有価証券報告書-第60期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/31 9:29
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ210百万円(1.4%)増加の15,674百万円、負債は、前連結会計年度末に比べ102百万円(2.6%)増加の4,050百万円、純資産は、前連結会計年度末に比べ107百万円(0.9%)増加の11,623百万円となりました。
ロ 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大及び長期化の影響により景気が大幅に落ち込みました。5月の緊急事態宣言の解除に伴う経済活動の再開により、一部持ち直しの動きがみられたものの、年末にかけ再び感染が拡大するなど、依然として先の見通せない状況が続いております。
このような事業環境の下、当社グループにおきましては、積極的な人材投資、新規事業創出等を柱とする新中期経営計画をスタートさせました。当連結会計年度は、教育及び人事制度の再構築、並びに事業規模の拡大、効率化、国内外の販売網強化等を図るべく「株式会社シバウラ防災製作所」を子会社化する契約の締結など、将来の経営基盤の強化を図るための投資活動へ積極的に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウィルス感染症の影響が一部にみられたものの、引き続き電力等基幹産業向け設備の需要及び好調な半導体製造装置市場に牽引される形で推移いたしました。しかしながら、2019年9月における海外子会社受注活動停止の影響により、受注高及び売上高は前連結会計年度に比べ減少いたしました。
以上の結果、受注高は9,191百万円(前期比19.1%減)、売上高は9,125百万円(前期比12.1%減)となりました。
利益面におきましては、高付加価値製品の売上高が堅調に推移したこと等により、営業利益は765百万円(前期比6.9%増)、経常利益は838百万円(前期比1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は585百万円(前期比11.2%増)となりました。
なお、新型コロナウィルス感染症による当連結会計年度における業績への影響は軽微であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ、295百万円増加し5,527百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の営業活動によって得られた資金は1,761百万円(前期比962百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益825百万円、売上債権の減少額767百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の投資活動によって使用した資金は944百万円(前期は757百万円の獲得)となりました。これは主に海外子会社における定期預金の預入払戻差額1,173百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は460百万円(前期比467百万円減)となりました。これは主に配当金の支払327百万円によるものであります。
(キャッシュ・フロー指標の推移)
2017年12月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期
自己資本比率(%)64.971.174.574.2
時価ベースの株主資本比率(%)55.252.754.351.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.82.00.90.3
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)124.452.6124.8404.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を採用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
SSP部門698,10989.3
サーマル部門1,469,899136.4
メディカル部門982,10585.0
PWBA部門1,178,39734.1
合計4,328,51166.9
備考(SSP部門)
上記生産実績の外、防災設備工事の施工高は下記のとおりであります。
4,537,925102.2

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 SSP部門の生産高には、防災設備工事で使用する機器も含まれております。
4 防災設備工事の施工高は、当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高を記載しております。
5 繰越施工高は、未成工事支出金より推定したものであります。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
SSP部門5,414,071100.22,864,697101.6
サーマル部門1,442,421123.9265,305121.7
メディカル部門1,263,11096.4344,672107.4
PWBA部門1,071,66730.7145,20674.6
合計9,191,27180.93,619,881101.9

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 SSP部門には、完成工事高も含まれております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
SSP部門5,369,694119.5
サーマル部門1,395,085125.8
メディカル部門1,239,46893.2
PWBA部門1,121,08432.5
合計9,125,33387.9

