有価証券報告書-第69期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においても、緩やかな持ち直しが続くことが期待される一方、中国では不動産市場の停滞や個人消費の弱含みによる影響もあり景気が緩やかに減速していることに加え、米国の政策動向による影響や欧米における高い金利水準の継続など、依然として不透明な状況は継続しております。
このような状況の中、当社グループは、その存在意義を実現させるため、2023年12月期より「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を推進してまいりました。当連結会計年度はその最終年度として、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、以下の3つの基本戦略の着実な実行による既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいりました。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度においては、売上高は中国事業を中心に販売が堅調に推移したことにより、1,091億70百万円(前期比4.8%増)となりました。利益面においては、増収による売上総利益の増加に加え、売上総利益率が前期比で0.9ポイント改善したことで販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は131億58百万円(同8.4%増)、経常利益は136億81百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円(同2.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。
・米ドル:149.66円(151.48円)
・中国元: 20.82円( 21.04円)
注:( )内は前年同期の為替換算レート
当社グループの報告セグメントは「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」及び「ランシノ事業」の計4セグメントとなっております。各セグメントにおける概況は以下のとおりです。
<日本事業>当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は378億6百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は25億96百万円(同29.9%増)となり増収増益で終了しました。
ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、基幹商品である哺乳器・乳首やベビースキンケア、販売構成比の高いベビーフード・飲料等が堅調に推移し、前期を上回りました。6月に実施した哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部価格改定による効果に加え、ベビーケアの新規領域である育児家電についても、8月より販売を開始したスペースパフォーマンスに優れる新モデルを加えた「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 ポチット」シリーズをはじめ、引き続き好調に推移しました。また、9月に「TABOTENZU(タボテンズ)」及び11月に「ピジョンキッズ」の新ブランドをそれぞれ発表するなど、育児を取り巻く環境の多様化や、共働き世帯の増加など社会構造の変化に伴う親のニーズに応じた新たな製品づくり、発信等に継続的に取り組んでおります。
また、コミュニケーション施策の一環として、「インスタライブ」などの自社SNSを活用した商品紹介や販売促進に加え、小売店との共同開催によるプレママ・パパ向けセミナーや、医療従事者向けのオンラインセミナーを複数回開催するなど、継続的なブランド強化に取り組んでおります。
子育て支援においては、事業所内保育施設等53箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら、事業を展開してまいります。
ヘルスケア・介護については、介護用品ブランド「ハビナース」で販売している、アタッチメント型の食事補助具「自分で食べる ミールキャッチ」などの新商品を中心にブランドの活性化を図りました。引き続き、排泄サポート、清潔サポート、食事サポート関連商品等の販売を推進し、今後も更なる小売店及び介護施設等への営業活動強化などの施策実行を徹底してまいります。
当事業の利益については、増収や価格改定効果に伴う売上総利益の増加や工場稼働率の改善等により前期を上回りました。
<中国事業>当事業の売上高は429億2百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益は104億96百万円(同4.3%増)となり増収増益で終了しました。
主要市場である中国本土においては、前年奏功したブランド露出及び販売促進活動の強化を継続実施したことで、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。商品群では、基幹商品である哺乳器・乳首及びベビースキンケアの販売が堅調に推移しました。また、新商品を投入し、ラインアップを拡充しているドリンキングカップの販売も引き続き好調となるなど、出生数減少に向けた対応策の一環である高月齢及びキッズ向け商品(エイジアップ)についても売上への貢献度が着実に高まっております。さらに、消費者コミュニケーションでは、動画プラットフォームTikTokの中国本土版「Douyin(抖音)」や「RED(小紅書)」等のSNS上でのブランド露出強化に加え、ライブコマース等のデジタルマーケティングの強化により、中国最大のECイベントである11月のダブルイレブン商戦における販売も堅調に推移しました。
また、当事業が管轄する韓国及び北米市場(ピジョンブランド)においては、現地販売子会社を起点としたブランド強化及び販売・マーケティング活動に取り組んだほか、特に北米市場においては、哺乳器・乳首を中心としたピジョンブランドの育児用品の販売が好調に推移しました。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の伸長によって販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前期を上回りました。
