有価証券報告書-第112期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス(以下「COVID-19」といいます。)感染症の世界的拡大によるインバウンド需要の低迷、緊急事態宣言の発令や外出自粛・休業要請等で経済活動が制限され上半期の景気は大きく落ち込みました。下半期にかけて一部景気の持ち直しの動きがみられましたが、感染再拡大に伴う度重なる緊急事態宣言等による個人行動規制や営業規制の強化の影響もあり景気動向の先行きは極めて不透明な状況にありました。
このようなコロナ禍の中にあって、当社グループでは、株式会社大黒屋(以下「大黒屋」という。)を中心に既存のブランド中古品の買取販売業及び質屋業に加え、今回のコロナ禍を奇貨として、当社グループの従来の方針であるグローバリゼーションへの対応を強化する機会と捉え、既存店舗での買取販売業務に加え、ウイズ・コロナ、ポスト・コロナを見据えた買取販売事業をオンライン・オフライン上で一元管理するため、従来のオフライン事業に加えて、オンライン業務強化の遅れを改善すべくネット事業を強化するために新たにシステムを再構築し、セールスフォースを中心としたオムニチャンネル・マーケティングの強化を図って参りました。買取販売に関しても当社グループの方針の下、グローバル化に呼応し、OVID-19からいち早く経済が再生した中国に向けた越境ECの強化、ライブ配信の強化等の基盤作りによって、COVID-19等の外部要因に向けて事業の対応能力の強化に努めて参りました。
国内においては、当社グループの根幹会社である大黒屋において、創業70有余年で培ったブランドとノウハウを基盤に全国で24店舗を展開しており、コロナ禍に於ける庶民の資金ニーズ及び換金ニーズに応えるべく、従来の庶民金融である質屋事業に合わせて、訪問買取及びオンライン買取を強化すべくサイトの改修に注力して参りました。その一環としてオンライン買取のUTTAを開始しました。
一方国外におきましては、中国市場での中古ブランド品事業拡大に向け、当連結会計年度よりAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババグループ」という。)が運営する「魅力恵」APPで当社グループ商品の掲載、販売を開始いたしました。当社に於いてはCOVID-19がいち早く経済が回復した中国市場に向け、同国内に於ける顧客のブランド品買取販売需要に応えるべく、上海黛庫商業有限公司(当社の100%子会社)を上海市に設立しました。一方、同社設立に合わせて、従来の店舗型合弁事業を精算しました。今後、2025年には世界のブランド品販売市場の50%強を占めると云われている同国でのビジネス展開は必須と考え、同国に於ける当社グループの長年に亘って培った知名度や真贋鑑定力を評価され、アリババグループのkaola上での買取販売を開始します。既に、アリババグループを始め、TikTok, RED等で取引口座を開設し、オンライン上での買取販売のライブも含めマーケティングを開始しており、同国内で買取販売をオンラインを中心に展開していく予定です。今後当社グループが積極的に展開していく、kaolaでの越境EC上では既に多数の商品を掲載され当社現地法人の同社のマーケッティング活動により、越境EC販売が開始展開される見込みです。当社グループでは、既にアリババグループの越境ECで当社グループの数多くの商品を掲載開始しており、今回本展開に際してアリババグループから同社が戦略的パートナーとして認定されました。これはこれまでの同国に於ける事業展開の当社グループの努力の賜であり、今後同国において更なる事業の成長が見込めます。同時に当社グループでは、同国の他のグローバルサイト上での中古ブランド品の連携販売を開始しました。当社の強みはコロナ禍に於いて100%子会社の中国現地法人を設立した事により、ただ単にサイトに商品を載せるだけではなく、当社グループのブランディング及びマーケティング戦略の一貫した活動を伴う事で、越境EC、同国内に於ける買取販売を更に強化出来る事にあります。
また、英国のSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDを中心とするグループ(以下、「SFL」という。)につきましては、先に公表しました通り同国の質金融大手 Harvey & Thompson Limitedに譲渡し、同国におけるコロナ下に於いても114店舗の撤退をほぼ終了し、事業撤退をほぼ完了させました。そのため、前期に於いては英国事業の損益が連結損益に影響してきましたが、今後は営業利益段階での連結利益に対してマイナスの影響が軽減化されることにより、結果として当社連結営業利益は大いに改善されると思料されます。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は12,606百万円(前期比4,664百万円減、同27.0%減)となりました。
その主な要因は以下の通りであります。
当社グループの根幹会社である大黒屋においては、COVID-19に伴うインバウンド需要の低迷よる免税売上減及び外出自粛よる国内売上の影響が大きく、当第3四半期までは、国内景気が回復傾向にあり、為替変動が小幅に推移し、売上高は堅調に推移しておりましたが、当第4四半期以降に発生したCOVID-19の再拡大によりそれまでの売上高の減少を補填するまでに至らず当連結会計年度の売上高は12,319百万円(前期比3,136百万円減、同20.3%減)となりました。その内訳としましては、主に当第4四半期以降の外出自粛の影響により、リアル店舗商品売上高(リアル店舗のよる販売の事:以下「リアル」という。)が前期比2,896百万円の減少(同28.9%減)となりました。一方でネット店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売の事:以下「ネット」という。)については広告効率の改善などの継続的なEC販売の強化活動に加え、外出自粛の影響による追い風を受けた事で、ネットサイトの改修等により一時的に売上高が落込んだものの前期比523百万円の増加(同44.3%増)となりました。また、本部商品売上高(古物業者市場等への販売の事)については、COVID-19の影響によるブランド品相場の下落を見込んで前連結会計年度の第4半期以降、市場で売却し早期の在庫圧縮を図ったことで、通期697百万円の減少(同21.9%減)に留まりました。一方併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に密着していることから、コロナ禍で減少幅は抑えられ質料(貸付金利息)は817百万円(前期比102百万円減、同11.1%減)となりました。なお、質屋業はCOVID-19の影響下でも顧客の逼迫した金繰り要請に応える事が出来、増収が見込まれます。
