有価証券報告書-第90期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 16:17
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いており、各国でワクチン接種が進められておりますが、一部地域では変異ウイルスが確認されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、2020年秋ごろからの世界的な半導体需要の逼迫により、関連する製造業を始め、我々の主要得意先である各自動車メーカーも生産調整を強いられるなど、世界経済の景気回復には時間がかかる状況となっております。
わが国の経済におきましても、新型コロナウイルス感染症による世界的な海外渡航制限の継続により、インバウンド需要の低迷が長期化していることや、国内での感染再拡大に伴う、度重なる緊急事態宣言の発令により、経済活動が制限され個人消費等の回復ペースは鈍化しております。
a.財政状態
総資産は1,455億41百万円と前連結会計年度末に比べ51億50百万円の減少(△3.4%)となりました。
負債は980億96百万円と前連結会計年度末に比べ123億97百万円の増加(+14.5%)となりました。
純資産は474億44百万円と前連結会計年度末に比べ175億48百万円の減少(△27.0%)となりました。
b.経営成績
売上高は1,528億24百万円と前連結会計年度に比べ518億7百万円(△25.3%)の減収となりました。営業損失は129億69百万円(前連結会計年度は40億33百万円の営業利益)、経常損失は111億91百万円(前連結会計年度49億37百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は170億82百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失20億17百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は496億1百万円と前連結会計年度に比べ141億73百万円(△22.2%)の減収となり、セグメント損失は15億22百万円と前連結会計年度に比べ13億43百万円の減益となりました。
(北米)
売上高は534億92百万円と前連結会計年度に比べ285億19百万円(△34.8%)の減収となり、セグメント損失は85億95百万円と前連結会計年度に比べ94億59百万円の減益なりました。
(欧州)
売上高は212億8百万円と前連結会計年度に比べ12億66百万円(+6.4%)の増収となり、セグメント損失は63億33百万円と前連結会計年度に比べ33億96百万円の減益となりました。
(アジア)
売上高は285億22百万円と前連結会計年度に比べ103億80百万円(△26.7%)の減収となり、セグメント利益は39億70百万円と前連結会計年度に比べ25億15百万円の減益となりました。

②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ17億17百万円減少し、194億93百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費98億1百万円等よる資金の増加があり、一方で、税金等調整前当期純損失141億81百万円等により、△42億24百万円(前連結会計年度比111億2百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入17億18百万円等があり、一方で、有形固定資産の取得による支出99億27百万円等により、△75億38百万円(前連結会計年度比44億13百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入の増加21億62百万円、長期借入による収入245億1百万円、長期借入金の返済による支出132億26百万円、非支配株主への配当金の支払額15億10百万円等により、102億71百万円(前連結会計年度比14億70百万円の支出減)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本49,630△22.2
北米53,603△34.7
欧州21,696+8.3
アジア28,574△26.2
合計153,505△25.0

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度において、日本、北米及びアジアセグメントの生産高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
日本52,155△15.55,422+104.5
北米51,634△36.25,657△14.1
欧州21,201+4.61,719+11.7
アジア28,274△25.32,239+1.8
合計153,266△23.715,039+15.9

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、日本、北米及びアジアセグメントの受注高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
4 当連結会計年度において、日本セグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
5 当連結会計年度において、北米セグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症及び半導体供給不足の影響による得意先減産によるものであります。
6 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは新車立上げによるものであります。

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本49,601△22.2
北米53,492△34.8
欧州21,208+6.4
アジア28,522△26.7
合計152,824△25.3

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、日本、北米及びアジアセグメントの販売高に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の影響による得意先減産によるものであります。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
日産自動車株式会社112,47355.070,45046.1
本田技研工業株式会社43,29421.232,87621.5