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 SSP部門には、完成工事高も含まれております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
西華産業株式会社766,3147.41,489,84016.3
東レ・メディカル株式会社1,226,44411.81,176,72112.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績の分析
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
SSP(Safety Security Protection)部門
当該部門におきましては、新型コロナウィルス感染症の影響により、一部で受注が伸び悩む時期があったものの、引き続き特定顧客向け工場設備への特殊消火設備や電力基幹産業向けの警報・消火設備が堅調に推移いたしました。一方で施工関係における人材不足等により、外注費をはじめとする施工コストが増加し、利益率が低下いたしました。
また、産業用の小型感知器につきましては、半導体市場における需要増を背景に売上高が増加いたしました。
以上の結果、受注高は5,414百万円(前期比0.2%増)、売上高は5,369百万円(前期比19.5%増)となりました。
当該部門では、新型コロナウィルス感染症の再拡大に伴う先行きの不透明感はあるものの、既設の消火設備の感知器等の入れ替え、改修工事の提案及び拡販に向け、受注活動を推進してまいります。
また、電力基幹産業向けの警報・消火設備につきましても、引き続き受注活動を継続するとともに課題である人材育成や体制の構築及び利益率改善を図ることにより、増益を見込んでおります。
サーマル部門
当該部門におきましては、次世代通信規格やIoT、AI(人工知能)等への投資の拡大に加え、コロナ禍におけるリモート環境整備への需要の高まり等により、主力製品である半導体製造装置向けの熱板が大きく伸長いたしました。
また、半導体市場全体の需要回復を背景に、その他の制御機器等につきましても堅調に推移いたしました。
以上の結果、受注高は1,442百万円(前期比23.9%増)、売上高は1,395百万円(前期比25.8%増)となりました。
当該部門では、主力製品である熱板及びセンサーなど、半導体市場における次世代通信規格やIoT、AI(人工知能)等への投資拡大を背景とする需要が見込まれ、引き続き堅調に推移するものと予想しており、当連結会計年度に引き続き、増益を見込んでおります。
メディカル部門
当該部門におきましては、主力製品である海外市場向け人工腎臓透析装置及び当該関連製品の出荷が企業間競争の激化及び客先における在庫調整等により減少傾向が続くなど、厳しい状況で推移いたしました。また、国内市場向けの人工腎臓透析装置関連製品につきましても、企業間競争の激化等により厳しい一年となりました。
以上の結果、受注高は1,263百万円(前期比3.6%減)、売上高は1,239百万円(前期比6.8%減)となりました。
当該部門では、主力製品である海外市場向け人工腎臓透析装置の出荷数量の回復を見込んでおります。より一層の客先販売力向上への支援となる原価低減活動を推進するとともに、人工腎臓透析装置以外の新製品の開発・販売等に注力することにより、増益を見込んでおります。
PWBA(Printed Wiring Board Assembly)部門
当該部門におきましては、産業機器、医療機器向け製品は、概ね順調に推移したものの、事務機器市場向け製品は、新型コロナウィルス感染症拡大に伴うリモートワーク増加等の影響を受け、需要が減少したこと及び前連結会計年度における海外子会社の受注活動停止に伴い、連結ベースでの受注高及び売上高は大幅に減少いたしました。
以上の結果、受注高は1,071百万円(前期比69.3%減)、売上高は1,121百万円(前期比67.5%減)となりました。
当該部門では、事務機器市場の低迷が続く中、ユニット製品の需要獲得に向けた受注活動の継続及び産業機器市場における新規開拓に注力いたします。また、価格競争力の強化を図るため、新たな協力会社との提携を進めてまいりますが、若干の減益を見込んでおります。
当社グループにおきましては、2020年度からの中期経営計画の2年目にあたり、中長期的な企業価値向上に重点をおき、経営基盤への積極的な投資を通じて企業体質を強化していくことを基本方針としております。
その一環として当社は、2021年1月に「株式会社シバウラ防災製作所」をグループに迎え入れました。同社は消防ポンプ、小型消防車、保安ポンプ、全自動消火システム等の消防・防災機器の開発・製造・販売を行っており、今後の持続的な成長の実現に向け、既存事業との親和性が高くシナジー効果が見込まれ、当社グループの中長期的成長に寄与するものと考えております。
上記に基づき、2021年12月期は、売上高12,007百万円、営業利益900百万円、経常利益906百万円、親会社株主に帰属する当期純利益618百万円の実現に向けて取り組んでまいります。
また、収益指標として新たにEBITDAマージンを追加し、2023年度末までに12%を目標として掲げております。ROE(自己資本利益率)につきましては、売上・収益の基盤強化を図るとともに資産圧縮により2023年度末までに7%を目標として掲げております。
ロ 財政状態の分析
(資産の状況)
当連結会計年度末の資産合計は、15,674百万円となり、前連結会計年度末15,463百万円に比べ210百万円(1.4%)増加しております。主な増加要因は、売上債権の回収や有価証券の償還等による「現金及び預金」1,428百万円(26.7%)によるものであります。一方、主な減少要因は、売上債権の回収等による「受取手形及び売掛金」403百万円(30.3%)、「電子記録債権」295百万円(22.3%)、有価証券の償還等による「有価証券及び投資有価証券」412百万円(14.9%)によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末の負債合計は、4,050百万円となり、前連結会計年度末3,948百万円に比べ102百万円(2.6%)増加しております。主な増加要因は、運転資金の借入による「短期借入金」300百万円(200.0%)、完成工事高増加に伴う「工事未払金」234百万円(48.6%)によるものであります。一方、主な減少要因は、借入返済による「1年内償還予定の社債」300百万円(90.4%)によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産合計は、11,623百万円となり、前連結会計年度末11,515百万円に比べ107百万円(0.9%)増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益585百万円によるものであります。一方、主な減少要因は、配当金の支払い327百万円及び「為替換算調整勘定」105百万円(63.9%)によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、製造業に関わる部品仕入、外注費、建設業に関わる材料仕入、外注費及び各事業における一般管理費などがあります。また、投資資金の需要としては、中期経営計画に掲げている人材投資、新規事業創出等に係る投資のほか、工場の生産設備及び全社システムのシステム投資等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入又は社債の発行による資金調達も行っております。借入につきましては、金額・期間等を考慮し、必要に応じて金利スワップなどの手段を活用し、金利変動リスクに備えます。充分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要に対しても充分対処できる状況であります。
また、株主に対する継続的で安定的な利益還元を経営上の重要政策に位置づけているため、配当政策として、株主資本と連動した株主資本配当率(DOE)を採用することといたします。企業価値向上のための積極的な投資を実施しつつ、安定的な配当を継続するために株主資本配当率(DOE)3.5%程度を配当総額の目安とし、可能な範囲で積極的な利益還元を実施していく方針であります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。また、この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性あるいはリスクが内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」を参照下さい。
イ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに影響を受けるため、事業環境等の変化により見積り課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ロ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピング行い、収益性が著しく低下した資産グループにつきまして、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
固定資産の回収可能価額につきまして、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

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