有価証券報告書-第195期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 経営成績及び財政状態の状況
① 連結業績の概況
世界経済は、実体経済が好調な米国や、内外需要が堅調な中国を中心に緩やかな成長が継続する一方、一部の新興国・資源国経済の減速などにより、総体的に勢いを欠く状況となっています。これらに加え、EUからの英国の離脱交渉による企業活動への影響や、米国の保護主義的な政策の拡大による貿易摩擦の懸念など、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が続いており、引き続き世界景気の下振れリスクには十分な注視が必要です。
国内経済は、設備投資の緩やかな増加や企業収益の改善などの影響を受け、緩やかに回復しています。今後も、総じて緩やかな成長が期待されますが、米国をはじめとする各国の経済政策や、朝鮮半島などにおける地政学リスクの高まりなどにより急激かつ大幅に為替が変動する可能性もあることから、引き続き為替相場に対しては十分な注視が必要です。
このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、航空宇宙事業、車両事業、精密機械事業を中心に増加となりました。連結売上高は、プラント・環境事業での減収があったものの、精密機械事業やガスタービン・機械事業、モーターサイクル&エンジン事業での増収により、全体として増収となりました。利益面に関しては、米国車両案件の採算悪化などに伴う車両事業での悪化や航空宇宙事業での減益があったものの、精密機械事業での増益や船舶海洋事業での改善などにより、営業利益、経常利益とも増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、オフショア作業船造船契約解除に伴う損失を特別損失として計上した一方で、特別利益(固定資産売却益)やブラジルでの造船合弁事業の損失にかかる繰延税金資産の計上に伴う税金費用の負担軽減などにより、増益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前期比2,593億円増加の1兆6,080億円、連結売上高は前期比554億円増収の1兆5,742億円、営業利益は前期比99億円増益の559億円、経常利益は前期比65億円増益の432億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27億円増益の289億円となりました。また、ROIC※は3.9%、ROEは6.4%となりました。
※ROIC = EBIT(税引前利益 + 支払利息) ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本)
② セグメント別業績の概要
船舶海洋事業
船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、底値だった新造船価の回復基調や環境規制強化に伴うガス燃料推進船需要の顕在化がある一方で、LNG開発プロジェクトの遅れによるLNG運搬船需要の後ろ倒し、中国・韓国政府による造船業支援政策の継続などにより、依然として競争が厳しい状況にあります。
このような経営環境の中で、連結受注高は、LPG運搬船やジェットフォイルの受注があったものの、オフショア作業船にかかる造船契約の合意解除により、潜水艦の受注があった前期に比べ322億円減少の47億円となりました。
連結売上高は、潜水艦関連工事の減少などにより、前期に比べ75億円減収の956億円となりました。
営業損益は、貸倒引当金の追加計上や受注工事損失引当金の繰入れ増があった前期に比べ176億円改善して38億円の営業損失となりました。
車両事業
車両事業を取り巻く経営環境は、国内については老朽化車両の更新需要が安定的に存在しています。海外については、北米では注力市場であるニューヨーク地区で計画の一部見直しがあるものの新造・更新需要が増加しており、またアジアでは日本政府によるインフラ輸出促進に伴って新興国での需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車やバングラデシュ向け都市高速鉄道車両などの大口案件を受注したことにより、国内向け地下鉄車両などを受注した前期に比べ985億円増加の2,571億円となりました。
連結売上高は、北米やアジアなど海外向けが減少したものの、国内向けが増加したことにより、前期に比べ46億円増収の1,417億円となりました。
営業損益は、米国ロングアイランド鉄道向け車両案件での受注工事損失引当金の計上やN700系新幹線台車枠交換の費用負担などにより、前期に比べ159億円悪化して124億円の営業損失となりました。
航空宇宙事業
航空宇宙事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては、厳しい防衛予算の中で一定程度の需要が存在しています。民間航空機については旅客数の増加に伴って新造・更新需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、防衛省向けが増加したことに加え、民間航空機向け分担製造品が引き続き高水準で推移したことにより、前期に比べ1,373億円増加の3,744億円となりました。
連結売上高は、民間航空機向け分担製造品が減少したものの、防衛省向けの増加などにより、前期に比べ2億円増収の3,302億円となりました。
営業利益は、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などにより、前期に比べ41億円減益の209億円となりました。
ガスタービン・機械事業
ガスタービン・機械事業を取り巻く経営環境は、航空分野では旅客数の増加に伴う民間航空機需要の増加により、航空エンジン需要も増加しています。エネルギー・環境分野では、国内での分散型電源の潜在的需要は大きいものの、電力自由化を睨んで投資計画が若干遅れ気味になっています。他方で海外では環境・省エネルギー投資意欲の向上などにより、分散型電源の需要は増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向けガスエンジン発電所の減少などにより、前期に比べ122億円減少の2,481億円となりました。
