有価証券報告書-第124期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内と海外を合わせた総販売台数は、前連結会計年度に比べ42,625台(8.1%)増加し、565,858台となりました。
国内車両販売台数につきましては、市場が堅調に推移し、前連結会計年度に比べ4,274台(5.5%)増加の81,741台となりました。海外車両販売台数につきましては、CV(商用車(トラック及びバス))は、米国の関税影響・市況悪化はあったものの、中近東・アフリカ・中南米を中心に13,082台(6.0%)増加し229,898台、LCV(ピックアップトラック及び派生車)は、タイ国内向けは厳しい市況が続くものの、販売サイドでの在庫調整を実施した前連結会計年度比では増加、輸出向けはサウジアラビアの需要減・中東情勢影響を受けた3月の出荷停止により減少した一方で、アフリカ・オセアニアを中心に台数増となったことで、25,269台(11.0%)増加し254,219台となりました。
また、産業用エンジンの売上収益は、前連結会計年度に比べ225億円(21.4%)増加の1,280億円となり、その他の売上収益につきましては、保有事業等の国内/海外での順調な伸長等により、前連結会計年度に比べ577億円(7.4%)増加の8,428億円となりました。
これらの結果、売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ2,434億円(7.5%)増加の3兆4,791億円となりました。内訳は、国内が1兆3,853億円(前連結会計年度比8.6%増)、海外が2兆937億円(前連結会計年度比6.8%増)です。
当連結会計年度の業績は次のとおりです。
(為替レート)
注:( )内は前連結会計年度の為替レート
損益につきましては、販売台数の増加及び価格対応によるプラス影響はあるものの、米国関税影響、資材費等の上昇、為替影響、成長関連費用の増加によるマイナス影響に加えて、中東情勢影響による出荷停止もあり、営業利益は2,037億円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。また、税引前利益は2,306億円(前連結会計年度比5.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,349億円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
自動車事業セグメント
売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ2,386億円(7.5%)増加の3兆4,350億円となりましたが、セグメント利益は1,899億円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。セグメント利益の減少は、諸経費の増加などによるものです。
金融事業セグメント
売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ257億円(13.9%)増加の2,108億円となりましたが、セグメント利益は139億円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。セグメント利益の減少は、諸経費の増加などによるものです。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,598億円増加し、3兆6,631億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて2,335億円増加し、1兆9,992億円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べて1,263億円増加し、1兆6,640億円となりました。
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は40.4%(前連結会計年度末41.6%)となりました。
有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)につきましては、前連結会計年度末に比べて986億円増加の8,574億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により2,474億円獲得した資金を、投資活動で1,700億円、財務活動で832億円使用したこと等により、前連結会計年度末に比べて267億円増加し、3,854億円となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除して計算した、フリーキャッシュ・フローは、774億円の資金流入(前連結会計年度は517億円の資金流入)となっています。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により獲得した資金は、2,474億円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。
これは、税引前利益を2,306億円、減価償却費及び償却費を1,525億円計上し、営業債務及びその他の債務の増加により78億円の資金流入があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加により454億円、棚卸資産の増加により278億円、法人所得税の支払により564億円の資金流出があったことが主な要因です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は、1,700億円(前連結会計年度比16.0%減)となりました。
