訂正有価証券報告書-第93期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は中国の景気減速と欧米の高金利の影響により減速感を強めましたが、欧米でのインフレ鈍化やアセアンの先進国向け外需回復により緩やかな回復となりました。
わが国の経済も、高水準の企業収益が賃金・設備投資に回ることで経済活動は回復基調である一方、雇用報酬の伸び悩みや物価高影響等で回復ペースは緩やかなものになりました。こうした中、当社グループの関連する自動車業界も、半導体不足は緩和され供給制約は解消するものの、インフレ継続等による販売の減速及び国内では認証不正等に伴う稼働停止影響もあり、緩やかな回復にとどまりました。
a.財政状態
総資産は1,420億45百万円と前連結会計年度末に比べ、62億69百万円の減少(△4.2%)となりました。
負債は1,196億9百万円と前連結会計年度末に比べ、75億99百万円の減少(△6.0%)となりました。
純資産は224億36百万円と前連結会計年度末に比べ、13億30百万円の増加(+6.3%)となりました。
b.経営成績
売上高は2,143億15百万円と前連結会計年度に比べ388億75百万円(+22.2%)の増収となりました。営業利益は22億48百万円(前連結会計年度は138億4百万円の営業損失)、経常利益は30億71百万円(前連結会計年度131億40百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は3億13百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失131億33百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は585億7百万円と前連結会計年度に比べ129億83百万円(+28.5%)の増収となり、セグメント利益は40億41百万円と前連結会計年度に比べ27億29百万円の増益となりました。
(北米)
売上高は1,059億12百万円と前連結会計年度に比べ237億35百万円(+28.9%)の増収となり、セグメント損失は51億9百万円と前連結会計年度に比べ128億31百万円の損失の減少となりました。
(欧州)
売上高は227億61百万円と前連結会計年度に比べ36億88百万円(+19.3%)の増収となり、セグメント損失は9億58百万円と前連結会計年度に比べ1億24百万円の損失の減少となりました。
(アジア)
売上高は271億33百万円と前連結会計年度に比べ15億32百万円(△5.3%)の減収となり、セグメント利益は38億47百万円と前連結会計年度に比べ73百万円の減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、218億99百万円(前連結会計年度末比87億85百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益30億32百万円、減価償却費72億69百万円等による資金の増加があり、一方で、売上債権の増加63億32百万円、前受金の減少36億60百万円等により、△5億47百万円の支出(前連結会計年度は18億98百万円の支出)となりました
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入33億4百万円、投資有価証券の売却による収入14億円、有形固定資産の取得による支出35億73百万円等により、8億71百万円の収入(前連結会計年度は27億41百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少9億19百万円、長期借入れによる収入2億77百万円、長期借入金の返済による支出81億98百万円、非支配株主への配当金の支払額11億65百万円、リース債務の返済による支出7億35百万円等により、△107億42百万円の支出(前連結会計年度は23億43百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 58,117 | +27.0 |
| 北米 | 105,649 | +28.3 |
| 欧州 | 22,967 | +21.1 |
| アジア | 26,830 | △6.7 |
| 合計 | 213,565 | +21.4 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
3 当連結会計年度において、日本セグメントの生産高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによる増加によるものであります。
4 当連結会計年度において、北米セグメントの生産高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
5 当連結会計年度において、欧州セグメントの生産高に著しい変動がありました。これは前連結会計年度において半導体供給不足及び欧州地域の工場の閉鎖並びに拠点解散に伴う減産がありましたが、当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによる反動増加であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 61,718 | +31.5 | 7,623 | +102.6 |
| 北米 | 106,182 | +23.7 | 8,388 | +7.7 |
| 欧州 | 23,011 | +18.8 | 1,651 | +15.4 |
| アジア | 27,443 | △2.5 | 1,919 | +46.3 |
| 合計 | 218,355 | +21.1 | 19,583 | +37.0 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、日本セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
3 当連結会計年度において、北米セグメントの受注高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
4 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは前連結会計年度において半導体供給不足及び欧州地域の工場の閉鎖並びに拠点解散に伴う減産がありましたが、当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによる反動増加であります。
5 当連結会計年度において、アジアセグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは前連結会計年度の中国地域におきまして新型コロナウイルス感染症が再拡大した影響に伴う得意先減産がありましたが、当連結会計年度の中国地域の当社受注車種の増産により反動増加したこと、またアセアン地域の生産台数が回復傾向にあることによるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 58,507 | +28.5 |
| 北米 | 105,912 | +28.9 |
| 欧州 | 22,761 | +19.3 |
| アジア | 27,133 | △5.3 |
| 合計 | 214,315 | +22.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、日本セグメントの販売高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
3 当連結会計年度において、北米セグメントの販売高に著しい変動がありました。これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
4 当連結会計年度において、欧州セグメントの販売高に著しい変動がありました。これは前連結会計年度において半導体供給不足及び欧州地域の工場の閉鎖並びに拠点解散に伴う減産がありましたが、当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによる反動増加であります。
5 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 日産自動車株式会社 | 91,111 | 51.9 | 114,055 | 53.2 |
| 本田技研工業株式会社 | 38,123 | 21.7 | 41,023 | 19.1 |
