有価証券報告書-第112期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は、RKI Instruments,Inc.を子会社化したこと及び半導体業界を始めとした主要顧客の積極的な設備投資の結果、280億8千9百万円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。
営業利益は、主としてRKI Instruments,Inc.を子会社化したことにより、44億1千5百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。
営業外損益は、主として持分法による投資利益が9千4百万円減少した一方、為替差損が4千4百万円減少したことにより、前連結会計年度1億7千4百万円の利益(純額)から1億5千9百万円の利益(純額)となり、経常利益は45億7千5百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。
特別損益は、主として前期発生の段階取得に係る差益11億1千2百万円が当期は発生しなかったことから、前連結会計年度10億7千万円の利益(純額)から当連結会計年度2千7百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は45億4千8百万円(前連結会計年度比13.3%減)と、減益となりました。
「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を合わせた税金費用は、前連結会計年度の11億1千8百万円から当連結会計年度は12億2千6百万円と、1億8百万円増加しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は31億7千4百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して50億円増加し、535億1千9百万円(前連結会計年度末比10.3%増)となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金が2億6千7百万円増加、受取手形及び売掛金が10億8千万円増加、電
子記録債権が5億3千4百万円増加、有価証券が10億1千8百万円増加、商品及び製品が2千1百万円減少、仕掛
品が4億3千7百万円増加しております。
固定資産につきましては、本社新社屋建物の完成、本社テクニカルセンターの売却等により、建物及び構築物が21億6千4百万円増加した一方、土地が2億7千5百万円減少、建設仮勘定が18億9千8百万円減少しております。
投資その他の資産につきましては、保有株式の含み益が増加したこと等により、投資有価証券が11億7百万円増
加しております。
負債につきましては、支払手形及び買掛金が13億4千万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して16億2千1百万円増加し、109億9千2百万円(前連結会計年度末比17.3%増)となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して33億7千8百万円増加し、425億2千7百万円(前連結会計年度末比8.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、18億5千6百万円増加し、122億3千9百万円(前連結会計年度末比17.9%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益45億4千8百万円、減価償却費9億9千3百万円、仕入債務の増加額13億3千6百万円があった一方で、売上債権の増加額16億3百万円、法人税等の支払額12億4百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ収入が7億6千3百万円(18.5%)減少し、33億7千3百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入21億9千9百万円、有形固定資産の売却による収入8億5千2百万円、定期預金の払戻による収入8億3千万円があった一方で、有価証券の取得による支出20億6千3百万円、有形固定資産の取得による支出14億9千7百万円、定期預金の預入による支出8億1千6百万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が10億6千9百万円(68.3%)減少し、△4億9千5百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入4億円、社債の発行による収入2億9千6百万円があった一方で、配当金の支払額5億8千万円、長期借入金の返済による支出4億円、社債の償還による支出4億円、リース債務の返済による支出2億2千万円があったこと等により、前連結会計年度と比べ支出が7千2百万円(9.3%)増加し、△8億5千5百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 79.3 | 79.4 | 79.6 | 78.7 | 77.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 58.2 | 78.7 | 55.1 | 81.0 | 100.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.0 | 1.2 | 0.8 | 0.7 | 0.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 66.8 | 59.0 | 92.1 | 128.9 | 115.0 |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
(注3)営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使
用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、機種別の情報を記載しております。
a.生産実績
