訂正有価証券報告書-第94期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は緩やかな回復となりつつあるものの、米国トランプ政権の関税政策、中東やロシア・ウクライナでの不安定な国際情勢による地政学的リスクや下振れ要因が多く、先行き不透明感が増してきております。
わが国の経済も、物価上昇により内需の中心である個人消費の落ち込みが続くと予想されます。こうした中、当社グループの関連する自動車業界は、中国市場などでの電気自動車(BEV)へのシフト、トランプ政策を巡る不確実性の拡大により、市場の回復は見通しにくい状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは経営再建を目指して、100年に一度と言われる変革に対応すべく事業構造改革の取り組みを進めているところであります。
a.財政状態
総資産は1,448億31百万円と前連結会計年度末に比べ、20億93百万円の増加(+1.5%)となりました。
負債は1,219億22百万円と前連結会計年度末に比べ、5億70百万円の減少(△0.5%)となりました。
純資産は229億9百万円と前連結会計年度末に比べ、26億64百万円の増加(+13.2%)となりました。
b.経営成績
売上高は2,188億1百万円と前連結会計年度に比べ45億61百万円(+2.1%)の増収となりました。営業損失は2億89百万円(前連結会計年度は16億53百万円の営業利益)、経常損失は12億88百万円(前連結会計年度17億22百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は91億82百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失15億59百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は522億6百万円と前連結会計年度に比べ63億10百万円(△10.8%)の減収となり、セグメント利益は47億54百万円と前連結会計年度に比べ7億11百万円の増益となりました。
(北米)
売上高は1,168億88百万円と前連結会計年度に比べ110億38百万円(+10.4%)の増収となり、セグメント損失は63億25百万円と前連結会計年度に比べ7億50百万円の損失の増加となりました。
(欧州)
売上高は275億49百万円と前連結会計年度に比べ48億9百万円(+21.2%)の増収となり、セグメント損失は2億94百万円と前連結会計年度に比べ6億96百万円の損失の減少となりました。
(アジア)
売上高は221億56百万円と前連結会計年度に比べ49億76百万円(△18.3%)の減収となり、セグメント利益は14億98百万円と前連結会計年度に比べ23億23百万円の減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、267億30百万円(前連結会計年度末比48億31百万円の増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失69億22百万円となりましたが、減価償却費73億16百万円、減損損失42億13百万円等による資金の増加があり、一方で、仕入債務の減少39億60百万円等により、9億11百万円の収入(前連結会計年度は5億47百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出56億37百万円等により、51億70百万円の支出(前連結会計年度は8億71百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少135億9百万円、長期借入れによる収入235億39百万円、長期借入金の返済による支出67億83百万円、株式の発行による収入60億円等により、73億2百万円の収入(前連結会計年度は107億42百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 日本 | 52,241 | △10.1 |
| 北米 | 116,861 | +10.6 |
| 欧州 | 27,544 | +19.9 |
| アジア | 22,174 | △17.4 |
| 合計 | 218,822 | +2.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
3 当連結会計年度において、日本セグメントの生産高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
4 当連結会計年度において、北米セグメントの生産高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
5 当連結会計年度において、欧州セグメントの生産高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
6 当連結会計年度において、アジアセグメントの生産高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 日本 | 51,756 | △16.1 | 3,617 | △52.6 |
| 北米 | 117,933 | +11.1 | 9,433 | +12.5 |
| 欧州 | 28,281 | +22.9 | 2,384 | +44.4 |
| アジア | 21,544 | △21.5 | 1,307 | △31.9 |
| 合計 | 219,516 | +0.5 | 16,742 | △14.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、日本セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
3 当連結会計年度において、北米セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
4 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
5 当連結会計年度において、アジアセグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 日本 | 52,206 | △10.8 |
| 北米 | 116,888 | +10.4 |
| 欧州 | 27,549 | +21.2 |
| アジア | 22,156 | △18.3 |
| 合計 | 218,801 | +2.1 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、日本セグメントの販売高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
3 当連結会計年度において、北米セグメントの販売高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
4 当連結会計年度において、欧州セグメントの販売高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の増産や新車立上げによるものであります。
5 当連結会計年度において、アジアセグメントの販売高に著しい変動がありました。
これは当連結会計年度の当社受注車種の減産によるものであります。
6 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 日産自動車株式会社 | 114,055 | 53.2 | 111,331 | 50.9 |
| 本田技研工業株式会社 | 41,023 | 19.1 | 45,456 | 20.8 |
7 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA S.A. de C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、日産車体株式会社、東風日産乗用車公司、鄭州日産汽車有限公司、日産 (中国) 投資有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limitedの9社)向けの販売高を含めております。