これは、有形固定資産の取得で1,791億円の資金流出があったことが主な要因です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は、832億円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
これは、長期借入の実行で3,450億円及び社債の発行で299億円の資金流入があった一方で、長期借入金の返済で1,390億円、自己株式の取得で500億円、配当金の支払で648億円及び非支配株主への配当金の支払で330億円の資金流出があったことが主な要因です。
④ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
(注)1.産業用エンジン、その他の金額は、販売価格によります。
2.上記の表には、関連会社等の生産実績は含まれていません。
(ⅱ)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、過去の販売実績と将来の予想に基づいて、見込み生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)概観
[CV販売]
当連結会計年度におけるCV車両の販売台数は、前連結会計年度から17,356台(5.9%)増加の311,639台となりました。
国内では、堅調な市場により、前連結会計年度から4,274台(5.5%)増加の81,741台となりました。海外では、米国の関税影響や市況悪化はあったものの、中近東やアフリカ、中南米で伸長し、前連結会計年度から13,082台(6.0%)増加の229,898台となりました。
なお、当社の国内の普通トラックのシェアは、前連結会計年度比1.2%増加の42.2%となりました(UDトラックスを含む当社グループの国内の普通トラックのシェアは58.1%)。また、小型トラックのシェアは、前連結会計年度比1.1%増加の52.2%となり、いすゞシェアは、昨年記録した過去最高を更新しました。
・CV車両販売台数
[LCV販売]
当連結会計年度におけるLCV車両の販売台数は、前連結会計年度から25,269台(11.0%)増加の254,219台となりました。
アジアでは、タイ国内向けは厳しい市況が続くものの、前連結会計年度は販売サイドで在庫調整していたことから、前連結会計年度からは増加しました。その結果、販売台数は前連結会計年度から13,773台(21.2%)増加の78,618台となりました。その他地域は、サウジアラビアの需要減や中東情勢影響による出荷停止があったものの、アフリカやオセアニアを中心に伸長し、前連結会計年度から11,496台(7.0%)増加の175,601台となりました。
・LCV車両販売台数
[パワートレイン出荷]
当連結会計年度における産業用エンジンの出荷基数は、堅調な新興国向けの需要により、前連結会計年度から16,490台(14.5%)増加の129,955台となりました。
・産業用エンジン出荷基数
(ⅱ)当連結会計年度の経営成績についての分析
[売上収益]
売上収益につきましては、米国関税影響や中東情勢影響があったものの、国内、海外ともに車両販売台数が増加し、前連結会計年度に比べ2,434億円増加の3兆4,791億円となりました。内訳は、国内が1兆3,853億円(前連結会計年度比8.6%増)、海外が2兆937億円(前連結会計年度比6.8%増)です。
[営業利益]
当連結会計年度の営業利益は2,037億円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。
当連結会計年度における販売台数増加に伴う売上変動/構成差の影響は前連結会計年度に対して320億円の増益、価格対応の影響は前連結会計年度に対して360億円の増益となりました。一方で、資材費等の変動は255億円の減益、為替変動の影響は前連結会計年度に対して円高となり220億円の減益、成長関連費用の増加により210億円の減益、北米関税影響により160億円の減益となりました。
この結果、当連結会計年度における売上収益営業利益率は5.9%(前連結会計年度は7.1%)となりました。
なお、前連結会計年度からの営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
・営業利益の増減分析(前連結会計年度比)
(億円)
[金融収支]
金融収支につきましては119億円の利益となり、前連結会計年度に比べて56億円の増益となりました。
為替差損益が前連結会計年度は36億円の為替差損に対して、当連結会計年度は42億円の為替差益となったことにより増益となりました。
[法人所得税費用]
法人所得税費用は、前連結会計年度では640億円の損失でしたが、当連結会計年度では560億円の損失となりました。
[非支配持分に帰属する当期利益]
非支配持分に帰属する当期利益は、主にアセアン現地法人、北米現地法人、国内のリース会社の非支配持分に帰属する当期利益からなり、前連結会計年度の409億円に対し、当連結会計年度は397億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は1,349億円となり、前連結会計年度に比べて52億円の減益となりました。基本的1株当たり当期利益は193.14円となりました。
(ⅲ)当連結会計年度の財政状態についての分析
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,598億円増加し、3兆6,631億円となりました。
