有価証券報告書-第153期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/21 15:38
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166項目
(1)業績等の概要
① 業績
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
税引前利益
(百万円)
親会社の所有者に帰属する当期利益
(百万円)
基本的1株当たり
当期利益
(円)
当連結会計年度730,54481,98576,81012,91810.05
前連結会計年度755,23192,20086,61751,67039.37
増減率(%)△3.3△11.1△11.3△75.0△74.5

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響により、厳しい状況となりました。経済活動は段階的に再開し、ワクチン接種も徐々に進んでいるものの、地域によっては感染再拡大の傾向が見られるなど、依然として不確実性の高い状況が続いています。わが国経済においては、輸出において持ち直しの動きがみられ、企業収益への影響も縮小しつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済と同様に厳しい状況となりました。
こうした環境下にあるものの、当社グループは、2019年1月に発表した真のグローバル・メドテックカンパニーへの飛躍を目指した企業変革プラン「Transform Olympus」と、それに基づき2019年11月に発表した中長期の経営戦略に沿って、持続的な成長に向けた取り組みを推し進めています。
その中で、当社は「事業ポートフォリオの選択と集中」を、当経営戦略の事業の成長・収益性向上のためのコア要素のひとつに位置付けています。その施策として2020年9月30日には、当社が新たに設立する当社の完全子会社(以下、「映像新会社」)に対して、吸収分割により当社の映像事業を承継させたうえで、その映像新会社の株式の95%を日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社に譲渡する最終契約を同社と締結し、本契約に基づき、当社は2021年1月1日に当該株式の譲渡を完了しました。これに伴い、第2四半期連結会計期間より、映像事業は非継続事業として表示しています。この結果、当連結会計年度の表示形式に合わせ、前連結会計年度の連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び関連する連結財務諸表注記を一部組替えて表示しています。また、厳しい外部環境の下で当経営戦略を実現するべく、(ⅰ)社外で自らの力を発揮することを希望する社員への支援、(ⅱ)変革を推進する人材の適所適材への採用と登用、(ⅲ)グローバル・メドテックカンパニーに相応しい収益性の達成を目的として、2021年2月には、社外転進支援制度により希望退職を募集しました。
業績の状況は以下の通りです。なお、以下(1)から(7)は継続事業の業績を示しています。
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率(%)
(1)売上高755,231730,544△24,687△3.3%
(2)売上原価272,456271,014△1,442△0.5%
(3)販売費および一般管理費381,171357,032△24,139△6.3%
(4)持分法による投資損益/
その他の収益/その他の費用
△9,404△20,513△11,109-
(5)営業利益92,20081,985△10,215△11.1%
(6)金融損益△5,583△5,175408-
(7)法人所得税費用26,03511,140△14,895△57.2%
(8)親会社の所有者に帰属する当期利益51,67012,918△38,752△75.0%

