有価証券報告書-第15期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動レベルを引き上げていく中で、各種政策効果や海外経済の改善もあり持ち直していくことが期待されております。しかし、感染拡大による内外経済に与える影響は不透明な状況が続いております。
このような事業環境の中、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制や医療用医薬品を中心とした関連商品の落ち込みは、当社グループの医薬品や調剤事業の業績に厳しい影響をもたらしました。
当社グループは、第四次中期3ヶ年経営計画の最終年度にあたり、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。薬局事業では、多様なヘルスケア関連商品とサービスをワンストップで直接患者さんにお届けする取り組みを推進しております。さらに帯広市の新社屋建設とグループシナジーの具現化を見据えて、「とかちロジスティクスセンタープロジェクト」をスタートいたしました。
また、新型コロナウイルス感染拡大時の新たなBCP(事業継続計画)対策の一環として、Web会議やテレワーク導入に向けた取り組みを続けております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,394億94百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は14億45百万円(同51.4%減)、経常利益は26億91百万円(同34.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同27.0%減)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2020年4月に診療報酬改定ならびに薬価引き下げが行われました。さらに、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制と営業活動の制限が現在も続いており一段と厳しい市場環境となりました。また、商品カテゴリー別では、売上げが伸長してきた後発医薬品市場において供給面で一部混乱があり、長期収載品の売上げにおいては減少傾向が依然続いております。新薬の販売にも積極的に取り組みましたが、上記のマイナス要因が影響して、全体の売上は減少いたしました。なお、利益面では、きめ細かな価格管理を継続して取り組みましたが、売上減に加えて卸間の価格競争も激化し大幅減益となりました。
その結果、売上高は1,699億2百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は3億74百万円(同76.2%減)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により医療機関では手術や検査などの抑制が続き医療材料等の売上に影響が出ました。しかしながら開業案件を含む大型機器の売上に加え新型コロナ補正予算等を利用した医療機関による感染症関連機器の需要もあったことから売上は前年を上回る結果となりました。利益面につきましては、新型コロナウイルス感染対策商材の棚卸資産評価損の処理に伴い減益となりました。
その結果、売上高は608億81百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は7億51百万円(同15.4%減)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定に伴う調剤報酬および薬価の引き下げに加え新型コロナウイルス感染拡大の影響による処方箋枚数の減少で売上・利益ともに前年を下回りました。特に急性期疾患を対象とする処方箋が大きく減少しました。一方で慢性期疾患を対象とする処方箋の単価は、長期投与の影響により薬剤料が増えて増加しました。
その結果、売上高は138億44百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は1億30百万円(同69.0%減)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、福祉用具のレンタル・販売および住宅改修と介護ロボットの普及推進における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の方針により、売上・利益ともに安定的に推移しました。サービス付き高齢者向け住宅の部門におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として入館規制や手指消毒などを徹底しており、入居者数は安定し訪問介護・看護部門での売上も順調に推移しました。利益面では減益となりましたが、これは不動産仲介手数料収入の前年との差によるものです。
その結果、売上高は37億63百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は3億79百万円(同8.8%減)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、医療機関向けレセプトコンピュータシステムの販売や、テレワークに関連するICT機器の投資案件や各種ソフトウェア開発案件の受注が堅調に推移しました。しかし一般企業向けのビジネスでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、システム開発案件や設備投資案件を先送りする企業もあり売上・利益ともに前年を下回りました。
その結果、売上高は16億91百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億50百万円(同42.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産は、前連結会計年度末との比較において以下のとおりとなりました。