連結売上高は、航空エンジン分担製造品の増加などにより、前期に比べ245億円増収の2,664億円となりました。
営業利益は、増収があったものの、エネルギー事業での高採算案件の減少などにより、前期に比べ5億円減益の147億円となりました。
プラント・環境事業
プラント・環境事業を取り巻く経営環境は、海外では原油価格の上昇により資源開発や石油・天然ガス関連投資が回復基調にあることに加え、アジアではエネルギーインフラ整備需要が継続しています。国内ではごみ焼却プラントや産業機械において老朽化設備等の更新需要が継続しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、海外案件が減少したものの、国内のごみ処理施設の建設及び運転管理業務が増加したことにより、前期に比べ50億円増加の1,001億円となりました。
連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量減少などにより、前期に比べ364億円減収の1,244億円となりました。
営業利益は、減収があったものの、受注工事損失引当金の繰入れ増があった前期に比べ3億円増益の29億円となりました。
モーターサイクル&エンジン事業
モーターサイクル&エンジン事業を取り巻く経営環境は、先進国向け二輪車では市場の緩やかな成長が持続しており、新興国向け二輪車では市場の底打ちの兆しが見えつつあります。また、四輪車では主に北米において市場が安定した成長を続けており、汎用エンジン市場も堅調に推移しています。
このような経営環境の中で、連結売上高は、新興国向け二輪車が減少したものの、先進国向け二輪車や四輪車、汎用エンジンの増加により、前期に比べ186億円増収の3,316億円となりました。
営業利益は、増収により前期に比べ35億円増益の152億円となりました。
精密機械事業
精密機械事業を取り巻く経営環境は、建設機械市場向けでは中国での旺盛なショベル需要を中心に活況を呈しており、当社の顧客である建機メーカは競って増産を進めています。ロボットについては、自動車・半導体分野での需要増に加え、働き手不足を背景とした産業用ロボットの適用分野拡大により、需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加により、前期に比べ402億円増加の2,071億円となりました。
連結売上高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加により、前期に比べ437億円増収の1,989億円となりました。
営業利益は、増収により前期に比べ85億円増益の216億円となりました。
その他事業
連結売上高は、前期に比べ76億円増収の850億円となりました。
営業利益は、前期に比べ2億円減益の29億円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
15ページから17ページに記載の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
④ 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、受取手形及び売掛金の増加により前期末比704億円増加し、1兆1,483億円となりました。固定資産は、設備投資による有形固定資産の増加を主因に前期末比271億円増加し、6,367億円となりました。
この結果、総資産は前期末比976億円増加の1兆7,850億円となりました。
(負債)
負債全体では、長期借入金等有利子負債の増加などにより前期末比676億円増加の1兆3,036億円となりました。有利子負債は、前期末比459億円増加の4,466億円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加、配当金の支払による減少などにより、前期末比300億円増加の4,813億円となりました。
⑤ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループは、中期経営計画「中計2016」の最終年度でもある2018年度には、最低限確保すべき水準としているハードルレートROIC8%以上を達成することを目標としています。当連結会計年度においては、将来に向けた設備投資の集中や船舶海洋事業・車両事業における損失の計上等により、ROICは3.9%とハードルレートである8%を大きく下回る結果となりましたが、2018年度は精密機械・ロボット事業の増収及び船舶海洋事業・車両事業の改善により、ROIC8%以上を達成できるものと考えています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとのROICは、次のとおりです。
(単位:%)
精密機械事業においては、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの売上増加に伴うEBITの増加により、前期に比べ9.5ポイント上昇しました。一方で車両事業においては、米国ロングアイランド鉄道向け車両案件での受注工事損失引当金の計上などにより、EBITが大きく減少したことなどから、前期に比べ29.2ポイント低下しました。また、航空宇宙事業においては、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などによるEBITの減少に加え、設備投資に伴う投下資本の増加などにより、前期に比べ5.1ポイント低下しました。
(注) 上記の将来に関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前期比136億円増の643億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期比374億円減の560億円となりました。これは主に、棚卸資産の増加や海外案件における支出の増加、前受金の減少によるものです。また、当連結会計年度における収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益329億円、減価償却費561億円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加による支出355億円、棚卸資産の増加による支出264億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前期比157億円増の805億円となりました。これは主に、設備投資に係る支払の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前期比536億円増の377億円(前期は158億円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純増による収入及び長期借入れによる収入の増加によるものです。
