有価証券報告書-第89期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 15:01
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は、米中貿易摩擦の長期化による先行きの不透明感が増幅される中、欧州においては、英国のEU離脱問題により、設備投資が減少するなど、経済成長は減速傾向となりました。加えて、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動の長期停滞が、世界経済に大きな影を落としており、景気は急激に悪化しました。
わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外国人観光客を中心としたインバウンド需要の減少や、米中貿易摩擦に起因する輸出減少などに加え、国内設備投資の減少や個人消費の落ち込みによる影響が拡大した結果、経済の冷え込みが加速しております。
a.財政状態
総資産は1,506億92百万円と前連結会計年度末に比べ74億4百万円の増加(+5.2%)となりました。
負債は856億99百万円と前連結会計年度末に比べ125億62百万円の増加(+17.2%)となりました。
純資産は649億93百万円と前連結会計年度末に比べ51億57百万円の減少(△7.4%)となりました。
b.経営成績
売上高は2,046億32百万円と前連結会計年度に比べ226億24百万円(△10.0%)の減収となりました。営業利益につきましては、40億33百万円と前連結会計年度に比べ64億37百万円(△61.5%)の減益、経常利益は49億37百万円と前連結会計年度に比べ61億43百万円(△55.4%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は20億17百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益45億36百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は637億75百万円と前連結会計年度に比べ21億11百万円(△3.2%)の減収となりましたが、セグメント損失は1億79百万円と前連結会計年度に比べ8億77百万円の減益となりました。
(北米)
売上高は820億12百万円と前連結会計年度に比べ174億42百万円(△17.5%)の減収となり、セグメント利益は8億63百万円と前連結会計年度に比べ5億8百万円(△37.1%)の減益となりました。
(欧州)
売上高は199億41百万円と前連結会計年度に比べ48億85百万円(+32.4%)の増収となり、セグメント損失は29億36百万円と前連結会計年度に比べ24億81百万円の減益となりました。
(アジア)
売上高は389億3百万円と前連結会計年度に比べ79億55百万円(△17.0%)の減収となり、セグメント利益は64億86百万円と前連結会計年度に比べ26億22百万円(△28.8%)の減益となりました。

②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ34億3百万円増加し、212億11百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少26億78百万円による資金の増加がありましたが、税金等調整前当期純利益34億8百万円、棚卸資産の増加98億54百万円等による資金の減少があり、68億77百万円(前連結会計年度比64億44百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出△4億74百万円等の減少により、△119億52百万円(前連結会計年度比11億21百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入の純増額105億90百万円、長期借入による収入115億30百万円、長期借入金の返済による支出91億87百万円等により、88億円(前連結会計年度比81億80百万円の支出減)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本63,758△3.3
北米82,056△17.5
欧州20,032+35.2
アジア38,733△17.3
合計204,580△9.9

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度において、北米及びアジアセグメントの生産高に著しい変動がありました。これは主要車種の減産によるものであります。
5 当連結会計年度において、欧州セグメントの生産高に著しい変動がありました。これは新拠点の設立や新車立上げによるものであります。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
日本61,716△6.42,651△43.7
北米80,926△18.56,587△14.1
欧州20,272+39.71,539+56.4
アジア37,834△18.72,200△33.5
合計200,750△11.312,979△22.2

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、日本セグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
4 当連結会計年度において、北米及びアジアセグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
5 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは新拠点の設立や新車立上げによるものであります。

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本63,775△3.2
北米82,012△17.5
欧州19,941+32.4
アジア38,903△17.0
合計204,632△10.0

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、北米及びアジアセグメントの販売高に著しい変動がありました。これは主要車種の減産によるものであります。
4 当連結会計年度において、欧州セグメントの販売高に著しい変動がありました。これは新拠点の設立や新車立上げによるものであります。
5 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
日産自動車株式会社133,92058.9112,47355.0
本田技研工業株式会社55,38724.443,29421.2