総資産は1,329億55百万円(前連結会計年度末は1,306億53百万円)となり、23億2百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加の影響により流動資産で1億96百万円、土地および建物ならびに建設仮勘定の増加により有形固定資産で13億72百万円、投資有価証券等の増加の影響により投資その他の資産で11億18百万円増加した一方、無形固定資産で3億85百万円減少したことなどによるものです。
負債は785億85百万円(前連結会計年度末は779億23百万円)となり、6億61百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務の支払債務の増加等により流動負債で3億3百万円、繰延税金負債の増加等により固定負債で3億57百万円増加したことによるものです。
純資産は、543億69百万円(前連結会計年度末は527億29百万円)となり、16億40百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が10億95百万円、その他有価証券評価差額金で6億91百万円の増加等があった一方、自己株式により2億76百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億18百万円減少し、204億34百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17億91百万円(前年同期比62.2%減)となりました。これは、増加要素として税金等調整前当期純利益25億48百万円(同24.9%減)、減価償却費11億40百万円(同7.9%増)、仕入債務の増加で10億23百万円(同61.1%減)などがあった一方、減少要素として売上債権の増加12億55百万円(同46.4%減)、法人税等の支払15億68百万円(前年同期は69百万円の還付)があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は21億79百万円(前年同期比40.5%減)となりました。これは主に、有形固定資産と投資有価証券の売却により3億45百万円(同36.1%増)、補助金の受取り1億38百万円(前年同期は発生なし)の資金を獲得した一方、有形固定資産の取得により23億95百万円(前年同期比32.0%減)、無形固定資産の取得により2億50百万円(同47.2%減)の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億31百万円(前年同期比64.5%増)となりました。これは主に配当金の支払3億96百万円(同0.7%減)および自己株式の取得による支出2億76百万円(前年同期は0百万円)リース債務の返済56百万円(前年同期比32.9%増)があったことなどによるものです。
③ 仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、2020年4月の薬価改定をはじめ後発医薬品使用促進による医療費抑制策の大きな影響に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点での受診抑制や営業活動制限の影響などにより、引き続き厳しい事業環境となりました。
このような中での当連結会計年度の経営成績等としましては、売上高は2,394億94百万円(前年同期比1.5%減)と前年同期比で減収となりました。これは、当社グループを構成する5事業のうち、医療機器卸売事業と介護事業を除く3事業(医薬品卸売事業、薬局事業、ICT事業)で前年の売上を下回ったことによるものであります。
営業利益につきましては14億45百万円(同51.4%減)と前年同期比で大幅な減益となりました。事業セグメント別でも、当社グループの5事業すべてにおいて前年比減益となったことによるものであります。経常利益におきましては26億91百万円(同34.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同27.0%減)と、いずれも厳しい利益状況となりました。
当連結会計年度では、すべての利益段階におきまして前年比で減益となりました。特に、経常利益では2016年3月期以降毎期安定的に30億円台(2020年3月期は40億円台)を確保しておりましたが、当年度では20億円台となりました。また、4%台の安定維持をめざしているROE(自己資本利益率)につきましては、減益に加え、のれん減損などの影響もあり2.8%まで低下いたしました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定ならびに薬価改定が行われたことに加え、4月以降も感染拡大防止による受診抑制、営業活動の制限が継続し厳しい市場環境が続きました。売上拡大が困難な中、新薬への取り組みを積極的に行いましたが、医療費抑制策としての後発医薬品使用促進も依然として影響を及ぼす環境下での推移となりました。そのため、当期における売上高は1,699億2百万円となり、前年同期比で2.7%下回る結果となりました。また、売上減の影響に加えて、卸間の価格競争激化の影響により利益に大きな影響を与えました。販管費では、コロナ関連の感染対策功労一時金支給などによる人件費の増加があったものの、旅費交通費・販促費などの減少効果もあり、販管費全体では19百万円の減少となりました。しかしながら、利益減少分を補うには至らず、営業利益においては3億74百万円で前年同期比76.2%の大幅減益となったため、売上計画・利益計画ともに未達となりました。同事業においては、利益率が年々厳しい状況にある中、コスト率の改善を重要課題として取り組んでおり、目標としているコスト率4%台の安定維持については、当期では売上高の減少により5.0%となり、前年同期比では0.12ポイント上昇する結果となりました。
