有価証券報告書-第67期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 12:29
【資料】
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【項目】
131項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産の残高は、270億85百万円(前連結会計年度末は345億20百万円)となり、74億35百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金の減少(166億7百万円から113億31百万円へ52億76百万円減)と、前渡金の減少(34億25百万円から12億78百万円へ21億47百万円減)によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債の残高は、130億6百万円(前連結会計年度末は203億18百万円)となり、73億12百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少(134億46百万円から99億82百万円へ34億63百万円減)、短期借入金及び1年以内返済予定の長期借入金の返済(30億10百万円から6億80百万円へ23億30百万円減)、前受金の減少(17億66百万円から2億56百万円へ15億9百万円減)によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産の残高は、140億79百万円(前連結会計年度末は142億2百万円)となり、1億22百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の増加(120億23百万円から120億31百万円へ8百万円増)があったものの、その他有価証券評価差額金の減少(6億30百万円から5億9百万円へ1億20百万円減)があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末40.5%に対して51.1%となりました。
② 経営成績
売上高は、低調な鉄鋼需要及び販売価格の下落が響き、前連結会計年度に比べ20.6%減の420億5百万円となりました。
売上総利益は、鋼材価格の値下がりに伴い、在庫品を中心に販売スプレッドは縮小して、前連結会計年度に比べ16.5%減の39億57百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費・既存設備の営繕費等の減少により、前連結会計年度に比べ3.6%減の37億94百万円となりました。
これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ79.7%減の1億63百万円となり、営業利益率は0.4%(前連結会計年度1.5%)となりました。
営業外収益は、前連結会計年度に比べ11.8%増の1億51百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ23.1%減の31百万円となり、経常利益は前連結会計年度に比べ68.6%減の2億82百万円となりました。
税金費用は前連結会計年度に比べ63.0%減の1億6百万円となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ75.8%減の1億45百万円となりました。
売上高売上総利益営業利益営業利益率経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
前連結会計年度52,910百万円4,739百万円805百万円1.5%899百万円598百万円
当連結会計年度42,005百万円3,957百万円163百万円0.4%282百万円145百万円
前年同期比△20.6%△16.5%△79.7%△68.6%△75.8%

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
売上高セグメント利益又は損失(△)
[西日本]22,123百万円(前期比 15.8%減)300百万円(前期比 25.5%減)
[東日本]19,872百万円(前期比 25.4%減)△127百万円(前期比 ― )
[その他]593百万円(前期比 16.0%減)260百万円(前期比 22.3%減)
42,589百万円(前期比 20.6%減)433百万円(前期比 62.6%減)
連結財務諸表との調整額△584百万円△150百万円
連結財務諸表の売上高及び経常利益42,005百万円(前期比 20.6%減)282百万円(前期比 68.6%減)

③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ62百万円減少し、13億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、29億19百万円(前年同期は8億25百万円獲得)となりました。これは主に、仕入債務の減少額(34億63百万円)と前受金の減少額(15億9百万円)があったものの、売上債権の減少額(52億76百万円)と前渡金の減少額(21億47百万円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、5億7百万円(前年同期は4億円使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(5億11百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、24億74百万円(前年同期は3億90百万円使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額(22億30百万円)と配当金の支払額(1億35百万円)によるものであります。
④ 販売及び仕入の状況
a.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
西日本(千円)22,123,47584.2
東日本(千円)19,872,93974.6
その他(千円)593,10684.0
報告セグメント計(千円)42,589,52179.4
連結財務諸表との調整額(千円)△584,13680.2
合計(千円)42,005,38579.4

(注)1.総販売実績に対し10%以上の販売を行っている相手先はありません。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
西日本(千円)20,392,47284.4
東日本(千円)15,585,38064.3
報告セグメント計(千円)35,977,85274.3
連結財務諸表との調整額(千円)△276,76373.6
合計(千円)35,701,08874.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、鋼材の販売・加工を展開しており、販売している商品の多くは、倉庫・工場及びビル等の建設に使用される鋼材であります。従いまして、国内の公共投資及び民間設備投資の動向、国内鋼材市況並びに物流コストの状況等により、常に業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、他にも、「2 事業等のリスク」に記載した要因が考えられます。
b.売上高と営業利益
当連結会計年度の売上高につきましては、国内鋼材市況は長引く米中通商問題さらに年明けより新型コロナウイルス感染症の拡大に翻弄され、出荷量の減少及び販売価格の下落を招きました。また、加工案件につきましても、新規完成物件の減少と加工収益の低下から伸び悩みました。これらの結果、売上高は、420億5百万円となり、前連結会計年度に比べ109億4百万円(前年同期比20.6%減)の減収となりました。
売上総利益につきましては、国内鉄鋼市況は年初より下落傾向となり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響から下げ足を速め、収益率は急速に悪化の一途をたどりました。これらの結果から売上総利益は39億57百万円(前年同期比16.5%減)、売上総利益率は9.4%となりました。販売費及び一般管理費は、コロナ禍の外交営業活動の縮小もあって、37億94百万円となり、前連結会計年度に比べ、1億39百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
この結果、営業利益は1億63百万円となり、売上高営業利益率は0.4%で、前連結会計年度に比べ1.1ポイント下回りました。
このような状況の中で、国内大手鉄鋼メーカーでは、中長期的な対策として高炉休止・廃炉・大規模な生産能力の削減を実施し、今後、国内粗鋼生産量は大幅に減少することが予想されます。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、至る所で経済活動は停滞しており、今後どのように回復への道のりを歩みだすのか見えておりません。喫緊の課題は、個人消費の持ち直しから、いつ民間設備投資に向かうのかであります。その間は、厳しい状況が続くことが予想されますので、適正な在庫ポジションを維持し、取引先としっかり向き合い着実に売上を積み上げていくことが課題として認識しております。
c.営業外損益と経常利益
営業外収益は、助成金収入45百万円によって1億51百万円となり、営業外費用は、31百万円となりました。
この結果、経常利益は2億82百万円となり、売上高経常利益率は0.7%となりました。
d.特別損益
特別損失は、保有している株式の株価下落により投資有価証券評価損28百万円を計上しております。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果から、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2億47百万円となり、法人税、住民税及び事業税1億73百万円、法人税等還付税額△42百万円、法人税等調整額△23百万円等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1億45百万円(前年同期比75.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金及び設備投資等に係る資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローで得た資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
当社グループの投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より継続して、加工設備の拡充・更新等を中心とした有形固定資産の取得及び新情報システム開発に係る資金に使用しております。また、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローでは、主として営業活動によるキャッシュ・フローで得た余資を金融機関の借入金返済に充当いたしました。
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保し、より機動的かつ戦略的に資金投下を行うために、グループ各社の資金管理を当社が一括管理し、子会社へ集約・配布する仕組みの構築を進めております。
今後の主な資金需要は、運転資金のほか、加工設備及び倉庫設備の維持・拡充に伴う設備投資やM&A等の戦略投資等でありますが、その場合におきましても、当該基本方針に基づき、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び過程に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、各納税主体の将来課税所得を過去の実績や将来の事業計画等を勘案のうえ合理的に見積り、将来の税金負担を軽減する効果を有すると考えられる部分につき回収可能と判断しております。今後、経営環境等の変化や関係法令の改正により将来課税所得の見積りに変動が生じた場合には、繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り及び仮定につきましては「第5 経理の状況1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載の通りです。