有価証券報告書-第12期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 9:00
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(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、穏やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、先行きは不透明な状況が続いております。
医療業界におきましては、社会保障制度改革として医療・介護の供給体制の見直しと地域包括ケアシステムの構築が示されています。
このような事業環境の中、当社グループは、平成27年度からスタートした第三次中期3カ年経営計画の最終年度にあたり、各事業の競争力の強化に加え、事業間連携によるシナジーの最大化を目指して活動を進めてまいりました。
ヘルスケア関連製品やサービスのワンストップの提供体制を構築して、医療機関での調達コストの削減支援や、ヘルスケア・サプライチェーン全体の利便性と効率化に向けた取組みを行ってまいりました。また、北海道内の各地域動向に合わせた活動を目指した社内プロジェクト「エリアサミット」をもって、地域包括ケアシステムの円滑な稼働を支えるべく活動してまいりました。さらに、誕生する新薬や医療・介護分野でのロボット製品など、各ヘルスケア分野の新製品にも積極的に注力してまいりました。
経営に関しましては、介護事業での人的先行投資の効果が表れ始めて来たことや、グループ全社にわたるコスト抑制策も奏功し、利益面でも順調な推移となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,277億88百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は24億98百万円(同19.9%増)、経常利益は35億2百万円(同16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億59百万円(同118.5%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、平成28年4月に診療報酬並びに薬価改定が実施された事による厳しい市場環境となりました。このような中、生活習慣病薬、抗がん剤などの売上が堅調に推移いたしました。また、商品カテゴリー別では後発医薬品も伸長しましたが、新薬の販売に積極的に取り組み、売上全体で前年実績を上回ることができました。利益面では販売管理費の圧縮、品目毎のきめ細かい価格管理に継続して取り組んだ結果、増益となりました。
その結果、売上高は1,682億89百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は10億62百万円(同1.4%増)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、新築特需案件が多かった前年と比較して売上高では下回ったものの、備品受注獲得や画像診断機器をはじめ眼科製品・手術装置関連機器などの大型機器の買い替え需要等も比較的順調に推移し、利益面では順調な推移となりました。
その結果、売上高は505億66百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は7億28百万円(同6.1%増)となりました。
(調剤薬局事業)
調剤薬局事業におきましては、平成28年の調剤報酬改定への対応や新規開設店の売上が寄与したことなどから、売上高は堅調に推移いたしました。利益面でも労務コストの削減効果もあり、大幅増益となりました。
その結果、売上高は143億30百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は6億14百万円(同56.5%増)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、引き続き福祉用具レンタル・販売および住宅改修における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、新規事業所の開設に加え、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の戦略も奏功して、売上・利益ともに順調に推移いたしました。
その結果、売上高は28億8百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は2億44百万円(同28.1%増)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、サイバー攻撃により情報漏えいのリスク懸念も表出し、その対応と防止策に注力いたしました。情報関連機器販売やクリニック・調剤薬局等に対する各種パッケージ販売は堅調に推移いたしました。その反面、大型開発案件が例年に比較して少なかった影響により、売上・利益ともに前年を下回る結果となりました。
その結果、売上高は14億67百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は56百万円(同1.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、棚卸資産の増加および法人税等の支払などの要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が34億67百万円(前年同期比36.3%増)、仕入債務が37億28百万円(前年同期は48億18百万円の減少)と大きく増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ28億79百万円増加し、当連結会計年度末には206億93百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は57億41百万円(前年同期比267.8%増)となりました。これは、棚卸資産の増加6億94百万円や法人税等の支払12億44百万円などの要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が34億67百万円、減価償却費が10億46百万円、仕入債務の増加が37億28百万円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億96百万円(前年同期比496.6%増)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出で10億23百万円、有形固定資産・無形固定資産の取得による支出で5億29百万円使用したことによるものです。なお、使用資金につきましては、すべて自己資金を使用しております。また、前年同期との比較では、使用した資金が大幅な増加となりましたが、前年同期の要因といたしましては、投資有価証券の売却による収入15億22百万円と相殺されたために、使用した資金は2億84百万円にとどまったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11億65百万円(前年同期比44.1%増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出6億97百万円、配当金の支払額3億67百万円などによるものであります。自己株式の取得にかかる資金の使用はROE(株主資本利益率)の向上を目指す資本政策の一環として実施したものであり、その結果ROEが4.5%(同2.4ポイント増)と大幅な増加となりました。配当金の支払額としての資金の使用は、記念配当(1株当たり5.0円の増配)を実施した前年同期との比較では25.5%減少いたしました。
③仕入及び販売の実績
(1)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)158,966100.6