主な要因としましては、営業債権及びその他の債権が1,004億円、有形固定資産が849億円、棚卸資産が583億円、売却目的で保有する資産が505億円増加したことによります。
[負債]
負債は、前連結会計年度末に比べて2,335億円増加し、1兆9,992億円となりました。
主な要因としましては、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)が986億円、営業債務及びその他の債務が678億円増加したことによります。
[資本]
資本は、前連結会計年度末に比べて1,263億円増加し、1兆6,640億円となりました。
主な要因としましては、剰余金の配当を649億円行ったことに加え、自己株式の取得によって500億円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を1,349億円及び非支配持分に帰属する当期利益を397億円計上したことによります。
(ⅳ)経営上の目標の達成状況についての分析
「IX」(2025年3月期から2031年3月期まで)の達成に向けた当社グループが掲げた定量値目標とそれに対する当期の達成状況は次のとおりです。
「IX」の達成に向けて掲げた定量値目標のうち、売上収益につきましては国内、海外で車両販売台数を伸ばしたものの、米国関税影響や中東情勢影響等を受け、3兆4,791億円となりました。営業利益につきましては、販売台数の増加、価格対応によるプラス影響はあるものの、米国関税影響、資材費等の上昇、為替影響、成長関連費用の増加によるマイナス影響に加えて、中東情勢影響による出荷停止もあり、営業利益2,037億円(営業利益率5.9%)となりました。また、ROEにつきましても、親会社の所有者に帰属する当期利益が減少したことで、当連結会計年度は9.5%となりました。
「IX」2030年度達成に向けては、「IX」に沿った収益成長(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照)に加え、配当による株主還元及び機動的な自社株取得を継続することで、適正な自己資本水準を意識しつつ、定量値目標の15%の達成を目指します。
配当性向につきましては、株主への利益還元、経営基盤の強化及び将来への事業展開に備えるための内部留保の充実等のバランスを総合的に勘案し、剰余金の配当を実施した結果、47.6%と目標値を上回りました。
(ⅴ)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
[キャッシュ・フローの状況]
「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
[資金需要]
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の状況については、「第3 設備の状況 1.設備投資等の概要」に記載のとおりです。
[資金調達の状況]
運転資金については返済期限が1年以内の短期借入金で、基本は各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については原則として資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。今後、投融資の実行に伴い借入金・社債等による資金調達を検討する可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.社債、借入金及びリース負債」及び「同注記 35.金融商品 (4)流動性リスク管理」に記載のとおりです。
[資金の流動性]
当社グループは2030年に目指す姿として、お客様・社会の課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、グローバルな商用車市場をリードする「商用モビリティソリューションカンパニー」へと進化することを、2024年4月に公表した中期経営計画「IX」の中で掲げています。この中期経営計画の財務目標としては、2030年度の売上収益6兆円、営業利益率10%以上を掲げ、そのために自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューションの新技術3領域を柱に据えた「イノベーション投資」に1兆円、グループ全体の既存事業の強化のための「既存事業投資」に1.6兆円の投資を実行していきます。また、財務健全性は確保しながら、株主還元として配当性向(期間平均)40%を維持、適正な親会社所有者帰属持分比率を意識した機動的な自己株式取得を継続していきます。
それら成長投資や株主還元、借入金返済の資金としては、事業で創出される営業キャッシュ・フローを原資に充当し、M&A等に係る資金は主として借入金、社債等で対応することによって、新たな中期経営計画の達成実現に向けて取り組みます。
なお、手元資金の流動性には絶えず注視が必要ですが、当社グループは現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、金融市場の急激な環境変化にも対応できる流動性を保持していると考えています。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内と海外を合わせた総販売台数は、前連結会計年度に比べ42,625台(8.1%)増加し、565,858台となりました。