6 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA S.A. de C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、日産車体株式会社、東風日産乗用車公司、鄭州日産汽車有限公司、日産 (中国) 投資有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.、PT. Nissan Motor Indonesia、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limitedの10社)向けの販売高を含めております。
7 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.、Honda Manufacturing of Alabama,LLC、Honda Manufacturing of Indiana,LLC、Honda de Mexico.S.A.de C.V.、株式会社本田技術研究所、本田汽車用品(広東)有限公司、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの12社)向けの販売高を含めております。
8 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
総資産は1,506億92百万円と前連結会計年度末に比べ74億4百万円の増加(+5.2%)となりました。この主な増加要因は、現金及び預金が22億58百万円、仕掛品が39億8百万円、未収入金が13億53百万円、有形固定資産が16億77百万円により、減少要因は、受取手形及び売掛金が27億79百万円、投資有価証券が11億3百万円によるものであります。
(負債の部)
負債は856億99百万円と前連結会計年度末に比べ、125億62百万円の増加(+17.2%)となりました。この主な増加要因は、短期借入金の123億55百万円、長期借入金の3億71百万円によるものであります。
(純資産の部)
純資産は649億93百万円と前連結会計年度末に比べ、51億57百万円の減少(△7.4%)となりました。この主な減少要因は、利益剰余金の34億15百万円、その他有価証券評価差額金9億51百万円、為替換算調整勘定の4億71百万円、退職給付に係る調整累計額7億76百万円によるものであります。
(b)経営成績の分析
(前連結会計年度と当連結会計年度の増減分析)
当連結会計年度の売上高は、得意先の減産を受け、欧州においては新拠点の設立や新車立上げ効果により増収となったものの、その他地域においては得意先の減産影響による売上の伸び悩みや米国会計基準を採用している子会社においてASC第606号「顧客との契約から生じる収益」を当連結会計年度より適用したことにより、買戻し契約に該当する有償支給取引について売上と原価を相殺表示した影響もあり、2,046億32百万円(前連結会計年度比10.0%減)の減収となりました。営業利益は、アジアセグメントにおける減収や新車立上げ準備費用の増加等の影響により、40億33百万円(前連結会計年度比61.5%減)、経常利益は49億37百万円(前連結会計年度比55.4%減)となりました。また、海外子会社において収益性の低下や工場閉鎖の決定に基づく減損損失等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は20億17百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益45億36百万円)となりました。
(計画値と実績値の増減分析)
当連結会計年度におきましては、北米セグメントやアジアセグメントにおける新車販売の伸び悩みはありましたが、欧州セグメントにおいて新拠点の設立や新車立上げによる増収により、計画に比べて売上高は1,632百万円の増収となりましたが、日本セグメントにおける新型コロナウイルスによる得意先減産の影響等により、営業利益につきましては966百万円の減益となり、経常利益につきましても、同様に計画を562百万円下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、海外子会社において減損損失等の計上に加え、国内において一定期間にわたり新型コロナウイルス感染症の影響が継続するという仮定に基づき、繰延税金資産の取り崩しによる税金費用が増加したため、計画を1,517百万円下回りました。
2020年3月期
(計画)
2020年3月期
(実績)
2020年3月期
(計画比)
売上高203,000百万円204,632百万円1,632百万円増 ( 0.8%増)
営業利益5,000百万円4,033百万円966百万円減 (19.3%減)
経常利益5,500百万円4,937百万円562百万円減 (10.2%減)
親会社株主に帰属する当期純利益△500百万円△2,017百万円1,517百万円減 ( - )


(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期ビジョン「KR10(Kasai Realize 10)」を策定し、2014年から2023年にかけて、連結売上高3,000億円、連結営業利益率8%を達成目標として掲げておりましたが、事業環境の変化等により見直しが必要となったことから、新中期経営計画の策定を進めてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、当社グループの国内及び海外事業において、現段階では業績に与える影響については未確定要素が多く、適正かつ合理的な業績予想の算出が困難であるため、公表を延期しております。
このような経営環境の中、当連結会計年度は、新車販売の伸び悩みや新型コロナウイルスの影響を受けた得意先の減産による影響を受け、連結売上高2,046億円、連結営業利益率2.0%となりました。
連結売上高と連結営業利益率の推移は以下のとおりです。
決算期2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月
連結売上高(億円)2,3792,2252,2402,2722,046
連結営業利益率(%)6.97.16.24.62.0

当社グループの今後の取り組みとして、工場再編、投資の最小化による資産効率の向上、新車立上ロスの削減、競争力の激化に対応するための社内合理化の推進、逼迫する労働市場を補うための生産性向上によるコスト削減を進め、業績の改善を図ってまいります。
(e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本では、新型コロナウイルス感染症による得意先減産の影響を受け、売上高は637億75百万円と前連結会計年度に比べ21億11百万円(△3.2%)の減収となり、新拠点設立費用及び新車立上げ費用により、セグメント損失は1億79百万円と前連結会計年度に比べ8億77百万円の減益となりました。
(北米)
米国では、乗用車の販売が伸び悩んだ影響により、売上高は820億12百万円と前連結会計年度に比べ174億42百万円(△17.5%)の減収、セグメント利益は8億63百万円と前連結会計年度に比べ5億8百万円(△37.1%)の減益となりました。
(欧州)
欧州では、ドイツにおける新規拠点の設立及びスロバキアにおける新車立上げにより、売上高は199億41百万円と前連結会計年度に比べ48億85百万円(+32.4%)の増収となりましたが、新車立上げ準備費用の増加等もあり、セグメント損失は29億36百万円と前連結会計年度に比べ24億81百万円の減益となりました。
(アジア)
主に中国での新車販売の伸び悩みにより、売上高は389億3百万円と前連結会計年度に比べ79億55百万円(△17.0%)の減収となり、セグメント利益は64億86百万円と前連結会計年度に比べ26億22百万円(△28.8%)の減益となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、突発的な資金需要には、当社及び一部連結子会社にてコミットメントライン契約を締結して流動性リスクに備えております。海外連結子会社においては、当社保証等により必要な運転資金及び設備資金の金融機関からの借入れを行っております。
(c)資金配分について
当社グループ全体として得られた資金は、設備投資、株主還元、手元資金に振り分けております。設備投資については、経営戦略を踏まえた投資意義や投資資金の回収可能性を検討の上、投資の可否を判断しております。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、継続的かつ安定的な配当の維持に努めております。手元資金については、適切な事業環境に応じて一定の水準に抑えることでグループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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