有価証券報告書
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。次の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
なお、当社グループは、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で実施している。
(1)財政状態の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの資産は、デンマークのVestas Wind Systems A/S社 (以下、「Vestas社」という。)との合弁会社株式を同社に譲渡するとともにVestas社株式を取得したことなどによりその他の金融資産が増加したものの、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」という。)との和解契約に基づく同社が所有する三菱日立パワーシステムズ㈱(以下、「MHPS」という。)株式の当社への移転に伴い、南アフリカプロジェクトに係る補償資産が全額回収されて減少したことなどにより、前連結会計年度末から1,749億62百万円減少の4兆8,107億27百万円となった。
負債は、上記の日立製作所との和解契約に基づくMHPS株式の当社への移転に伴い、社債、借入金及びその他の金融負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末から3,242億76百万円減少の3兆3,713億37百万円となった。
資本は、親会社の所有者に帰属する持分が増加したことなどにより、前連結会計年度末から1,493億14百万円増加の1兆4,393億90百万円となった。
以上により、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は28.4%(前連結会計年度末の24.4%から+4.0ポイント)となった。
(2)経営成績の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続く中、経済活動が徐々に再開されて回復の兆しを見せつつあった。また、我が国経済も、同調して生産活動の持ち直しが見られるなど年度後半にかけて回復基調にあったが、年度を通しては、世界経済・我が国経済とも、前連結会計年度から大きく下振れした。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの受注高は、前連結会計年度を8,322億97百万円(△20.0%)下回る3兆3,363億92百万円となり、売上収益は、前連結会計年度を3,414億29百万円(△8.4%)下回る3兆6,999億46百万円となった。
事業利益は、プラント・インフラセグメント、エナジーセグメント及び物流・冷熱・ドライブシステムセグメントが減少したものの、航空・防衛・宇宙セグメントが増加したことにより、前連結会計年度から836億19百万円改善して540億81百万円となり、税引前利益も前連結会計年度から820億16百万円改善して493億55百万円となった。
一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度を464億83百万円(△53.4%)下回る406億39百万円となった。これは前連結会計年度において過年度の損失計上分を繰延税金資産に計上したことによるものである。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ア.エナジー
受注高は、前連結会計年度に大型新設案件の受注があったスチームパワーやGTCCが減少したことなどにより、前連結会計年度を4,728億87百万円(△26.7%)下回る1兆2,992億13百万円となった。
売上収益は、スチームパワーや航空機用エンジンが減少したことなどにより、前連結会計年度を442億90百万円(△2.8%)下回る1兆5,460億3百万円となった。
事業利益は、洋上風力発電システム事業関連の株式譲渡益の計上があったものの、スチームパワーにおける工事採算悪化等により、南アフリカプロジェクトに関する係争での和解による一時的な利益があった前連結会計年度を166億83百万円(△11.6%)下回る1,276億99百万円となった。
イ.プラント・インフラ
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けた各国のロックダウンによる商談の停滞等に伴い、商船やエンジニアリング、製鉄機械が減少したことなどにより、前連結会計年度を1,646億88百万円(△22.3%)下回る5,752億81百万円となった。
売上収益は、エンジニアリングや製鉄機械が減少したことなどにより、前連結会計年度を1,556億67百万円(△19.6%)下回る6,372億58百万円となった。
事業損益は、売上減少の影響等により、前連結会計年度から357億57百万円悪化し、102億22百万円の損失となった。
ウ.物流・冷熱・ドライブシステム
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行による景況悪化に伴い、物流機器やターボチャージャが減少したことなどにより、前連結会計年度を1,178億67百万円(△12.0%)下回る8,680億95百万円となった。
売上収益は、物流機器やターボチャージャが減少したことなどにより、前連結会計年度を1,297億97百万円(△13.1%)下回る8,603億7百万円となった。
事業利益は、固定費削減による改善があったものの、売上減少の影響等により、前連結会計年度を137億34百万円(△46.8%)下回る156億13百万円となった。
エ.航空・防衛・宇宙
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行による航空機需要の低迷に伴い、民間航空機が減少したことなどにより、前連結会計年度を929億72百万円(△12.9%)下回る6,262億43百万円となった。
売上収益は、飛しょう体・艦艇等の防衛関連製品が増加したものの、民間航空機が減少したことなどにより、前連結会計年度を28億75百万円(△0.4%)下回る7,021億9百万円となった。
事業損益は、三菱スペースジェット関連資産の減損損失額が減少したことにより、前連結会計年度から1,139億50百万円改善し、948億41百万円の損失となった。