国内車両販売台数につきましては、市場が堅調に推移し、前連結会計年度に比べ4,274台(5.5%)増加の81,741台となりました。海外車両販売台数につきましては、CV(商用車(トラック及びバス))は、米国の関税影響・市況悪化はあったものの、中近東・アフリカ・中南米を中心に13,082台(6.0%)増加し229,898台、LCV(ピックアップトラック及び派生車)は、タイ国内向けは厳しい市況が続くものの、販売サイドでの在庫調整を実施した前連結会計年度比では増加、輸出向けはサウジアラビアの需要減・中東情勢影響を受けた3月の出荷停止により減少した一方で、アフリカ・オセアニアを中心に台数増となったことで、25,269台(11.0%)増加し254,219台となりました。
また、産業用エンジンの売上収益は、前連結会計年度に比べ225億円(21.4%)増加の1,280億円となり、その他の売上収益につきましては、保有事業等の国内/海外での順調な伸長等により、前連結会計年度に比べ577億円(7.4%)増加の8,428億円となりました。
これらの結果、売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ2,434億円(7.5%)増加の3兆4,791億円となりました。内訳は、国内が1兆3,853億円(前連結会計年度比8.6%増)、海外が2兆937億円(前連結会計年度比6.8%増)です。
当連結会計年度の業績は次のとおりです。
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度比 | |||||
| 売上収益 | 34,791 | 億円 | 2,434 | 億円 | 7.5% | |
| 営業利益 | 2,037 | 億円 | △258 | 億円 | △11.2% | |
| 税引前利益 | 2,306 | 億円 | △144 | 億円 | △5.9% | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,349 | 億円 | △52 | 億円 | △3.7% | |
(為替レート)
| USD/JPY | 150.8円 (152.5円) |
| AUD/JPY | 99.8円 ( 99.5円) |
| EUR/JPY | 174.8円 (163.7円) |
| THB/JPY | 4.67円 ( 4.38円) |
注:( )内は前連結会計年度の為替レート
損益につきましては、販売台数の増加及び価格対応によるプラス影響はあるものの、米国関税影響、資材費等の上昇、為替影響、成長関連費用の増加によるマイナス影響に加えて、中東情勢影響による出荷停止もあり、営業利益は2,037億円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。また、税引前利益は2,306億円(前連結会計年度比5.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,349億円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
自動車事業セグメント
売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ2,386億円(7.5%)増加の3兆4,350億円となりましたが、セグメント利益は1,899億円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。セグメント利益の減少は、諸経費の増加などによるものです。
金融事業セグメント
売上収益につきましては、前連結会計年度に比べ257億円(13.9%)増加の2,108億円となりましたが、セグメント利益は139億円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。セグメント利益の減少は、諸経費の増加などによるものです。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,598億円増加し、3兆6,631億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて2,335億円増加し、1兆9,992億円となりました。
資本は、前連結会計年度末に比べて1,263億円増加し、1兆6,640億円となりました。
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は40.4%(前連結会計年度末41.6%)となりました。
有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)につきましては、前連結会計年度末に比べて986億円増加の8,574億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により2,474億円獲得した資金を、投資活動で1,700億円、財務活動で832億円使用したこと等により、前連結会計年度末に比べて267億円増加し、3,854億円となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除して計算した、フリーキャッシュ・フローは、774億円の資金流入(前連結会計年度は517億円の資金流入)となっています。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により獲得した資金は、2,474億円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。
これは、税引前利益を2,306億円、減価償却費及び償却費を1,525億円計上し、営業債務及びその他の債務の増加により78億円の資金流入があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加により454億円、棚卸資産の増加により278億円、法人所得税の支払により564億円の資金流出があったことが主な要因です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は、1,700億円(前連結会計年度比16.0%減)となりました。