<シンガポール事業>当事業の売上高は149億20百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は21億24百万円(同27.4%増)となり増収増益で終了しました。
当事業が管轄するASEAN周辺地域及びインドでは、特にオーストラリア、マレーシアなどでの販売が堅調に推移し、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。当事業が注力している基幹商品カテゴリにおいては、高価格帯の広口タイプ哺乳器「SofTouch™」シリーズ(日本における商品名:母乳実感®)のブランドリニューアル効果が主要市場で継続したこともあり、哺乳器・乳首の販売が好調に推移しました。スキンケアでは、当事業が注力する「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」シリーズの「おむつかぶれクリーム」が好調を維持するなど、順調に販売が伸長しております。また、新商品として7月に販売を開始したドリンキングカップ「StarTouch™」の各国での露出増加と販売促進に注力しました。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとし、基幹商品である哺乳器・乳首及びスキンケアを中心に積極的な販売・マーケティング活動を展開してまいります。
当事業の利益については、哺乳器・乳首の販売伸長及び広口哺乳器の販売比率拡大による総利益率の改善等もあり、前期を上回りました。
<ランシノ事業>当事業の売上高は219億4百万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は15億17百万円(同12.3%減)となり増収減益で終了しました。
主力市場である北米においては、主力商品である乳首ケアクリームや母乳パッドの販売が堅調に推移したことに加え、当期より注力している哺乳器・乳首の販売も大きく伸長した一方、さく乳器カテゴリにおいては昨年の新商品効果の一巡や競争激化などの影響が継続した結果、現地通貨ベースの売上高は前期を下回りました。欧州市場においては、各国での乳首ケアクリーム等の好調に加えてドイツ、ベネルクスなどでさく乳器や産前・産後ケア商品等の販売も好調に推移し、現地通貨ベースの売上高も前期を上回りました。
北米においては、注力中である哺乳器カテゴリのラインアップ拡充に加え、8月には他ブランドとのコラボレーションによるドリンキングカップ等の販売も開始し、哺乳器カテゴリ周辺商品の強化にも着手しております。今後は一層の事業拡大に向け、各地域の消費者行動に合わせたランシノブランドの製品ラインアップを強化し、妊娠中及び産後の女性をより包括的にサポートすることを目指してまいります。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の増加が見られた一方で、米国関税による原価への影響等もあり前期を下回りました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億8百万円増加し、396億9百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、130億58百万円(前年同期は142億81百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益133億18百万円、減価償却費45億81百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増加額19億4百万円、法人税等の支払額39億83百万円等の減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、31億44百万円(前年同期は11億37百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入54百万円等の増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出27億97百万円、無形固定資産の取得による支出3億45百万円等の減少要因によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、108億18百万円(前年同期は106億39百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額91億5百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は製造原価によっております。
(受注実績)
当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注残高は僅少であります。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。流動資産は30億99百万円増加し765億61百万円、固定資産は13億19百万円減少し335億27百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が4億8百万円、商品及び製品が22億43百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産の減少の主な要因は、建物及び構築物が13億81百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。流動負債は7億44百万円増加し181億27百万円、固定負債は2億44百万円減少し60億73百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、未払費用が5億92百万円、製品自主回収関連費用引当金が1億23百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が2億27百万円増加したものの、リース債務が4億10百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
純資産の増加の主な要因は、利益剰余金が5億85百万円減少したものの、為替換算調整勘定が22億24百万円増加したことによるものです。
2)経営成績
(売上高及び売上原価)
当連結会計年度における売上高は、1,091億70百万円となりました。