| 機種別 | 生産高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 10,326,942 | 110.3 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 5,857,843 | 108.7 |
| その他測定機器 | 1,123,963 | 110.8 |
| 合計 | 17,308,748 | 109.8 |
(注) 1.金額の表示は、販売価格換算で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
| 機種別 | 受注高 (千円) | 前連結会計年度比 (%) | 受注残高 (千円) | 前連結会計年度比 (%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 19,304,989 | 128.9 | 2,993,686 | 141.6 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 8,297,815 | 114.1 | 677,971 | 98.6 |
| その他測定機器 | 1,567,507 | 127.1 | 433,392 | 195.3 |
| 合計 | 29,170,312 | 124.2 | 4,105,050 | 135.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
| 機種別 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| 定置型ガス検知警報機器 | 18,425,859 | 123.0 |
| 可搬型ガス検知警報機器 | 8,307,278 | 115.5 |
| その他測定機器 | 1,356,015 | 114.0 |
| 合計 | 28,089,154 | 120.3 |
(注) 1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要なものにつきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、北朝鮮をめぐる地政学リスクや米国の通商政策、中国の構造改革の行方など、景気の下振れ要因として引き続き注意が必要な情勢はあるものの、緩やかな拡大基調で推移いたしました。
わが国経済においても、好調な企業業績や堅調な雇用・所得情勢により景気は緩やかな回復基調が続いており、世界景気の拡大による輸出増や2020年に開催が予定されている東京五輪関連の建設需要などの堅調な内需に支えられ、景気は今後も緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。
当社グループの属する産業防災保安機器業界におきましても、半導体業界を始めとした主要顧客の積極的な設備投資によって需要は好調に推移いたしました。
このような情勢のなかで、当社グループは、生産の合理化による原価低減、徹底した経費削減、積極的な営業活動の展開、新製品開発への積極的な投資、品質管理体制及びサービス体制の充実に継続して取り組んで参りました。また、海外シェアの一層の拡大を視野に、従来は持分法適用関連会社であったRKI Instruments,Inc.(米国)を前連結会計年度末に子会社化いたしました。
これらの諸施策の結果、当連結会計年度の売上高は280億8千9百万円(前連結会計年度比20.3%増)、営業利益は44億1千5百万円(前連結会計年度比10.4%増)、経常利益は45億7千5百万円(前連結会計年度比9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億7千4百万円(前連結会計年度比23.1%減)となりました。
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であり、財源は主として自己資金(営業活動によるキャッシュ・フロー)または金融機関からの借入によっております。財務政策といたしましては、常に最適な財務比率と資金効率をバランスよく維持し、財務体質のより一層の健全化を図ることとしております。
当社グループの事業は、各種産業用測定機器の製造・販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容に代えて、以下に機種別の売上の概況を記載いたします。
定置型ガス検知警報機器
世界的に半導体メーカーによる設備投資が好調だったことから「スマートタイプガス検知部GD-70D」の販売が牽引し、売上高増加に寄与しました。また、中国リチウムイオン電池製造装置メーカー向けに「炉内セフティモニターSD-2500」も昨年度に引き続き、販売数を伸ばしました。
また、石油化学工場向けに開発した「信号変換器付ガス検知部SD-1」は海外工場向けの販売が牽引し、販売数が堅調に推移しました。
一酸化炭素の漏洩リスクを防ぐ「小型一酸化炭素モニターEC-600」は鉄鋼市場向けに販売数を伸ばし
ました。
この結果、売上高は184億2千5百万円(前連結会計年度比23.0%増)となりました。
可搬型ガス検知警報機器
主力機種である「ポケッタブルマルチガスモニターGX-2009」は、国内需要は一服したものの、ブラ
ジルや欧州を中心とした海外需要を取り込み販売数が伸びました。同様に小型ガス検知器の03シリーズも海外向けに販売数を大きく伸ばしました。
また、可燃性ガスに加え毒性ガスも同時に検知可能である「ポータブルマルチガスモニターGX-600
0」は、リスクアセスメントの管理やケミカルタンカーなど船舶向けの需要が高く、好評でした。
新製品として本体とガスを検知するセンサをつなぐケーブルを巻取式にすることで利便性を高くした「投込式ポータブル酸素モニターOX-08」の販売を開始しました。発売当初から建設業界を中心に販売が好調に推移しています。
この結果、売上高は83億7百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。
その他測定機器
ACシリーズ(「大気中光電子分光装置AC-2」「大気中光電子分光装置AC-3」)は、研究機関及
び東アジアの有機EL市場向けに販売が増加しました。
また、北米市場向けに燃料電池車用の水素検知器センサの需要が増加し、売上を伸ばしました。
この結果、売上高は13億5千6百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。