(1)売上高
前期比246億87百万円減収の7,305億44百万円となりました。その他事業では増収となった一方、内視鏡事業、治療機器事業、科学事業で減収となりました。詳細は次ページのセグメントの業績に記載しています。
(2)売上原価
前期比14億42百万円減少の2,710億14百万円となりました。売上原価率は、37.1%と前年同期比1.0ポイント悪化しました。
なお、前期においては、顧客の保有する十二指腸内視鏡製品を対象として、先端キャップ固定式の製品から、洗浄消毒作業の容易な先端キャップ着脱式の新製品へ自主的に置き換えることを決定し、その市場対応費用約104億円を引当計上しています。一方、当連結会計年度においては、内視鏡事業で気管支鏡および胆道鏡の自主回収に伴う費用約60億円を計上し、治療機器事業で処置具の自主回収に伴う費用約20億円を計上しています。さらに、新型コロナウイルス感染症による影響で生産量が減少した結果、工場の操業度が低下するなどの影響も生じています。
(3)販売費および一般管理費
前期比241億39百万円減少の3,570億32百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動の制限により、旅費交通費、広告・販売促進費等が減少したこと、また、2008年にGyrus Group PLCを買収した際に計上した無形資産の償却が前期に終了したことにより減価償却費が約52億円減少したこと等によるものです。
(4)持分法による投資損益/その他の収益/その他の費用
持分法による投資損益、その他の収益およびその他の費用の合算で205億13百万円の損失となり、前期比で損失が111億9百万円増加しました。その他の収益は、新型コロナウイルスの感染症対策に伴う政府補助金約24億円等により、増加しました。一方、その他の費用は、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約120億円や事業ポートフォリオの選択と集中を推進するため、映像事業における分社による新会社の設立及び譲渡に係る事業構造改革費用約52億円を計上したこと、企業変革プラン「Transform Olympus」を推進するための関連費用が約27億円増加したこと等により、増加しました。
(5)営業利益
上記の要因により、前期比102億15百万円減益の819億85百万円となりました。
(6)金融損益
金融収益と金融費用を合わせた金融損益は51億75百万円の損失となり、前期比で損益は4億8百万円改善しました。損益の改善は、主として為替差損の減少によるものです。
(7)法人所得税費用
前期比で148億95百万円減少し、111億40百万円となりました。減少は、主として映像事業の譲渡により収益性が改善することで、将来の課税所得の増加が見込まれることから、繰延税金資産を新たに積み増したことによるものです。
(8)親会社の所有者に帰属する当期利益(継続事業及び非継続事業の合算)
上記の要因により、前期比で387億52百万円減益となる129億18百万円となりました。
(研究開発支出および設備投資)
当期においては、非継続事業を除いた継続事業で817億94百万円の研究開発支出を投じるとともに、989億35百万円の設備投資を実施しました。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
新型コロナウイルス感染症により、医療分野では各学会から手術の延期、中止が推奨され症例数が減少し、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じました。また、科学事業では、顧客の設備投資意欲の減退が見られたことに加え、顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じました。当連結会計年度における当社連結業績への影響は、継続事業の売上高で約324億円として認識しています。
(為替影響)
為替相場は前期に対して、対米ドルは円高となった一方、対ユーロ及び人民元は円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=106.06円(前期は108.74円)、1ユーロ=123.70円(前期は120.82円)、1人民元=15.67円(前期は15.60円)となり、売上高では前期比で62億75百万円の減収要因、営業利益では前期比で69億54百万円の減益要因となりました。なお、為替の影響を除くと、連結売上高は前期比2.4%の減収、連結営業利益は前期比3.5%の減益となります。
セグメントの業績は次のとおりです。以下では、継続事業の数値を表示しています。
売上高営業利益又は営業損失(△)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減率
(%)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減率
(%)
内視鏡425,742419,466△1.5109,424104,705△4.3
治療機器216,075206,040△4.626,19124,633△5.9
科学105,18995,861△8.99,9974,949△50.5
その他8,2259,17711.6△2,864△682-
小計755,231730,544△3.3142,748133,605△6.4
消去又は全社---△50,548△51,620-
連結計755,231730,544△3.392,20081,985△11.1

(注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。
内視鏡事業
内視鏡事業の連結売上高は、4,194億66百万円(前期比1.5%減)、営業利益は1,047億5百万円(前期比4.3%減)となりました。
消化器内視鏡においては、2020年4月に欧州と一部アジア地域、7月に日本において、主力の内視鏡システム新製品「EVIS X1(イーヴィス・エックスワン)」を導入したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことや、各学会から消化器内視鏡検査の延期、中止が推奨され症例数が減少したことで、内視鏡事業の売上高は減収となりました。
内視鏡事業の営業損益は、前期において、顧客の保有する十二指腸内視鏡製品を対象として、先端キャップ固定式の製品から、洗浄消毒作業の容易な先端キャップ着脱式の新製品へ自主的に置き換えることを決定し、その市場対応費用として約104億円を引当計上したことで前期の利益が減少していたことに加えて、当期において費用の効率化を進めたことで収益性がその分改善したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による減収や第2四半期連結会計期間に気管支鏡および胆道鏡の自主回収に伴う費用として約60億円を引当計上したこと、さらに社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用として約42億円をその他の費用に計上したこと等により、減益となりました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比0.5%の減収、営業利益は前期比0.3%の減益となっています。
治療機器事業
治療機器事業の連結売上高は、2,060億40百万円(前期比4.6%減)、営業利益は246億33百万円(前期比5.9%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、各学会から手術の延期、中止が推奨され症例数が減少したことや、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことで、治療機器事業の売上高は減収となりました。
治療機器事業の営業損益は、2008年にGyrus Group PLCを買収した際に計上した無形資産の償却が前期に終了したことにより減価償却費が約52億円減少したことや、費用の効率化を進めたものの、減収や第3四半期連結会計期間に処置具の自主回収に関する費用として約20億円を、売上原価に計上したことに加え、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用として約14億円を、その他の費用に計上したこと等により、減益となりました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比4.1%の減収、営業利益は前期比横ばいとなっています。
科学事業 科学事業の連結売上高は、958億61百万円(前期比8.9%減)、営業利益は49億49百万円(前期比50.5%減)となりました。
中国では、ライフサイエンス分野は、がん研究、再生医療向けを中心に、また産業分野は、半導体関連産業向けを中心に、事業環境が回復し、第4四半期以降、販売が好調に推移しました。一方で、全体としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、航空産業等で設備投資意欲の減退が見られたことに加え、顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販促活動に制約が生じたことで、科学事業の売上高は減収となりました。
科学事業の営業損益は、費用の効率化を進めたものの、減収や新型コロナウイルス感染症の影響で生産量が減少した結果、生産拠点における操業度が低下したことに加え、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用として約12億円を、その他の費用に計上したこと等により、減益となりました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比7.9%の減収、営業利益は前期比39.6%の減益となっています。
その他事業
その他事業では、人工骨補填材等の生体材料、整形外科用器具などの開発・製造・販売等を行っているほか、新規事業に関する研究開発や探索活動に取り組んでいます。
その他事業の連結売上高は、91億77百万円(前期比11.6%増)、営業損失は6億82百万円(前期は28億64百万円の営業損失)となりました。2020年11月に子会社化したFH ORTHO SASの売上高17億35百万円が加わったことにより、増収となりました。
その他事業の営業損益は、2021年3月に当社子会社であったオリンパスRMS株式会社の全株式をロート製薬株式会社に譲渡したことに伴う譲渡益17億70百万円をその他収益に計上したことにより、改善しました。
② 財政状態の状況
前連結会計年度末
(百万円)
当連結会計年度末
(百万円)
増 減
(百万円)
増減率
(%)
資産合計1,015,6631,181,017165,35416.3
資本合計371,958395,48023,5226.3
親会社所有者帰属
持分比率
36.5%33.4%△3.1%