医療機器卸売事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定ならびに償還価格引き下げの影響はあったものの、開業案件を含む大型機器の売上に加え新型コロナ補正予算等を利用した医療機関による感染症関連機器の需要もあったことから、売上は前年を上回る結果となりました。その結果、売上高が前年同期を2.4%上回る608億81百万円となり、利益面においても売上の安定増加の影響により期中では増加傾向で推移しましたが、第4四半期において新型コロナウイルス感染対策商材の棚卸資産評価損を計上したことから、営業利益では前年同期比15.4%減の7億51百万円にとどまることとなりました。売上・利益計画に対しては両方ともに達成しております。
薬局事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定に伴う調剤報酬および薬価の引き下げに加え、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制と発熱を伴う急性期疾患の処方箋応需が大幅に減少しました。当期の処方箋枚数では、前年同期比13.7%の減少となり、大変厳しい状況となりました。以上の影響により、売上高は138億44百万円となり、前年同期比では4.7%の減収となりました。また、利益面におきましても、処方箋枚数の減少に加えて材料費の高騰や消費税増税の影響も尾を引いたため、営業利益は1億30百万円となり、前年同期比で69.0%減と大幅な減益になりました。そのため、売上・利益ともに計画は未達となりました。
介護事業におきましては、レンタル・販売部門での営業力増強や介護ロボットの普及推進での営業員の増員・育成の強化が奏功し、売上は順調に推移しました。また、サービス付き高齢者向け住宅の部門におきましては、感染予防対策に万全を期すことで、入居者数も安定的に推移し、訪問介護・看護部門での売上も堅調な推移となりました。その結果、当期における売上高は37億63百万円で、前年同期比9.9%の増収となりました。利益面におきましては、レンタル・販売部門の好調に支えられて営業利益は3億79百万円となりましたが、大口の不動産仲介手数料のあった前年同期との比較では8.8%の減益となりました。そのため、売上計画は達成しましたが、利益計画は未達となりました。
ICT事業におきましては、レセプトコンピュータの販売が比較的順調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染拡大下での営業活動制限による影響で、検収遅れや大型開発案件の開発スケジュールの遅延が発生いたしました。売上の第4四半期以降へのずれ込みも発生しております。第3四半期におきましては、第2四半期からのずれ込み分の業績への寄与などがあった結果、売上高は16億91百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億50百万円(同42.8%減)となりましたが、売上・利益計画ともに達成いたしました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動性資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの一時的な借入等も合わせて検討していく予定であります。
c.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引き下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取り組みが必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
社会医療費の医療抑制策の一環として、医療機関の経営環境は一層厳しさを増しております。また、高齢化社会の到来にむけて、「地域包括ケアシステム」に代表される医療周辺の医療・介護・福祉の地域連携が進められる中で市場の広がりと医療との連携が地域ごとに模索されております。そのような中、医療関連をビジネスフィールドとしている医薬品卸売事業、医療機器卸売事業および薬局事業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予測されますが、一方で、医療機関周辺のヘルスケア全般においては新たなサービス需要も予測されます。
この事業環境の変化に対し、当社グループは、総合ヘルスケア企業として、グループ各社がさらに専門性を強化し、連携することで、ヘルスケア市場のニーズに応えていきたいと考えております。医療機関における経営支援については、医薬品、医療機器の使用情報を基点とした購買・在庫管理に取り組み、医療用資材全般のサプライチェーンを構築することで、医療機関における調達コストの削減支援と中期的な当社グループの「デジタルトランスフォーメーション」を進め地域で求められるヘルスケア関連製品やサービスを当社グループで一元的にかつ効率的に提供するシステム構築に取り組んでまいります。また、地域の医療提供体制に則して、当社グループ内の各企業が連携することで、新たなビジネスモデルとして薬局事業で介護製品や情報をお届けする取り組みを開始し医療機関周辺のヘルスケア市場へのサービス展開も行ってまいります。さらに、グループ全体の効率的な運用と財務体質の強化を図るとともに、キャッシュ・フロー重視の経営を引き続き進めてまいります。また、感染症拡大が続いている新型コロナウイルス感染症の影響について懸念されますが、感染予防とBCP(事業継続計画)対策を継続してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動レベルを引き上げていく中で、各種政策効果や海外経済の改善もあり持ち直していくことが期待されております。しかし、感染拡大による内外経済に与える影響は不透明な状況が続いております。
このような事業環境の中、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制や医療用医薬品を中心とした関連商品の落ち込みは、当社グループの医薬品や調剤事業の業績に厳しい影響をもたらしました。
