有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:31
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績及び財政状態の状況
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は、適正在庫による販売の効率化、採算管理の徹底を継続してまいりました。
当社グループは中期経営計画「MF-2026 Move Forward 2026」をスタートさせ「旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図る」べく、課題解決に向けた様々な取り組みを実行しております。中期経営計画の第2期の総括につきましては、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題 ○中期経営計画の第2期の総括」をご参照ください。
その結果、当連結会計年度の連結売上高は67,450百万円(前年同期売上高62,414百万円)となり、販売費及び一般管理費に貸倒引当金繰入額等を計上したことにより、営業利益は166百万円(前年同期営業利益302百万円)、経常利益は190百万円(前年同期経常利益330百万円)となりました。また特別利益に投資有価証券売却益を、特別損失に関係会社整理損失引当金繰入額を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益287百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(水産物卸売業)
売上高は65,833百万円(前年同期は60,853百万円)、セグメント損失372百万円(前年同期は189百万円のセグメント損失)となりました。
(冷蔵倉庫業)
売上高は1,466百万円(前年同期は1,403百万円)、セグメント利益は466百万円(前年同期は409百万円のセグメント利益)となりました。
(不動産賃貸業)
売上高は151百万円(前年同期は157百万円)、セグメント利益は72百万円(前年同期は83百万円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度末の当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は18,110百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,507百万円増加いたしました。流動資産は8,535百万円となり、1,360百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加によるものです。固定資産は9,574百万円となり、147百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券の時価評価によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は11,017百万円となり、前連結会計年度末に比べ952百万円増加いたしました。流動負債は7,131百万円となり、1,200百万円増加いたしました。これは主に買掛金の増加によるものです。固定負債は3,885百万円となり、247百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の返済によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益等を計上したことにより7,092百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の39.4%から39.2%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動によるキャッシュ・フローについては、営業活動による収入等により977百万円の収入(前連結会計年度は449百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、投資有価証券の売却等により412百万円の収入(前連結会計年度は354百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、長期借入金の返済等により432百万円の支出(前連結会計年度は272百万円の収入)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は957百万円増加し1,813百万円となりました。
(キャッシュ・フローの指標)
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)36.836.637.339.439.2
