBang Daikokuya Trading Corporation Ltd.の業績に基づき、持分法による投資損失156百万円を計上しております。
また、特別利益については、大黒屋において上野店の立ち退きに伴う特別利益(受取補償金)120百万円を計上しました。一方特別損失については、SFLの事業撤退及び当社と大黒屋を加え特別損失(減損損失122百万円、貸倒損失399百万円、事業整理損983百万円及び事業整理損失引当金繰入額46百万円)を計上しました。
以上の結果、当社グループの税金等調整前当期純利益につきましては1,706百万円の損失(前期比966百万円の悪化)となりました。
また、大黒屋の法人税等の負担等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,844百万円の損失(前期比804百万円の悪化)となりました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下の通りであります。
イ.質屋、古物売買業
当連結会計年度における質屋・古物売買業の売上高及び営業利益は、それぞれ16,936百万円(前期比15.5%減)、537百万円(前期比88.4%増)となりました。
その主な要因につきましては、業績の状況にて記載しましたように、大黒屋及びSFLにおいて売上高の減少となりましたが、SFLの事業撤退により当第3四半期以降の営業損失の発生を削減できたことによるものです。
ロ.電機事業
当連結会計年度における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ333百万円(前期比15.2%減)、65百万円(前期比48.2%減)となりました。
電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事などは年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業など、より一層厳しい環境が続いており、当社の電機事業にも大きな影響を与えています。
このような状況の下、当社電機事業部門におきましては、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行うとともに、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
(2)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,793百万円となり、前連結会計年度末から287百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、803百万円(前年同期は、657百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,706百万円及び法人税等の支払374百万円に対し、売上債権の減少1,261百万円、たな卸資産の減少1,013百万円、貸倒損失399百万円、持分法による投資損失156百万円、減損損失122百万円が影響を与えております。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動の結果取得した資金は、50百万円(前年同期は、130百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入174百万円に対し、有形固定資産の取得による支出122百万円が影響を与えております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,155百万円(前年同期は、1,050百万円の支出)となりました。これは、主に、長期借入金の返済1,755百万円に対し、短期借入金の増加600百万円が影響を与えております。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 176,782 | △11.9 | |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 50,908 | △5.2 | |
| 質屋、古物売買業(千円) | 10,931,590 | △18.4 | |
| 合計(千円) | 10,982,498 | △18.4 | |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、質屋、古物売買業セグメントにおいて連結子会社であるSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDが事業の撤退を決定したことによるものであります。
③受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 339,442 | △8.3 | 41,582 | 16.7 | |
(注)1.金額は販売価格に基づいており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 333,491 | △15.2 | |
| 質屋、古物売買業(千円) | 16,936,917 | △15.5 | |
| 報告セグメント計(千円) | 17,270,409 | △15.5 | |
| その他(千円) | 114 | △85.6 | |
| 合計 | 17,270,523 | △15.5 | |
(注)1.金額は販売価格に基づいております。
2.当連結会計年度において販売実績に著しい変動がありました。これは、質屋、古物売買業セグメントにおいて連結子会社であるSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDが事業の撤退を決定したことによるものであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際しましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」 に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、 「業績等の概要 (1)業績」 に記載のとおりであります。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度における、資産、負債及び純資産の状況は以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、7,646百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,037百万円の減少となりました。その主な内訳としては、現金及び預金が1,793百万円(前期比287百万円減少)、営業貸付金が1,963百万円(前期比1,085百万円減少)、商品及び製品が2,771百万円(前期比1,024百万円減少)、その他の流動資産が685百万円(前期比449百万円減少)、であります。なお、これら流動資産の減少は主にSFLの事業撤退によるものであります。固定資産は1,669百万円となり、前連結会計年度末に比べ488百万円の減少となりました。その内訳としては有形固定資産が309百万円(前期比118百万円減少)、無形固定資産が476百万円(前期比83百万円減少)、投資その他の資産が883百万円(前期比287百万円減少)であります。なお、これら固定資産の減少は主に有形固定資産及び無形固定資産の償却が進捗したこと及びBeijing XinBang Daikokuya Trading Corporation Ltd.の業績に基づき、持分法による投資損失156百万円を計上したことによるものであります。
この結果、総資産は9,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,526百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,813百万円の増加となりました。その主な内訳としては、短期借入金が3,000百万円(前期比600百万円増加)、1年内返済予定の長期借入金が2,900百万円(前期比2,510百万円増加)であります。なお、一年内返済予定の長期借入金が増加したのは、長期借入金の返済予定日が1年以内となったことによるものです。固定負債は86百万円となり前連結会計年度末に比べ4,274百万円の減少となりました。
なお、長期借入金については返済期日が近づいておりますが、現在借り換えについて金融機関との調整を進めております。
この結果、負債合計は、6,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,460百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,065百万円の減少となりました。その主な内訳としては、資本金が2,955百万円(前期期比0百万円増)、資本剰余金が1,003百万円(前期比0百万円増)、利益剰余金△1,075百万円(前期比1,844百万円減少)為替換算調整勘定△958百万円(前期比73百万円減少)となっております。
この結果、自己資本比率は20.6%(前連結会計年度末は29.9%)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)当期のキャッシュ・フローの概況」 に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成28年 3月期 | 平成29年 3月期 | 平成30年 3月期 | 平成31年 3月期 | 令和2年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 27.8 | 27.6 | 28.3 | 29.9 | 20.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 40.1 | 48.3 | 45.3 | 26.4 | 23.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 8.9 | 14.6 | - | 10.7 | 7.3 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 3.5 | 1.4 | - | 1.9 | 4.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成30年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
②資金需要の主な内容
当社グループの経常的な資金需要のうち主なものは、電機事業における製品製造のための原材料購入、外注費用及び製造経費、質屋、古物売買業における中古ブランド品の買取及び質草を担保とした資金の貸付け、その他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
当社グループは、営業キャッシュ・フローや金融機関からの借入れ、必要に応じて株式発行等を行い、十分な資金を確保し財政基盤を強化してまいります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。