当社グループは、第四次中期3ヶ年経営計画の最終年度にあたり、各事業の競争力の強化、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。薬局事業では、多様なヘルスケア関連商品とサービスをワンストップで直接患者さんにお届けする取り組みを推進しております。さらに帯広市の新社屋建設とグループシナジーの具現化を見据えて、「とかちロジスティクスセンタープロジェクト」をスタートいたしました。
また、新型コロナウイルス感染拡大時の新たなBCP(事業継続計画)対策の一環として、Web会議やテレワーク導入に向けた取り組みを続けております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,394億94百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は14億45百万円(同51.4%減)、経常利益は26億91百万円(同34.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同27.0%減)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2020年4月に診療報酬改定ならびに薬価引き下げが行われました。さらに、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制と営業活動の制限が現在も続いており一段と厳しい市場環境となりました。また、商品カテゴリー別では、売上げが伸長してきた後発医薬品市場において供給面で一部混乱があり、長期収載品の売上げにおいては減少傾向が依然続いております。新薬の販売にも積極的に取り組みましたが、上記のマイナス要因が影響して、全体の売上は減少いたしました。なお、利益面では、きめ細かな価格管理を継続して取り組みましたが、売上減に加えて卸間の価格競争も激化し大幅減益となりました。
その結果、売上高は1,699億2百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は3億74百万円(同76.2%減)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により医療機関では手術や検査などの抑制が続き医療材料等の売上に影響が出ました。しかしながら開業案件を含む大型機器の売上に加え新型コロナ補正予算等を利用した医療機関による感染症関連機器の需要もあったことから売上は前年を上回る結果となりました。利益面につきましては、新型コロナウイルス感染対策商材の棚卸資産評価損の処理に伴い減益となりました。
その結果、売上高は608億81百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は7億51百万円(同15.4%減)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定に伴う調剤報酬および薬価の引き下げに加え新型コロナウイルス感染拡大の影響による処方箋枚数の減少で売上・利益ともに前年を下回りました。特に急性期疾患を対象とする処方箋が大きく減少しました。一方で慢性期疾患を対象とする処方箋の単価は、長期投与の影響により薬剤料が増えて増加しました。
その結果、売上高は138億44百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は1億30百万円(同69.0%減)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、福祉用具のレンタル・販売および住宅改修と介護ロボットの普及推進における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の方針により、売上・利益ともに安定的に推移しました。サービス付き高齢者向け住宅の部門におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として入館規制や手指消毒などを徹底しており、入居者数は安定し訪問介護・看護部門での売上も順調に推移しました。利益面では減益となりましたが、これは不動産仲介手数料収入の前年との差によるものです。
その結果、売上高は37億63百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は3億79百万円(同8.8%減)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、医療機関向けレセプトコンピュータシステムの販売や、テレワークに関連するICT機器の投資案件や各種ソフトウェア開発案件の受注が堅調に推移しました。しかし一般企業向けのビジネスでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、システム開発案件や設備投資案件を先送りする企業もあり売上・利益ともに前年を下回りました。
その結果、売上高は16億91百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億50百万円(同42.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産は、前連結会計年度末との比較において以下のとおりとなりました。
総資産は1,329億55百万円(前連結会計年度末は1,306億53百万円)となり、23億2百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加の影響により流動資産で1億96百万円、土地および建物ならびに建設仮勘定の増加により有形固定資産で13億72百万円、投資有価証券等の増加の影響により投資その他の資産で11億18百万円増加した一方、無形固定資産で3億85百万円減少したことなどによるものです。