時価ベースの自己資本比率(%)39.236.545.452.248.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)18.836.33.7-4.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)10.85.647.7-21.6

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※2 2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、
営業キャッシュ・フローがマイナスのため算出しておりません。
③仕入及び販売の実績
(a)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
水産物卸売業61,849107.8
冷蔵倉庫業--
不動産賃貸業--
合計61,849107.8

(注)冷蔵倉庫業、不動産賃貸業に関しては、仕入高に該当するものはありません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
水産物卸売業65,833108.2
冷蔵倉庫業1,466104.5
不動産賃貸業15196.3
合計67,450108.1

(注)上記は、セグメント間取引消去後の金額で記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、連結会計年度末日における資産・負債の計上、報告期間における収益・費用の計上に加え、開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的・保守的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針及び見積りは、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
『当社グループの当連結会計年度の経営成績等』は、次のとおりです。
当連結会計年度の連結売上高は67,450百万円(前年同期売上高62,414百万円)となり、販売費及び一般管理費に貸倒引当金繰入額等を計上したことにより、営業利益は166百万円(前年同期営業利益302百万円)、経常利益は190百万円(前年同期経常利益330百万円)となりました。また特別利益に投資有価証券売却益を、特別損失に関係会社整理損失引当金繰入額を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益287百万円)となりました。
『当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因』は次のとおりです。
(近年の漁業資源の動向)
2025年の我が国の漁業・養殖業生産量は、前年2024年の364万トンから6万トン(1.6%)減少し、357万トンとなりました。魚種別には、近年減少気味であったサバ類やスルメイカ、大型が豊漁だったサンマ、マイワシなどが増加したものの、カツオ、ブリ、ホタテガイが減少しております。近年不漁が続いているサケは、海水温や海流等の海洋環境の変化によって日本への回帰率が低迷しており、北海道での漁獲量は前年比で64%減少という凶漁で、統計開始以降最低を記録することとなりました。サケ凶漁の影響は生産者だけでなく加工・流通業者にも波及し、運輸、資材、雇用の需要減など地域経済にも打撃となりました。北海道のホタテガイや瀬戸内海の養殖カキも海の高水温などの影響で生産量が大きく落ち込んでおります。また、スルメイカの豊漁は漁獲可能量(TAC)を超える豊漁が大きな混乱を招き、漁業資源管理に新たな課題を生みました。
平均産地価格は、2024年は前年から引き続き16円/キロ上昇し、448円/キロとなりました。
一方、資源回復で漁獲枠が拡大し消費も活気づいている国産天然マグロ、二ホンウナギの稚魚の豊漁、輸出需要の増加に伴う養殖のブリの生産量の増加、また環境に優しく外部環境に左右されにくいサケ、マス類の陸上養殖の新規参入の増加、2025年5月に気象庁が発表した黒潮大蛇行の終息の兆しによる漁業への好影響の可能性等、食糧安全保障の観点からも国内水産業に明るい話題が見受けられるようになりました。
(国内外の水産物消費の動向)
我が国の食用魚介類の消費量は、ここ近年減少傾向にあり、長らく水産業にとっての課題となっています。食用魚介類の国内消費仕向量は、2016年度に肉類の国内消費仕向量を下回り、2024年度には499万トンとなりました。10年前の2014年度の国内消費仕向量との比較では、国内生産量が98万トン、輸入量が61万トン減少したことにより約19%縮小しております。一方海外では輸送技術等の発達による流通機能の近代化や生活水準の向上で新興国を中心に水産物の消費量が増加、また日本食ブームおよび健康志向の高まり等により、欧米諸国でも同様な傾向が見受けられます。この世界的な水産物消費の増加に加え、人件費の安い国への加工場の移転、貿易自由化の進展等を背景として、世界の水産物貿易量の増大には顕著なものがあり、国際的な需要の高まりを受けて、取引価格は上昇基調にあります。一方、我が国においては、世界的な水産物消費の拡大や慢性的な円安傾向の影響を強く受け、国際市場において買い負けが常態化しており、輸入量は減少傾向が続いています。