セグメントごとに分析しますと、日本事業は、哺乳器・乳首以外の商品群も伸長したこと等により378億6百万円、中国事業は、哺乳器・乳首やスキンケアの伸長等により429億2百万円、シンガポール事業は哺乳器の広口シフト化の進行により149億20百万円、ランシノ事業は欧州が好調かつ北米も哺乳器・乳首の大幅伸長等により219億4百万円となりました。
当連結会計年度における売上原価は、543億31百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、416億80百万円となりました。
主に中国事業においてマーケティング活動の強化に伴う費用の積極的な使用等により、売上高比率は0.5ポイント増加し、営業利益は131億58百万円となりました。
(営業外損益、特別損益、経常利益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の営業外損益は、助成金収入を6億52百万円計上したことにより、5億23百万円の利益となりました。
特別損益は、製品自主回収関連費用を4億95百万円計上したことにより、3億63百万円の損失となりました。
これらの結果、経常利益は136億81百万円、税金等調整前当期純利益は133億18百万円となりました。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は44億81百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は2億66百万円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円となりました。
各セグメントの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(日本事業)
セグメント資産は、機械装置及び運搬具が405百万円、建物及び構築物が370百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加937百万円、建設仮勘定の増加335百万円等により、前連結会計年度末に比べ445百万円増加の261億37百万円となりました。
(中国事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が609百万円、原材料及び貯蔵品が294百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金の増加725百万円、商品及び製品の増加672百万円、機械装置及び運搬具の増加138百万円、建設仮勘定の増加109百万円等により、前連結会計年度末に比べ802百万円増加の203億99百万円となりました。
(シンガポール事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が228百万円減少したものの、商品及び製品の増加170百万円、未収入金の増加96百万円等により、前連結会計年度末に比べ14百万円増加の100億16百万円となりました。
(ランシノ事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が173百万円、受取手形及び売掛金が143百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加586百万円、建設仮勘定の増加134百万円等により、前連結会計年度末に比べ420百万円増加の132億89百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用に係るものであります。また、設備資金需要としましては、主に生産設備の取得に伴う建物や機械装置等固定資産購入に係るものであります。
2)財務政策
当社グループは、堅固なバランスシートの維持、事業活動のための適切な流動性資産の維持を財務方針とし、主たる資金需要である運転資金及び設備資金につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金によっておりますが、日本におけるグループ会社の資金不足は当社からの貸付けで、海外グループ会社の資金需要につきましても主に当社からの外貨建て貸付けにて対応しております。また、当社における手元資金は事業投資の待機資金であることを前提に流動性・安全性の確保を最優先に運用しております。
当社グループは、健全な財務体質、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も海外事業を中心とする成長性を確保するために現在の手元流動性を超える投資資金需要が発生した場合でも、必要資金を調達することが可能であると考えております。
なお、2026年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、内部資金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損損失の認識に当たり使用する回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローを適正な割引率で割り引いた使用価値等様々な仮定を用いております。なお、当連結会計年度においては減損損失を71百万円計上しております。
なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業の1つである国内育児用品の販売事業は、出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。このような市場環境の下、これまで約70年にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の開発及び発売、カテゴリ拡大による事業の安定的な成長に努めてまいります。
また海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、各市場に合わせた商品の開発と供給体制の整備・充実、及び、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。