負債は785億85百万円(前連結会計年度末は779億23百万円)となり、6億61百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務の支払債務の増加等により流動負債で3億3百万円、繰延税金負債の増加等により固定負債で3億57百万円増加したことによるものです。
純資産は、543億69百万円(前連結会計年度末は527億29百万円)となり、16億40百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が10億95百万円、その他有価証券評価差額金で6億91百万円の増加等があった一方、自己株式により2億76百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億18百万円減少し、204億34百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17億91百万円(前年同期比62.2%減)となりました。これは、増加要素として税金等調整前当期純利益25億48百万円(同24.9%減)、減価償却費11億40百万円(同7.9%増)、仕入債務の増加で10億23百万円(同61.1%減)などがあった一方、減少要素として売上債権の増加12億55百万円(同46.4%減)、法人税等の支払15億68百万円(前年同期は69百万円の還付)があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は21億79百万円(前年同期比40.5%減)となりました。これは主に、有形固定資産と投資有価証券の売却により3億45百万円(同36.1%増)、補助金の受取り1億38百万円(前年同期は発生なし)の資金を獲得した一方、有形固定資産の取得により23億95百万円(前年同期比32.0%減)、無形固定資産の取得により2億50百万円(同47.2%減)の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億31百万円(前年同期比64.5%増)となりました。これは主に配当金の支払3億96百万円(同0.7%減)および自己株式の取得による支出2億76百万円(前年同期は0百万円)リース債務の返済56百万円(前年同期比32.9%増)があったことなどによるものです。
③ 仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 医薬品卸売事業(百万円) | 160,012 | 97.5 |
| 医療機器卸売事業(百万円) | 55,544 | 103.0 |
| 薬局事業(百万円) | 856 | 95.0 |
| 介護事業(百万円) | 501 | 126.2 |
| ICT事業(百万円) | 858 | 81.2 |
| その他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 217,773 | 101.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 医薬品卸売事業(百万円) | 161,283 | 97.4 |
| 医療機器卸売事業(百万円) | 60,132 | 102.0 |
| 薬局事業(百万円) | 13,830 | 95.3 |
| 介護事業(百万円) | 3,727 | 112.1 |
| ICT事業(百万円) | 466 | 71.8 |
| その他(百万円) | 53 | 125.4 |
| 合計(百万円) | 239,494 | 98.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、2020年4月の薬価改定をはじめ後発医薬品使用促進による医療費抑制策の大きな影響に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点での受診抑制や営業活動制限の影響などにより、引き続き厳しい事業環境となりました。
このような中での当連結会計年度の経営成績等としましては、売上高は2,394億94百万円(前年同期比1.5%減)と前年同期比で減収となりました。これは、当社グループを構成する5事業のうち、医療機器卸売事業と介護事業を除く3事業(医薬品卸売事業、薬局事業、ICT事業)で前年の売上を下回ったことによるものであります。
営業利益につきましては14億45百万円(同51.4%減)と前年同期比で大幅な減益となりました。事業セグメント別でも、当社グループの5事業すべてにおいて前年比減益となったことによるものであります。経常利益におきましては26億91百万円(同34.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同27.0%減)と、いずれも厳しい利益状況となりました。
当連結会計年度では、すべての利益段階におきまして前年比で減益となりました。特に、経常利益では2016年3月期以降毎期安定的に30億円台(2020年3月期は40億円台)を確保しておりましたが、当年度では20億円台となりました。また、4%台の安定維持をめざしているROE(自己資本利益率)につきましては、減益に加え、のれん減損などの影響もあり2.8%まで低下いたしました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定ならびに薬価改定が行われたことに加え、4月以降も感染拡大防止による受診抑制、営業活動の制限が継続し厳しい市場環境が続きました。売上拡大が困難な中、新薬への取り組みを積極的に行いましたが、医療費抑制策としての後発医薬品使用促進も依然として影響を及ぼす環境下での推移となりました。そのため、当期における売上高は1,699億2百万円となり、前年同期比で2.7%下回る結果となりました。また、売上減の影響に加えて、卸間の価格競争激化の影響により利益に大きな影響を与えました。販管費では、コロナ関連の感染対策功労一時金支給などによる人件費の増加があったものの、旅費交通費・販促費などの減少効果もあり、販管費全体では19百万円の減少となりました。しかしながら、利益減少分を補うには至らず、営業利益においては3億74百万円で前年同期比76.2%の大幅減益となったため、売上計画・利益計画ともに未達となりました。同事業においては、利益率が年々厳しい状況にある中、コスト率の改善を重要課題として取り組んでおり、目標としているコスト率4%台の安定維持については、当期では売上高の減少により5.0%となり、前年同期比では0.12ポイント上昇する結果となりました。