上記を背景に2025年は、輸入量は208万トン(前年比3.4%減)、単価高の影響から輸入額は2兆1,454億円(前年比3.8%増)となりました。サケ・マス類はチリやノルウェーから、カツオ・マグロ類は中国、台湾、韓国、エビはインド、ベトナム、インドネシア等から多く輸入されております。
一方、水産物の輸出に目を転じますと、2023年8月のALPS処理水の海洋放出開始以降の中国による全都道府県の水産物の輸入停止等により、2024年は輸出量、輸出額ともに前年と比べて減少したものの、2025年の輸出量は64万トン(前年比42.9%増)、輸出額は過去最高の4,231億円(前年比17.2%増)となりました。ホタテガイ、ブリなどが食用水産物の主な輸出品目ですが、直近の傾向として国内での単価の高いウニや生マグロなども盛んに輸出されております。
なお、経済開発協力機構(OECD)の2022年の発表によると、今後10年間の水産物の国際取引価格について、総じて高値で推移すると予測しておりますが、消費量の増加ペースは、生産量の増加ペースの低減、人口増加のペースが低下すること、また魚価高の影響もあり、過去10年の年2%増から年1.4%増と減速すると予測しております。さらに2022年から続くロシア・ウクライナ情勢の混乱の長期化、2023年秋の中国の日本産水産物の輸入禁止措置とその継続、米国の動向によって左右される為替相場と中東紛争に端を発した原油調達の不透明感など地政学的リスクもあり、水産物の国際的流通における取引量・価格ともに先の見えない状況となっております。
(海洋資源保護の動き)
「持続可能な開発目標(SDGs)」の14、『海の豊かさを守ろう』は、持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用することを目標としています。その観点からIUU漁業(違法・無報告・無規制で行われる漁業)を抑制するための議論が活発化し、また、各地域漁業管理機関では漁獲量規制、技術的規制等の実効性のある資源管理の議論が行なわれています。
カツオ・マグロ類は、世界のすべての海域で、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)等により、明確な漁獲枠が設定され、積極的な資源管理が行なわれております。近年、これら資源管理により、太平洋クロマグロの親魚資源量は回復傾向にあり、今後は資源状態に応じて総漁獲量を算出する管理方式の策定に向けた議論が行われています。
サンマ・マサバ等についても、北太平洋漁業委員会(NPFC)において漁獲量の適切な制限等を通じた資源管理を進めています。サバの太平洋での漁獲量は5年で8割減り、しかも小サバが中心の水揚げに変化してきております。この状況に、2025年3月、北太平洋公海上のサバ漁獲上限を現行に比べ3割減らすルールを、日本、米国、中国、韓国などで合意しました。また、近年不漁の代名詞となったサンマは北太平洋に生息する回遊性魚種で、以前は日本、韓国、ロシアのみが漁獲しておりましたが、近年では台湾、中国、バヌアツも漁獲するようになりました。これら関係各国は、資源保護の共通認識から、公海での漁獲可能量(TAC)を削減し、サンマ漁獲量の適切な制限等、資源管理を進めており、この国際的な漁獲規制が奏功しつつあるのか、漁獲量は3年連続で増加、2024年は前年比58%増、2025年は前年比66%増となりました。今後もこれら資源が持続的に利用されるよう、資源管理措置の更なる強化を進めております。
(水産エコラベルの普及)
水産エコラベルは、水産資源の持続性や環境に配慮した方法で漁獲・生産された水産物に対して、消費者が選択的に購入できるよう商品にラベルを表示する仕組みです。国内発の「MEL」と「AEL」、海外発の「MSC」と「ASC」の水産エコラベル認証が主に活用されており、それぞれによる漁業と養殖業の認証実績があります。環境に優しく持続可能な水産物であることを消費者にアピールすることで、消費拡大を目指しています。
(水産物の消費量及び市場経由率の減退)
国内の生産魚介類の1世帯当たりの年間購入量は、2019年まで一貫して減少してきたものの、2020年には新型コロナウイルス感染症拡大の影響で家での食事(内食)の機会が増加したことにより、年間購入量は前年より増加しました。しかし、2022年には再び減少し、2025年には前年より2%減の17.8㎏と連続して減少となりました。また、ここ近年概ね横ばいとなっていた生鮮魚介類の一人当たり購入額は、水産物の単価上昇の影響もあり2025年は前年より1%増の4.11万円となりました。
