有価証券報告書-第52期(2025/07/01-2026/06/30)
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費において持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復傾向にありますが、エネルギー価格や原材料価格の高騰、為替相場における円安の長期化、中東情勢による地政学リスクや米国の通商政策による影響などの不安定な国際情勢により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
外食業界においては、個人消費やインバウンド消費は増加傾向にありますが、昨今の米の価格の高騰や、エネルギー価格、人件費、原材料価格の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは今後の中長期的な成長戦略を実現するため、既存のイートイン事業はもちろんのこと、テイクアウトやデリバリー販売、量販店や通販サイトを通じた販売の強化、社員独立フランチャイズ店舗の拡大など子会社を含めたグループ全体のパフォーマンス向上に取り組んでまいりました。
商品施策では、既存商品のブラッシュアップを継続して提供品質の向上を進めると同時に、試験販売を繰り返してお客様の消費動向を慎重に分析した上で、グランドメニューの改定を2回、「創業祭」「ごちそうサマー」などのフェアを5回行いました。
グランドメニューの改定では、肉厚&ジューシーで食べ応え満点の「肉旨!厚切り豚肩ロースステーキにんにく醤油」や、出汁にこだわった正統派そばが味わえる「野菜かき揚げのぶっかけおろしそばと釜揚げしらす丼」をはじめ、健康意識の高まりから「カラダはぐくむ!薄切りビーフとミックスビーンズのパワーサラダ&アサイーヨーグルト」、また食後はもちろんカフェタイムの一品としてもおすすめのデザートメニューも揃えました。創業祭では、50周年の創業祭にふさわしいこだわりの一品「十勝若牛100%トリプルハンバーグ」、創業当時の味をアレンジしたボリューミーな「創業思い出の厚切り牛鉄板焼肉定食」、グリルメニュー・セットメニュー・デザートメニューからそれぞれ1品ずつ選べる「創業祭選べる得々セット」など、創業祭ならではの特別メニューをご用意しました。
さらに、7月には前期にご好評いただいたPEANUTSとのコラボレーションメニューを販売したほか、12月には人気アニメ「ONE PIECE」とのコラボレーションを2回にわたり行い、「ルフィのドン!!と山盛り肉々グリル&麦わらオムライス」、「チョッパーの桜舞うホットケーキプレート」などの商品を販売し、3月からは劇場版アニメ映画「転生したらスライムだった件 蒼海の涙編」とのコラボキャンペーンを開催しました。4月からはTVアニメ『呪術廻戦 第3期「死滅回游編」』とのコラボキャンペーンを第1弾、第2弾の期間に分けて行い、「虎杖悠仁の「黒閃」3連撃コンボ」をはじめとしたコラボレーションメニューを販売しました。
営業施策では、重点的な取り組みとして、料理のクオリティー維持・向上及び料理の提供時間の安定を目的にチェックシートを活用してひとつひとつの作業の徹底を行い、良い品質で、見た目にもきれいで、鮮度の良いおいしい料理を安定的に提供できるように努めてまいりました。
また、販売促進として、各種コラボレーションTVCMやジョイフル宣伝部長の秋山竜次さん(ロバート)が出演し、春の新グランドメニューを紹介する新TVCMを放映しました。3月には大好評いただいている今期2回目となる一般のお客様やマスコミを対象とした新商品試食会&福岡工場見学ツアーの体験イベントを開催し、世界にひとつだけのオリジナルパフェ作りや、製造・配送の様子を見ることができる工場見学を行いました。さらに、子育て世帯に向けた「キッズ半額キャンペーン」を3回実施しました。また、客席でお好きなタイミングで従業員を介さずに会計ができるテーブル決済を一部フランチャイズ店舗を除くジョイフル全店に導入し、更なるお客様の利便性の向上を図っております。
店舗展開につきましては、12月にはジョイフル初となるフードコートへの出店として「JOYFULL EXPRESS アミュプラザおおいた店」、3月には郊外型カフェ「並木街珈琲 大分別府店」、中華麺業態「麺屋いろどり」を出店いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における店舗数は、グループ直営店15店舗の出店、グループ直営店3店舗及びフランチャイズ2店舗の退店により671店舗となりました。また、グループ直営からフランチャイズへ82店舗転換、フランチャイズからグループ直営へ2店舗転換を行ったことにより、グループ直営388店舗、フランチャイズ283店舗となりました。
以上の取り組みを行った結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高は72,726百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は4,610百万円(前年同期比43.9%増)、経常利益は4,730百万円(前年同期比47.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,193百万円(前年同期比38.9%増)となりました。
なお経営指標としている「総資本経常利益率」「売上高経常利益率」「労働生産性」及び「株主資本当期純利益率」の数値改善のため、より一層の経営努力に努めてまいります。
