有価証券報告書-第13期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦や中国の景気減速、英国のEU離脱問題等の海外経済の不確実性に加え、国内における人件費や物流コストの上昇、自然災害の発生もあり、先行き不透明な状況が続いております。
医療業界におきましては、2018年4月に実施された診療報酬改定に伴い、薬価や償還価格の引き下げが行われるなど厳しい環境が続きました。
このような事業環境の中、当社グループは第四次中期3ヶ年経営計画の初年度にあたり、「新規事業の取組と収益力の強化」「人材育成と働き方改革の推進」「コスト効率向上の取組」を掲げ、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。
ヘルスケア関連製品やサービスのワンストップの提供体制を構築するとともに、当社グループの連携強化をはかり、地域包括ケアシステムの円滑な稼働を支えるべく社内プロジェクト「エリアサミット」を継続して開催いたしました。薬局事業では、BtoC事業として在宅支援商品の新販路開発にも着手いたしました。さらに、医療・介護分野でのロボット製品の情報提供ならびに普及にも積極的に注力いたしました。
また、従業員の安全・健康の確保やワークライフバランスの実現と、社内施策として「Smart8」を掲げ、2019年4月より施行された働き方改革関連法への対応と勤怠システムの導入など、働き方改革推進への取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,351億53百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は24億58百万円(同1.6%減)、経常利益は34億52百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億99百万円(同2.8%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメント名称を「調剤薬局事業」から「薬局事業」に変更いたしました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2018年4月の診療報酬改定ならびに薬価引き下げが実施されたことにより厳しい市場環境となりました。
このような中、高齢化の進展を背景とした生活習慣病薬、抗がん剤などの分野での売上が堅調に推移し特に新薬の売上が好調に推移しました。また、商品カテゴリー別では後発医薬品が伸長した反面、長期収載品の売上が減少する傾向が続きました。利益面では販売管理費の圧縮、品目毎のきめ細かい価格管理に継続して取り組んだことにより増益となりました。
その結果、売上高は1,697億50百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は12億73百万円(同19.9%増)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、画像診断機器をはじめ手術装置関連機器などの大型機器の買い替え需要や大型新築案件等があり、売上は順調な推移となりました。また、医療材料等の消耗品においても同様に推移しており、前年度を上回る結果となりました。利益面においても、診療報酬改定や価格引き下げ要請の影響もありましたが、売上増加に支えられて前年を上回る結果となりました。
その結果、売上高は565億16百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益は8億8百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、2018年4月に実施された調剤報酬および薬価基準改定の影響などから売上、利益ともに厳しい状況となりました。特に利益面では、調剤技術料や薬剤料の減少に加え、新店舗開設等に伴う経費の増加により大きく落ち込みました。
その結果、売上高は141億97百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は2億86百万円(同53.4%減)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、引き続き福祉用具レンタル・販売および住宅改修における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、新たなサービス付き高齢者向け住宅や介護事業所の開設に加え、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の戦略も奏功して、売上・利益ともに順調に推移いたしました。
その結果、売上高は32億4百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は2億98百万円(同21.9%増)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、クリニック・調剤薬局に対する各種パッケージ販売が堅調に推移したことに加え、大型情報機器案件の獲得やWindows製品のサポート期間終了による製品の入替需要を積極的に取込むことで、売上・利益ともに前年を上回る結果となりました。
その結果、売上高は16億84百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は1億5百万円(同85.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)としては、増加要素では、税金等調整前当期純利益で33億65百万円(前年同期比3.0%減)、減価償却費9億43百万円(同9.8%減)、売上債権の減少で7億89百万円(同280.9%増)ありましたが、たな卸資産の増加4億49百万円(同35.3%減)および仕入債務の減少1億4百万円(前年同期は37億28百万円の増加)、法人税等の支払額16億53百万円(前年同期比32.8%増)などの要因により相殺され、営業活動によるキャッシュ・フローは26億13百万円(同54.5%減)となりました。