有価証券報告書-第196期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 15:54
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当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しています。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っています。
(1) 経営成績及び財政状態の状況
① 連結業績の概況
世界経済は、実体経済が好調な米国を中心に緩やかな成長が継続する一方、一部の新興国・資源国経済の減速などにより、総体的に勢いを欠く状況となっています。これらに加え、米中貿易摩擦に起因する企業業績の悪化が顕在化しつつあることや、英国のEUからの離脱が延期となったものの、合意なき離脱の可能性は残っていることなどから、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が続いており、引き続き世界景気の下振れリスクに十分な注視が必要です。
国内経済は、設備投資の緩やかな増加や企業収益の改善などの影響を受け、緩やかに回復しています。今後も、総じて緩やかな成長が期待されますが、米国をはじめとする各国の経済政策などにより円高に振れる可能性もあることから、引き続き為替相場に対しては注視が必要です。
このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、船舶海洋事業などで増加となったものの、車両事業、航空宇宙システム事業での減少により、全体として減少となりました。連結売上高は、車両事業などでの減収があったものの、モーターサイクル&エンジン事業や精密機械・ロボット事業などでの増収により、全体として増収となりました。利益面に関しては、営業利益は船舶海洋事業での改善やエネルギー・環境プラント事業での増益などにより、全体で増益となりました。経常利益は営業利益の増益があったものの、民間航空エンジンの運航上の問題に係る負担金などにより、減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益などにより、減益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前期比220億円減少の1兆5,859億円、連結売上高は前期比205億円増収の1兆5,947億円、営業利益は前期比80億円増益の640億円、経常利益は前期比53億円減益の378億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14億円減益の274億円となりました。また、ROIC※は4.5%、ROEは5.8%となりました。
※ROIC = EBIT(税引前利益 + 支払利息) ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本)
② セグメント別業績の概要
航空宇宙システム事業
航空宇宙システム事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては、厳しい防衛予算の中で一定程度の需要が存在しています。民間航空機については旅客数の増加に伴って機体・エンジンともに需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、民間航空エンジン分担製造品が増加したものの、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品が減少したことにより、前期に比べ672億円減少の4,316億円となりました。
連結売上高は、民間航空エンジン分担製造品が増加したものの、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品が減少したことにより、前期に比べ55億円減収の4,639億円となりました。
営業利益は、民間航空機向け分担製造品の収益性改善などにより、前期に比べ17億円増益の326億円となりました。
エネルギー・環境プラント事業
エネルギー・環境プラント事業を取り巻く経営環境は、海外では資源開発や石油・天然ガス関連投資が回復基調にあることに加え、アジアではエネルギーインフラ整備需要が継続しています。また環境・省エネルギー投資意欲の向上などにより、分散型電源の需要が増加しています。国内ではごみ焼却プラントや産業機械において老朽化設備等の更新需要が継続しています。一方で分散型電源は、潜在的需要は大きいものの、電力自由化を睨んで投資計画が若干遅れ気味になっています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向けコンバインドサイクル発電プラントや国内向けLNGタンクを受注したことなどにより、前期に比べ398億円増加の2,635億円となりました。
連結売上高は、国内向けごみ処理施設や海外向け化学プラントの工事量減少があったものの、エネルギー事業の工事量増加などにより、前期に比べ14億円増収の2,530億円となりました。
営業利益は、エネルギー事業での採算改善などにより、前期に比べ39億円増益の116億円となりました。
精密機械・ロボット事業
精密機械・ロボット事業を取り巻く経営環境は、建設機械市場向けでは、中国市場におけるショベル販売競争は日々激しくなってきており、中国市場でシェアを落としている外資系建機メーカーを中心に中国マーケット(特に中小型)の先行きに対する懸念・不透明感の声は上がっているものの、未だ当社生産能力を超える需要があり、増産対応を進めています。中国市場の状況については引続き注視しています。ロボット市場向けでは、米中貿易摩擦の影響による中国市場での設備投資延期や半導体メーカーの投資先送りにより足元の市況は悪化しており、海外市場は今後暫くの間は不安定な状況が続くと予想されますが、年度後半には半導体投資が再開され需要は回復に向かうと見られ、国内市場においては、人共存分野など産業分野全般において需要は着実に拡大していくとみています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、半導体向けロボットが減少したものの、建設機械市場向け油圧機器が増加したことにより、前期に比べ153億円増加の2,224億円となりました。
連結売上高は、半導体向けロボットが減少したものの、建設機械市場向け油圧機器が増加したことにより、前期に比べ230億円増収の2,220億円となりました。
営業利益は、売上は増加したものの、増産対応費用や研究開発費等の販管費の増加などにより、前期並みの213億円となりました。
船舶海洋事業
船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、新造船価の緩やかな回復基調や環境規制強化に伴うガス燃料推進船需要の顕在化がある一方で、LNG開発プロジェクトの遅れによるLNG運搬船需要の後ろ倒し、韓国政府による造船業支援政策の継続などにより、依然として厳しい状況にあります。
このような経営環境の中で、連結受注高は、防衛省向け潜水艦を受注したことなどにより、オフショア作業船にかかる造船契約の合意解除を行った前期に比べ764億円増加の811億円となりました。
連結売上高は、LNG運搬船とLPG運搬船の構成変動等により、前期に比べ166億円減収の789億円となりました。
営業損益は、減収があったものの、建造コストの改善などにより、前期に比べ49億円改善して10億円の営業利益となりました。
車両事業
車両事業を取り巻く経営環境は、国内については老朽化車両の更新需要が安定的に存在しています。海外については、米国では注力市場であるニューヨーク地区をはじめ新造・更新需要が増加しており、またアジアでは日本政府によるインフラ輸出促進に伴って新興国での需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、ニューヨーク・ニュージャージー港湾局向け通勤電車などを受注したものの、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車などを受注した前期に比べ1,210億円減少の1,360億円となりました。
連結売上高は、米国やアジアなど海外向けが減少したことなどにより、前期に比べ170億円減収の1,246億円となりました。
営業損益は、前期に続き米国向け案件における採算の悪化などにより、前期に比べ13億円悪化して137億円の営業損失となりました。
モーターサイクル&エンジン事業
モーターサイクル&エンジン事業を取り巻く経営環境は、二輪車では主に欧州において市場の緩やかな成長が持続しており、新興国向けでも市場の底打ちの兆しが見えつつあります。また、四輪車では主に北米において市場が安定した成長を続けており、汎用エンジン市場も堅調に推移しています。
このような経営環境の中で、連結売上高は、先進国向け二輪車や四輪車の増加により、前期に比べ251億円増収の3,568億円となりました。
営業利益は、売上は増加したものの、米国における鋼材等資材価格の上昇、新興国通貨安の影響などにより、前期に比べ8億円減益の143億円となりました。
その他事業
連結売上高は、前期に比べ100億円増収の951億円となりました。
営業利益は、前期に比べ4億円減益の25億円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
④ 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、棚卸資産の増加等により前期末比205億円増加し、1兆1,363億円となりました。
固定資産は、設備投資による有形固定資産の増加等により前期末比332億円増加し、7,025億円となりました。
この結果、総資産は前期末比538億円増加の1兆8,388億円となりました。
(負債)
負債全体では、退職給付に係る負債の増加や民間航空エンジンの運航上の問題に係る引当金の計上等により前期末比429億円増加の1兆3,465億円となりました。有利子負債は、前期末比72億円減少の4,394億円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加、配当金の支払による減少等により、前期末比108億円増加の4,922億円となりました。