また、当社は保険代理店業を行う特例子会社を所有しておりますが、連結業績に占める割合が極めて軽微であり、当社グループの報告セグメントがレストラン事業一つであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費、地代家賃等の運転資金及び設備投資資金であります。これらの原資は営業活動の結果得られた資金を主としましたが、不足するものについては長期借入れで調達するなど、計画的に実施してまいりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,195百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況については以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは前期比3,191百万円増加して6,909百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,620百万円、減価償却費1,954百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは前期比293百万円増加して△3,661百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出△3,671百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入25百万円、敷金及び保証金の差入による支出△47百万円、敷金及び保証金の回収による収入31百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは前期比1,408百万円減少して△2,854百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、短期借入金の純増減額△890百万円、長期借入金の返済による支出△1,510百万円、配当金の支払額△308百万円、リース債務の返済による支出△145百万円であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ハンバーグ | 4,077 | 128.6 |
| ソース | 1,585 | 115.3 |
| その他 | 4,143 | 132.4 |
| 計 | 9,806 | 127.8 |
(注) 上記金額は、製品製造原価で表示しております。
(2) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
(3) 販売実績
① 直営ジョイフルレストラン料理メニュー区分別販売実績
当連結会計年度におけるグループ直営ジョイフル店の料理メニュー区分別販売実績は、次のとおりであります。
| メニュー区分 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
| グリル | 10,934 | 22.1 | 98.4 |
| ライトミール | 8,779 | 17.7 | 87.6 |
| 定食 | 9,469 | 19.1 | 91.7 |
| モーニング | 3,518 | 7.1 | 103.5 |
| 喫茶・酒類 | 6,487 | 13.1 | 84.1 |
| その他 | 10,335 | 20.9 | 93.3 |
| 計 | 49,524 | 100.0 | 92.3 |
(注) 1 上記メニュー区分は、提出会社である当社の店舗グランドメニューの区分による表記となっております。
2 上記以外の販売実績は次のとおりであります。
| 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 直営ジョイフル以外の直営レストランの販売 | 605 | 115.8 |
| 直営ジョイフル以外の連結子会社飲食店の販売等 | 4,155 | 119.2 |
| 商品販売の売上高 | 1,324 | 118.0 |
| フランチャイズ加盟店に販売している食材売上 | 11,184 | 161.6 |
| フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入 | 3,670 | 154.8 |
| フランチャイズ加盟店からの不動産賃貸収入 | 2,096 | 154.6 |
| フランチャイズ加盟店からのその他売上高 | 135 | 147.7 |
| 保険の販売 | 30 | 103.6 |
② グループ直営ジョイフル店の会社別店舗数及び販売実績
当連結会計年度の販売実績及び直営店舗数を会社別に示すと次のとおりであります。
| 地域 | 店舗数 | 客席数 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
| 株式会社ジョイフル北日本 | 37 | 4,266 | 4,451 | 9.0 | 91.7 |
| 株式会社ジョイフル東海 | 43 | 5,250 | 5,139 | 10.4 | 100.1 |
| 株式会社ジョイフル関西 | 38 | 4,506 | 4,817 | 9.7 | 88.4 |
| 株式会社ジョイフル中国 | 36 | 5,067 | 4,278 | 8.6 | 82.9 |
| 株式会社ジョイフル四国 | 23 | 2,848 | 2,614 | 5.3 | 89.2 |
| 株式会社ジョイフル北九州 | 39 | 5,096 | 4,287 | 8.7 | 89.4 |
| 株式会社ジョイフル中九州 | 42 | 5,442 | 6,240 | 12.6 | 95.1 |
| 株式会社ジョイフル東九州 | 34 | 4,301 | 4,173 | 8.4 | 100.5 |
| 株式会社ジョイフル西九州 | 52 | 7,036 | 6,229 | 12.6 | 93.6 |