投資により使用した資金は18億62百万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローを7億50百万円下回ることとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローにおいては配当金の支払額などで5億30百万円使用し、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ2億20百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は209億13百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は26億13百万円(前年同期比54.5%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が33億65百万円、減価償却費が9億43百万円および売上債権の減少が7億89百万円となったものの、仕入債務の減少1億4百万円やたな卸資産の増加4億49百万円などにより一部相殺されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億62百万円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に有形固定資産(サービス付き高齢者向け住宅および商品管理センター等)の取得による支出で16億36百万円、無形固定資産の取得による支出で1億31百万円使用したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5億30百万円(前年同期比54.5%減)となりました。これは主に配当金の支払額で4億1百万円およびリース債務の返済による支出で37百万円使用したことによるものであります。また、当期においてもROE(株主資本利益率)の向上を目指して自己株式の取得を継続し、自己株式の増加額は88百万円となりました。その結果としてROEは4.18%となり、目標としていた4%台を2期連続で達成いたしました。なお、有形固定資産の取得において、金融機関から6億50百万円借入しましたが、当連結会計年度内において全額返済しております。
③仕入及び販売の実績
(1)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
地域包括ケアシステムの円滑な稼働に向けて当社グループは、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。このような中での当連結会計年度の経営成績等としましては、売上高は2,351億53百万円(前年同期比3.2%増)と前年同期を上回ることができました。これは、当社グループを構成する5事業のうち、薬局事業を除く医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、介護事業、ICT事業の4事業で前年を上回ったことによるものであります。営業利益につきましては24億58百万円(同1.6%減)となりました。事業セグメント別では、医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、介護事業ならびにICT事業におきまして前年同期比二桁の大幅増益となったものの、薬局事業での大幅減益分を補うまでには至らなかったことによるものであります。経常利益におきましては34億52百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億99百万円(同2.8%減)となりました。
当連結会計年度では、売上総利益を除く各利益段階におきましては、前年同期比では減少となりましたが、これまでの最高益となった前年度に次ぐ利益水準となりました。経常利益ではこれまで目標としていた30億円台を安定的に確保できております。また、ROE(株主資本利益率)につきましては4.18%となり、これまで目標として掲げてきた4%台を前年度に引き続き維持することができました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、医療用医薬品市場での大型治療薬需要の減少と後発医薬品への切り替えに伴う長期収載品の減少傾向が続く中で、新薬の売上が好調に推移したことにより、当連結会計年度における売上高は1,697億50百万円で、前年同期比で0.9%上回るとともに、営業利益は12億73百万円で、前年同期比で19.9%の大幅増益となり、売上計画・利益計画ともに達成いたしました。また、同事業における利益率が年々厳しくなる中、コストの圧縮を重要課題として取り組んだ結果、販売管理費では前年同期比88百万円の削減となり増益に貢献しました。また、客観的な目標としての販売管理費率5.0%を下回ること(4%台の実現)を目指しておりましたが、当連結会計年度における販売管理費率は4.9%を達成することができました。
医療機器卸売事業におきましては、大病院を中心として画像診断機器などの大型機器の買い替え需要や大型新築案件等にともなう受注が順調で、売上高は565億16百万円で前年同期比では11.8%の増収となりました。同事業におきましては2017年3月期に初めて売上500億円を達成して以降は安定して500億円以上を達成しており、今後3年以内での売上600億円達成を目指しております。営業利益としても、付加価値の高い販売活動により8億8百万円となり前年同期比では10.9%の大幅増益につながり、同事業における売上計画・利益計画ともに達成いたしました。
薬局事業におきましては、4月の調剤報酬改定と薬価引き下げの影響により調剤技術料収入と薬剤料収入が大きく落ち込み、当連結会計年度における売上高は、新規薬局の売上を含めて141億97百万円で、前年同期比では0.9%の減収となりました。営業利益におきましても調剤技術料収入と薬剤料収入の大幅減少が影響し、2億86百万円にとどまることとなり、前年同期比で53.4%減と大変厳しい状況となりました。薬局事業の経営目標である年間売上150億円の達成に向けて年間計画を見直しするとともに、経費削減努力などによる利益向上を目指してまいります。また、健康サポート薬局への取り組みなどによる地域に求められる薬局づくりに一層注力してまいります。
介護事業におきましては、伸長する市場に対応すべく、レンタル部門において先行投資としての営業員9名増員して顧客重視の営業姿勢を前面に打ち出した戦略が高く評価されていることと、4月に新たに取得した3棟のサービス付き高齢者向け住宅の収益への効果もあり、当連結会計年度の売上高は32億4百万円(同14.1%増)となりました。営業面につきましては、介護・看護スタッフの不足による訪問介護・看護部門での利益確保が計画を下回りましたが、レンタル・販売部門の好調に支えられて、営業利益は2億98百万円(同21.9%増)と大幅増益となり、3期連続での増益となりました。