事業撤退を進めている英国のSFLにおいてはHarvey & Thompson Limitedに譲渡した事から当連結会計年度における売上高は発生せず前期比1,512 百万円減の減少となりました。
(利益)
当社グループの営業損失は352百万円(前期比488百万円の悪化)となりましたが、その主な要因は以下の通りであります。
大黒屋における同社の売上総利益は3,031百万円(前期比1,110百万円減、同26.8%減)となりました。この要因は店舗商品売上総利益(リアル)が売上高の減少に伴い前期比1,220百万円の減少(同47.8%減)となったことによるものです。一方で店舗商品売上総利益(ネット)については前期比133百万円の増加(同38.1%増)となっております。ネットでの売上総利益の増加が店舗での売上総利益の一部をカバーした結果となりました。また質料(貸付金利息)が102百万円の前期比減少(同11.1%減)となりましたが、質料収入はそのすべてが粗利益となります。
大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に引き続き、広告宣伝を積極的に行いつつ費用対効果の観点から広告宣伝効率を改善しコスト削減に取組んだ結果、3,075百万円(前期比267百万円減、同8.0%減)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、年間償却費541百万円減円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。その結果、大黒屋の営業損失は、44百万円(前期比844百万円減)となりました。
一方、SFLにおいては譲渡により営業利益は発生しておりません。
当社グループの経常利益は、712百万円の経常損失(前期比320百万円の悪化)となりました。その主な要因は営業利益が488百万円悪化した事に加えて、大黒屋においてリファイナンスに伴う金融手数料が発生したこと等により大黒屋の営業外費用が228百万円増加した一方で、SFLの精算を進めたことによる支払利息等の減少188百万円及び為替差益16百万円の計上、更に前連結会計年度において持分法投資損失を156百万円を計上していた影響によるものです。
特別利益については、当連結会計年度において発生しておりません。
特別損失については、主なものとしてSFLの事業撤退に伴う事業整理損失37百万円を計上しました。
以上の結果、当社グループの税金等調整前当期純利益につきましては771百万円の損失(前期比935百万円の損失減少)となり大幅に改善しました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、716百万円の損失(前期比1,127百万円の損失減少)となり大幅に改善しました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下の通りであります。
イ.質屋、古物売買業
当連結会計年度における質屋・古物売買業の売上高及び営業損失は、それぞれ12,319百万円(前期比前期比4,617百万円減)、64百万円(前期比602百万円減)となりました。
その主な要因につきましては、経営成績の概況にて記載しましたように、SFLの譲渡に伴い、当連結会計年度において同社の売上及び営業利益が発生しなかった事に加えて、大黒屋においてCOVID-19に伴うインバウンド需要の低迷よる免税売上減及び外出自粛よる国内売上の影響が大きく売上及営業利益の減少を期を通じて補填するまでに至らなかった為です。
ロ.電機事業
当連結会計年度における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ287百万円(前期比46百万円減)、64百万円(前期比0百万円減)となりました。
電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事等は年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業等、より一層厳しい環境が続いており、当社の電機事業にも大きな影響を与えています。
このような状況の下、当社電機事業部門におきましては、大正4年創業以来百有余年に亘り培ってきた“防爆の森電機”としてのノウハウを活かすと共に、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行い、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