② 財務政策
当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。
当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とのコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 金額は、生産高(製造原価)によっています。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 モーターサイクル&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上高と同額とし、受注残高を表示していません。
3 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 販売高は、外部顧客に対する売上高です。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(1) 経営成績及び財政状態の状況
① 連結業績の概況
世界経済は、実体経済が好調な米国や、内外需要が堅調な中国を中心に緩やかな成長が継続する一方、一部の新興国・資源国経済の減速などにより、総体的に勢いを欠く状況となっています。これらに加え、EUからの英国の離脱交渉による企業活動への影響や、米国の保護主義的な政策の拡大による貿易摩擦の懸念など、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が続いており、引き続き世界景気の下振れリスクには十分な注視が必要です。
国内経済は、設備投資の緩やかな増加や企業収益の改善などの影響を受け、緩やかに回復しています。今後も、総じて緩やかな成長が期待されますが、米国をはじめとする各国の経済政策や、朝鮮半島などにおける地政学リスクの高まりなどにより急激かつ大幅に為替が変動する可能性もあることから、引き続き為替相場に対しては十分な注視が必要です。
このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、航空宇宙事業、車両事業、精密機械事業を中心に増加となりました。連結売上高は、プラント・環境事業での減収があったものの、精密機械事業やガスタービン・機械事業、モーターサイクル&エンジン事業での増収により、全体として増収となりました。利益面に関しては、米国車両案件の採算悪化などに伴う車両事業での悪化や航空宇宙事業での減益があったものの、精密機械事業での増益や船舶海洋事業での改善などにより、営業利益、経常利益とも増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、オフショア作業船造船契約解除に伴う損失を特別損失として計上した一方で、特別利益(固定資産売却益)やブラジルでの造船合弁事業の損失にかかる繰延税金資産の計上に伴う税金費用の負担軽減などにより、増益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前期比2,593億円増加の1兆6,080億円、連結売上高は前期比554億円増収の1兆5,742億円、営業利益は前期比99億円増益の559億円、経常利益は前期比65億円増益の432億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27億円増益の289億円となりました。また、ROIC※は3.9%、ROEは6.4%となりました。
※ROIC = EBIT(税引前利益 + 支払利息) ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本)
② セグメント別業績の概要
船舶海洋事業
船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、底値だった新造船価の回復基調や環境規制強化に伴うガス燃料推進船需要の顕在化がある一方で、LNG開発プロジェクトの遅れによるLNG運搬船需要の後ろ倒し、中国・韓国政府による造船業支援政策の継続などにより、依然として競争が厳しい状況にあります。
このような経営環境の中で、連結受注高は、LPG運搬船やジェットフォイルの受注があったものの、オフショア作業船にかかる造船契約の合意解除により、潜水艦の受注があった前期に比べ322億円減少の47億円となりました。
連結売上高は、潜水艦関連工事の減少などにより、前期に比べ75億円減収の956億円となりました。
営業損益は、貸倒引当金の追加計上や受注工事損失引当金の繰入れ増があった前期に比べ176億円改善して38億円の営業損失となりました。
車両事業
車両事業を取り巻く経営環境は、国内については老朽化車両の更新需要が安定的に存在しています。海外については、北米では注力市場であるニューヨーク地区で計画の一部見直しがあるものの新造・更新需要が増加しており、またアジアでは日本政府によるインフラ輸出促進に伴って新興国での需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車やバングラデシュ向け都市高速鉄道車両などの大口案件を受注したことにより、国内向け地下鉄車両などを受注した前期に比べ985億円増加の2,571億円となりました。
連結売上高は、北米やアジアなど海外向けが減少したものの、国内向けが増加したことにより、前期に比べ46億円増収の1,417億円となりました。
営業損益は、米国ロングアイランド鉄道向け車両案件での受注工事損失引当金の計上やN700系新幹線台車枠交換の費用負担などにより、前期に比べ159億円悪化して124億円の営業損失となりました。
航空宇宙事業