ICT事業におきましては、2015年3月期に大型受注案件での開発遅延の影響で赤字が発生しましたが、それ以降は安定した利益を継続して確保しております。当連結会計年度におきましては、大型情報機器案件の獲得やクリニック・調剤薬局に対する各種パッケージ販売が堅調に推移したことに加え、Windows製品のサポート切れによる製品の入替需要を積極的に取込むことで、売上・利益ともに前年を上回る結果となりました。売上高は16億84百万円(同14.8%増)、営業利益は1億5百万円(同85.9%増加)と大幅増収・増益なりました。赤字発生以降の営業利益は50百万円付近で安定しており、当連結会計年度はさらに大幅増益と業況も順調に回復しています。今後も外注費の削減など、案件ごとの原価管理を徹底することで安定的な利益を確保してまいります。
②資本の財源および資金の流動性
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動性資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの長期借入等も合わせて検討していく予定であります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取組が必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。
④経営戦略の現状と見通し
社会医療費の医療抑制策の一環として、医療機関の経営環境は一層厳しさを増しております。また、高齢化社会の到来にむけて、「地域包括ケアシステム」に代表される医療周辺の医療・介護・福祉の地域連携が進められる中で市場の広がりと医療との連携が地域ごとに模索されております。そのような中、医療関連をビジネスフィールドしている医薬品卸売事業、医療機器卸売事業および薬局事業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予測されますが、一方で、医療機関周辺のヘルスケア全般においては新たなサービス需要も予測されます。
この事業環境の変化に対し、当社グループは、総合ヘルスケア企業として、グループ各社がさらに専門性を強化し、連携することで、ヘルスケア市場のニーズに応えていきたいと考えております。医療機関における経営支援については、医薬品、医療機器の使用情報を基点とした購買・在庫管理に取り組み、医療用資材全般のサプライチェーンを構築することで、医療機関における調達コストの削減支援と中期的なグループの「デジタル化」を進め、提供するサービスの品質向上と生産性向上に取り組んでまいります。また、地域の医療提供体制に則して、当社グループ内の各企業が連携することで、新たなビジネスモデルとして在宅支援サービスを開発し、医療機関周辺のヘルスケア市場へのサービス展開も行ってまいります。さらに、グループ全体の効率的な運用と財務体質の強化を図るとともに、キャッシュ・フロー重視の経営を引き続き進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦や中国の景気減速、英国のEU離脱問題等の海外経済の不確実性に加え、国内における人件費や物流コストの上昇、自然災害の発生もあり、先行き不透明な状況が続いております。
医療業界におきましては、2018年4月に実施された診療報酬改定に伴い、薬価や償還価格の引き下げが行われるなど厳しい環境が続きました。
このような事業環境の中、当社グループは第四次中期3ヶ年経営計画の初年度にあたり、「新規事業の取組と収益力の強化」「人材育成と働き方改革の推進」「コスト効率向上の取組」を掲げ、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。
ヘルスケア関連製品やサービスのワンストップの提供体制を構築するとともに、当社グループの連携強化をはかり、地域包括ケアシステムの円滑な稼働を支えるべく社内プロジェクト「エリアサミット」を継続して開催いたしました。薬局事業では、BtoC事業として在宅支援商品の新販路開発にも着手いたしました。さらに、医療・介護分野でのロボット製品の情報提供ならびに普及にも積極的に注力いたしました。
また、従業員の安全・健康の確保やワークライフバランスの実現と、社内施策として「Smart8」を掲げ、2019年4月より施行された働き方改革関連法への対応と勤怠システムの導入など、働き方改革推進への取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,351億53百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は24億58百万円(同1.6%減)、経常利益は34億52百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億99百万円(同2.8%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメント名称を「調剤薬局事業」から「薬局事業」に変更いたしました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2018年4月の診療報酬改定ならびに薬価引き下げが実施されたことにより厳しい市場環境となりました。
このような中、高齢化の進展を背景とした生活習慣病薬、抗がん剤などの分野での売上が堅調に推移し特に新薬の売上が好調に推移しました。また、商品カテゴリー別では後発医薬品が伸長した反面、長期収載品の売上が減少する傾向が続きました。利益面では販売管理費の圧縮、品目毎のきめ細かい価格管理に継続して取り組んだことにより増益となりました。
その結果、売上高は1,697億50百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は12億73百万円(同19.9%増)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、画像診断機器をはじめ手術装置関連機器などの大型機器の買い替え需要や大型新築案件等があり、売上は順調な推移となりました。また、医療材料等の消耗品においても同様に推移しており、前年度を上回る結果となりました。利益面においても、診療報酬改定や価格引き下げ要請の影響もありましたが、売上増加に支えられて前年を上回る結果となりました。
その結果、売上高は565億16百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益は8億8百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、2018年4月に実施された調剤報酬および薬価基準改定の影響などから売上、利益ともに厳しい状況となりました。特に利益面では、調剤技術料や薬剤料の減少に加え、新店舗開設等に伴う経費の増加により大きく落ち込みました。