近年は食料品全体の価格が上昇している中、新型コロナウイルス感染症による世界的な経済活動の停滞からの回復、急速な円安等による水産物の輸入価格の上昇、国内生産の減少等の影響で2023年の生鮮魚介類の消費者物価指数は前年より9%と大きく上昇、2024年から2025年にかけてはほぼ横ばいとなっています。しかし、ここ数年の全般的な食料品の価格上昇に加え、中東紛争による原油調達の難しさから、水産物を食卓に届けるまでにかかるコスト(加工、輸送、包装等)が急騰し、水産物を購入する消費者にとっては大きな負担となっています。生鮮魚介類の1人1年当たり購入量は、価格上昇に反比例して減少する傾向があることから、価格の大幅な上昇は購入量減少の一因と考えられます。
水産物の食用国内消費仕向量は、ここ近年の減少傾向には変わりなく、加えて、漁業者・産地出荷業者と小売業者等との産地直送取引や、ECによる消費者への直販等、市場外流通が増えています。この結果、近年、消費地市場の経由率は年々低下してきています。
(魅力ある水産物の消費拡大)
水産物が優れた栄養特性と機能性を持つ食品であるということは、様々な研究から明らかになっています。近年の健康志向の高まりから、魚食に関する知識の習得や、体験等の食育の機会を充分に確保しようという動きが広まっています。具体的には、学校給食等で魚食習慣を身につけるための活動や、魚の生産から消費そして地域の水産業や生活文化とのつながり等を総合的に学ぶ「ぎょしょく教育」、魚食の魅力を伝え水産物消費を拡大していくための「魚の国の幸せ」プロジェクトの官民協働の取組、水産庁長官認定の「お魚かたりべ」による魚食普及活動、調理が面倒だと敬遠されがちな水産物を手軽においしく食べられるような商品及びその食べ方を選定する「ファストフィッシュ」の取組、また「魚食はサステナブル」というコンセプトのもとに、水産庁と賛同メンバー(1,119にのぼる企業・団体)による「さかなの日」の各種イベント活動、水産物と野菜を一緒に食べようという「やさかなプロジェクト」の開始等、水産物消費拡大に向けて様々な活動が展開されています。
さらに、知名度が低いことやロット(数量)がまとまらないこと等により、非食用に回されたり、低い価格でしか評価されなかったりする低・未利用魚の活用が注目を集めています。いままで食品として流通される機会が少なかったこれらの魚介類に価値を見出し、消費者に届けようとする試みが活発になってきております。
(水産物に対する消費スタイルの変化)
近年、食の消費スタイルが大きく変化しました。水産物で言えば、家庭で魚を調理しない、その代わり魚を手間なく食べる、具体的には寿司、ミールキット、宅配、ECなどで安定品質、加工しやすい、通年供給できるものにシフトしています。買い物に行く回数が減って、1回の買い物の購入量が増え、買い置きできる食品の購入が増えたのもここのところの傾向としてあげられています。
なお、インバウンド消費の急速な拡大、海外での日本食ブームによる輸出水産物の増大もあり、業務筋を中心に需要が復活しており、一時低迷していた高級鮮魚の単価が持ち直してきております。
ここのところの消費者の食の志向にも変化が見られ、「健康志向」、「経済性志向」が横ばい傾向となり、「簡便化志向」の割合が上昇傾向となっております。一方で「安全志向」、「手作り志向」、「国産志向」は比較的低水準で横ばいとなっております。
(水産物流通に関する法改正)
2022年12月に施行された水産物流通適正化法(2026年4月に改正・施行)は、世界の水産物の13~31%(重量ベース)を占めると言われている違法漁獲物を市場から排除し、「国内漁獲物のトレーサビリティの確保」と「IUU漁業を終わらせる」ことを目的としており、漁獲証明制度(CDS)などの強力な措置を効果的に実施・施行していくこととしております。具体的には、国内において違法かつ過剰に採捕が行われるおそれが大きい魚種(大型クロマグロ、アワビ、ナマコ等)について、取り扱う事業者に届け出を求めるものであり、漁獲から販売までの情報の伝達が確保されることにより、トレーサビリティが担保される仕組みとなっております。この国内流通規制のほか、今後、対象魚種を拡げながら、サバ、サンマ、マイワシ、イカなどの輸入についても規制の網を広げていく予定です。これらはSDGs14の海洋資源のサステナビリティに合致するもので、国外からは歓迎の意を受け取っています。
(物流の問題)
2024年4月から、トラックドライバーの長時間労働の改善に向けた法改正が行われました。現在までのところ大きな混乱は生じておりませんが、昨今のトラックドライバー不足や燃料費の高騰、デジタル化の遅れなど、水産物流通に関し多くの課題に直面しており、更なる物流の適正化・生産性向上について対策を講じなければ、2030年度には輸送能力が約34%不足すると推計されております。そのため、2026年4月に「物資の流通の効率化に関する法律」の施行、また、この問題に対処するため、関係各省は「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定いたしました。このガイドラインの中で着荷主事業者としての取組事項として、発注から納品までのリードタイムを十分に確保する、発注の平準化・適正化を求められております。