(2)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,003百万円となり、前連結会計年度末から789百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、398百万円のキャッシュアウト(前年同期は、803百万円のキャッシュイン)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失771百万円に、売上債権の減少303百万円、たな卸資産の増加203百万円が影響を与えております。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1百万円(前年同期は、50百万円の取得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円に対し、差入保証金の回収による収入14百万円が影響を与えております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、400百万円(前年同期は、1,155百万円の支出)となりました。これは、主に、長期借入金の返済2,900百万円に対し、長期借入れによる収入2,000百万円、短期借入金の増加500百万円が影響を与えております。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格に基づいており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格に基づいております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際しましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、 「業績等の概要 (1)業績」 に記載のとおりであります。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度における、資産、負債及び純資産の状況は以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、6,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,142百万円の減少となりました。その主な内訳としては、現金及び預金が1,003百万円(前期比789百万円減少)、営業貸付金が1,615百万円(前期比348百万円減少)、商品及び製品が2,977百万円(前期比206百万円増加)、その他の流動資産が422百万円(前期比262百万円減少)、であります。これらの流動資産の減少は大黒屋の売上減少によるものです。
固定資産は1,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ66百万円の減少となりました。その内訳としては有形固定資産が263百万円(前期比46百万円減少)、無形固定資産が432百万円(前期比43百万円減少)、投資その他の資産が906百万円(前期比23百万円増加)であります。なお、これら固定資産の減少は主に有形及び無形固定資産の償却が進捗した事によるものです。
この結果、総資産は8,107百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,208百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,645百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,042百万円の減少となりました。その主な内訳としては、短期借入金が3,500百万円(前期比500百万円増加)、1年内返済予定の長期借入金が400百万円(前期比2,500百万円減少)であります。なお、これら借入金につきましては、大黒屋において昨年10月に銀行団との間で5,500百万円借り換えがなされたものでその借入金の期間により長短に分けて表示しています。
固定負債は1,692百万円となり前連結会計年度末に比べ1,605百万円の増加となりました。その主な内訳としては長期借入金1,600百万円であります。
この結果、負債合計は、6,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ436百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ771百万円の減少となりました。その主な内訳としては、資本金が2,955百万円、資本剰余金が1,003百万円、利益剰余金△1,792百万円(前期比716百万円減少)為替換算調整勘定△993百万円(前期比35百万円減少)となっております。
この結果、自己資本比率は14.4%(前連結会計年度末は20.6%)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)当期のキャッシュ・フローの概況」 に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成30年3月期並びに令和3年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
②資金需要の主な内容
当社グループの経常的な資金需要のうち主なものは、電機事業における製品製造のための原材料購入、外注費用及び製造経費、質屋、古物売買業における中古ブランド品の買取及び質草を担保とした資金の貸付け、その他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
当社グループは、営業キャッシュ・フローや金融機関からの借入れ、必要に応じて株式発行等を行い、十分な資金を確保し財政基盤を強化してまいります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。
(1)業績
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス(以下「COVID-19」といいます。)感染症の世界的拡大によるインバウンド需要の低迷、緊急事態宣言の発令や外出自粛・休業要請等で経済活動が制限され上半期の景気は大きく落ち込みました。下半期にかけて一部景気の持ち直しの動きがみられましたが、感染再拡大に伴う度重なる緊急事態宣言等による個人行動規制や営業規制の強化の影響もあり景気動向の先行きは極めて不透明な状況にありました。