その結果、売上高は141億97百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は2億86百万円(同53.4%減)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、引き続き福祉用具レンタル・販売および住宅改修における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、新たなサービス付き高齢者向け住宅や介護事業所の開設に加え、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の戦略も奏功して、売上・利益ともに順調に推移いたしました。
その結果、売上高は32億4百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は2億98百万円(同21.9%増)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、クリニック・調剤薬局に対する各種パッケージ販売が堅調に推移したことに加え、大型情報機器案件の獲得やWindows製品のサポート期間終了による製品の入替需要を積極的に取込むことで、売上・利益ともに前年を上回る結果となりました。
その結果、売上高は16億84百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は1億5百万円(同85.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)としては、増加要素では、税金等調整前当期純利益で33億65百万円(前年同期比3.0%減)、減価償却費9億43百万円(同9.8%減)、売上債権の減少で7億89百万円(同280.9%増)ありましたが、たな卸資産の増加4億49百万円(同35.3%減)および仕入債務の減少1億4百万円(前年同期は37億28百万円の増加)、法人税等の支払額16億53百万円(前年同期比32.8%増)などの要因により相殺され、営業活動によるキャッシュ・フローは26億13百万円(同54.5%減)となりました。投資により使用した資金は18億62百万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローを7億50百万円下回ることとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローにおいては配当金の支払額などで5億30百万円使用し、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ2億20百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は209億13百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は26億13百万円(前年同期比54.5%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が33億65百万円、減価償却費が9億43百万円および売上債権の減少が7億89百万円となったものの、仕入債務の減少1億4百万円やたな卸資産の増加4億49百万円などにより一部相殺されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億62百万円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に有形固定資産(サービス付き高齢者向け住宅および商品管理センター等)の取得による支出で16億36百万円、無形固定資産の取得による支出で1億31百万円使用したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5億30百万円(前年同期比54.5%減)となりました。これは主に配当金の支払額で4億1百万円およびリース債務の返済による支出で37百万円使用したことによるものであります。また、当期においてもROE(株主資本利益率)の向上を目指して自己株式の取得を継続し、自己株式の増加額は88百万円となりました。その結果としてROEは4.18%となり、目標としていた4%台を2期連続で達成いたしました。なお、有形固定資産の取得において、金融機関から6億50百万円借入しましたが、当連結会計年度内において全額返済しております。
③仕入及び販売の実績
(1)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 医薬品卸売事業(百万円) | 160,057 | 100.7 |
| 医療機器卸売事業(百万円) | 51,428 | 111.7 |
| 薬局事業(百万円) | 972 | 94.8 |
| 介護事業(百万円) | 266 | 75.7 |
| ICT事業(百万円) | 1,043 | 130.1 |
| その他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 213,768 | 103.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 医薬品卸売事業(百万円) | 160,908 | 100.6 |
| 医療機器卸売事業(百万円) | 56,061 | 111.8 |
| 薬局事業(百万円) | 14,184 | 99.1 |
| 介護事業(百万円) | 3,197 | 114.1 |
| ICT事業(百万円) | 759 | 125.4 |
| その他(百万円) | 42 | 100.1 |
| 合計(百万円) | 235,153 | 103.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
地域包括ケアシステムの円滑な稼働に向けて当社グループは、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。このような中での当連結会計年度の経営成績等としましては、売上高は2,351億53百万円(前年同期比3.2%増)と前年同期を上回ることができました。これは、当社グループを構成する5事業のうち、薬局事業を除く医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、介護事業、ICT事業の4事業で前年を上回ったことによるものであります。営業利益につきましては24億58百万円(同1.6%減)となりました。事業セグメント別では、医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、介護事業ならびにICT事業におきまして前年同期比二桁の大幅増益となったものの、薬局事業での大幅減益分を補うまでには至らなかったことによるものであります。経常利益におきましては34億52百万円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億99百万円(同2.8%減)となりました。
