有価証券報告書-第114期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は、主要顧客である国内の半導体業界の設備投資計画が先送りになる一方、中国及び台湾の半導体市場が堅調に推移したこと及び国内半導体市場を他の市場の設備投資でカバーした結果、321億8千9百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
営業利益は、全社をあげてのコスト削減推進の結果、売上原価率が前連結会計年度54.2%から当連結会計年度52.7%と改善し、61億9千7百万円(前連結会計年度比21.4%増)となりました。
営業外損益は、主として為替差益が1億4千5百万円減少したことにより、前連結会計年度3億8千1百万円の利益(純額)から当連結会計年度2億6千5百万円の利益(純額)となり、経常利益は64億6千3百万円(前連結会計年度比17.8%増)となりました。
特別損益は、主として減損損失を2億7千6百万円計上したことにより、前連結会計年度3億1千4百万円の利益(純額)から当連結会計年度2億7千5百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は61億8千7百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。
「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を合わせた税金費用は、前連結会計年度の15億2千3百万円から当連結会計年度は16億9千3百万円と、1億6千9百万円増加しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は43億4千2百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して33億6千8百万円増加し、602億1千9百万円(前連結会計年度末比5.9%増)となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金が28億7千3百万円増加、受取手形及び売掛金が2億6千2百万円増加、原材料及び貯蔵品が2億7百万円増加した一方、春日部新棟(生産センター)新築工事の着手金・中間金の支払い等に充てるため、金銭信託を取崩したことにより、有価証券が31億2千6百万円減少しております。
固定資産につきましては、春日部新棟(生産センター)新築工事の着手金・中間金の支払い等により建設仮勘定が28億2千4百万円増加しております。
負債につきましては、未払法人税等が4億4千1百万円増加、流動負債のその他に含まれる未払金が3億3千3百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が7億4千2百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して5千4百万円減少し、105億8千3百万円(前連結会計年度末比0.5%減)となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して34億2千3百万円増加し、496億3千5百万円(前連結会計年度末比7.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、6億6千9百万円増加し、150億1千6百万円(前連結会計年度末比4.7%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益61億8千7百万円、減価償却費11億9千2百万円、減損損失2億7千6百万円があった一方で、法人税等の支払額14億3千4百万円、仕入債務の減少7億3千6百万円、売上債権の増加4億5千1百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ収入が10億1千2百万円(24.0%)増加し、52億3千2百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入16億1百万円、定期預金の払戻による収入8億8千8百万円、有価証券の売却による収入8億7千7百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出37億7千3百万円、有価証券の取得による支出14億7千7百万円、投資有価証券の取得による支出4億7千8百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が22億8千1百万円(218.2%)増加し、△33億2千7百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入4億円があった一方で、配当金の支払額9億6百万円、長期借入金の返済による支出4億円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が1億8千万円(17.9%)増加し、△11億9千3百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 80.4 | 79.5 | 78.3 | 77.6 | 78.8 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 55.6 | 81.9 | 101.9 | 87.3 | 78.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.8 | 0.7 | 0.8 | 0.6 | 0.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 92.1 | 128.9 | 115.0 | 147.7 | 187.6 |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
(注3)営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使
用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、機種別の情報を記載しております。
a.生産実績
| 機種別 | 生産高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 12,141,759 | 100.4 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 6,643,521 | 107.4 |
| その他測定機器 | 944,497 | 86.1 |
| 合計 | 19,729,778 | 101.8 |
(注) 1.金額の表示は、販売価格換算で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
| 機種別 | 受注高 (千円) | 前連結会計年度比 (%) | 受注残高 (千円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 21,457,566 | 104.6 | 2,925,523 | 98.1 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 9,797,490 | 104.8 | 1,425,650 | 120.8 |
| その他測定機器 | 1,090,677 | 97.6 | 249,485 | 88.4 |
| 合計 | 32,345,735 | 104.4 | 4,600,659 | 103.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
| 機種別 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 21,514,134 | 104.8 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 9,551,876 | 107.9 |
| その他測定機器 | 1,123,468 | 88.5 |
| 合計 | 32,189,479 | 105.0 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| キオクシア株式会社 | 3,793,777 | 12.4 | 2,786,377 | 8.7 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢・所得環境・企業収益の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で米中貿易摩擦の長期化、中国経済の減速及び英国EU離脱問題等の不確実な海外経済の動向、さらには新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの属する産業防災保安機器業界におきましては、主要顧客である国内の半導体業界の設備投資計画が先送りになる一方、中国及び台湾の半導体市場は堅調に推移しました。また、国内半導体市場を他の市場の設備投資でカバーする動きがみられました。
このような情勢のなかで、当社グループは、幅広い業界からの引き合いがある当社製品・サービスの強みを活かして需要を着実に成果に結びつけるとともに、生産の合理化による原価低減、徹底した経費削減、積極的な営業活動の展開、新製品開発への積極的な投資、品質管理体制及びサービス体制の充実に継続して取り組んで参りました。
これらの諸施策の結果、当連結会計年度の売上高は321億8千9百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益は61億9千7百万円(前連結会計年度比21.4%増)、経常利益は64億6千3百万円(前連結会計年度比17.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億4千2百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
当連結会計年度におきましては、当社グループは新型コロナウイルスの影響は比較的受けませんでしたが、今後は収束時期次第で影響を受けることが想定されます。
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容に代えて、以下に機種別の売上の概況を記載いたします。
定置型ガス検知警報機器
米中貿易摩擦などの世界経済の先行き不透明感から、昨年度下期から今期にかけて世界的に半導体市場は低迷しました。当社も設備投資が抑制された国内市場について影響を受けましたが、中国・台湾等の海外市場を中心に設備投資が底堅く推移し、半導体製造装置メーカー向けと合わせて、「スマートタイプガス検知部GD-70D」の売上増に貢献しました。
また、国内の原子力発電所や製鉄所等における大型設備投資が相次いだ影響で「ガス検知警報器用指示警報ユニット RM-5000」の販売も売上に大きく貢献しました。
この結果、売上高は215億1千4百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
可搬型ガス検知警報機器
可搬型ガス検知器で最も多く販売された「GX-2009」の後継にあたる「GX-3R」が2019年4月より販売を開始し、買替え需要のみでなく新規需要にも支えられ、売上増に大きく貢献しました。GX-3Rシリーズは検知可能ガスや新機能が追加されており、今後はさらなる販売数増加の余地を見込める推移となっております。
この結果、売上高は95億5千1百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
その他測定機器
「防爆型熱量計OHC-800」が国内外のガス供給会社を中心に販売を伸ばしました。しかしながら、昨年度は大型案件のあった北米・中国における「燃料電池車用水素センサ」や、大学や研究機関に販売を伸ばした「大気中光電子分光装置ACシリーズ」の需要が今期は一服した反動で、その他測定機器全体としては減少する結果となりました。
この結果、売上高は11億2千3百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であり、財源は主として自己資金(営業活動によるキャッシュ・フロー)または金融機関からの借入によっております。財務政策といたしましては、常に最適な財務比率と資金効率をバランスよく維持し、財務体質のより一層の健全化を図ることとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。