(3)キャッシュ・フローの状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ362億5百万円減少し、2,454億21百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、949億48百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ5,475億12百万円減少した。これは、前連結会計年度において南アフリカプロジェクトに係る補償資産の回収があったことに加え、当連結会計年度において営業債権の増加及び契約負債の減少幅の拡大等で運転資金需要が増加に転じたことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,822億49百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ573億16百万円支出が減少した。これは、事業譲受による支出があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出の減少並びに子会社の取得による支出の減少等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,217億37百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ4,261億90百万円収入が増加した。これは、借入金及び社債の発行による収入の増加等によるものである。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産の実績
(注)1.上記金額は、大型製品については契約金額に工事進捗度を乗じた額、その他の製品については完成数量に販売金額を乗じた額を基に算出計上している。
2.セグメント間の取引については、各セグメントの金額から消去している。
3.「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない生産高である。
4.上記金額には、消費税等は含まれていない。
② 受注の実績
(注)1.受注高については、「エナジー」、「プラント・インフラ」、「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。また、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない受注高を含んでいる。
2.受注残高については、セグメント間の取引を各セグメントの金額から消去しており、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない受注残高である。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
③ 販売の実績
(注)1.「エナジー」、「プラント・インフラ」、「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。また、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない販売金額を含んでいる。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(5)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化及び新規事業立上げに資するための研究開発費が主な内容である。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得が主な内容である。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資や研究開発投資、投資有価証券の取得等を継続していく予定である。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定である。
イ.有利子負債の内訳及び使途
2021年3月31日現在の有利子負債の内訳は下記のとおりである。
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることもあり、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要がある。当社グループは継続的に資産圧縮に努め、期限の到来した借入金を返済してきたものの、受注品事業において過年度に前受金を受領した工事の進捗により支出が増加局面にあることや、民間航空機事業において新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上債権・棚卸資産等が増加したことなどにより、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、償還期限が1年以内のものが3,227億94百万円、償還期限が1年を超えるものが5,828億28百万円となり、合計で9,056億23百万円となった。
これらの有利子負債は事業活動に必要な運転資金、投資資金に使用しており、資金需要が見込まれる火力発電システムのほか、物流機器・冷熱製品を含む中量産品等の伸長分野を中心に使用していく予定である。
ウ.財務政策
当社グループは、運転資金、投資資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債による調達を実施している。
長期借入金、社債等による長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしている。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、営業債権、棚卸資産の圧縮や固定資産の稼働率向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでいる。
自己株式については、事業計画の推進状況、当社の業績見通し、株価動向、財政状況及び金融市場環境等を総合的に勘案して取得を検討していくこととしている。
(6)経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」に記載のとおり、当社グループは、中期経営計画「2018事業計画」に基づき、事業成長と財務健全性のバランスを取った経営により、長期安定的に企業価値を向上させることを目指して事業を遂行してきた。
「2018事業計画」においては、最終年度にあたる当連結会計年度におけるTOPの目標を、売上収益、総資産、時価総額の比率で0.9:1:0.5としていたところ、当連結会計年度の同比率の実績は、0.8:1:0.2となった。
当連結会計年度においては、南アフリカプロジェクトに係る補償資産の全額回収等、総資産の圧縮を進めた。
一方、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による中量産品事業・民間航空機関連事業の急激な市場縮小、スチームパワー大型案件の減少による工場稼働率の低下等により、売上収益や定常収益力が低下しており、特に資産の収益性の低さや、TOPにも表れている時価総額の低迷が今後改善すべき課題であると認識している。