当連結会計年度では、売上総利益を除く各利益段階におきましては、前年同期比では減少となりましたが、これまでの最高益となった前年度に次ぐ利益水準となりました。経常利益ではこれまで目標としていた30億円台を安定的に確保できております。また、ROE(株主資本利益率)につきましては4.18%となり、これまで目標として掲げてきた4%台を前年度に引き続き維持することができました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、医療用医薬品市場での大型治療薬需要の減少と後発医薬品への切り替えに伴う長期収載品の減少傾向が続く中で、新薬の売上が好調に推移したことにより、当連結会計年度における売上高は1,697億50百万円で、前年同期比で0.9%上回るとともに、営業利益は12億73百万円で、前年同期比で19.9%の大幅増益となり、売上計画・利益計画ともに達成いたしました。また、同事業における利益率が年々厳しくなる中、コストの圧縮を重要課題として取り組んだ結果、販売管理費では前年同期比88百万円の削減となり増益に貢献しました。また、客観的な目標としての販売管理費率5.0%を下回ること(4%台の実現)を目指しておりましたが、当連結会計年度における販売管理費率は4.9%を達成することができました。
医療機器卸売事業におきましては、大病院を中心として画像診断機器などの大型機器の買い替え需要や大型新築案件等にともなう受注が順調で、売上高は565億16百万円で前年同期比では11.8%の増収となりました。同事業におきましては2017年3月期に初めて売上500億円を達成して以降は安定して500億円以上を達成しており、今後3年以内での売上600億円達成を目指しております。営業利益としても、付加価値の高い販売活動により8億8百万円となり前年同期比では10.9%の大幅増益につながり、同事業における売上計画・利益計画ともに達成いたしました。
薬局事業におきましては、4月の調剤報酬改定と薬価引き下げの影響により調剤技術料収入と薬剤料収入が大きく落ち込み、当連結会計年度における売上高は、新規薬局の売上を含めて141億97百万円で、前年同期比では0.9%の減収となりました。営業利益におきましても調剤技術料収入と薬剤料収入の大幅減少が影響し、2億86百万円にとどまることとなり、前年同期比で53.4%減と大変厳しい状況となりました。薬局事業の経営目標である年間売上150億円の達成に向けて年間計画を見直しするとともに、経費削減努力などによる利益向上を目指してまいります。また、健康サポート薬局への取り組みなどによる地域に求められる薬局づくりに一層注力してまいります。
介護事業におきましては、伸長する市場に対応すべく、レンタル部門において先行投資としての営業員9名増員して顧客重視の営業姿勢を前面に打ち出した戦略が高く評価されていることと、4月に新たに取得した3棟のサービス付き高齢者向け住宅の収益への効果もあり、当連結会計年度の売上高は32億4百万円(同14.1%増)となりました。営業面につきましては、介護・看護スタッフの不足による訪問介護・看護部門での利益確保が計画を下回りましたが、レンタル・販売部門の好調に支えられて、営業利益は2億98百万円(同21.9%増)と大幅増益となり、3期連続での増益となりました。
ICT事業におきましては、2015年3月期に大型受注案件での開発遅延の影響で赤字が発生しましたが、それ以降は安定した利益を継続して確保しております。当連結会計年度におきましては、大型情報機器案件の獲得やクリニック・調剤薬局に対する各種パッケージ販売が堅調に推移したことに加え、Windows製品のサポート切れによる製品の入替需要を積極的に取込むことで、売上・利益ともに前年を上回る結果となりました。売上高は16億84百万円(同14.8%増)、営業利益は1億5百万円(同85.9%増加)と大幅増収・増益なりました。赤字発生以降の営業利益は50百万円付近で安定しており、当連結会計年度はさらに大幅増益と業況も順調に回復しています。今後も外注費の削減など、案件ごとの原価管理を徹底することで安定的な利益を確保してまいります。
②資本の財源および資金の流動性
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動性資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの長期借入等も合わせて検討していく予定であります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取組が必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。
④経営戦略の現状と見通し
社会医療費の医療抑制策の一環として、医療機関の経営環境は一層厳しさを増しております。また、高齢化社会の到来にむけて、「地域包括ケアシステム」に代表される医療周辺の医療・介護・福祉の地域連携が進められる中で市場の広がりと医療との連携が地域ごとに模索されております。そのような中、医療関連をビジネスフィールドしている医薬品卸売事業、医療機器卸売事業および薬局事業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予測されますが、一方で、医療機関周辺のヘルスケア全般においては新たなサービス需要も予測されます。
この事業環境の変化に対し、当社グループは、総合ヘルスケア企業として、グループ各社がさらに専門性を強化し、連携することで、ヘルスケア市場のニーズに応えていきたいと考えております。医療機関における経営支援については、医薬品、医療機器の使用情報を基点とした購買・在庫管理に取り組み、医療用資材全般のサプライチェーンを構築することで、医療機関における調達コストの削減支援と中期的なグループの「デジタル化」を進め、提供するサービスの品質向上と生産性向上に取り組んでまいります。また、地域の医療提供体制に則して、当社グループ内の各企業が連携することで、新たなビジネスモデルとして在宅支援サービスを開発し、医療機関周辺のヘルスケア市場へのサービス展開も行ってまいります。さらに、グループ全体の効率的な運用と財務体質の強化を図るとともに、キャッシュ・フロー重視の経営を引き続き進めてまいります。