[資産]
当連結会計年度末は、資産合計が、前連結会計年度末から1,653億54百万円増加し、1兆1,810億17百万円となりました。社債の発行及び借入による資金調達等により、現金及び現金同等物が549億84百万円増加、Arc Medical Design LimitedやVeran Medical Technologies, Inc.等を買収した影響等により、のれん及び無形資産がそれぞれ324億85百万円及び256億43百万円増加したことが主な要因となります。また、主に米国における治療機器事業等の拠点集約及び欧州における本社再開発に伴い、使用権資産を取得した影響等により、有形固定資産が368億18百万円増加しています。一方、第1四半期連結会計期間に、英国子会社の年金制度において、年金バイイン(Buy-in)を実施した影響等により退職給付に係る資産が84億34百万円減少しています。なお、年金バイインにより、保有していた年金資産の一部を保険会社に対して拠出し、将来にわたって受給者の年金給付に必要となる金額を年金基金が保険会社より受け取ることが出来る契約を締結しています。
[負債]
負債合計は、前連結会計年度末から1,418億32百万円増加し、7,855億37百万円となりました。社債の発行及び借入による資金調達等により、非流動負債の社債及び借入金が1,238億38百万円増加したことが主な要因となります。新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、手元流動性を確保するため、2020年5月に長期借入により1,000億円、同7月に社債の発行により500億円の資金調達を行っています。一方で、主にコマーシャル・ペーパーの償還を行った影響等により、流動負債の社債及び借入金は494億89百万円減少しています。
[資本]
資本合計は、前連結会計年度末から235億22百万円増加し、3,954億80百万円となりました。剰余金の配当を行った一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益129億18百万円を計上したこと等により、利益剰余金が24億10百万円増加したことに加え、円安の影響による在外営業活動体の換算差額の変動により、その他の資本の構成要素が214億4百万円増加したことが主な要因となります。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前期末の36.5%から33.4%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー133,544124,122△9,422
投資活動によるキャッシュ・フロー△62,430△118,918△56,488
財務活動によるキャッシュ・フロー△19,46240,80060,262
現金及び現金同等物期末残高162,717217,47854,761

[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は、1,241億22百万円(前連結会計年度は1,335億44百万円の増加)となりました。税引前当期利益768億10百万円及び減価償却費及び償却費の調整599億37百万円が主な要因になります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は、1,189億18百万円(前連結会計年度は624億30百万円の減少)となりました。主な要因は、Arc Medical Design LimitedやVeran Medical Technologies, Inc.等の買収による支出445億41百万円及び映像事業譲渡に伴う支出278億30百万円になります。また、生産設備やデモ機等の有形固定資産の取得により386億60百万円、研究開発資産等の無形資産の取得により205億67百万円を支出しています。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において財務活動により増加した資金は、408億円(前連結会計年度は194億62百万円の減少)となりました。主な要因は、長期借入による収入992億30百万円、社債の発行による収入497億57百万円になります。一方で減少要因として、コマーシャル・ペーパーの償還を行った影響等による短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少677億21百万円、配当金の支払128億56百万円等があります。なお、長期借入及び社債の発行による収入は、新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、手元流動性を確保するために資金調達を行ったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から547億61百万円増加し、2,174億78百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
内視鏡417,944△3.1
治療機器175,827△6.9
科学92,335△17.0
その他1,75853.1
687,864△6.1