また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業などを展開し、多くの乳幼児等をお預かりしておりますが、このような事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災などの自然災害によるものを含め、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に与える可能性があります。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当連結会計年度(2025年12月期)は引き続き、本中期経営計画のテーマである既存領域の強化、新規領域の拡大にグローバルに取り組んだほか、中国事業の売上高の回復を最重要テーマに成長投資を徹底的に投下したことにより、売上高は109,170百万円、営業利益は13,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,570百万円、PVAは4,948百万円、EPSは71.65円、ROE10.4%、ROICは10.8%となりました。
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
なお、2023年12月期を初年度とし、2025年12月期を最終年度とする第8次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりですが、2023年に発生したALPS処理水放出に起因する中国での風評被害影響など、想定外の課題にも直面し、最終年度である2025年度の当初目標未達となりました。
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
また、2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりです。
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に個人消費の持ち直しが見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においても、緩やかな持ち直しが続くことが期待される一方、中国では不動産市場の停滞や個人消費の弱含みによる影響もあり景気が緩やかに減速していることに加え、米国の政策動向による影響や欧米における高い金利水準の継続など、依然として不透明な状況は継続しております。
このような状況の中、当社グループは、その存在意義を実現させるため、2023年12月期より「第8次中期経営計画(2023年12月期~2025年12月期)」を推進してまいりました。当連結会計年度はその最終年度として、グローバルで急速に変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、サステナブルな成長を確かなものとするため、以下の3つの基本戦略の着実な実行による既存事業領域での持続的な成長に加え、自社の知見が活用できる新たな成長領域の探索・育成にも注力することで、事業構造の再構築を積極的に行ってまいりました。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度においては、売上高は中国事業を中心に販売が堅調に推移したことにより、1,091億70百万円(前期比4.8%増)となりました。利益面においては、増収による売上総利益の増加に加え、売上総利益率が前期比で0.9ポイント改善したことで販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は131億58百万円(同8.4%増)、経常利益は136億81百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円(同2.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。
・米ドル:149.66円(151.48円)
・中国元: 20.82円( 21.04円)
注:( )内は前年同期の為替換算レート
当社グループの報告セグメントは「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」及び「ランシノ事業」の計4セグメントとなっております。各セグメントにおける概況は以下のとおりです。
<日本事業>当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は378億6百万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は25億96百万円(同29.9%増)となり増収増益で終了しました。
ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、基幹商品である哺乳器・乳首やベビースキンケア、販売構成比の高いベビーフード・飲料等が堅調に推移し、前期を上回りました。6月に実施した哺乳器・乳首を含むベビー関連用品の一部価格改定による効果に加え、ベビーケアの新規領域である育児家電についても、8月より販売を開始したスペースパフォーマンスに優れる新モデルを加えた「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 ポチット」シリーズをはじめ、引き続き好調に推移しました。また、9月に「TABOTENZU(タボテンズ)」及び11月に「ピジョンキッズ」の新ブランドをそれぞれ発表するなど、育児を取り巻く環境の多様化や、共働き世帯の増加など社会構造の変化に伴う親のニーズに応じた新たな製品づくり、発信等に継続的に取り組んでおります。
また、コミュニケーション施策の一環として、「インスタライブ」などの自社SNSを活用した商品紹介や販売促進に加え、小売店との共同開催によるプレママ・パパ向けセミナーや、医療従事者向けのオンラインセミナーを複数回開催するなど、継続的なブランド強化に取り組んでおります。
子育て支援においては、事業所内保育施設等53箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら、事業を展開してまいります。
ヘルスケア・介護については、介護用品ブランド「ハビナース」で販売している、アタッチメント型の食事補助具「自分で食べる ミールキャッチ」などの新商品を中心にブランドの活性化を図りました。引き続き、排泄サポート、清潔サポート、食事サポート関連商品等の販売を推進し、今後も更なる小売店及び介護施設等への営業活動強化などの施策実行を徹底してまいります。
当事業の利益については、増収や価格改定効果に伴う売上総利益の増加や工場稼働率の改善等により前期を上回りました。
<中国事業>当事業の売上高は429億2百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益は104億96百万円(同4.3%増)となり増収増益で終了しました。