これは、有形固定資産の取得で1,791億円の資金流出があったことが主な要因です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は、832億円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
これは、長期借入の実行で3,450億円及び社債の発行で299億円の資金流入があった一方で、長期借入金の返済で1,390億円、自己株式の取得で500億円、配当金の支払で648億円及び非支配株主への配当金の支払で330億円の資金流出があったことが主な要因です。
④ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前連結会計年度比 | |||
| 台数 (台) | 金額 (百万円) | 台数 (%) | 金額 (%) | ||
| 自動車事業 | 大型・中型CV | 95,718 | - | △0.2 | - |
| 小型CV | 215,858 | - | 9.2 | - | |
| LCV | 307,557 | - | 13.3 | - | |
| 計 | 619,133 | - | 9.6 | - | |
| 産業用エンジン | - | 113,568 | - | 21.8 | |
| その他 | - | 260,294 | - | 15.4 | |
(注)1.産業用エンジン、その他の金額は、販売価格によります。
2.上記の表には、関連会社等の生産実績は含まれていません。
(ⅱ)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、過去の販売実績と将来の予想に基づいて、見込み生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前連結会計年度比 | ||
| 金額(百万円) | 増減率(%) | |||
| 国 内 | 527,968 | 10.9 | ||
| 海 外 | 381,636 | △1.3 | ||
| 大型・中型CV計 | 909,604 | 5.5 | ||
| 国 内 | 198,453 | 7.5 | ||
| 海 外 | 584,484 | 4.7 | ||
| 小型CV計 | 782,938 | 5.4 | ||
| 海 外 | 815,816 | 10.2 | ||
| LCV計 | 815,816 | 10.2 | ||
| 国 内 | 726,422 | 10.0 | ||
| 海 外 | 1,781,937 | 5.8 | ||
| 車両計 | 2,508,360 | 7.0 | ||
| 国 内 | 58,593 | 10.7 | ||
| 海 外 | 69,361 | 32.2 | ||
| 産業用エンジン | 127,954 | 21.4 | ||
| 国 内 | 398,511 | 3.6 | ||
| 海 外 | 242,449 | 8.7 | ||
| その他 | 640,960 | 5.5 | ||
| 国 内 | 1,183,527 | 7.8 | ||
| 海 外 | 2,093,748 | 6.8 | ||
| 自動車事業合計 | 3,277,275 | 7.2 | ||
| 国 内 | 201,798 | 13.7 | ||
| 海 外 | - | - | ||
| 金融事業合計 | 201,798 | 13.7 | ||
| 国 内 | 1,385,325 | 8.6 | ||
| 海 外 | 2,093,748 | 6.8 | ||
| 売上収益合計 | 3,479,074 | 7.5 | ||
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | ||
| トリペッチいすゞセールス㈱ | 自動車事業 | 196,863 | 6.0 | 250,404 | 7.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)概観
[CV販売]
当連結会計年度におけるCV車両の販売台数は、前連結会計年度から17,356台(5.9%)増加の311,639台となりました。
国内では、堅調な市場により、前連結会計年度から4,274台(5.5%)増加の81,741台となりました。海外では、米国の関税影響や市況悪化はあったものの、中近東やアフリカ、中南米で伸長し、前連結会計年度から13,082台(6.0%)増加の229,898台となりました。
なお、当社の国内の普通トラックのシェアは、前連結会計年度比1.2%増加の42.2%となりました(UDトラックスを含む当社グループの国内の普通トラックのシェアは58.1%)。また、小型トラックのシェアは、前連結会計年度比1.1%増加の52.2%となり、いすゞシェアは、昨年記録した過去最高を更新しました。
・CV車両販売台数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | |||
| 国内 | 大型・中型 | 39,301 | 41,628 | 2,327 | 5.9 | |
| 小型 | 38,166 | 40,113 | 1,947 | 5.1 | ||
| 計 | 77,467 | 81,741 | 4,274 | 5.5 | ||
| 北米 | 大型・中型 | 2,965 | 1,566 | △1,399 | △ 47.2 | |
| 小型 | 24,013 | 16,943 | △7,070 | △ 29.4 | ||