医療機器卸売事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定ならびに償還価格引き下げの影響はあったものの、開業案件を含む大型機器の売上に加え新型コロナ補正予算等を利用した医療機関による感染症関連機器の需要もあったことから、売上は前年を上回る結果となりました。その結果、売上高が前年同期を2.4%上回る608億81百万円となり、利益面においても売上の安定増加の影響により期中では増加傾向で推移しましたが、第4四半期において新型コロナウイルス感染対策商材の棚卸資産評価損を計上したことから、営業利益では前年同期比15.4%減の7億51百万円にとどまることとなりました。売上・利益計画に対しては両方ともに達成しております。
薬局事業におきましては、2020年4月の診療報酬改定に伴う調剤報酬および薬価の引き下げに加え、新型コロナウイルス感染拡大防止による受診抑制と発熱を伴う急性期疾患の処方箋応需が大幅に減少しました。当期の処方箋枚数では、前年同期比13.7%の減少となり、大変厳しい状況となりました。以上の影響により、売上高は138億44百万円となり、前年同期比では4.7%の減収となりました。また、利益面におきましても、処方箋枚数の減少に加えて材料費の高騰や消費税増税の影響も尾を引いたため、営業利益は1億30百万円となり、前年同期比で69.0%減と大幅な減益になりました。そのため、売上・利益ともに計画は未達となりました。
介護事業におきましては、レンタル・販売部門での営業力増強や介護ロボットの普及推進での営業員の増員・育成の強化が奏功し、売上は順調に推移しました。また、サービス付き高齢者向け住宅の部門におきましては、感染予防対策に万全を期すことで、入居者数も安定的に推移し、訪問介護・看護部門での売上も堅調な推移となりました。その結果、当期における売上高は37億63百万円で、前年同期比9.9%の増収となりました。利益面におきましては、レンタル・販売部門の好調に支えられて営業利益は3億79百万円となりましたが、大口の不動産仲介手数料のあった前年同期との比較では8.8%の減益となりました。そのため、売上計画は達成しましたが、利益計画は未達となりました。
ICT事業におきましては、レセプトコンピュータの販売が比較的順調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染拡大下での営業活動制限による影響で、検収遅れや大型開発案件の開発スケジュールの遅延が発生いたしました。売上の第4四半期以降へのずれ込みも発生しております。第3四半期におきましては、第2四半期からのずれ込み分の業績への寄与などがあった結果、売上高は16億91百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益は1億50百万円(同42.8%減)となりましたが、売上・利益計画ともに達成いたしました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動性資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの一時的な借入等も合わせて検討していく予定であります。
c.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引き下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取り組みが必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
社会医療費の医療抑制策の一環として、医療機関の経営環境は一層厳しさを増しております。また、高齢化社会の到来にむけて、「地域包括ケアシステム」に代表される医療周辺の医療・介護・福祉の地域連携が進められる中で市場の広がりと医療との連携が地域ごとに模索されております。そのような中、医療関連をビジネスフィールドとしている医薬品卸売事業、医療機器卸売事業および薬局事業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予測されますが、一方で、医療機関周辺のヘルスケア全般においては新たなサービス需要も予測されます。
この事業環境の変化に対し、当社グループは、総合ヘルスケア企業として、グループ各社がさらに専門性を強化し、連携することで、ヘルスケア市場のニーズに応えていきたいと考えております。医療機関における経営支援については、医薬品、医療機器の使用情報を基点とした購買・在庫管理に取り組み、医療用資材全般のサプライチェーンを構築することで、医療機関における調達コストの削減支援と中期的な当社グループの「デジタルトランスフォーメーション」を進め地域で求められるヘルスケア関連製品やサービスを当社グループで一元的にかつ効率的に提供するシステム構築に取り組んでまいります。また、地域の医療提供体制に則して、当社グループ内の各企業が連携することで、新たなビジネスモデルとして薬局事業で介護製品や情報をお届けする取り組みを開始し医療機関周辺のヘルスケア市場へのサービス展開も行ってまいります。さらに、グループ全体の効率的な運用と財務体質の強化を図るとともに、キャッシュ・フロー重視の経営を引き続き進めてまいります。また、感染症拡大が続いている新型コロナウイルス感染症の影響について懸念されますが、感染予防とBCP(事業継続計画)対策を継続してまいります。