上記ガイドラインを受けて、当社が所属する「全国水産卸協会」では、物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画を策定しております。「物流業務の効率化・合理化」、「輸送・荷受け作業等安全性の確保」を目指し、産地出荷者、買受業者、物流事業者と協議を重ねてまいります。
特に同協会では、産地出荷者や輸送業者からの卸売業者への情報伝達文書である「送り状」の統一化・電子化の検討を始めております。実現すれば、トラックドライバーを含めた物流の担い手不足解消、荷受け作業の事務負担軽減だけでなく、更に、送り状データのデジタル化により事務作業低減・積載率向上・共同輸配送による物流費抑制、市場経由流通の増加が見込まれます。
(当社グループの役割)
中央卸売市場には、国内外から大量多品種の生鮮食品を集荷する機能、少量多品種へと迅速・確実・効率的に分荷する機能、セリなどの方法で迅速かつ適正な評価により価格形成する機能、販売代金の迅速かつ確実な決済を行う機能、取引情報を産地や小売業者に速やかに公表する情報受発信機能、衛生的な施設で食品衛生法に基づく食品流通を保持する機能、災害時の物流拠点として市民生活を支える機能などを果たす重要な役割があります。東京都中央卸売市場豊洲市場はそれら機能に加え、適切な温度管理と品質、衛生管理を強化した閉鎖型施設で、効率的な物流動線と多様なニーズに対応する加工設備を装備した中央卸売市場として機能しております。当社グループは、この豊洲市場の装備を遺憾なく活用し、生産者・出荷者の川上、そして消費者・実需者の川下のニーズを迅速・的確にフィードバックし、タイムリーな集荷と販売に努め、市場内に保有する多機能型冷蔵庫や加工設備などをフルに活用し、顧客満足度の向上を目指して参ります。
一方水産物需給に目を転じますと、人口減少やコロナ禍以降の消費者の生活様式の変化等に伴い、食に対する志向が変化し、水産物消費量の減少傾向が続いているとともに、水産物を消費する形態も変化しています。また、海洋環境の変化や海洋資源管理の観点から漁業生産量が減少傾向となっています。
当社グループは、これら変化に対応すべく、中期経営計画『MF-2026』を掲げ、当社の経営方針の一部である「旧来型の荷受会社から、広範な機能を有する販売会社への転換を図る」ことを目指して、出荷者とのより一層の協業を継続しつつ、買受人の要求に応える商品やサービスを提供する「マーケットイン」の視点を今まで以上に取り入れていきます。
なお、中期経営計画『MF-2026』の2年目までの進捗状況については、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題」をご参照ください。
さらに、昨今の食を取り巻く環境変化やグローバルなデリバリーへの対応、そして最終消費者の皆様に「安全・安心」な商品を継続的に供給するため、水産食品卸にもHACCPに基づく衛生管理の徹底が求められています。当社は、生産者から消費者まで続くサプライチェーンのプレーヤーとして、HACCPの考え方に基づいた衛生管理を実施するとともに、食品安全管理システムの国際規格であるISO22000認証を活かし、川上の生産者(水産出荷者や加工業者)から川下である仲卸業者をはじめ量販店や大口需要者を結ぶ中央卸売市場において、DXを始めとしたデジタル化への対応を含め、水産物を中心とした食品販売会社としてのプラットフォームを今まで以上に機能向上させ、今後一層、安全安心な食料システムの要を目指します。
サステナビリティに関しては、グループ・ガバナンスの徹底のための施策を推し進めてまいります。具体的には、事業会社管理規程の見直し、当社内に事業会社管理室の創設、当社管理本部と事業会社財務・経理責任者との定期連絡会の開催等、自主性を認めながらもリスク管理を徹底していきます。また、グループ・コンプライアンス体制のより一層の充実、人員採用拡大と多角化によりダイバーシティを推進、さらに従業員エンゲージメントにつながる労働環境の改善に継続的に取り組むことでより強靭な組織へと進化させてまいります。
また、当社は水産資源の持続性と環境に配慮している事業者の証である「MEL」とその養殖版である「AEL」の流通認証も取得して、持続可能な水産物への環境配慮型への挑戦を今後とも進めていき、環境に配慮した企業としての社会的責任を果たしていきます。
当社グループは、原料入手から、加工、販売まで一貫した体制で、豊かな海を守り、持続性ある水産業を応援するとともに、出荷者や買受人と協働で「持続可能な社会のために,海と海の資源を守る」、「海と海の資源を持続可能な方法で利用する」をテーマとするSDGsの目標14『海の豊かさを守ろう』を目指し、社会に貢献していきます。
『当社グループの資本の財源及び資金の流動性』については、次のとおりです。