| 計 | 26,978 | 18,509 | △8,469 | △ 31.4 | ||
| アジア | 大型・中型 | 19,958 | 19,798 | △160 | △ 0.8 | |
| 小型 | 54,160 | 56,558 | 2,398 | 4.4 | ||
| 計 | 74,118 | 76,356 | 2,238 | 3.0 | ||
| その他地域 | 大型・中型 | 30,343 | 31,276 | 933 | 3.1 | |
| 小型 | 85,377 | 103,757 | 18,380 | 21.5 | ||
| 計 | 115,720 | 135,033 | 19,313 | 16.7 | ||
| 合計 | 大型・中型 | 92,567 | 94,268 | 1,701 | 1.8 | |
| 小型 | 201,716 | 217,371 | 15,655 | 7.8 | ||
| 計 | 294,283 | 311,639 | 17,356 | 5.9 |
[LCV販売]
当連結会計年度におけるLCV車両の販売台数は、前連結会計年度から25,269台(11.0%)増加の254,219台となりました。
アジアでは、タイ国内向けは厳しい市況が続くものの、前連結会計年度は販売サイドで在庫調整していたことから、前連結会計年度からは増加しました。その結果、販売台数は前連結会計年度から13,773台(21.2%)増加の78,618台となりました。その他地域は、サウジアラビアの需要減や中東情勢影響による出荷停止があったものの、アフリカやオセアニアを中心に伸長し、前連結会計年度から11,496台(7.0%)増加の175,601台となりました。
・LCV車両販売台数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | ||
| アジア | 64,845 | 78,618 | 13,773 | 21.2 | |
| その他地域 | 164,105 | 175,601 | 11,496 | 7.0 | |
| 計 | 228,950 | 254,219 | 25,269 | 11.0 |
[パワートレイン出荷]
当連結会計年度における産業用エンジンの出荷基数は、堅調な新興国向けの需要により、前連結会計年度から16,490台(14.5%)増加の129,955台となりました。
・産業用エンジン出荷基数
| 前連結会計年度 (台) | 当連結会計年度 (台) | 増減台数 (台) | 増減率 (%) | ||
| 計 | 113,465 | 129,955 | 16,490 | 14.5 |
(ⅱ)当連結会計年度の経営成績についての分析
[売上収益]
売上収益につきましては、米国関税影響や中東情勢影響があったものの、国内、海外ともに車両販売台数が増加し、前連結会計年度に比べ2,434億円増加の3兆4,791億円となりました。内訳は、国内が1兆3,853億円(前連結会計年度比8.6%増)、海外が2兆937億円(前連結会計年度比6.8%増)です。
[営業利益]
当連結会計年度の営業利益は2,037億円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。
当連結会計年度における販売台数増加に伴う売上変動/構成差の影響は前連結会計年度に対して320億円の増益、価格対応の影響は前連結会計年度に対して360億円の増益となりました。一方で、資材費等の変動は255億円の減益、為替変動の影響は前連結会計年度に対して円高となり220億円の減益、成長関連費用の増加により210億円の減益、北米関税影響により160億円の減益となりました。
この結果、当連結会計年度における売上収益営業利益率は5.9%(前連結会計年度は7.1%)となりました。
なお、前連結会計年度からの営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
・営業利益の増減分析(前連結会計年度比)
(億円)
| 価格対応 | +360 |
| 売上変動/構成差 | +320 |
| 原価低減活動 | +175 |
| 費用増減他 | △478 |
| 資材費等の変動 | △255 |
| 為替変動 | △220 |
| 米国関税影響 | △160 |
| 合計 | △258 |
[金融収支]
金融収支につきましては119億円の利益となり、前連結会計年度に比べて56億円の増益となりました。
為替差損益が前連結会計年度は36億円の為替差損に対して、当連結会計年度は42億円の為替差益となったことにより増益となりました。
[法人所得税費用]
法人所得税費用は、前連結会計年度では640億円の損失でしたが、当連結会計年度では560億円の損失となりました。
[非支配持分に帰属する当期利益]
非支配持分に帰属する当期利益は、主にアセアン現地法人、北米現地法人、国内のリース会社の非支配持分に帰属する当期利益からなり、前連結会計年度の409億円に対し、当連結会計年度は397億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は1,349億円となり、前連結会計年度に比べて52億円の減益となりました。基本的1株当たり当期利益は193.14円となりました。
(ⅲ)当連結会計年度の財政状態についての分析
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,598億円増加し、3兆6,631億円となりました。
主な要因としましては、営業債権及びその他の債権が1,004億円、有形固定資産が849億円、棚卸資産が583億円、売却目的で保有する資産が505億円増加したことによります。