6 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA S.A. de C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、日産車体株式会社、東風日産乗用車公司、鄭州日産汽車有限公司、日産 (中国) 投資有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limitedの9社)向けの販売高を含めております。
7 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.、Honda Manufacturing of Alabama,LLC、Honda Manufacturing of Indiana,LLC、Honda de Mexico.S.A.de C.V.、株式会社本田技術研究所、本田汽車用品(広東)有限公司、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの12社)向けの販売高を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
総資産は1,420億45百万円と前連結会計年度末に比べ、62億69百万円の減少(△4.2%)となりました。この主な要因は、現金及び預金が87億56百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
負債は1,196億9百万円と前連結会計年度末に比べ、75億99百万円の減少(△6.0%)となりました。この主な要因は、長期借入金が117億50百万円減少、短期借入金が49億70百万円増加、支払手形及び買掛金が16億58百万円増加、流動負債その他が35億94百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産の部)
純資産は224億36百万円と前連結会計年度末に比べ、13億30百万円の増加(+6.3%)となりました。この主な要因は、退職給付に係る調整累計額が12億60百万円増加、為替換算調整勘定が6億7百万円増加したものの、利益剰余金が3億13百万円減少したことによるものであります。
(b)経営成績の分析
(前連結会計年度と当連結会計年度の増減分析)
当連結会計年度の売上高は、日本地域、北米地域、アセアン地域における主要得意先の生産台数の増加に加え円安による為替影響により、2,143億15百万円と前連結会計年度に比べ388億75百万円(22.2%)の増収となりました。営業利益は、急激なインフレ率の上昇による諸費用(労務費、材料費、物流費、電力料等)の高騰や新規車種立上げ関連費用の増加、為替の影響により、22億48百万円(前連結会計年度は、営業損失138億4百万円)となり、経常利益は30億71百万円(前連結会計年度は、経常損失131億40百万円)となりました。なお、前連結会計年度で計上した事業整理損を当連結会計年度では計上していないこと、連結子会社において収益性の低下に伴う減損損失が大幅に減少したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、3億13百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失131億33百万円)となりました。
(計画値と実績値の増減分析)
売上高は主要得意先の生産台数等の増加、改善や円安影響などにより予想値に比べ7.2%増となりました。営業利益は 取引先への販売価格の改定交渉、材料の市況変動による高騰や労務費高騰の販売価格への転嫁、生産現場における生産ロスの圧縮、人員体制の最適化等による人件費抑制の継続などの経営改革の断行により、予想値の2倍を超える約22億円の黒字を達成し、経常利益は大幅な円安による本業外での為替差益を計上したことなどにより営業利益の増加額を上回る約30億円の黒字となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、事業再建に伴う構造改革費用や黒字子会社の税金支払等により若干の赤字が残りました。
| 2024年3月期 (計画) | 2024年3月期 (実績) | 2024年3月期 (計画比) | |
| 売上高 | 200,000百万円 | 214,315百万円 | 14,315百万円増 ( 7.2%増) |
| 営業利益 | 1,000百万円 | 2,248百万円 | 1,248百万円増 (124.8%増) |
| 経常利益 | 1,500百万円 | 3,071百万円 | 1,571百万円増 (104.7%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | △1,000百万円 | △313百万円 | 687百万円増 ( - ) |
(注) 計画値は、2023年11月14日付け「通期連結業績予想に関するお知らせ」にて公表した数値であります。
(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(d)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。
(e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
半導体供給不足、コロナ禍からの回復により主要得意先の生産も堅調に推移し、売上高は585億7百万円と前連結会計年度比129億83百万円の増収(+28.5%)となり、セグメント利益は40億41百万円と前連結会計年度比27億29百万円の増益(+208.1%)となりました。
(北米)
主要得意先の生産台数の増加や為替の影響により、売上高は1,059億12百万円と前連結会計年度比237億35百万円の増収(+28.9%)となりました。一方で、原材料費の高騰は落ち着きをみせ、労務費・物流費についても改善活動の効果もあり、セグメント損失は51億9百万円(前連結会計年度はセグメント損失179億40百万円)となりました。
(欧州)
得意先の生産は下期にかけてやや弱含みながら半導体供給不足は解消し、売上高は227億61百万円と前連結会計年度比36億88百万円の増収(+19.3%)となり、セグメント損失は9億58百万円(前連結会計年度はセグメント損失10億82百万円)となりました。
(アジア)
アセアン地域は生産台数回復傾向にある一方、中国地域は期初からの主要得意先の販売不振が回復遅れに影響し、売上高は271億33百万円と前連結会計年度比15億32百万円の減収(△5.3%)となり、セグメント利益は38億47百万円と前連結会計年度比73百万円の減益(△1.9%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としており、これら資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローを主とし、必要に応じて金融機関からの借入等により資金を充当しております。また、国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入、海外連結子会社についても当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。さらに、当社は適時に資金繰り計画を作成・更新し、手元流動性を検証することなどにより流動性のリスクを管理しています。
当社は、2022年5月に、新型コロナウイルス感染症や半導体供給不足、原材料の高騰等、先行きが不透明な状況を鑑みて、安定的な資金調達を実現し当社グループの財務基盤の安定性を高めることを目的に総額303億円のシンジケートローン契約を締結、及び総額30億円のコミットメントライン契約を締結しております。さらに2022年9月には、新たに45億円のコミットメントライン契約を締結しております。このように、急速な外部環境の変化に対応するため手元流動性を高め、緊急時の資金対応に備えております。
なお、当連結会計年度の末日現在においてコミットメントライン契約の未使用枠を合計75億円保持しております。
(c)資金配分について
当社グループ全体として得られた資金は、設備投資、株主還元、手元資金に振り分けております。設備投資については、経営戦略を踏まえた投資意義や投資資金の回収可能性を検討の上、投資の可否を判断しております。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、継続的かつ安定的な配当の維持を目指しております。手元資金については、適切な事業環境に応じて一定の水準に抑えることでグループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。