⑤ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループは、前中期経営計画「中計2016」の最終年度でもある当連結会計年度に、最低限確保すべき水準としているハードルレートROIC8%以上を達成することを目標としていましたが、将来に向けた設備投資の集中や車両事業における損失の計上等により、ROICは4.5%と目標を大きく下回る結果となりました。
次期中期経営計画「中計2019」では、2021年度で達成すべきROICの目標を10%以上とし、収益強化やコスト削減の取り組み、アフターサービス事業の売上増といった施策を確実に実行することで、その達成を目指していきます。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとのROICは、次のとおりです。
(単位:%)
セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度変動
航空宇宙システム7.85.0△2.8
エネルギー・環境プラント8.09.31.3
精密機械・ロボット22.919.8△3.1
船舶海洋△21.33.224.5
車両△26.2△26.4△0.2
モーターサイクル&エンジン9.48.4△1.0
全社3.94.50.6

船舶海洋事業においては、建造コストの改善などに伴いEBITが大きく増加したことなどから、前期に比べ24.5ポイント上昇しました。一方で精密機械・ロボット事業においては、設備投資に伴う投下資本の増加などにより、前期に比べ3.1ポイント低下しました。また、航空宇宙システム事業においては、民間航空エンジンの運行上の問題に係る負担金によるEBITの減少などにより、前期に比べ2.8ポイント低下しました。
(注) 上記の将来に関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前期比39億円増の683億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期比537億円増の1,097億円となりました。これは主に、売上債権の減少によるものです。また、当連結会計年度における収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益378億円、減価償却費590億円、売上債権の増減額589億円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増減額653億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前期比47億円増の853億円となりました。これは主に、設備投資に係る支払の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、前期比575億円減の197億円(前期は377億円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払によるものです。
② 財務政策
当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、設備投資・事業投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。
当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とのコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比増減(%)
航空宇宙システム465,917+17.9
エネルギー・環境プラント225,915△9.0
精密機械・ロボット191,127+14.5
船舶海洋79,814△15.3
車両149,654△0.1
モーターサイクル&エンジン271,280+10.0
その他120,248+6.1
合計1,503,958+6.3

(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 金額は、生産高(製造原価)によっています。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比増減(%)受注残高(百万円)前期比増減(%)
航空宇宙システム431,662△13.4696,097△4.0
エネルギー・環境プラント263,568+17.8381,563+4.6
精密機械・ロボット222,466+7.446,392+0.8
船舶海洋81,152+1,609.0101,622+2.4
車両136,080△47.0517,965+4.7
モーターサイクル&エンジン356,847+7.5--
その他94,211+11.019,416△4.5
合計1,585,989△1.31,763,058+0.7

(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 モーターサイクル&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上高と同額とし、受注残高を表示していません。
3 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比増減(%)
航空宇宙システム463,958△1.1
エネルギー・環境プラント253,041+0.5
精密機械・ロボット222,095+11.6
船舶海洋78,974△17.4
車両124,689△12.0
モーターサイクル&エンジン356,847+7.5
その他95,136+11.8
合計1,594,743+1.3

(注) 1 上記金額には、消費税等は含みません。
2 販売高は、外部顧客に対する売上高です。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
防衛省237,73715.1216,98913.6

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