主要市場である中国本土においては、前年奏功したブランド露出及び販売促進活動の強化を継続実施したことで、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。商品群では、基幹商品である哺乳器・乳首及びベビースキンケアの販売が堅調に推移しました。また、新商品を投入し、ラインアップを拡充しているドリンキングカップの販売も引き続き好調となるなど、出生数減少に向けた対応策の一環である高月齢及びキッズ向け商品(エイジアップ)についても売上への貢献度が着実に高まっております。さらに、消費者コミュニケーションでは、動画プラットフォームTikTokの中国本土版「Douyin(抖音)」や「RED(小紅書)」等のSNS上でのブランド露出強化に加え、ライブコマース等のデジタルマーケティングの強化により、中国最大のECイベントである11月のダブルイレブン商戦における販売も堅調に推移しました。
また、当事業が管轄する韓国及び北米市場(ピジョンブランド)においては、現地販売子会社を起点としたブランド強化及び販売・マーケティング活動に取り組んだほか、特に北米市場においては、哺乳器・乳首を中心としたピジョンブランドの育児用品の販売が好調に推移しました。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の伸長によって販売費及び一般管理費の増加を吸収し、前期を上回りました。
<シンガポール事業>当事業の売上高は149億20百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は21億24百万円(同27.4%増)となり増収増益で終了しました。
当事業が管轄するASEAN周辺地域及びインドでは、特にオーストラリア、マレーシアなどでの販売が堅調に推移し、現地通貨ベースでも売上高は前期を上回りました。当事業が注力している基幹商品カテゴリにおいては、高価格帯の広口タイプ哺乳器「SofTouch™」シリーズ(日本における商品名:母乳実感®)のブランドリニューアル効果が主要市場で継続したこともあり、哺乳器・乳首の販売が好調に推移しました。スキンケアでは、当事業が注力する「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」シリーズの「おむつかぶれクリーム」が好調を維持するなど、順調に販売が伸長しております。また、新商品として7月に販売を開始したドリンキングカップ「StarTouch™」の各国での露出増加と販売促進に注力しました。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとし、基幹商品である哺乳器・乳首及びスキンケアを中心に積極的な販売・マーケティング活動を展開してまいります。
当事業の利益については、哺乳器・乳首の販売伸長及び広口哺乳器の販売比率拡大による総利益率の改善等もあり、前期を上回りました。
<ランシノ事業>当事業の売上高は219億4百万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は15億17百万円(同12.3%減)となり増収減益で終了しました。
主力市場である北米においては、主力商品である乳首ケアクリームや母乳パッドの販売が堅調に推移したことに加え、当期より注力している哺乳器・乳首の販売も大きく伸長した一方、さく乳器カテゴリにおいては昨年の新商品効果の一巡や競争激化などの影響が継続した結果、現地通貨ベースの売上高は前期を下回りました。欧州市場においては、各国での乳首ケアクリーム等の好調に加えてドイツ、ベネルクスなどでさく乳器や産前・産後ケア商品等の販売も好調に推移し、現地通貨ベースの売上高も前期を上回りました。
北米においては、注力中である哺乳器カテゴリのラインアップ拡充に加え、8月には他ブランドとのコラボレーションによるドリンキングカップ等の販売も開始し、哺乳器カテゴリ周辺商品の強化にも着手しております。今後は一層の事業拡大に向け、各地域の消費者行動に合わせたランシノブランドの製品ラインアップを強化し、妊娠中及び産後の女性をより包括的にサポートすることを目指してまいります。
当事業の利益については、増収に伴う売上総利益の増加が見られた一方で、米国関税による原価への影響等もあり前期を下回りました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億8百万円増加し、396億9百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、130億58百万円(前年同期は142億81百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益133億18百万円、減価償却費45億81百万円等の増加要因に対し、棚卸資産の増加額19億4百万円、法人税等の支払額39億83百万円等の減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、31億44百万円(前年同期は11億37百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入54百万円等の増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出27億97百万円、無形固定資産の取得による支出3億45百万円等の減少要因によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、108億18百万円(前年同期は106億39百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額91億5百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本事業(百万円) | 9,602 | 103.4 |
| 中国事業(百万円) | 14,041 | 111.6 |
| シンガポール事業(百万円) | 7,312 | 99.7 |
| ランシノ事業(百万円) | 2,178 | 88.7 |
| 合計(百万円) | 33,135 | 104.7 |
(注)金額は製造原価によっております。
(受注実績)
当社グループは、主として見込みにより生産及び商品仕入を行っており、一部受注による商品仕入れを行っておりますが、受注残高は僅少であります。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本事業(百万円) | 37,806 | 103.6 |
