有価証券報告書-第55期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)におけるわが国経済は、企業収益や設備投資が堅調に推移し緩やかな回復基調が継続しました。一方で、雇用情勢に改善は見られるものの、実質賃金は伸び悩み、生活者には景気回復の実感は薄く、衣料品販売は依然として低調な推移が続いております。
このような状況にありますが、当社は本来の強みである「商品力の向上・価格価値のバランスにおける強みの回復」を基軸に、国内各業態の売上伸長と海外事業の確立に取り組み、業績の回復を目指してまいりました。
Baby Plazaでは主力商品の価格設定の見直しと雑貨アイテムの一層の充実により売上増を狙うとともに、値引き販売を抑制し粗利率の維持・改善による収益力の改善に努めました。
BOBSONにおいては、商品店頭投入時期の正常化と雑貨アイテムを中心とする品揃えの一層の強化を図り、事業採算の確保を目指してまいりました。
ネット通販では、オリジナル商品の新グループ導入や販売促進の強化による集客力の向上に努めました。またアウトレット販売強化にも注力し、一層の売上伸長を図ってまいりました。
専門店卸においては、一般専門店に向けてシーズン提案企画商品の充実を図るとともに、既存重点先との取引深耕と新規開拓に注力いたしました。
海外事業については、中国において、パートナー企業が運営する総合ベビーショップ向け販売と、大手レディスアパレルの子どもを持つ顧客層に向けたネット販売の2つの販売ルートの確立に取り組みました。
加えて、平成29年10月6日に公表の「行使価額修正条項付第8回新株予約権(コミット条項付・行使許可条項付)並びに第9回及び第10回新株予約権(行使許可条項付)の発行に関するお知らせ」に記載のとおり、ベビー・子供アパレル業界にとって今後も厳しい環境が続くものと予想されるなか、本業に関連し、かつ増幅効果が期待できる新規事業による業容の拡大を図るべく、そのひとつとして「企業主導型保育園事業」への事業進出を決定いたしました。新たな収益獲得を狙うとともに、子育て支援企業としての価値・魅力向上につなげることを目的として、アパレル企業ならではの魅力ある保育園づくりを目指して、平成30年度の開設に向けた準備を進め、平成30年3月に神戸市中央区元町通に「キムラタン保育園」の第1号園を開園いたしました。
以上の結果、当期の売上高は、前年同期比3.0%増の43億25百万円となりました。不採算店舗の閉鎖、海外輸出取引減の減収要因がありましたが、主力のBaby PlazaをはじめBOBSON、ネット通販の小売業態が増収となりました。
売上総利益率は、売上拡大に向けた安価な価格設定傾向、企画・製造段階における原価管理の精度低下による製造原価率の悪化に、持越し在庫の販売強化による値引き販売の増加が加わり、前年同期から2.3ポイント減の49.5%となり、利益額は1.7%減の21億39百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、店舗の売上増に伴う家賃の増加と、エリアマネージャー体制強化、人材派遣による販売員人件費の増加などにより、前年同期比2.3%増の25億27百万円となりました。
以上の結果、当期の営業損失は3億87百万円(前年同期は営業損失2億93百万円)となり、経常損失は4億24百万円(前年同期は経常損失3億20百万円)となりました。
加えて、当社は抜本的な収益構造改革のひとつとしてコスト削減を目的として本社移転を決定いたしましたが、それに伴う費用を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は4億69百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億27百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
アパレル事業
当期におけるアパレル事業の売上高は、前年同期比2.9%増の4,322百万円となりました。
Baby Plazaの既存店ベースの売上高は、前年同期比2.4%増、BOBSONショップでは5.5%増と、各々堅調な推移となりました。ギフト販売の強化や雑貨アイテムの拡充が売上増に寄与し、また、持ち越し商品の販売強化が売上の底上げにつながりました。
出退店につきましては、当期においてBaby Plaza 10店舗、BOBSON 2店舗及びアウトレットショップ1店舗の新規出店、Baby Plaza 1店舗のリニュアル、Baby Plaza 9店舗、BOBSON 1店舗の閉鎖を実施し、当期末の店舗数は253店舗となりました。
その結果、Baby Plaza、BOBSON及び直営店の全店ベースの売上高は、前年同期比2.7%増の31億81百万円となりました。
ネット通販では、販売促進の強化により集客力向上に成果が見られ、新商品販売、アウトレット販売ともに伸長し、当期の売上高は前年同期比6.6%増の8億19百万円となりました。
専門店卸では、既存重点先との取引深耕と新規開拓に継続して取り組んでまいりました。しかしながら、秋冬物受注は増加したものの、春物以降の受注が低迷したことにより、当期の売上高は前年同期比3.7%減の2億79百万円となりました。
海外事業につきましては、前掲の大手レディスアパレルへの秋冬物納品が実現しましたが、前年同期比2.5%減の41百万円となりました。
その他事業
前掲のとおり、新たな収益獲得を狙うとともに、子育て支援企業としての価値・魅力向上につなげることを目的として神戸市中央区元町通に「キムラタン保育園」の第1号園を開園いたしました。
「子育て支援」と「お子様の健全な成長」を理念にアパレル企業としての強みを活かした保育園づくりを目指して期中より準備を進め、平成30年4月2日の正式開園に先立って、3月26日よりプレ保育を開始いたしました。
当期におけるその他事業の売上高は、助成金収入と3月プレ保育に伴う保育料の合計2百万円となりました。
以上のとおり、これまでの取り組みにより売上高は前年同期に対し伸長したものの、損益については前期に対し赤字幅が拡大する誠に遺憾な結果となりました。当社は、このような状況を真摯に受け止め、抜本的な構造改革と体質改善に集中することが急務であると認識し、平成29年12月25日に公表のとおり「黒字化計画2018-2019」を策定いたしました。向こう2年間を構造改革期間と位置づけ、(1)全社費用の削減、(2)在庫増大・マイナスキャッシュ・フローサイクルの解消、(3)新業態開発による店舗収益構造改革を基本方針とし、2019年度(平成32年3月期)の黒字化実現に全力で取り組み、一日も早い経営再建を果たしてまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3億56百万円と前年同期と比べ80百万円(29.1%)の増加となりました。