このようなコロナ禍の中にあって、当社グループでは、株式会社大黒屋(以下「大黒屋」という。)を中心に既存のブランド中古品の買取販売業及び質屋業に加え、今回のコロナ禍を奇貨として、当社グループの従来の方針であるグローバリゼーションへの対応を強化する機会と捉え、既存店舗での買取販売業務に加え、ウイズ・コロナ、ポスト・コロナを見据えた買取販売事業をオンライン・オフライン上で一元管理するため、従来のオフライン事業に加えて、オンライン業務強化の遅れを改善すべくネット事業を強化するために新たにシステムを再構築し、セールスフォースを中心としたオムニチャンネル・マーケティングの強化を図って参りました。買取販売に関しても当社グループの方針の下、グローバル化に呼応し、OVID-19からいち早く経済が再生した中国に向けた越境ECの強化、ライブ配信の強化等の基盤作りによって、COVID-19等の外部要因に向けて事業の対応能力の強化に努めて参りました。
国内においては、当社グループの根幹会社である大黒屋において、創業70有余年で培ったブランドとノウハウを基盤に全国で24店舗を展開しており、コロナ禍に於ける庶民の資金ニーズ及び換金ニーズに応えるべく、従来の庶民金融である質屋事業に合わせて、訪問買取及びオンライン買取を強化すべくサイトの改修に注力して参りました。その一環としてオンライン買取のUTTAを開始しました。
一方国外におきましては、中国市場での中古ブランド品事業拡大に向け、当連結会計年度よりAlibaba Group Holding Limited(以下「アリババグループ」という。)が運営する「魅力恵」APPで当社グループ商品の掲載、販売を開始いたしました。当社に於いてはCOVID-19がいち早く経済が回復した中国市場に向け、同国内に於ける顧客のブランド品買取販売需要に応えるべく、上海黛庫商業有限公司(当社の100%子会社)を上海市に設立しました。一方、同社設立に合わせて、従来の店舗型合弁事業を精算しました。今後、2025年には世界のブランド品販売市場の50%強を占めると云われている同国でのビジネス展開は必須と考え、同国に於ける当社グループの長年に亘って培った知名度や真贋鑑定力を評価され、アリババグループのkaola上での買取販売を開始します。既に、アリババグループを始め、TikTok, RED等で取引口座を開設し、オンライン上での買取販売のライブも含めマーケティングを開始しており、同国内で買取販売をオンラインを中心に展開していく予定です。今後当社グループが積極的に展開していく、kaolaでの越境EC上では既に多数の商品を掲載され当社現地法人の同社のマーケッティング活動により、越境EC販売が開始展開される見込みです。当社グループでは、既にアリババグループの越境ECで当社グループの数多くの商品を掲載開始しており、今回本展開に際してアリババグループから同社が戦略的パートナーとして認定されました。これはこれまでの同国に於ける事業展開の当社グループの努力の賜であり、今後同国において更なる事業の成長が見込めます。同時に当社グループでは、同国の他のグローバルサイト上での中古ブランド品の連携販売を開始しました。当社の強みはコロナ禍に於いて100%子会社の中国現地法人を設立した事により、ただ単にサイトに商品を載せるだけではなく、当社グループのブランディング及びマーケティング戦略の一貫した活動を伴う事で、越境EC、同国内に於ける買取販売を更に強化出来る事にあります。
また、英国のSPEEDLOAN FINANCE LIMITEDを中心とするグループ(以下、「SFL」という。)につきましては、先に公表しました通り同国の質金融大手 Harvey & Thompson Limitedに譲渡し、同国におけるコロナ下に於いても114店舗の撤退をほぼ終了し、事業撤退をほぼ完了させました。そのため、前期に於いては英国事業の損益が連結損益に影響してきましたが、今後は営業利益段階での連結利益に対してマイナスの影響が軽減化されることにより、結果として当社連結営業利益は大いに改善されると思料されます。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は12,606百万円(前期比4,664百万円減、同27.0%減)となりました。
その主な要因は以下の通りであります。
当社グループの根幹会社である大黒屋においては、COVID-19に伴うインバウンド需要の低迷よる免税売上減及び外出自粛よる国内売上の影響が大きく、当第3四半期までは、国内景気が回復傾向にあり、為替変動が小幅に推移し、売上高は堅調に推移しておりましたが、当第4四半期以降に発生したCOVID-19の再拡大によりそれまでの売上高の減少を補填するまでに至らず当連結会計年度の売上高は12,319百万円(前期比3,136百万円減、同20.3%減)となりました。その内訳としましては、主に当第4四半期以降の外出自粛の影響により、リアル店舗商品売上高(リアル店舗のよる販売の事:以下「リアル」という。)が前期比2,896百万円の減少(同28.9%減)となりました。一方でネット店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売の事:以下「ネット」という。)については広告効率の改善などの継続的なEC販売の強化活動に加え、外出自粛の影響による追い風を受けた事で、ネットサイトの改修等により一時的に売上高が落込んだものの前期比523百万円の増加(同44.3%増)となりました。また、本部商品売上高(古物業者市場等への販売の事)については、COVID-19の影響によるブランド品相場の下落を見込んで前連結会計年度の第4半期以降、市場で売却し早期の在庫圧縮を図ったことで、通期697百万円の減少(同21.9%減)に留まりました。一方併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に密着していることから、コロナ禍で減少幅は抑えられ質料(貸付金利息)は817百万円(前期比102百万円減、同11.1%減)となりました。なお、質屋業はCOVID-19の影響下でも顧客の逼迫した金繰り要請に応える事が出来、増収が見込まれます。
事業撤退を進めている英国のSFLにおいてはHarvey & Thompson Limitedに譲渡した事から当連結会計年度における売上高は発生せず前期比1,512 百万円減の減少となりました。
(利益)
当社グループの営業損失は352百万円(前期比488百万円の悪化)となりましたが、その主な要因は以下の通りであります。