航空宇宙事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては、厳しい防衛予算の中で一定程度の需要が存在しています。民間航空機については旅客数の増加に伴って新造・更新需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、防衛省向けが増加したことに加え、民間航空機向け分担製造品が引き続き高水準で推移したことにより、前期に比べ1,373億円増加の3,744億円となりました。
連結売上高は、民間航空機向け分担製造品が減少したものの、防衛省向けの増加などにより、前期に比べ2億円増収の3,302億円となりました。
営業利益は、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などにより、前期に比べ41億円減益の209億円となりました。
ガスタービン・機械事業
ガスタービン・機械事業を取り巻く経営環境は、航空分野では旅客数の増加に伴う民間航空機需要の増加により、航空エンジン需要も増加しています。エネルギー・環境分野では、国内での分散型電源の潜在的需要は大きいものの、電力自由化を睨んで投資計画が若干遅れ気味になっています。他方で海外では環境・省エネルギー投資意欲の向上などにより、分散型電源の需要は増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向けガスエンジン発電所の減少などにより、前期に比べ122億円減少の2,481億円となりました。
連結売上高は、航空エンジン分担製造品の増加などにより、前期に比べ245億円増収の2,664億円となりました。
営業利益は、増収があったものの、エネルギー事業での高採算案件の減少などにより、前期に比べ5億円減益の147億円となりました。
プラント・環境事業
プラント・環境事業を取り巻く経営環境は、海外では原油価格の上昇により資源開発や石油・天然ガス関連投資が回復基調にあることに加え、アジアではエネルギーインフラ整備需要が継続しています。国内ではごみ焼却プラントや産業機械において老朽化設備等の更新需要が継続しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、海外案件が減少したものの、国内のごみ処理施設の建設及び運転管理業務が増加したことにより、前期に比べ50億円増加の1,001億円となりました。
連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量減少などにより、前期に比べ364億円減収の1,244億円となりました。
営業利益は、減収があったものの、受注工事損失引当金の繰入れ増があった前期に比べ3億円増益の29億円となりました。
モーターサイクル&エンジン事業
モーターサイクル&エンジン事業を取り巻く経営環境は、先進国向け二輪車では市場の緩やかな成長が持続しており、新興国向け二輪車では市場の底打ちの兆しが見えつつあります。また、四輪車では主に北米において市場が安定した成長を続けており、汎用エンジン市場も堅調に推移しています。
このような経営環境の中で、連結売上高は、新興国向け二輪車が減少したものの、先進国向け二輪車や四輪車、汎用エンジンの増加により、前期に比べ186億円増収の3,316億円となりました。
営業利益は、増収により前期に比べ35億円増益の152億円となりました。
精密機械事業
精密機械事業を取り巻く経営環境は、建設機械市場向けでは中国での旺盛なショベル需要を中心に活況を呈しており、当社の顧客である建機メーカは競って増産を進めています。ロボットについては、自動車・半導体分野での需要増に加え、働き手不足を背景とした産業用ロボットの適用分野拡大により、需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加により、前期に比べ402億円増加の2,071億円となりました。
連結売上高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加により、前期に比べ437億円増収の1,989億円となりました。
営業利益は、増収により前期に比べ85億円増益の216億円となりました。
その他事業
連結売上高は、前期に比べ76億円増収の850億円となりました。
営業利益は、前期に比べ2億円減益の29億円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
15ページから17ページに記載の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
④ 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、受取手形及び売掛金の増加により前期末比704億円増加し、1兆1,483億円となりました。固定資産は、設備投資による有形固定資産の増加を主因に前期末比271億円増加し、6,367億円となりました。
この結果、総資産は前期末比976億円増加の1兆7,850億円となりました。
(負債)
負債全体では、長期借入金等有利子負債の増加などにより前期末比676億円増加の1兆3,036億円となりました。有利子負債は、前期末比459億円増加の4,466億円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加、配当金の支払による減少などにより、前期末比300億円増加の4,813億円となりました。
⑤ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループは、中期経営計画「中計2016」の最終年度でもある2018年度には、最低限確保すべき水準としているハードルレートROIC8%以上を達成することを目標としています。当連結会計年度においては、将来に向けた設備投資の集中や船舶海洋事業・車両事業における損失の計上等により、ROICは3.9%とハードルレートである8%を大きく下回る結果となりましたが、2018年度は精密機械・ロボット事業の増収及び船舶海洋事業・車両事業の改善により、ROIC8%以上を達成できるものと考えています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとのROICは、次のとおりです。
(単位:%)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 変動 |
