有価証券報告書

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2020/06/26 13:48
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。次の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
なお、当社グループは、当連結会計年度からIFRS(国際財務報告基準)第16号「リース」を適用しており、前連結会計年度の財務数値は、当該会計基準の遡及適用後の数値に組み替えて表示・比較している。
(1) 財政状態の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの資産は、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」という。)からの和解金の受取りなどによる南アフリカプロジェクトに係る補償資産の減少等により、前連結会計年度末から2,546億63百万円減少の4兆9,856億90百万円となった。
負債は、日立製作所が所有する三菱日立パワーシステムズ株式会社の株式全てを当社へ引き渡す旨の合意を受けてその他の金融負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末から1,839億53百万円増加の3兆6,956億14百万円となった。
資本は、上記合意により非支配持分が減少したことなどにより、前連結会計年度末から4,386億16百万円減少の1兆2,900億76百万円となった。
以上により、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は24.4%(前連結会計年度末の26.9%から△2.5ポイント)となった。
(2) 経営成績の状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題など懸念材料がありつつも緩やかな回復傾向にあったが、年明け以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により急激に失速した。我が国経済も、厳しい輸出環境の中で全体的には回復基調にあったが、世界経済と同様に、年度末にかけて大幅に下押しされる状況となった。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの受注高は、インダストリー&社会基盤セグメントが減少したものの、パワーセグメントと航空・防衛・宇宙セグメントが増加したことにより、前連結会計年度を3,152億63百万円(+8.2%)上回る4兆1,686億89百万円となった。
売上収益は、パワーセグメントと航空・防衛・宇宙セグメントが増加したものの、インダストリー&社会基盤セグメントが減少したことにより、前連結会計年度を369億67百万円(△0.9%)下回る4兆413億76百万円となった。
事業損益は、パワーセグメントが増加したものの、航空・防衛・宇宙セグメントで三菱スペースジェット関連資産の減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度から2,301億8百万円悪化し295億38百万円の損失、税引前損益は前連結会計年度から2,277億20百万円悪化し326億60百万円の損失となった。
また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、繰延税金資産の計上があったものの、前連結会計年度を231億48百万円(△21.0%)下回る871億23百万円となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
ア.パワー
受注高は、北米市場で水素混焼型を含む新型GTCC発電設備を連続して受注したことなどにより、前連結会計年度を3,455億97百万円(+24.2%)上回る1兆7,721億1百万円となった。
売上収益は、原子力機器、航空機用エンジンやコンプレッサが増加したことなどにより、前連結会計年度を651億85百万円(+4.3%)上回る1兆5,902億93百万円となった。
事業利益は、工事費の高騰等の下振れ要因があったものの、南アフリカ共和国のボイラ建設プロジェクトに関する係争について日立製作所との和解に伴う利益を計上したことなどにより、前連結会計年度を111億86百万円(+8.4%)上回る1,443億83百万円となった。
イ.インダストリー&社会基盤
受注高は、米中貿易摩擦に端を発した自動車産業の需要の落ち込みを受け、ターボチャージャや工作機械が減少したことなどにより、前連結会計年度を1,282億79百万円(△6.9%)下回る1兆7,237億79百万円となった。
売上収益は、受注の減少したターボチャージャに加え、交通システムや化学プラントなどのエンジニアリング事業や商船も減少したことなどにより、前連結会計年度を1,297億76百万円(△6.8%)下回る1兆7,780億95百万円となった。
事業利益は、商船や製鉄機械で改善があったものの、ターボチャージャの売上減少の影響等により、前連結会計年度を158億70百万円(△22.4%)下回る548億83百万円となった。
ウ.航空・防衛・宇宙
受注高は、F-15戦闘機の能力向上事業等の受注があった防衛関連製品や宇宙機器が増加したことなどにより、前連結会計年度を1,085億66百万円(+17.8%)上回る7,192億32百万円となった。
売上収益は、宇宙機器等の一部の製品を除いていずれも増加したため、前連結会計年度を274億8百万円(+4.0%)上回る7,049億85百万円となった。
事業損益は、三菱スペースジェット関連資産の減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度から1,805億61百万円悪化し、2,087億92百万円の損失となった。
エ.その他
受注高は前連結会計年度を31億38百万円(△4.3%)下回る701億85百万円、売上収益は前連結会計年度を35億29百万円(+4.9%)上回る751億90百万円、事業利益は前連結会計年度を325億90百万円(△83.2%)下回る65億65百万円となった。
(3) キャッシュ・フローの状況の概要及びこれに関する分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億8百万円減少し、2,816億26百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,525億64百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ322億15百万円増加した。これは、税引前利益が減少した一方、日立製作所からの和解金の受取り等により南アフリカプロジェクトに係る補償資産が減少したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,395億66百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ776億97百万円支出が増加した。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出の増加並びに子会社の取得による支出の増加などによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,044億52百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ665億49百万円支出が減少した。これは、長期借入れによる収入の増加などによるものである。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産の実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)前連結会計年度比(%)
パワー1,587,722+4.7
インダストリー&社会基盤1,725,918△8.2
航空・防衛・宇宙693,334+6.2
その他22,968+19.6
合計4,029,944△0.9