医療機器卸売事業(百万円)46,03997.2
調剤薬局事業(百万円)1,02589.1
介護事業(百万円)352104.9
ICT事業(百万円)80295.4
その他(百万円)--
合計(百万円)207,18599.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)159,871100.3
医療機器卸売事業(百万円)50,14996.6
調剤薬局事業(百万円)14,317102.0
介護事業(百万円)2,801106.8
ICT事業(百万円)60586.0
その他(百万円)4294.5
合計(百万円)227,78899.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
地域包括ケアシステムの円滑な稼働に向けた当社グループの取組みとして、グループ全体のシナジーを強化するとともに、グループ全体のサービスをワンストップで提供する体制の構築を目指してまいりました。そのような中での当連結会計年度の経営成績等としましては、売上高は2,277億88百万円(前年同期比0.4%減)とわずかながら前年同期を下回りました。これは、医薬品卸売事業、調剤薬局事業、介護事業で前年を上回ったものの、医療機器卸売事業およびICT事業での大型案件減少による売上減少が主な要因であります。
営業利益は24億98百万円(同19.9%増)と増加いたしました。これは、調剤薬局事業での平成28年調剤報酬改定への対応努力が功を奏したことに加え薬局管理コストの削減がなされたこと、また、介護事業における営業員増強効果などが利益に大きく結びついたことが要因となっております。
親会社株主に帰属する当期純利益は21億59百万円(同118.5%増)と大幅な増益となりました。大幅増益となった要因といたしましては、前年同期におきまして、調剤薬局連結子会社の株式取得時に発生したのれんの減損損失17億34百万円を計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益が9億88百万円にとどまったことによるものであります。
当連結会計年度は、平成27年度からスタートした第三次中期3ヵ年計画の最終年度にあたり、中期計画目標の客観的な指標として、経常利益30億円、ROE(株主資本利益率)4.0%を掲げておりましたが、当期におきまして経常利益は35億2百万円、ROEは4.5%といずれも目標を達成することができました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、医療用医薬品市場での大型治療薬需要の減少と後発医薬品への切り替えに伴う長期収載品の減少傾向が続く中で、売上では大きな伸長が望めない状況にあります。そうした中で、成長分野の医薬品の販売活動に注力した結果、当期における売上高は1,682億89百万円(同0.1%増)で、わずかながら前年を上回るとともに、営業利益は10億62百万円(同1.4%増)で増益となり、売上計画・利益計画ともに達成いたしました。また、同事業における利益率が年々厳しくなる中、コストの圧縮を重要課題として取り組んでおります。客観的な目標としては、販売管理費率5.0%を下回ること(4%台の実現)を目指しております。当期における販売管理費率は5.0%と、前年同期に続いて同率となりましたが、今後とも4%台実現を目指してまいります。
医療機器卸売事業におきましては、メディカルトレーニングセンター『ヴィレッジプラス』の常設展示機器を充実させた結果、医療機関をはじめ医療機器メーカーの利用者数が増加し、この取組みが新規顧客開拓やニーズの創出につながっております。当期における売上高は505億66百万円(同3.4%減)の減収となりましたが、同事業として初めて売上高で500億円を達成した前年度から二期連続での500億円達成となりました。営業利益としても、付加価値の高い販売活動により7億28百万円(同6.1%増)の増益につながり、同事業における利益計画も達成いたしました。
調剤薬局事業におきましては、M&Aを含めた店舗数増加などにより、売上高150億円の達成を目指しております。当期末時点での総店舗数は58店舗(同3店舗増加)となり、当期における売上高は143億30百万円(同2.0%増)となりました。利益では、平成28年の調剤報酬改定への対応努力が功を奏したことや人員の適正配置などによる薬局管理コストの削減効果もあり、6億14百万円(同56.5%増)と大幅増益となり、利益計画も達成することができました。平成30年度の調剤報酬改定等、今後厳しい経営環境が予想されますが、経営目標である調剤事業での売上150億円の達成に向けて、健康サポート薬局への取り組み等による地域に求められる薬局づくりに注力してまいります。
介護事業におきましては、伸長する市場に対応すべく、先行投資として営業員16名増員のほか、新規事業所の開設、レンタル事業の譲受けなどにより業容の拡大を図りました。営業体制の充実化により、当期の売上高は28億8百万円(同6.8%増)、営業利益は2億44百万円(同28.1%増)と順調に推移し、売上・利益とも計画を達成いたしました。
ICT事業におきましては、平成27年3月期に大型受注案件での開発遅延の影響で赤字が発生しましたが、それ以降は安定した利益を継続して確保しております。当期におきましては、前年に比べて大型開発案件が比較的少なかった影響で、売上高は14億67百万円(同3.3%減)、営業利益は56百万円(同1.6%減)となりましたが、直近3年間の営業利益は50百万円付近で安定しております。今後も外注費の削減など、案件ごとの原価管理を徹底することにより、安定的な利益を確保してまいります。
②資本の財源および資金の流動性
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、内部資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資が集中して到来した場合は、一時的に資金が不足することも考えられます。そうした場合には、金融機関からの長期借入等も検討していく予定であります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に取り組むなど具体的な内容について今後の検討事項となっております。平成30年度から平成32年度までの3年間継続して薬価改定が行われる見込みでありさらに影響を受けることが考えられます。
④経営戦略の現状と見通し
社会保障費の医療費抑制策の一環として、医療機関の経営環境は一層の厳しさを増しており、また、高齢者社会の到来に向けて、「地域包括ケアシステム」に代表される医療周辺の介護・ケア関連の市場の広がりと医療との連携が地域ごとに模索されております。そのような中、医療関連をビジネスフィールドにしている医薬品卸売事業、医療機器卸売事業および調剤薬局事業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予測されますが、一方で、医療機関周辺のヘルスケア全般においては新たなサービス需要も予測されます。
この事業環境の変化に対し、当グループでは、総合ヘルスケア企業グループとして、グループ各社がさらに専門性を強化し、連携することで、ヘルスケア市場のニーズにこたえていきたいと考えております。医療機関における経営支援については、医薬品・医療機器の使用情報を基点とした購買・在庫管理に取り組み、医療用資材全般のサプライチェーンを構築することで、医療機関における調達コストの削減支援に取り組んでまいります。また、地域の医療提供体制に則して、当グループ内の各企業が連携することで、新たなビジネスモデルを開発し、医療機関周辺のヘルスケア市場へのサービス展開も行ってまいります。さらに、グループ全体の効率的な運用と財務体質の強化を図るとともに、キャッシュ・フロー重視の経営を引き続き進めてまいります。

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