| 株式会社ジョイフル南九州 | 55 | 7,207 | 6,741 | 13.6 | 90.8 |
| 株式会社ジョイフル | 3 | 409 | 549 | 1.1 | 103.6 |
| 計 | 402 | 51,428 | 49,524 | 100.0 | 92.3 |
(注) 上記の店舗数、客席数、金額には、退店したグループ直営ジョイフル店2店舗及びグループ直営からフランチャイズへ転換した82店舗を含んでおります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいたものであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
多様化する消費者ニーズに対応した商品施策の推進や、「お客様に繰り返しご利用いただける店作り」の観点から営業状態の向上に取り組んだ結果、前期比4.6%増加の72,726百万円となりました。
② 営業利益
エネルギー価格や原材料価格が高騰した影響を受ける一方、売上高が増加したことにより、前期比43.9%増加の4,610百万円の利益となりました。
③ 経常利益
営業利益が増加したことにより、4,730百万円の利益となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
減損損失による特別損失が発生したことにより、3,193百万円の利益となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 経営戦略の現状と見通し
これまでの「地域に必要とされる店舗作り」と「磐石な収益構造と財務基盤の構築」を引き続き重要な経営課題とします。既存のイートイン事業はもちろんのこと、テイクアウト販売を強化するなど、子会社を含めたグループ全体のパフォーマンス向上に取り組んでまいります。
(5) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は34,189百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,570百万円の増加となりました。これは主に、土地の増加1,007百万円、現金及び預金の増加426百万円、機械装置及び運搬具の増加322百万円、投資有価証券の増加307百万円、無形固定資産の増加277百万円によるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債合計は18,588百万円となり、前連結会計年度末に比べ627百万円の減少となりました。これは主に、未払法人税等の増加1,563百万円、長期借入金の減少1,203百万円、未払金の減少896百万円によるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産は15,601百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,197百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加2,883百万円、その他有価証券評価差額金の増加196百万円、退職給付に係る調整累計額の増加51百万円、自己株式の増加28百万円、為替換算調整勘定の増加25百万円によるものであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金調達の方針
当社グループは、原則として販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費、地代家賃等の運転資金及び新規出店に伴う設備投資資金は営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で賄う方針でありますが、経営の状況に応じて銀行又は資本市場からの資金調達も検討してまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,195百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、来期予算等に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積り、回収可能性が高いと判断した金額を計上しております。今後、経営環境の変化に伴い将来発生する課税所得の見通しが変化する場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、損益へ影響を与える可能性があります。
(8) 今後の方針について
当社は、「私達は、チェーンレストラン事業を通じ、顧客・株主・従業員・取引先・社会の、精神的・物質的幸福を調和させ、その安定的増進を実現します」との経営理念を掲げ、品質の良い、美味しいお食事をお値打ち価格で提供することによって、お客様に満足していただくことを創業以来の会社の使命としてまいりました。
一方、当社を取り巻く経営環境は、ライフスタイルの変化による消費者ニーズの多様化への対応、中長期的な国内人口の減少から来る国内市場の飽和を背景に、今後も一層厳しさを増すものと思われます。しかし、刻々と変化する経営環境にあっても、当社が果たすべき役割は変わりません。創業以来の会社の使命を忠実に果たしていくことを第一とし、「安さ」はもちろんのこと「お値打ち」で「楽しさ」があるお食事と空間を提供していくことに挑戦し続けます。
そして、地域社会になくてはならない存在となることで、当社のステークホルダーである、顧客、取引先、株主・投資家の皆様の期待に応えられる会社づくりを目指してまいります。