(注)1.上記金額は、大型製品については契約金額に工事進捗度を乗じて算出計上し、その他の製品については完成数量に販売金額を乗じて算出計上している。
2.セグメント間の取引については、各セグメントの金額から消去している。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
② 受注の実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)
パワー1,772,101+24.23,432,686+4.1
インダストリー&社会基盤1,723,779△6.91,057,981△10.5
航空・防衛・宇宙719,232+17.8929,109+1.6
その他70,185△4.3694+123.2
調整額△116,608
合計4,168,689+8.25,420,471+0.5

(注)1.受注高については、「パワー」、「インダストリー&社会基盤」、「航空・防衛・宇宙」及び「その他」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。
2.受注残高については、セグメント間の取引を各セグメントの金額から消去している。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
③ 販売の実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)前連結会計年度比(%)
パワー1,590,293+4.3
インダストリー&社会基盤1,778,095△6.8
航空・防衛・宇宙704,985+4.0
その他75,190+4.9
調整額△107,189
合計4,041,376△0.9

(注)1.「パワー」、「インダストリー&社会基盤」、「航空・防衛・宇宙」及び「その他」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化及び新規事業立上げに資するための研究開発費が主な内容である。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得が主な内容である。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資や研究開発投資、投資有価証券の取得等を継続していく予定である。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定である。
イ.有利子負債の内訳及び使途
2020年3月31日現在の有利子負債の内訳は下記のとおりである。
(単位:百万円)

合計償還1年以内償還1年超
短期借入金64,74464,744
コマーシャル・ペーパー85,00085,000
長期借入金308,55358,036250,517
社債140,00010,000130,000
合計598,298217,780380,517

当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることもあり、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要がある。近年の事業規模拡大により、これら必要資金は増加する傾向にあるが、その一方で、引き続き資産圧縮に努め、期限の到来した借入金を返済してきた結果、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、償還期限が1年以内のものが2,177億80百万円、償還期限が1年を超えるものが3,805億17百万円となり、合計で5,982億98百万円となった。
これらの有利子負債は事業活動に必要な運転資金、投資資金に使用しており、資金需要が見込まれる火力発電システム、物流機器・冷熱製品等の中量産品、民間航空機等の伸長分野を中心に使用していく予定である。
ウ.財務政策
当社グループは、運転資金、投資資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債による調達を実施している。
長期借入金、社債等による長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしている。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、営業債権、棚卸資産の圧縮や固定資産の稼働率向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでいる。
自己株式については、事業計画の推進状況、当社の業績見通し、株価動向、財政状況及び金融市場環境の改善等を総合的に勘案して取得を検討していくこととしている。
(6) 経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針・経営戦略等」に記載のとおり、当社グループは、中期経営計画「2018事業計画」に基づき、事業成長と財務健全性のバランスを取った経営により、長期安定的に企業価値を向上させることを目指して事業を遂行している。
「2018事業計画」においては、最終年度に当たる2020年度のTOPの目標を、売上収益、総資産、時価総額の比率で0.9:1:0.5としているところ、当連結会計年度の同比率の実績は、0.8:1:0.2となった。
当連結会計年度においては、主にパワーセグメントの売上債権回収・生産効率化等による運転資金の更なる削減に加え、日立製作所からの和解金獲得による南アフリカプロジェクトに係る補償資産の回収など、総資産の圧縮を進めた。総資産の圧縮を進める中でも、売上収益は一定程度の規模を維持しており、資産の効率性については目標とする水準に近い位置にあると考えている。
一方、三菱スペースジェットの開発スケジュールの遅延に加えて、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による中量産品事業・民間航空機関連事業の急激な市場縮小、スチームパワー大型案件の減少による工場稼働率の低下などにより、定常収益力が低下しており、資産の収益性の低さや、TOPにも表れている時価総額の低迷が今後改善すべき課題であると認識している。
財務健全性について、有利子負債は当連結会計年度においても更なる削減を進め、過去最低水準となった。資本に関しては、南アフリカプロジェクトに係る和解や三菱スペースジェット関連資産の減損等の過去のリスク資産の整理により減少はあったものの、一定の自己資本比率を維持している。このことから、三菱スペースジェットの開発等への投資及び配当金増加による株主還元の拡大を進めながらも、財務健全性は維持できていると評価している。
このような評価を踏まえ、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症による影響の最小化に取り組むとともに、収益力の維持・強化につながる施策を推進していく。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されている。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用、及び3.重要な会計方針)」に記載している。
なお、会計上の見積り等に関する新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2)その他 ③新型コロナウイルス感染症拡大の影響」における以下の記載のとおりである。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループの民間機事業や中量産品事業等で需要減少に伴う売上収益の減少、工場の生産調整等が生じている。当連結会計年度においては、資産の評価等に当該影響を織り込み、決算数値等に反映させている。
本感染症は経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難なことから、当社は外部情報等を踏まえて、事業計画への影響の検討等を行い、製品特性・関連する市場環境等に即した仮定のもと、資産の評価等の会計上の見積りを行っている。
この影響が長期化した場合には、新たな生産調整や、顧客への販売の更なる減少が生じる可能性もあり、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。

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