また、財務健全性は、資本に関しては、親会社の所有者に帰属する持分が増加したことなどにより、自己資本比率は上昇した一方で、有利子負債については、売上収益減少に伴うキャッシュ・フローの減少や受注品事業での工事の進捗に伴う支出の増加により、前連結会計年度より増加しており、有利子負債の水準を抑制・圧縮していくことも課題であると認識している。
このような評価を踏まえ、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、「2021事業計画」では、「収益力回復・強化」及び「成長領域の開拓」に優先的に取り組み、TOP達成に向けた事業基盤の確立と、次の中期経営計画「2024事業計画」での飛躍のための基盤づくりを進めていく。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されている。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記「2.作成の基礎 (5)見積り及び判断の利用」及び「3.重要な会計方針」に記載している。
なお、会計上の見積り等に関する新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連
結財務諸表等 (2)その他 ③新型コロナウイルス感染症拡大の影響」における以下の記載のとおりである。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループの民間機事業や中量産品事業等で需要減少に伴う売上収益の減少、工場の生産調整等が生じている。当連結会計年度においては、資産の評価等に当該影響を織り込み、決算数値等に反映させている。本感染症は経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難なことから、当社は外部情報等を踏まえて、事業計画への影響の検討等を行い、製品特性・関連する市場環境等に即した仮定のもと、資産の評価等の会計上の見積りを行っている。
この影響がさらに長期化する場合には、新たな生産調整や、顧客への販売の減少が追加的に生じる可能性もあり、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定について、前連結会計年度から重要な変更を行っていない。
なお、当社グループは、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で実施している。
(1)財政状態の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの資産は、デンマークのVestas Wind Systems A/S社 (以下、「Vestas社」という。)との合弁会社株式を同社に譲渡するとともにVestas社株式を取得したことなどによりその他の金融資産が増加したものの、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」という。)との和解契約に基づく同社が所有する三菱日立パワーシステムズ㈱(以下、「MHPS」という。)株式の当社への移転に伴い、南アフリカプロジェクトに係る補償資産が全額回収されて減少したことなどにより、前連結会計年度末から1,749億62百万円減少の4兆8,107億27百万円となった。
負債は、上記の日立製作所との和解契約に基づくMHPS株式の当社への移転に伴い、社債、借入金及びその他の金融負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末から3,242億76百万円減少の3兆3,713億37百万円となった。
資本は、親会社の所有者に帰属する持分が増加したことなどにより、前連結会計年度末から1,493億14百万円増加の1兆4,393億90百万円となった。
以上により、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は28.4%(前連結会計年度末の24.4%から+4.0ポイント)となった。
(2)経営成績の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続く中、経済活動が徐々に再開されて回復の兆しを見せつつあった。また、我が国経済も、同調して生産活動の持ち直しが見られるなど年度後半にかけて回復基調にあったが、年度を通しては、世界経済・我が国経済とも、前連結会計年度から大きく下振れした。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの受注高は、前連結会計年度を8,322億97百万円(△20.0%)下回る3兆3,363億92百万円となり、売上収益は、前連結会計年度を3,414億29百万円(△8.4%)下回る3兆6,999億46百万円となった。
事業利益は、プラント・インフラセグメント、エナジーセグメント及び物流・冷熱・ドライブシステムセグメントが減少したものの、航空・防衛・宇宙セグメントが増加したことにより、前連結会計年度から836億19百万円改善して540億81百万円となり、税引前利益も前連結会計年度から820億16百万円改善して493億55百万円となった。
一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度を464億83百万円(△53.4%)下回る406億39百万円となった。これは前連結会計年度において過年度の損失計上分を繰延税金資産に計上したことによるものである。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ア.エナジー
受注高は、前連結会計年度に大型新設案件の受注があったスチームパワーやGTCCが減少したことなどにより、前連結会計年度を4,728億87百万円(△26.7%)下回る1兆2,992億13百万円となった。
売上収益は、スチームパワーや航空機用エンジンが減少したことなどにより、前連結会計年度を442億90百万円(△2.8%)下回る1兆5,460億3百万円となった。
事業利益は、洋上風力発電システム事業関連の株式譲渡益の計上があったものの、スチームパワーにおける工事採算悪化等により、南アフリカプロジェクトに関する係争での和解による一時的な利益があった前連結会計年度を166億83百万円(△11.6%)下回る1,276億99百万円となった。
イ.プラント・インフラ
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けた各国のロックダウンによる商談の停滞等に伴い、商船やエンジニアリング、製鉄機械が減少したことなどにより、前連結会計年度を1,646億88百万円(△22.3%)下回る5,752億81百万円となった。
売上収益は、エンジニアリングや製鉄機械が減少したことなどにより、前連結会計年度を1,556億67百万円(△19.6%)下回る6,372億58百万円となった。