8 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda Manufacturing of Alabama,LLC、Honda Manufacturing of Indiana,LLC、Honda de Mexico.S.A.de C.V.、株式会社本田技術研究所、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの10社)向けの販売高を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
総資産は1,448億31百万円と前連結会計年度末に比べ、20億93百万円の増加(+1.5%)となりました。この主な要因は、原材料及び貯蔵品16億46百万円減少、現金及び預金が37億77百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
負債は1,219億22百万円と前連結会計年度末に比べ、5億70百万円の減少(△0.5%)となりました。この主な要因は、長期借入金が651億37百万円増加、短期借入金が616億39百万円減少、支払手形及び買掛金が20億52百万円減少、固定負債リース債務が3億48百万円減少、流動負債その他が17億68百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産は229億9百万円と前連結会計年度末に比べ、26億64百万円の増加(+13.2%)となりました。この主な要因は、利益剰余金が31億82百万円減少、為替換算調整勘定が53億82百万円増加、非支配株主持分が3億87百万円増加したことによるものであります。
(b)経営成績の分析
(前連結会計年度と当連結会計年度の増減分析)
当連結会計年度の売上高は、日本・中国を始めとするアジア地域で主要得意先の生産台数が減少したものの、北米地域、欧州地域における主要得意先の生産台数の増加に加え円安による為替影響により、2,188億1百万円と前連結会計年度に比べ45億61百万円(+2.1%)の増収となりましたが、急激なインフレ率の上昇による諸費用(労務費、材料費、物流費、電力料等)の高騰や、新規車種立上げ関連費用の増加、為替の影響により、2億89百万円(前連結会計年度は営業利益16億53百万円)の営業損失となりました。また経常損失は12億88百万円(前連結会計年度は経常利益17億22百万円)となりました。なお、不採算事業からの撤退に伴う特別損失等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、91億82百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失15億59百万円)となりました。
(計画値と実績値の増減分析)
売上高は主要得意先の生産台数等の増加や改善、円安影響などにより予想値に比べ4.2%増となりました。取引先への販売価格の改定交渉、材料の市況変動による高騰や労務費高騰の販売価格への転嫁、生産現場における生産ロスの圧縮、人員体制の最適化等による人件費抑制の継続などの経営改革の断行を行いましたが、営業利益は、KMEXの買掛金処理等を見直した結果、予想値より約8億円減少しました。一方、経常利益は、本業外での為替差益を計上したこと等により、予想値より約2億円増加 いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に米国子会社の事業用資産について、正味売却価額を再評価した結果、減損損失を約31億円計上したため、約90億円の損失となりました。
| 2025年3月期 (計画) | 2025年3月期 (実績) | 2025年3月期 (計画比) | |
| 売上高 | 210,000百万円 | 218,801百万円 | 8,801百万円増 (4.2%増) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 500百万円 | △289百万円 | △789百万円減 (-) |
| 経常損失(△) | △1,500百万円 | △1,288百万円 | 212百万円増 (-) |
| 親会社株主に帰属する 当期純損失(△) | △11,000百万円 | △9,182百万円 | 1,818百万円増 (-) |
(注) 計画値は、2025年4月28日付け「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表した数値であります。
(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(d)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。
(e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
物価上昇により内需の中心である個人消費の落ち込みからの新車購買意欲も落ち込み、売上高は522億6百万円と前連結会計年度比63億10百万円の減収(△10.8%)となりましたが、経営改革の断行の効果によりセグメント利益は47億54百万円と前連結会計年度比7億11百万円の増益(+17.6%)となりました。
(北米)
主要得意先の生産台数の増加や為替の影響により、売上高は1,168億88百万円と前連結会計年度比110億38百万円の増収(+10.4%)となりました。ただし、原材料費・労務費・物流費の高騰により、セグメント損失は63億25百万円(前連結会計年度はセグメント損失55億74百万円)となりました。
(欧州)
好調な主要得意先の生産台数に支えられ、売上高は275億49百万円と前連結会計年度比48億9百万円の増収(+21.2%)となりました。セグメント損失は2億94百万円(前連結会計年度はセグメント損失9億91百万円)となりました。
(アジア)
アセアン地域は生産台数回復傾向にある一方、中国地域は期初からの主要得意先の販売不振が回復遅れに影響し、売上高は221億56百万円と前連結会計年度比49億76百万円の減収(△18.3%)となり、セグメント利益は14億98百万円と前連結会計年度比23億23百万円の減益(△60.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としており、これら資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローを主とし、必要に応じて金融機関からの借入等により資金を充当しております。また、国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入、海外連結子会社についても当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。さらに、当社は適時に資金繰り計画を作成・更新し、手元流動性を検証することなどにより流動性のリスクを管理しております。
当社は、2024年11月1日、当社グループの安定的な事業運営の継続、自己資本の充実による財務体質の改善・強化及び経営再建を確実とするための抜本的な構造改革施策の実施に必要な資金を確保することを目的として、日産自動車株式会社より、総額60億円の本第三者割当増資を実行いただきました。また、2024年11月1日、株式会社りそな銀行はデットデットスワップ(以下、「本DDS」といいます。)を実行しました。このように、急速な外部環境の変化に対応するため手元流動性を高め、緊急時の資金対応に備えております。
(c)資金配分について
当社グループ全体として得られた資金は、設備投資、株主還元、手元資金に振り分けております。設備投資については、経営戦略を踏まえた投資意義や投資資金の回収可能性を検討の上、投資の可否を判断しております。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、継続的かつ安定的な配当の維持を目指しております。手元資金については、適切な事業環境に応じて一定の水準に抑えることでグループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。