(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
② 仕入実績
セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)
内視鏡--
治療機器--
科学--
その他1,759△9.1
1,759△9.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
③ 受注実績
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
④ 販売実績
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
内視鏡419,466△1.5%
治療機器206,040△4.6%
科学95,861△8.9%
その他9,17711.6%
730,544△3.3%

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度時点において判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、2019年11月に発表した中長期の経営戦略において、目標とする業績指標を営業利益率で定めており、2023年3月期に営業利益率を20%超に改善することを目指しています。
当連結会計年度における営業利益率は、販管費の効率化を進めたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、11.2%(前期比1.0ポイント悪化)となりました。
目標とする業績指標の達成に向けて、内視鏡事業では消化器内視鏡システム「EVIS X1」の拡販を進めるとともに、治療機器事業では消化器科処置具、泌尿器科、呼吸器科処置具の3領域に注力し、売上の成長と費用の効率向上を図るとともに、引き続き、財務の健全性を考慮しつつ、収益性と資産効率性の向上に向け、事業活動を推進していきます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(i) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当社グループは、当連結会計年度において、買収や映像事業譲渡に伴う支払を行った一方で、営業活動からのキャッシュ・インフローが堅調であったことに加え、借入及び社債の発行による資金調達を行いましたので、当連結会計年度末時点で2,000億円超(前連結会計年度末より約550億円増加)の手元資金を保有しています。この手元資金規模は、安定した事業運営および財務基盤の確保に十分な水準であると認識しています。
(ⅱ) 財務政策
当社グループは、安定した財務基盤の維持と、適正な財務レバレッジのコントロールによる資本効率向上の両立を、財務政策の基本方針としています。この基本方針のもと、格付投資情報センター、およびS&Pグローバル・レーティング・ジャパンの格付においてBBB格(安定的)以上の維持を目標とし、自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等の財務健全性に関する指標を重視した財務政策を行っています。これらに加え、コマーシャル・ペーパーや公募社債の発行等、資金調達手段の多様化による調達コストの低減に取り組んでおり、全社的な資本コストの削減にも努めています。
(ⅲ) 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの製品を製造するための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、人件費および広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は、様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および欧米を中心とした製造、修理拠点の拡充など、生産効率向上のための設備投資です。加えて、当連結会計年度においては、Arc Medical Design LimitedやVeran Medical Technologies, Inc.等の買収を行い、戦略投資の資金需要も生じました。将来の成長に向けた戦略的な投資への資金需要に対しても、財務健全性の維持と資本効率性の向上を両立させながら、引き続き積極的に対応してまいります。
(ⅳ) 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金により充当していますが、必要に応じて金融機関からの借入や社債の発行により資金を調達しています。これらの借入金および社債については、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できると考えており、今後も成長に必要となる資金の調達に問題はないものと考えています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持していることに加えて、格付投資情報センターの格付はA格、及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパンの格付もBBB+となっていることから、安定的かつ低コストで適時滞りなく資金を調達することが出来ると考えています。さらに、主要通貨(ドル・ユーロ・円)によるグローバルコミットメントラインを設定しており、機動的かつ円滑な資金調達が可能な体制を構築しています。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、手元流動性を確保するため、2020年5月に長期借入により1,000億円、同7月に社債の発行により500億円の資金調達を行いました。安定した財務基盤の維持と、適正な財務レバレッジのコントロールによる資本効率向上の両立を意識しながら、今後も資金需要に応じて、借入や社債の発行による調達を検討していきます。
(ⅴ) 資金配分
(ⅳ) 資金調達に記載したとおり、機動的な資金調達体制により、当社グループは、成長投資や株主還元に必要な手元資金も十分に確保出来ています。当社グループの持続的な成長を実現させるため、手元資金は、成長ドライバーへの投資に優先的に配分していく方針であり、収益性の高い既存事業への投資や成長機会への戦略的な投資を実施していきます。また、事業成長等への投資を優先しつつ、株主価値を考慮した積極的な株主還元も実施していきます。配当については、安定的かつ継続的に増配する方針で、自己株式買入については、投資機会と資金状況に応じて柔軟に実施する方針です。
③ 重要な会計方針および見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りにつきましては、合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

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