資金調達においては、取引金融機関との緊密な関係維持に努めており、定期的に業績改善に向けた取組み状況等に関する協議を継続しておりますが、加えて当連結会計年度においては第三者割当による第8回乃至第10回新株予約権を発行、平成29年11月27日までに全体の約33%の予約権行使も完了し、総額3億81百万円の資金を調達するなど、取引金融機関以外からの資金調達も実施しております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因として持ち越し在庫の積極的な販売により棚卸資産が前年同期と比べ2億23百万円(△29.6%)減少したものの、一方で売上総利益の減少と販売費及び一般管理費費の増加により税金等調整前当期純損失が4億66百万円と前年同期と比べ1億42百万円(43.8%)増加し、加えて仕入債務が前年同期と比べ1億34百万円(△247.8%)と減少したことから、△4億37百万円と前年同期と比べ支出が68百万円(18.6%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、アパレル事業の店舗及びその他事業の保育園設備等の有形固定資産を取得し、また移転先本社の保証金の差入のため、△39百万円と前年同期と比べ支出が4百万円(11.9%)の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金が1億74百万円、新株予約権の発行及び新株式発行により3億82百万円増加したことにより、5億57百万円と前年同期と比べ収入が7億75百万円(355.1%)の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| アパレル事業 | 2,138,178 | △2.4 |
| その他事業 | ― | ― |
| 合計 | 2,138,178 | △2.4 |
(注) 1 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、対前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2 金額は、製造原価及び仕入価額であります。
3 その他事業は、生産を行っていないため、生産高及び前年同期比は記載しておりません。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| アパレル事業 | 4,322,284 | +2.9 |
| その他事業 | 2,905 | ― |
| 合計 | 4,325,190 | +3.0 |
(注) 1 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、対前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2 その他事業は、当連結会計年度より開始したため、前年同期比は記載しておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| イオンリテール㈱ | 1,125,201 | 26.8 | 1,248,931 | 28.9 |
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、前年同期比3.0%増の43億25百万円となりました。不採算店舗の閉鎖と海外輸出取引減による減収要因がありましたが、一方でBaby Plazaをはじめとするショップにおいて売上増加を図るべく、ベビー・子供服衣料以外にレイングッズやリュック等の雑貨アイテムの取扱いを大きく増やしたこと、またネット通販では、サイトの運営サイドのキャンペーン企画と当社の商品販売タイミングを併せることで販売促進効果が高まり、既存サイトが伸長したこと、加えて前期オープンした新設サイトの売上増により各々増収となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益につきましては、売上総利益率は前年同期から2.3ポイント減の49.5%となり、売上総利益は1.7%減の21億39百万円となりました。
前掲のとおり、ショップでは売上拡大を図るべく雑貨アイテムの品揃えを拡大しましたが、衣料に比べ原価率が高いこと、加えて持ち越し在庫の販売強化による値引き販売も増加し、結果、粗利率の悪化を招きました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費につきましては、主に売上増に伴いショップの変動家賃が増加したことに加え、人材確保のための人材派遣増加による販売員人件費の上昇などにより、前年同期比2.3%増の25億27百万円となりました。
(営業損益)
以上の結果、売上高は前期を上回ったものの、売上総利益の悪化、店舗関連経費の増加等による販売費及び一般管理費の増加により、営業損失は3億87百万円(前連結会計年度の営業損失は2億93百万円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における営業外収益は29百万円(前連結会計年度は5百万円)、営業外費用は66百万円(前連結会計年度は32百万円)となりました。営業外収益については、当連結会計年度より新規事業として立ち上げた企業主導型保育園事業(セグメントはその他事業)における助成金収入(設備費)25百万円を計上しました。営業外費用については、保育園設備について固定資産圧縮損25百万円を計上したことに加え、新株予約権及びその権利行使に伴い、新株式発行による株式交付費13百万円の計上、また新規借入に伴う借入手数料10百万円を計上するなど、経常損失は4億24百万円(前連結会計年度は3億20百万円)、前年同期比32.5%減となりました。
(特別損益)
当連結会計年度において特別利益はありません。なお、特別損失は42百万円となりました。不採算店舗をはじめとした固定資産の減損損失6百万円を計上し、当連結会計年度に固定費の削減を目的とした本社移転を決定したことによる本社移転費用35百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は4億69百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失3億27百万円)となりました。
財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べ、1億19百万円増加し22億90百万円となりました。持ち越し在庫の販売強化に伴い、たな卸資産が50百万円減少いたしましたが、一方で現金及び預金が80百万円、受取手形及び売掛金が49百万円増加したことが主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末に比べ42万円減少し、1億27百万円となりました。
主に本社の移転決定に伴う減損処理が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べ1億16百万円減少し、7億64百万円となりました。主な要因として買掛金が80百万円減少し、返済により借入が95百万円減少しましたが、決算期末日が休日であったことにより経費等の未払金が60百万円増加しました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は前連結会計年度末に比べ2億70百万円増加し、4億21百万円となりました。運転資金確保のための長期借入金の増加が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、新株予約権の発行により12百万円を計上し、その権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ1億92百万円増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純損失4億69百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ76百万円減少し、12億32百万円となりました。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。