事業損益は、売上減少の影響等により、前連結会計年度から357億57百万円悪化し、102億22百万円の損失となった。
ウ.物流・冷熱・ドライブシステム
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行による景況悪化に伴い、物流機器やターボチャージャが減少したことなどにより、前連結会計年度を1,178億67百万円(△12.0%)下回る8,680億95百万円となった。
売上収益は、物流機器やターボチャージャが減少したことなどにより、前連結会計年度を1,297億97百万円(△13.1%)下回る8,603億7百万円となった。
事業利益は、固定費削減による改善があったものの、売上減少の影響等により、前連結会計年度を137億34百万円(△46.8%)下回る156億13百万円となった。
エ.航空・防衛・宇宙
受注高は、新型コロナウイルス感染症の流行による航空機需要の低迷に伴い、民間航空機が減少したことなどにより、前連結会計年度を929億72百万円(△12.9%)下回る6,262億43百万円となった。
売上収益は、飛しょう体・艦艇等の防衛関連製品が増加したものの、民間航空機が減少したことなどにより、前連結会計年度を28億75百万円(△0.4%)下回る7,021億9百万円となった。
事業損益は、三菱スペースジェット関連資産の減損損失額が減少したことにより、前連結会計年度から1,139億50百万円改善し、948億41百万円の損失となった。
(3)キャッシュ・フローの状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ362億5百万円減少し、2,454億21百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、949億48百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ5,475億12百万円減少した。これは、前連結会計年度において南アフリカプロジェクトに係る補償資産の回収があったことに加え、当連結会計年度において営業債権の増加及び契約負債の減少幅の拡大等で運転資金需要が増加に転じたことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,822億49百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ573億16百万円支出が減少した。これは、事業譲受による支出があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出の減少並びに子会社の取得による支出の減少等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,217億37百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ4,261億90百万円収入が増加した。これは、借入金及び社債の発行による収入の増加等によるものである。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産の実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) | |
| エナジー | 1,545,195 | △2.7 |
| プラント・インフラ | 578,588 | △23.2 |
| 物流・冷熱・ドライブシステム | 850,291 | △12.5 |
| 航空・防衛・宇宙 | 699,270 | +0.9 |
| 調整額 | 13,792 | ― |
| 合計 | 3,687,138 | △8.5 |
(注)1.上記金額は、大型製品については契約金額に工事進捗度を乗じた額、その他の製品については完成数量に販売金額を乗じた額を基に算出計上している。
2.セグメント間の取引については、各セグメントの金額から消去している。
3.「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない生産高である。
4.上記金額には、消費税等は含まれていない。
② 受注の実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 受注高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | |
| エナジー | 1,299,213 | △26.7 | 3,228,043 | △6.0 |
| プラント・インフラ | 575,281 | △22.3 | 988,357 | △3.9 |
| 物流・冷熱・ドライブシステム | 868,095 | △12.0 | 36,576 | +24.7 |
| 航空・防衛・宇宙 | 626,243 | △12.9 | 892,863 | △3.9 |
| 調整額 | △32,442 | ― | 259 | ― |
| 合計 | 3,336,392 | △20.0 | 5,146,100 | △5.1 |
(注)1.受注高については、「エナジー」、「プラント・インフラ」、「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。また、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない受注高を含んでいる。
2.受注残高については、セグメント間の取引を各セグメントの金額から消去しており、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない受注残高である。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
③ 販売の実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) | |
| エナジー | 1,546,003 | △2.8 |
| プラント・インフラ | 637,258 | △19.6 |
| 物流・冷熱・ドライブシステム | 860,307 | △13.1 |
| 航空・防衛・宇宙 | 702,109 | △0.4 |
| 調整額 | △45,732 | ― |
| 合計 | 3,699,946 | △8.4 |
(注)1.「エナジー」、「プラント・インフラ」、「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。また、「調整額」の区分は、報告セグメントに含まれない販売金額を含んでいる。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 防衛省 | 349,410 | 8.6 | 400,723 | 10.8 |