大黒屋における同社の売上総利益は3,031百万円(前期比1,110百万円減、同26.8%減)となりました。この要因は店舗商品売上総利益(リアル)が売上高の減少に伴い前期比1,220百万円の減少(同47.8%減)となったことによるものです。一方で店舗商品売上総利益(ネット)については前期比133百万円の増加(同38.1%増)となっております。ネットでの売上総利益の増加が店舗での売上総利益の一部をカバーした結果となりました。また質料(貸付金利息)が102百万円の前期比減少(同11.1%減)となりましたが、質料収入はそのすべてが粗利益となります。
大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に引き続き、広告宣伝を積極的に行いつつ費用対効果の観点から広告宣伝効率を改善しコスト削減に取組んだ結果、3,075百万円(前期比267百万円減、同8.0%減)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、年間償却費541百万円減円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。その結果、大黒屋の営業損失は、44百万円(前期比844百万円減)となりました。
一方、SFLにおいては譲渡により営業利益は発生しておりません。
当社グループの経常利益は、712百万円の経常損失(前期比320百万円の悪化)となりました。その主な要因は営業利益が488百万円悪化した事に加えて、大黒屋においてリファイナンスに伴う金融手数料が発生したこと等により大黒屋の営業外費用が228百万円増加した一方で、SFLの精算を進めたことによる支払利息等の減少188百万円及び為替差益16百万円の計上、更に前連結会計年度において持分法投資損失を156百万円を計上していた影響によるものです。
特別利益については、当連結会計年度において発生しておりません。
特別損失については、主なものとしてSFLの事業撤退に伴う事業整理損失37百万円を計上しました。
以上の結果、当社グループの税金等調整前当期純利益につきましては771百万円の損失(前期比935百万円の損失減少)となり大幅に改善しました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、716百万円の損失(前期比1,127百万円の損失減少)となり大幅に改善しました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下の通りであります。
イ.質屋、古物売買業
当連結会計年度における質屋・古物売買業の売上高及び営業損失は、それぞれ12,319百万円(前期比前期比4,617百万円減)、64百万円(前期比602百万円減)となりました。
その主な要因につきましては、経営成績の概況にて記載しましたように、SFLの譲渡に伴い、当連結会計年度において同社の売上及び営業利益が発生しなかった事に加えて、大黒屋においてCOVID-19に伴うインバウンド需要の低迷よる免税売上減及び外出自粛よる国内売上の影響が大きく売上及営業利益の減少を期を通じて補填するまでに至らなかった為です。
ロ.電機事業
当連結会計年度における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ287百万円(前期比46百万円減)、64百万円(前期比0百万円減)となりました。
電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事等は年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業等、より一層厳しい環境が続いており、当社の電機事業にも大きな影響を与えています。
このような状況の下、当社電機事業部門におきましては、大正4年創業以来百有余年に亘り培ってきた“防爆の森電機”としてのノウハウを活かすと共に、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行い、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
(2)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、1,003百万円となり、前連結会計年度末から789百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、398百万円のキャッシュアウト(前年同期は、803百万円のキャッシュイン)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失771百万円に、売上債権の減少303百万円、たな卸資産の増加203百万円が影響を与えております。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1百万円(前年同期は、50百万円の取得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円に対し、差入保証金の回収による収入14百万円が影響を与えております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、400百万円(前年同期は、1,155百万円の支出)となりました。これは、主に、長期借入金の返済2,900百万円に対し、長期借入れによる収入2,000百万円、短期借入金の増加500百万円が影響を与えております。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 144,113 | △18.5 | |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 43,649 | △14.3 | |
| 質屋、古物売買業(千円) | 9,499,468 | △13.1 | |
| 合計(千円) | 9,543,118 | △13.1 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 288,226 | △15.1 | 42,679 | 2.6 | |