当社グループの主な運転資金については、商品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に設備投資によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、また設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本として、安定した資金繰りの確保に努めております。
なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,637百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,813百万円となり、ネット借入金(長・短借入金から現金及び預金を控除したもの)は2,767百万円、ネットDEレシオ(ネット借入金と純資産との倍率)は1倍以下(0.39倍)で、財務内容は健全と判断しております。
『経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等』については、次のとおりです。
2026年3月期の連結ベースの実績は、売上高67,450百万円、経常利益190百万円、親会社株主に帰属する当期純利益386百万円、純資産7,092百万円、自己資本比率39.2%となっております。
2024年度から中期経営計画として、『MF-2026』がスタートしています。
詳細は「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題」に記載しております。
『セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容』は、次のとおりです。
なお、セグメントごとの経営成績につきましては、(1)経営成績等の状況の概要①経営成績及び財政状態の状況に記載しておりますのでご参照ください。
(水産物卸売業)
生鮮水産物は、昨年に続き外食産業はインバウンド消費により堅調に推移しておりますが、大衆魚などの水揚げは一部の魚種においては前年を超えているものの、全体としては減少傾向となっております。この影響により、取扱数量は若干減少しましたが、物価上昇の影響もあり平均単価が上昇し、取扱金額は増加いたしました。冷凍水産物は、冷ほたて貝やさけ類などの取扱数量が減少しておりますが、平均単価が上昇したことにより取扱金額は増加しました。加工水産物は、原材料費、人件費や物流費などの影響で仕入単価は上昇しており、取扱数量は減少、単価は上昇しているものの取扱金額は減少となりました。
本セグメントの収益力をあげることが重要課題と認識しております。
しかしながら、エネルギーやホルムズ海峡の実質封鎖などの影響は幅広く多くの業界に影響を与えており、加えて、水産物卸売業では、海洋資源保護問題、漁業従事者の高齢化、労務費の上昇もあり、物価に影響を与えています。また輸入においては、原油価格上昇に人件費上昇の影響もあり、調達コストは依然として上昇しており、また円安傾向は変わらずと、業界環境は厳しい状況が続いております。
一方で消費者の「魚離れ」や「高齢化」等により需要が減退し、市場規模の縮小から同業間の競争が激化しております。また消費者ニーズの多様化や物価の上昇もあって厳しい業界環境が継続しています。
当社グループでは、中央卸売市場の荷受会社として生鮮流通に対し、その優位性を活かしたビジネスチャンスの拡大を志向すると同時に、産地加工・消費地加工を主軸とした㈱キタショクや共同水産㈱による水産物への付加価値の向上や築地市川水産㈱(仲卸業)の機能拡充を図り、㈱東市ロジスティクスが管理運営する豊洲市場内の多機能型冷蔵庫を組み込んだ商流拡大に取り組んでまいります。
また、天然魚の漁獲が不安定かつ減少傾向にあることから、安定した出荷が見込める養殖魚の取扱拡充が不可欠と考えており、養殖魚出荷業者との連携を強化してまいります。
水産物取引は市況変動リスクを避けては通れませんが、保有在庫の適正化と回転を早めるための社内管理体制の見直しと、採算管理の細分化により営業費用の適正化を図ることで、タイムリーな集荷と在庫リスクの軽減に努め、引続き与信管理を強化するなど、リスクマネジメントにも留意して、収益力のあるセグメントへの転換に向け傾注していきます。
(冷蔵倉庫業)
豊洲市場内の冷蔵庫(株式会社東市ロジスティクス 豊洲事業所)は、鮮魚荷捌き場、C(+5℃)~F(-25℃)~SF(-60℃)の各温度帯の保管設備、水産加工場、製氷機、事務所等を装備した、市場特有の多機能型冷蔵庫となっており、仲卸業者等への冷蔵冷凍倉庫賃貸により安定した収益をあげ、当社の豊洲市場での重要な施設・設備になっているものと評価しています。
また東京都中央区豊海町に保有している冷蔵庫(株式会社東市ロジスティクス 豊海事業所)は、建設から50年以上を経過しております。同冷蔵庫は豊洲市場にも近接立地していることから、豊洲市場の冷蔵庫を補完することが期待できるため、改修し活用してまいります。
(不動産賃貸業)
引き続き、稼働率維持・向上を目指してまいります。なお、当面、新規に資産を取得する計画はありません。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。