[負債]
負債は、前連結会計年度末に比べて2,335億円増加し、1兆9,992億円となりました。
主な要因としましては、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)が986億円、営業債務及びその他の債務が678億円増加したことによります。
[資本]
資本は、前連結会計年度末に比べて1,263億円増加し、1兆6,640億円となりました。
主な要因としましては、剰余金の配当を649億円行ったことに加え、自己株式の取得によって500億円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を1,349億円及び非支配持分に帰属する当期利益を397億円計上したことによります。
(ⅳ)経営上の目標の達成状況についての分析
「IX」(2025年3月期から2031年3月期まで)の達成に向けた当社グループが掲げた定量値目標とそれに対する当期の達成状況は次のとおりです。
| 当連結会計年度 (2026年3月期) | 定量値目標 (2031年3月期) | ||||
| 売上収益 | 34,791 | 億円 | 60,000 | 億円 | |
| 営業利益 | 5.9 | % | 10% | 以上 | |
| ROE | 9.5 | % | 15% | 以上 | |
| 配当性向 | 47.6 | % | 40.0% | 維持 | |
「IX」の達成に向けて掲げた定量値目標のうち、売上収益につきましては国内、海外で車両販売台数を伸ばしたものの、米国関税影響や中東情勢影響等を受け、3兆4,791億円となりました。営業利益につきましては、販売台数の増加、価格対応によるプラス影響はあるものの、米国関税影響、資材費等の上昇、為替影響、成長関連費用の増加によるマイナス影響に加えて、中東情勢影響による出荷停止もあり、営業利益2,037億円(営業利益率5.9%)となりました。また、ROEにつきましても、親会社の所有者に帰属する当期利益が減少したことで、当連結会計年度は9.5%となりました。
「IX」2030年度達成に向けては、「IX」に沿った収益成長(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照)に加え、配当による株主還元及び機動的な自社株取得を継続することで、適正な自己資本水準を意識しつつ、定量値目標の15%の達成を目指します。
配当性向につきましては、株主への利益還元、経営基盤の強化及び将来への事業展開に備えるための内部留保の充実等のバランスを総合的に勘案し、剰余金の配当を実施した結果、47.6%と目標値を上回りました。
(ⅴ)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
[キャッシュ・フローの状況]
「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
[資金需要]
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の状況については、「第3 設備の状況 1.設備投資等の概要」に記載のとおりです。
[資金調達の状況]
運転資金については返済期限が1年以内の短期借入金で、基本は各々の会社が運転資金として使用する現地の通貨で調達しています。設備投資資金については原則として資本金、内部留保といった自己資金でまかなうこととしています。今後、投融資の実行に伴い借入金・社債等による資金調達を検討する可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達の状況については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.社債、借入金及びリース負債」及び「同注記 35.金融商品 (4)流動性リスク管理」に記載のとおりです。
[資金の流動性]
当社グループは2030年に目指す姿として、お客様・社会の課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、グローバルな商用車市場をリードする「商用モビリティソリューションカンパニー」へと進化することを、2024年4月に公表した中期経営計画「IX」の中で掲げています。この中期経営計画の財務目標としては、2030年度の売上収益6兆円、営業利益率10%以上を掲げ、そのために自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューションの新技術3領域を柱に据えた「イノベーション投資」に1兆円、グループ全体の既存事業の強化のための「既存事業投資」に1.6兆円の投資を実行していきます。また、財務健全性は確保しながら、株主還元として配当性向(期間平均)40%を維持、適正な親会社所有者帰属持分比率を意識した機動的な自己株式取得を継続していきます。
それら成長投資や株主還元、借入金返済の資金としては、事業で創出される営業キャッシュ・フローを原資に充当し、M&A等に係る資金は主として借入金、社債等で対応することによって、新たな中期経営計画の達成実現に向けて取り組みます。
なお、手元資金の流動性には絶えず注視が必要ですが、当社グループは現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、金融市場の急激な環境変化にも対応できる流動性を保持していると考えています。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行う必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。