(注)1.金額は販売価格に基づいており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 令和2年4月1日 至 令和3年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電機事業(千円) | 287,129 | △13.9 | |
| 質屋、古物売買業(千円) | 12,319,350 | △27.3 | |
| 報告セグメント計(千円) | 12,606,480 | △27.0 | |
| その他(千円) | - | △100.0 | |
| 合計 | 12,606,480 | △27.0 | |
(注)金額は販売価格に基づいております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際しましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、 「業績等の概要 (1)業績」 に記載のとおりであります。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度における、資産、負債及び純資産の状況は以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、6,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,142百万円の減少となりました。その主な内訳としては、現金及び預金が1,003百万円(前期比789百万円減少)、営業貸付金が1,615百万円(前期比348百万円減少)、商品及び製品が2,977百万円(前期比206百万円増加)、その他の流動資産が422百万円(前期比262百万円減少)、であります。これらの流動資産の減少は大黒屋の売上減少によるものです。
固定資産は1,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ66百万円の減少となりました。その内訳としては有形固定資産が263百万円(前期比46百万円減少)、無形固定資産が432百万円(前期比43百万円減少)、投資その他の資産が906百万円(前期比23百万円増加)であります。なお、これら固定資産の減少は主に有形及び無形固定資産の償却が進捗した事によるものです。
この結果、総資産は8,107百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,208百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,645百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,042百万円の減少となりました。その主な内訳としては、短期借入金が3,500百万円(前期比500百万円増加)、1年内返済予定の長期借入金が400百万円(前期比2,500百万円減少)であります。なお、これら借入金につきましては、大黒屋において昨年10月に銀行団との間で5,500百万円借り換えがなされたものでその借入金の期間により長短に分けて表示しています。
固定負債は1,692百万円となり前連結会計年度末に比べ1,605百万円の増加となりました。その主な内訳としては長期借入金1,600百万円であります。
この結果、負債合計は、6,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ436百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ771百万円の減少となりました。その主な内訳としては、資本金が2,955百万円、資本剰余金が1,003百万円、利益剰余金△1,792百万円(前期比716百万円減少)為替換算調整勘定△993百万円(前期比35百万円減少)となっております。
この結果、自己資本比率は14.4%(前連結会計年度末は20.6%)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (2)当期のキャッシュ・フローの概況」 に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成29年 3月期 | 平成30年 3月期 | 平成31年 3月期 | 令和2年 3月期 | 令和3年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 27.6 | 28.3 | 29.9 | 20.6 | 14.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 48.3 | 45.3 | 26.4 | 23.9 | 60.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 14.6 | - | 10.7 | 7.3 | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 1.4 | - | 1.9 | 4.7 | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成30年3月期並びに令和3年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
②資金需要の主な内容
当社グループの経常的な資金需要のうち主なものは、電機事業における製品製造のための原材料購入、外注費用及び製造経費、質屋、古物売買業における中古ブランド品の買取及び質草を担保とした資金の貸付け、その他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
当社グループは、営業キャッシュ・フローや金融機関からの借入れ、必要に応じて株式発行等を行い、十分な資金を確保し財政基盤を強化してまいります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。