5 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA S.A. de C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、日産車体株式会社、東風日産乗用車公司、鄭州日産汽車有限公司、日産 (中国) 投資有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limitedの9社)向けの販売高を含めております。
6 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.、Honda Manufacturing of Alabama,LLC、Honda Manufacturing of Indiana,LLC、Honda de Mexico.S.A.de C.V.、株式会社本田技術研究所、本田汽車用品(広東)有限公司、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの12社)向けの販売高を含めております。
7 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
総資産は1,455億41百万円と前連結会計年度末に比べ、51億50百万円の減少(△3.4%)となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が36億7百万円増加したものの、有形固定資産が44億25百万円減少、仕掛品が15億3百万円減少、現金及び預金が13億80百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
負債は980億96百万円と前連結会計年度末に比べ、123億97百万円の増加(+14.5%)となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が13億17百万円減少したものの、長期借入金が95億95百万円増加、短期借入金が32億37百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産は474億44百万円と前連結会計年度末に比べ、175億48百万円の減少(△27.0%)となりました。この主な要因は、利益剰余金が174億31百万円減少したことによるものであります。
(b)経営成績の分析
(前連結会計年度と当連結会計年度の増減分析)
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う主要得意先の稼働停止及び生産調整による大幅な減産影響を受け、1,528億24百万円と前連結会計年度に比べ518億7百万円(△25.3%)の減収となりました。営業損失は、売上高の大幅な減収や新車立上げ準備費用の増加等の影響により、129億69百万円(前連結会計年度は、営業利益40億33百万円)となり、経常損失は111億91百万円(前連結会計年度は、経常利益49億37百万円)となりました。また、連結子会社において収益性の低下に伴う減損損失等を計上したことや、当社及び一部海外連結子会社にて早期退職や転籍による事業構造改善費用の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は170億82百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失20億17百万円)となりました。
(計画値と実績値の増減分析)
当連結会計年度におきましては、北米地域での得意先増産や欧州地域での得意先増産及び新車立上げにより、計画に比べて売上高は5,824百万円の増収となりました。営業損失につきましては、日本地域での固定費削減効果等により、計画比で531百万円の増益となり、経常損失につきましては、各国政府からの雇用関係補助金収入もあり、計画を1,309百万円上回りました。親会社株主に帰属する当期純損失においては、連結子会社において減損損失等を計上したことや、当社及び一部海外連結子会社にて早期退職や転籍による事業構造改善費用の計上により、計画を3,582百万円下回りました。
2021年3月期
(計画)
2021年3月期
(実績)
2021年3月期
(計画比)
売上高147,000百万円152,824百万円5,824百万円増 ( 4.0%増)
営業損失(△)△13,500百万円△12,969百万円531百万円増 ( 3.9%減)
経常損失(△)△12,500百万円△11,191百万円1,309百万円増 (10.5%減)
親会社株主に帰属する当期純損失(△)△13,500百万円△17,082百万円3,582百万円減 (26.5%増)


(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期ビジョン「KR10(Kasai Realize 10)」を策定し、2014年から2023年にかけて、連結売上高3,000億円、連結営業利益率8%を達成目標として掲げておりました。しかしながら、事業環境の変化等により見直しが必要となったことから、2020年から2024年までの新中期経営計画を策定し取り組んでおりますが、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が続く中、現段階では未確定要素が多く、適正かつ合理的な業績予想の算出が困難であるため、具体的な指標の見直しには至っておりません。
このような経営環境の中、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた得意先の減産による影響を受け、連結売上高1,528億円、連結営業利益率△8.4%となりました。
連結売上高と連結営業利益率の推移は以下のとおりです。
決算期2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月2021年3月
連結売上高(億円)2,2252,2402,2722,0461,528
連結営業利益率(%)7.16.24.62.0△8.4

当社グループの今後の取り組みとして、工場再編、投資の最小化による資産効率の向上、新車立上ロスの削減、競争力の激化に対応するための社内合理化の推進、逼迫する労働市場を補うための生産性向上によるコスト削減を進め、業績の改善を図ってまいります。
(e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
主要得意先の生産台数は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による得意先の稼働停止及び生産調整による減産を受け、売上高は496億1百万円と前連結会計年度に比べ141億73百万円(△22.2%)の減収となり、セグメント損失は15億22百万円と前連結会計年度に比べ13億43百万円の減益となりました。
(北米)
新型コロナウイルス感染症の影響による得意先の稼働停止及び生産調整による減産を受け、売上高は534億92百万円と前連結会計年度に比べ285億19百万円(△34.8%)の減収、セグメント損失は85億95百万円と前連結会計年度に比べ94億59百万円の減益となりました。
(欧州)
新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、ドイツにおける新規拠点の設立及びスロバキアにおける新車立上げにより、売上高は212億8百万円と前連結会計年度に比べ12億66百万円(+6.4%)の増収となりましたが、新車立上げ準備費用の増加等もあり、セグメント損失は63億33百万円と前連結会計年度に比べ33億96百万円の減益となりました。
(アジア)
主要得意先の生産台数は回復傾向にあるものの、当連結会計年度では新型コロナウイルス感染拡大による得意先生産台数の減少により、売上高は285億22百万円と前連結会計年度に比べ103億80百万円(△26.7%)の減収となり、セグメント利益は39億70百万円と前連結会計年度に比べ25億15百万円の減益となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、突発的な資金需要には、当社及び一部連結子会社にてコミットメントライン契約を締結して流動性リスクに備えております。海外連結子会社においては、当社保証等により必要な運転資金及び設備資金の金融機関からの借入れを行っております。
(c)資金配分について
当社グループ全体として得られた資金は、設備投資、株主還元、手元資金に振り分けております。設備投資については、経営戦略を踏まえた投資意義や投資資金の回収可能性を検討の上、投資の可否を判断しております。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、継続的かつ安定的な配当の維持に努めております。手元資金については、適切な事業環境に応じて一定の水準に抑えることでグループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症や半導体供給不足による生産調整等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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