GMS事業は、営業収益3兆3,893億50百万円(対前期比103.7%)、営業利益283億59百万円(前期より142億62百万円の増益)となりました。
イオンリテールは、「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売上拡大」を実行しながら、様々なコスト上昇に耐えうる経営基盤を構築すべく「収益構造改革」を加速した結果、当連結会計年度は増収、すべての段階利益において増益及び損益改善となりました。人流が回復し、集う機会が増加したことで、寿司・オードブル等のごちそうメニューや、帰省の手土産品等が好調に推移した一方で、節約志向のベストプライスを中心としたPBも好調に推移し、消費の二極化が顕著に示されました。荒利益額の最大化に向けては、成長カテゴリーの売場拡大を進め、特に食品・H&BC(ヘルス&ビューティケア)が牽引しました。衣料においても、商品そのもの、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を活用した売場環境、オペレーションを包括的に刷新して接客を強化する「専門店モデル」により荒利益率が上昇しており、SPA(製造小売業)のビジネスモデル確立でさらなる改善を進めます。住居余暇においては、秋口に時代や価値観の変化に合わせてPBのHOME COORDYを一新しました。今後は、ナチュラルで明るいカラーや柄に商品のテイストを統一してお客さまのトータルコーディネート志向に応えられる商品を打ち出すとともに、お買物しやすい売場へ変革しながら接客も強化して収益性を高めます。ショッピングセンターにおいても、集客策、空床の削減、テナントの一時利用の拡大等に注力したことでテナントからの家賃収入が改善しました。デジタル売上拡大においては、ネットスーパーの規模拡大や、ECのイオンショップやイオンスタイルオンラインにて実店舗と連動した「イオン ブラックフライデー」「BUZZTTO SALE(バズっとセール)」等の施策強化に取り組み、過去最高の売上高を達成しました。収益構造改革においては、店舗・本社の経費削減とデジタルを活用した生産性改善の両輪で推進しています。
イオン北海道㈱では、経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向けて中期5カ年経営計画の3年目となる当事業年度を事業モデル確立の年度と位置づけて「商品と店舗の付加価値向上」「顧客化の推進」「収益構造の改革」「地域との連携」に取り組み、売上高、営業利益、経常利益が過去最高となりました。文化芸術活動の場の提供や、ブラックフライデー、初売りセールが奏功して客数が増加し、「イオン北海道 本気!のザンギ」等同社ならではのオリジナル商品約760品目の開発・リニューアルや、外出や行事の再開を捉えた衣料品、化粧品が増収に貢献しました。トップバリュでは、イオングループ一丸となってのスケールメリットを活用した値下げ・増量商品が好調に推移し、売上高前期比は110.5%となりました。デジタルの活用については、AEON Pay機能の充実やクーポン企画の強化によりiAEONの会員数は当連結会計年度において前期末の約1.7倍に増加、電子棚札の導入店舗は35店舗、セルフレジ導入店舗は117店舗となりました。さらに、地域との連携においては「フードドライブ」の取り組みを35店舗で実施したほか、学校法人酪農学園と食品廃棄物の有効活用と肥育肉牛の販売による経済循環を推進、2023年8月には現時点では道内最大規模のオフサイトPPAとなる太陽光発電契約を締結し、2024年1月に電力供給を開始しました。
2024/05/30 9:55