| 船舶海洋 | △23.4 | △21.3 | 2.1 |
| 車両 | 3.0 | △26.2 | △29.2 |
| 航空宇宙 | 15.1 | 10.0 | △5.1 |
| ガスタービン・機械 | 7.1 | 5.1 | △2.0 |
| プラント・環境 | 8.9 | 8.6 | △0.3 |
| モーターサイクル&エンジン | 7.3 | 9.4 | 2.1 |
| 精密機械 | 13.4 | 22.9 | 9.5 |
| 全社 | 5.0 | 3.9 | △1.1 |
精密機械事業においては、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの売上増加に伴うEBITの増加により、前期に比べ9.5ポイント上昇しました。一方で車両事業においては、米国ロングアイランド鉄道向け車両案件での受注工事損失引当金の計上などにより、EBITが大きく減少したことなどから、前期に比べ29.2ポイント低下しました。また、航空宇宙事業においては、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などによるEBITの減少に加え、設備投資に伴う投下資本の増加などにより、前期に比べ5.1ポイント低下しました。
(注) 上記の将来に関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前期比136億円増の643億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期比374億円減の560億円となりました。これは主に、棚卸資産の増加や海外案件における支出の増加、前受金の減少によるものです。また、当連結会計年度における収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益329億円、減価償却費561億円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加による支出355億円、棚卸資産の増加による支出264億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前期比157億円増の805億円となりました。これは主に、設備投資に係る支払の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前期比536億円増の377億円(前期は158億円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純増による収入及び長期借入れによる収入の増加によるものです。
② 財務政策
当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。
当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とのコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比増減(%) |
| 船舶海洋 | 94,303 | △14.8 |
| 車両 | 149,952 | +28.8 |
| 航空宇宙 | 282,823 | △2.6 |
| ガスタービン・機械 | 244,170 | +9.0 |
| プラント・環境 | 116,420 | △20.1 |
| モーターサイクル&エンジン | 246,596 | +5.2 |
| 精密機械 | 166,899 | +21.6 |
| その他 | 113,277 | +10.7 |
| 合計 | 1,414,442 | +3.9 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 金額は、生産高(製造原価)によっています。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比増減(%) | 受注残高(百万円) | 前期比増減(%) |
| 船舶海洋 | 4,748 | △87.1 | 99,177 | △48.2 |
| 車両 | 257,137 | +62.1 | 494,402 | +26.0 |
| 航空宇宙 | 374,408 | +57.9 | 533,338 | +4.8 |
| ガスタービン・機械 | 248,105 | △4.7 | 365,847 | △7.3 |
| プラント・環境 | 100,110 | +5.3 | 190,581 | △11.3 |
| モーターサイクル&エンジン | 331,659 | +5.9 | - | - |
| 精密機械 | 207,106 | +24.1 | 46,021 | +21.3 |
| その他 | 84,801 | +4.7 | 20,341 | △4.9 |
| 合計 | 1,608,076 | +19.2 | 1,749,711 | △0.6 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 モーターサイクル&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上高と同額とし、受注残高を表示していません。
3 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比増減(%) |
| 船舶海洋 | 95,610 | △7.3 |
| 車両 | 141,760 | +3.3 |
| 航空宇宙 | 330,211 | +0.0 |
| ガスタービン・機械 | 266,471 | +10.1 |
| プラント・環境 | 124,465 | △22.6 |
| モーターサイクル&エンジン | 331,659 | +5.9 |
| 精密機械 | 198,996 | +28.1 |
| その他 | 85,066 | +9.8 |
| 合計 | 1,574,242 | +3.6 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 販売高は、外部顧客に対する売上高です。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 防衛省 | 236,861 | 15.5 | 237,737 | 15.1 |