有価証券報告書-第61期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、2024年5月に「未来をつくるための変革と挑戦」をテーマとした中期経営計画2027を策定しました。「収益構造の改革」と「グローバリゼーションの推進」を基本方針として掲げ、4つの取り組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「サステナビリティ経営の推進」を定め、対応を進めております。
この取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度においては、日本国内においては、医療用手袋や排尿排液関連用品の販売が減少したものの、注力事業として取り組みを進める薬剤調製・投与クローズドシステムや、需要が拡大している摂食嚥下関連用品の販売が引き続き伸長しました。海外においては、AVF針(血液透析用針)の販売が堅調に推移した一方で、血液バッグおよび北米向け成分献血用回路の販売が減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ39億4百万円減少の658億45百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。
利益につきましては、AVF針、薬剤調製・投与クローズドシステム、摂食嚥下関連用品等の増収効果が寄与したものの、血液バッグや成分献血用回路の減収影響により、営業利益は4億91百万円減少の3億81百万円(前連結会計年度比56.3%減)となりました。また、持分法による投資利益を計上した一方で、支払利息や為替差損を計上した結果、経常利益は3億56百万円(前連結会計年度比30.8%減)となりました。さらに、構造改革の一環として進めている海外生産拠点の再編に伴い、韓国の生産拠点において事業再編損を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は7億83百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益89百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
摂食嚥下関連用品及び薬剤調製・投与クローズドシステムの販売が堅調に推移したものの、急性血液浄化装置及び中国向け血液透析装置の販売が減少したことにより、売上高は447億59百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。また、セグメント利益については、減収影響に加え、支払手数料や研究開発費などの増加により、9億49百万円(前連結会計年度比36.0%減)となりました。
(シンガポール)
北米向け成分献血用回路やアフリカ及びアジア向け血液バッグの販売が減少したことにより、売上高は237億26百万円(前連結会計年度比10.6%減)となりました。また、セグメント損益については、主力製品の減収影響を受けたものの、為替差損の減少により、47百万円の損失(前連結会計年度は2億円の損失)となりました。
(中国)
中国国内のAVF針の販売が減少したことにより、売上高は39億85百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。また、セグメント利益については、原価低減及び経費節減の効果により、87百万円(前連結会計年度は28百万円の損失)となりました。
(フィリピン)
アジア向け血液バッグや成分献血用回路の販売が減少したため、売上高は33億35百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。また、セグメント損益については、血液バッグの販売減少に伴う稼働率の低下のほか、労務費の増加により、7億27百万円の損失(前連結会計年度は4億15百万円の損失)となりました。
(ドイツ)
欧州向けにおいて、AVF針の販売が好調に推移したものの、透析用チェアの販売が減少したことにより、売上高は39億56百万円(前連結会計年度比11.5%減)となりました。また、セグメント利益については、減収影響を受けたものの、管理費等の節減効果により、4億73百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。
(その他)
韓国国内の輸液セットの販売が減少したものの、北米向けAVF針及び翼状針の販売が増加したことなどにより、売上高は59億29百万円(前連結会計年度比17.5%増)となり、セグメント利益については24百万円(前連結会計年度は3億85百万円の損失)となりました。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ16億35百万円増加の830億67百万円となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(日本)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ10億62百万円増加の574億60百万円となりました。この主な要因は、借入金の増加により現金及び預金が増加したためであります。
(シンガポール)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4億43百万円減少の203億17百万円となりました。この主な要因は、関係会社出資金の評価損によるものであります。
(中国)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億82百万円増加の48億74百万円となりました。この主な要因は、設備投資により機械装置が増加したためであります。
(フィリピン)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ38百万円減少の62億57百万円となりました。この主な要因は、円高による円貨換算額の減少によるものであります。
(ドイツ)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億20百万円増加の26億39百万円となりました。この主な要因は、円安による円貨換算額の増加によるものであります。
(その他)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2億97百万円減少の63億32百万円となりました。
b.負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億53百万円増加の266億82百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が増加したためであります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億81百万円減少の145億93百万円となりました。この主な要因は、退職給付に係る負債が減少したためであります。
c.純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ8億64百万円増加の417億91百万円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定の変動によるものであります。 なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.1ポイント上昇の50.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度に比べ22億9百万円増加の77億17百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億16百万円増加の15億84百万円となりました。この主な要因は、棚卸資産の変動によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ8億82百万円減少の22億50百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得に係る支出の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ58億73百万円増加の26億87百万円となりました。この主な要因は、借入金の収支差額によるものであります。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
| 第57期(2022年3月期) | 第58期(2023年3月期) | 第59期(2024年3月期) | 第60期(2025年3月期) | 第61期(2026年3月期) | |
| 自己資本比率(%) | 51.4 | 51.8 | 47.9 | 50.1 | 50.2 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 20.7 | 17.2 | 15.5 | 13.9 | 12.6 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.3 | 7.9 | 8.6 | 16.7 | 17.7 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 27.3 | 14.7 | 16.8 | 4.0 | 3.9 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式総数により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 24,208 | △7.1 |
| シンガポール | 22,842 | △14.1 |
| 中国 | 3,822 | △3.4 |
| フィリピン | 3,602 | △2.8 |
| ドイツ | ― | ― |
| その他 | 1,867 | △22.7 |
| 合計 | 56,342 | △10.2 |
(注) 1 生産実績金額の算定基準は、平均販売価額によっております。
2 セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 7,951 | △6.0 |
| シンガポール | 110 | +437.2 |
| 中国 | 31 | +8.4 |
| フィリピン | ― | ― |
| ドイツ | 407 | △60.3 |
| その他 | 310 | △12.9 |
| 合計 | 8,811 | △11.0 |
(注) 商品仕入実績金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 41,748 | △1.9 |
| シンガポール | 12,117 | △21.3 |
| 中国 | 2,030 | △9.5 |
| フィリピン | 62 | +177.6 |
| ドイツ | 3,955 | △11.5 |
| その他 | 5,929 | +17.5 |
| 合計 | 65,845 | △5.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| HAEMONETICS CORPORATION | 8,879 | 12.7 | 6,511 | 9.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・経営成績等及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容、並びに中期経営計画の数値目標及び実績
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として合理化設備への投資やICT投資の資金を営業活動によるキャッシュ・フローからの資金、及び財務活動によるキャッシュ・フローからの資金で充当します。この財務活動からの資金については、主に金融機関等からの借入を考えております。
また、株主還元については、株主各位に対する長期的かつ安定的な利益還元を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は280億8百万円であり、現金及び現金同等物の残高は77億17百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。