有価証券報告書-第149期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 9:55
【資料】
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【項目】
124項目

対処すべき課題

「構造改革プラン」
当社グループは、平成24年2月、厳しい外部環境への対応と将来への成長を確実にするために、「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」を発表いたしました。
発表以来、SKYACTIVを梃子にした構造改革を強力に推進し、将来に向けた成長投資を継続しつつ、安定的な収益構造の実現に取り組んでまいりました。
平成28年3月期の経営指標につきましては、足元の販売環境や新興国通貨の変動などの外部環境の変化を踏まえ、以下のとおり見直しております。
平成28年3月期 経営指標の見通し
・グローバル販売台数149万台
・連結営業利益2,100億円
・ROS(連結売上高営業利益率)6.5%

(前提為替レート:1米ドル120円、1ユーロ130円)
「構造改革プラン」の主要施策及び進捗状況は、以下のとおりです。
(1)SKYACTIVによるビジネス革新
当社は、自動車の基本性能である「ベース技術」を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV技術」を搭載した商品を順次導入してきました。「CX-5」、「アテンザ」、「アクセラ」、「デミオ」、「CX-3」といった「SKYACTIV技術」を搭載した商品群は、市場への導入以来、各方面からの大きな反響と高い評価を獲得しており、ブランド価値の向上にも寄与してきました。販売面でも、グローバルで販売台数を伸ばしており、また、高い商品力に基づいた正価販売によるインセンティブ抑制で、収益面でも大きな貢献をしています。
(2)「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速
当社グループは、車種・車格やセグメントを超えて一括企画することで、共通の開発方法や生産プロセスを実現し、より効率的に多品種の商品を開発・生産する「モノ造り革新」に取り組んでまいりました。この「モノ造り革新」を全面的に取り入れた「CX-5」を始めとした新世代商品群は、走行性能と燃費性能だけでなく、コスト競争力の面でも期待どおりの成果をあげています。
(3)新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築
新興国での販売拡大を目指し、生産拠点の拡充や販売力強化など新興国事業強化に取り組み、着実な成果をあげるとともに、グローバル生産体制の再構築を進めています。メキシコ新工場は昨年1月に稼働を開始し、その後順調に生産台数を拡大させています。タイでも、本年1月に新トランスミッション工場の稼働を開始し、エンジン工場の建設も発表いたしました。また、ロシア、マレーシア、ベトナムにおける生産体制も構築し、新興国事業の強化を進めています。国内の生産規模を維持しつつ、グローバルでバランスのとれた生産・供給体制の構築を確実に推進してまいります。
(4)グローバルアライアンスの推進
マツダブランドを強化するため、商品、技術、地域ごとに最適な相互補完を行う提携戦略を推進しています。本年夏には、メキシコ工場でトヨタ自動車株式会社向けの小型車生産・供給を開始します。また、本社工場でのフィアット・クライスラー社向けオープン2シータースポーツカーの生産開始を本年度中に予定しています。
「構造改革ステージ2」(平成29年3月期~平成31年3月期)
当社グループは、「構造改革プラン」策定時から大きく変化した事業環境に対応し、将来の更なる成長に向けた「質的成長」を図るため、「構造改革ステージ2」を策定いたしました。
「構造改革プラン」での主要施策をより高いステージに引き上げ、ビジネス基盤の強化、ブランド価値の更なる向上、強固な財務基盤構築にあわせ、株主還元の着実な向上を図ってまいります。
最終年度となる平成31年3月期の経営指標は以下のとおりです。
平成31年3月期 経営指標の見通し
・グローバル販売台数165万台
・ROS(連結売上高営業利益率)7%以上
・自己資本比率45%以上
・配当性向20%以上

(前提為替レート:1米ドル120円、1ユーロ130円)
「構造改革ステージ2」の主要施策は、以下のとおりです。
(1)商品・開発
「SKYACTIV技術」搭載車に技術・デザイン面で継続的な進化を図り、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立させたマツダブランドを体現する新型車を導入します。次世代商品に向けた技術開発では、環境対応と安全対応に重点を置き、開発・生産・調達が一体となったグローバル一括企画を推進し、最適コモンアーキテクチャーを実現します。
(2)グローバル販売・ネットワーク強化
「SKYACTIV技術」搭載車のフルラインナップによる販売力の強化を図ります。店舗では常に最新のデザイン・技術を搭載したモデルをラインナップし、お客様のニーズにあわせたマツダ車を提供します。また、正価販売の実現やブランド価値訴求に焦点を当てたコミュニケーション戦略などの販売戦略を浸透させるため、現場改革を推進します。
(3)グローバル生産・コスト改善
国内生産拠点で大きな成果が出ている「モノ造り革新」をグローバルの全拠点及びサプライチェーンに展開し、生産効率の最適化とコスト改善を加速させていきます。また、好調な「SKYACTIV技術」搭載車の販売増に対応するため、メキシコ、タイなど海外生産拠点を最大限に活用し、グローバルで165万台レベルへの生産拡大を図り台数成長を実現します。
(4)財務基盤強化と株主還元
安定的・持続的な成長に向けた財務基盤を構築するため、有利子負債の圧縮や自己資本の充実に取り組みます。また、経営資源を効率的に活用し、研究開発や設備投資においては資本効率の向上を意識した規律ある成長投資を実施します。
株主還元については、業績に応じた配当の実施を基本とし、財務基盤の強化にあわせた配当性向の向上などを図ってまいります。
(注) 文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。