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(5)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化及び新規事業立上げに資するための研究開発費が主な内容である。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得が主な内容である。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資や研究開発投資、投資有価証券の取得等を継続していく予定である。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定である。
イ.有利子負債の内訳及び使途
2021年3月31日現在の有利子負債の内訳は下記のとおりである。
| (単位:百万円) |
| 合計 | 償還1年以内 | 償還1年超 | |
| 短期借入金 | 50,527 | 50,527 | ― |
| コマーシャル・ペーパー | 196,000 | 196,000 | ― |
| 長期借入金 | 464,095 | 31,267 | 432,828 |
| 社債 | 195,000 | 45,000 | 150,000 |
| 合計 | 905,623 | 322,794 | 582,828 |
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることもあり、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要がある。当社グループは継続的に資産圧縮に努め、期限の到来した借入金を返済してきたものの、受注品事業において過年度に前受金を受領した工事の進捗により支出が増加局面にあることや、民間航空機事業において新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上債権・棚卸資産等が増加したことなどにより、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、償還期限が1年以内のものが3,227億94百万円、償還期限が1年を超えるものが5,828億28百万円となり、合計で9,056億23百万円となった。
これらの有利子負債は事業活動に必要な運転資金、投資資金に使用しており、資金需要が見込まれる火力発電システムのほか、物流機器・冷熱製品を含む中量産品等の伸長分野を中心に使用していく予定である。
ウ.財務政策
当社グループは、運転資金、投資資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債による調達を実施している。
長期借入金、社債等による長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしている。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、営業債権、棚卸資産の圧縮や固定資産の稼働率向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでいる。
自己株式については、事業計画の推進状況、当社の業績見通し、株価動向、財政状況及び金融市場環境等を総合的に勘案して取得を検討していくこととしている。
(6)経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」に記載のとおり、当社グループは、中期経営計画「2018事業計画」に基づき、事業成長と財務健全性のバランスを取った経営により、長期安定的に企業価値を向上させることを目指して事業を遂行してきた。
「2018事業計画」においては、最終年度にあたる当連結会計年度におけるTOPの目標を、売上収益、総資産、時価総額の比率で0.9:1:0.5としていたところ、当連結会計年度の同比率の実績は、0.8:1:0.2となった。
当連結会計年度においては、南アフリカプロジェクトに係る補償資産の全額回収等、総資産の圧縮を進めた。
一方、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による中量産品事業・民間航空機関連事業の急激な市場縮小、スチームパワー大型案件の減少による工場稼働率の低下等により、売上収益や定常収益力が低下しており、特に資産の収益性の低さや、TOPにも表れている時価総額の低迷が今後改善すべき課題であると認識している。
また、財務健全性は、資本に関しては、親会社の所有者に帰属する持分が増加したことなどにより、自己資本比率は上昇した一方で、有利子負債については、売上収益減少に伴うキャッシュ・フローの減少や受注品事業での工事の進捗に伴う支出の増加により、前連結会計年度より増加しており、有利子負債の水準を抑制・圧縮していくことも課題であると認識している。
このような評価を踏まえ、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、「2021事業計画」では、「収益力回復・強化」及び「成長領域の開拓」に優先的に取り組み、TOP達成に向けた事業基盤の確立と、次の中期経営計画「2024事業計画」での飛躍のための基盤づくりを進めていく。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されている。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記「2.作成の基礎 (5)見積り及び判断の利用」及び「3.重要な会計方針」に記載している。
なお、会計上の見積り等に関する新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連
結財務諸表等 (2)その他 ③新型コロナウイルス感染症拡大の影響」における以下の記載のとおりである。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループの民間機事業や中量産品事業等で需要減少に伴う売上収益の減少、工場の生産調整等が生じている。当連結会計年度においては、資産の評価等に当該影響を織り込み、決算数値等に反映させている。本感染症は経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難なことから、当社は外部情報等を踏まえて、事業計画への影響の検討等を行い、製品特性・関連する市場環境等に即した仮定のもと、資産の評価等の会計上の見積りを行っている。
この影響がさらに長期化する場合には、新たな生産調整や、顧客への販売の減少が追加的に生じる可能性もあり、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定について、前連結会計年度から重要な変更を行っていない。