| 中国事業(百万円) | 42,902 | 109.9 |
| シンガポール事業(百万円) | 14,920 | 104.5 |
| ランシノ事業(百万円) | 21,904 | 102.2 |
| 内部売上高消去(百万円) | △8,363 | 118.4 |
| 合計(百万円) | 109,170 | 104.8 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ピップ株式会社 | 16,803 | 16.1 | 17,629 | 16.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べ17億80百万円増加し、1,100億88百万円となりました。流動資産は30億99百万円増加し765億61百万円、固定資産は13億19百万円減少し335億27百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が4億8百万円、商品及び製品が22億43百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産の減少の主な要因は、建物及び構築物が13億81百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べ5億円増加し、242億1百万円となりました。流動負債は7億44百万円増加し181億27百万円、固定負債は2億44百万円減少し60億73百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、未払費用が5億92百万円、製品自主回収関連費用引当金が1億23百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が2億27百万円増加したものの、リース債務が4億10百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ12億79百万円増加し、858億87百万円となりました。
純資産の増加の主な要因は、利益剰余金が5億85百万円減少したものの、為替換算調整勘定が22億24百万円増加したことによるものです。
2)経営成績
(売上高及び売上原価)
当連結会計年度における売上高は、1,091億70百万円となりました。
セグメントごとに分析しますと、日本事業は、哺乳器・乳首以外の商品群も伸長したこと等により378億6百万円、中国事業は、哺乳器・乳首やスキンケアの伸長等により429億2百万円、シンガポール事業は哺乳器の広口シフト化の進行により149億20百万円、ランシノ事業は欧州が好調かつ北米も哺乳器・乳首の大幅伸長等により219億4百万円となりました。
当連結会計年度における売上原価は、543億31百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、416億80百万円となりました。
主に中国事業においてマーケティング活動の強化に伴う費用の積極的な使用等により、売上高比率は0.5ポイント増加し、営業利益は131億58百万円となりました。
(営業外損益、特別損益、経常利益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の営業外損益は、助成金収入を6億52百万円計上したことにより、5億23百万円の利益となりました。
特別損益は、製品自主回収関連費用を4億95百万円計上したことにより、3億63百万円の損失となりました。
これらの結果、経常利益は136億81百万円、税金等調整前当期純利益は133億18百万円となりました。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は44億81百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は2億66百万円となり、これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は85億70百万円となりました。
各セグメントの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(日本事業)
セグメント資産は、機械装置及び運搬具が405百万円、建物及び構築物が370百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加937百万円、建設仮勘定の増加335百万円等により、前連結会計年度末に比べ445百万円増加の261億37百万円となりました。
(中国事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が609百万円、原材料及び貯蔵品が294百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金の増加725百万円、商品及び製品の増加672百万円、機械装置及び運搬具の増加138百万円、建設仮勘定の増加109百万円等により、前連結会計年度末に比べ802百万円増加の203億99百万円となりました。
(シンガポール事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が228百万円減少したものの、商品及び製品の増加170百万円、未収入金の増加96百万円等により、前連結会計年度末に比べ14百万円増加の100億16百万円となりました。
(ランシノ事業)
セグメント資産は、建物及び構築物が173百万円、受取手形及び売掛金が143百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品の増加586百万円、建設仮勘定の増加134百万円等により、前連結会計年度末に比べ420百万円増加の132億89百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用に係るものであります。また、設備資金需要としましては、主に生産設備の取得に伴う建物や機械装置等固定資産購入に係るものであります。
2)財務政策
