有価証券報告書-第113期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 16:04
【資料】
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【項目】
67項目

対処すべき課題

本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2017年3月31日現在において判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
トヨタは経営の基本方針を「トヨタ基本理念」として掲げており、その実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えています。その内容は次のとおりです。
1. 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
2. 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
5. 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
6. グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
7. 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する
(2) 会社の対処すべき課題
今後の経営環境としては、先進国では着実な成長が続き、新興国についてもその好影響の波及や各国の政策効果によって、緩やかに成長率が高まっていくことが期待されます。日本経済は、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気回復が見込まれますが、米国や英国などの政策動向に関する不確実性に留意する必要があります。
自動車市場については、先進国では安定推移が見込まれ、新興国では緩やかながらも持ち直しが期待されます。一方で、市場の変化や各種規制、技術の進化、異業種参入などが複雑に絡み合い、自動車事業そのものが大きな変革の時期を迎えています。
このような厳しい経営環境の中、トヨタは、以下の方針をかかげ、持続的成長を通じてトヨタグローバルビジョンを実現していきます。
第一に、「未来」を切り拓くため、勇気をもって新たな取り組みに挑戦していきます。電動化・情報化・知能化、新価値創造への戦略的シフトで、未来のモビリティ社会の構築を目指します。また、クルマの環境負荷をゼロに近づけるとともに、地球・社会にプラスとなる取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
第二に、木が年輪を重ねるように着実に成長するため、「仕事の進め方改革」を実行していきます。「強い志」と「謙虚な学び」で従来の延長線上から決別し、「もっといいクルマづくり」を加速させていきます。また、生き残りをかけて、激変する社会への感度を高め、危機への的確な対応による競争力獲得・維持に取り組んでいきます。
第三に、トヨタを支え続ける基盤固めに取り組んでいきます。お客様第一の徹底で、仕事の基本を守った全員参加の品質づくりを実践していきます。
このような取り組みにより、トヨタは、「もっといいクルマ」をお届けすることを通じて「いい町・いい社会」づくりに貢献し、結果として多くのお客様にクルマをお求めいただき、安定した経営基盤を構築していきます。このような循環を続けることによって、持続的成長を実現し、企業価値の向上に努めていきます。また、法令遵守をはじめとした企業行動倫理の徹底など、企業の社会的責任を果たしていきます。