当社グループは、堅固なバランスシートの維持、事業活動のための適切な流動性資産の維持を財務方針とし、主たる資金需要である運転資金及び設備資金につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金によっておりますが、日本におけるグループ会社の資金不足は当社からの貸付けで、海外グループ会社の資金需要につきましても主に当社からの外貨建て貸付けにて対応しております。また、当社における手元資金は事業投資の待機資金であることを前提に流動性・安全性の確保を最優先に運用しております。
当社グループは、健全な財務体質、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も海外事業を中心とする成長性を確保するために現在の手元流動性を超える投資資金需要が発生した場合でも、必要資金を調達することが可能であると考えております。
なお、2026年12月期の設備投資資金等の長期資金需要につきましては、内部資金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りは、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損損失の認識に当たり使用する回収可能価額の算定にあたっては、将来キャッシュ・フローを適正な割引率で割り引いた使用価値等様々な仮定を用いております。なお、当連結会計年度においては減損損失を71百万円計上しております。
なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因として、当社グループの主力事業の1つである国内育児用品の販売事業は、出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。このような市場環境の下、これまで約70年にわたる育児研究から生まれた競争優位性を発揮できる新商品の開発及び発売、カテゴリ拡大による事業の安定的な成長に努めてまいります。
また海外市場におきましては、海外各国における経済、社会情勢の変化、為替変動、新興国の経済成長に伴う原材料需給状況の変化等により売上高、利益額の減少が生じる可能性が考えられます。当社グループの事業成長継続のため、各市場に合わせた商品の開発と供給体制の整備・充実、及び、ブランド力強化と販売活動の一層の拡大が重要と考えております。
また、当社グループは、保育、託児、幼児教育事業などを展開し、多くの乳幼児等をお預かりしておりますが、このような事業は予期せぬ事故が発生する可能性があります。これまでには、震災などの自然災害によるものを含め、業績に影響を与えるような事故等は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの経営成績に与える可能性があります。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当連結会計年度(2025年12月期)は引き続き、本中期経営計画のテーマである既存領域の強化、新規領域の拡大にグローバルに取り組んだほか、中国事業の売上高の回復を最重要テーマに成長投資を徹底的に投下したことにより、売上高は109,170百万円、営業利益は13,158百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,570百万円、PVAは4,948百万円、EPSは71.65円、ROE10.4%、ROICは10.8%となりました。
| 2025年12月期 計画 | 2025年12月期 実績 | 2025年12月期 計画比 | |
| 売上高(百万円) | 109,700 | 109,170 | 0.5%減 |
| 営業利益(百万円) | 12,900 | 13,158 | 2.0%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 8,400 | 8,570 | 2.0%増 |
| PVA(百万円) (Pigeon Value Added) | 4,918 | 4,948 | 0.6%増 |
| EPS(円) | 70.24 | 71.65 | 1.41円増 |
| ROE(%) | 10.7 | 10.4 | 0.3ポイント減 |
| ROIC(%) | 11.0 | 10.8 | 0.2ポイント減 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
なお、2023年12月期を初年度とし、2025年12月期を最終年度とする第8次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりですが、2023年に発生したALPS処理水放出に起因する中国での風評被害影響など、想定外の課題にも直面し、最終年度である2025年度の当初目標未達となりました。
| 当初目標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 中期経営計画目標 2025年12月期 |
| 売上高(百万円) | 104,171 | 109,170 | 113,800 |
| 営業利益(百万円) | 12,139 | 13,158 | 16,000 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 8,371 | 8,570 | 10,400 |
| PVA(百万円) (Pigeon Value Added) | 4,353 | 4,948 | 7,437 |
| EPS(円) | 70.00 | 71.65 | 86.92 |
| ROE(%) | 10.5 | 10.4 | 14.5 |
| ROIC(%) | 10.3 | 10.8 | 15.1 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。
また、2026年12月期を初年度とし、2028年12月期を最終年度とする第9次中期経営計画にて掲げた主な経営指標は次のとおりです。
| 2026年12月期 | 2028年12月期 | |
| 売上高(百万円) | 113,500 | 125,000 |
| 営業利益(百万円) | 13,900 | 20,000 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 9,140 | 13,160 |
| PVA(百万円) (Pigeon Value Added) | 5,427 | 9,443 |
| EPS(円) | 76.41 | 110.02 |
| ROE(%) | 11.0 | 14.9 |
| ROIC(%) | 11.3 | 15.4 |
(注) ROICの算定に使用する法人税率は30%としております。