有価証券報告書-第36期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 11:13
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるまでの間、概して手元キャッシュ・フローが潤沢な企業による省力化・情報化、建設関連などの設備投資、また、消費増税の影響はあるものの雇用・所得環境の改善に支えられる個人消費を牽引役として緩やかな回復基調が続きました。
水産業界におきましては、国内での魚離れの進行、多くの大衆魚の不漁、海外における魚食の拡がりによる仕入価格の上昇など、当社を取り巻く経営環境は厳しさを増しております。一方、地球的規模において地上からの供給に代わるタンパク質の供給源として、また、国内外において拡がる健康志向などから、養殖業を含む水産業、また、水産物に対する注目度は高まっております。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、中期経営計画(2018-2020年度)の下、「現場の活性化・従業員満足の向上」をめざし、営業・仕入、新規事業、人材、財務といった各事業分野における基本戦略に取り組んでまいりました。特に、筋肉体質の店舗網の構築をめざし、既存店の運営を強化するとともに、業績の改善を見込むことができない一部店舗に関してはやむを得ず退店という判断を下しておりますところ、これら店舗の退店が営業利益の底上げに寄与しております。
この間、小売事業で2店舗を出店する一方、6店舗を退店し、飲食事業で1店舗を出店いたしました。これらにより、当連結会計年度末の営業店舗数は86店舗となりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は307億8百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は11億42百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
一方、前連結会計年度において海外子会社に関し持分法による投資利益を計上した影響により、経常利益は13億29百万円(前年同期比10.2%減)となりました。また、前連結会計年度において旧本社土地に関する固定資産売却益を計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は7億98百万円(前年同期比25.8%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が2020年3月より表面化いたしました。小売事業において郊外立地店舗の一部が売上げを大きく伸ばす一方、ターミナル立地店舗を中心に客足が鈍り、多くの小売店舗に関し営業時間が短縮されました。更に、飲食事業においても同様に店舗の営業時間が短縮されましたが、売上高に対する影響は小売事業より大きくなりました。これらから、当連結会計年度通期の既存店売上高前年比が100.6%であったのに対し2020年3月単月では89.9%にとどまりました。
新年度を迎えても、小売店舗に関する営業時間短縮が強化され、また、飲食店舗の一部を休業させるなど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は継続しております。売上高が伸びない中でも営業利益を確保するよう店舗運営の一層の効率化などによる経費削減、本社におけるリモートワークの導入など2020年4月7日に発出された緊急事態宣言に基づく要請に対応しつつ事業を継続していくための取組みを行ってまいります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業では、各地の漁港と連携した「産地直送フェア」などのイベントにより販売促進を図るなど、仕入・営業が緊密に連携し全店を挙げて拡販に取り組みました。とりわけ年末商戦が好調に推移し、2019年12月における既存店舗の売上高は対前年同月比103.1%となりました。一方、2020年3月において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、これらの結果、当連結会計年度における既存店舗の売上高は対前年同期比100%を確保しました。
新店は、2019年5月にJR竜王駅付近、国道20号線沿いの「アマノパークス甲府バイパス店」内に「甲斐竜王店」(山梨県甲斐市)、7月に米軍横田基地の東方、都道59号線沿いの「イオンモールむさし村山店」内に「武蔵村山店」(東京都武蔵村山市)を開店しております。
一方、限られた経営資源の効率的な活用を図るため、2019年8月に「魚力市場相模原店」(神奈川県相模原市)、9月に「寿司land新宿店」(東京都新宿区)、2020年2月に「渋谷シンクス店」(東京都渋谷区)および「海鮮魚力大森店」(東京都大田区)、3月に「品川店」(東京都港区)および「魚力市場西船橋店」(千葉県船橋市)を退店しております。
この結果、売上高は279億11百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は12億80百万円(前年同期比14.4%増)となりました。
<飲食事業>飲食事業では、前期において、限られた経営資源の効率的な活用を図るため、また、契約満了に伴い3店舗を退店する一方、新業態「魚力食堂」を含む2店舗を開店しておりますところ、消費増税の影響も受ける厳しい環境の中、前期に出店した店舗を含め、効率的な店舗運営に努めました。しかしながら、2020年3月において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け全店の売上高が前年比51.0%に落ち込むなど苦戦を強いられました。
新店は、2019年11月にJR小田原駅に隣接する商業施設「ラスカ小田原」内に新業態である「魚力食堂小田原店」(神奈川県小田原市)を開店しております。
この結果、売上高は7億24百万円(前年同期比19.4%減)、営業損失は29百万円(前年同期は営業損失8百万円)となりました。
<卸売事業>卸売事業では、他社との競合により取引環境が厳しさを増す中、前期において、子会社の魚力商事株式会社が外食チェーンを中心とした取引先に加え、当社が行っていた国内スーパーマーケットへの卸売を担うよう営業体制を集約いたしました。このような中、国内外にわたり新規・既存取引先への営業強化を図っております。
この結果、グループ全体の卸売事業の売上高は20億8百万円(前年同期比27.8%増)、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失6百万円)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は87億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億67百万円増加いたしました。これは主に未収入金が11億49百万円減少したものの、現金及び預金が14億55百万円増加したことによるものであります。固定資産は82億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億28百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が7億63百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、170億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億61百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は26億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億75百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が1億3百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が2億49百万円、未払金が2億28百万円減少したことによるものであります。固定負債は33百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少いたしました。これは退職給付に係る負債が2百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、26億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億78百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は143億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が5億46百万円減少したものの、利益剰余金が2億99百万円、自己株式の処分により2億80百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は84.1%(前連結会計年度末は82.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ14億59百万円増加(前年同期比35.8%増)し、当連結会計年度末には55億41百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、8億36百万円の収入(前年同期は9億91百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益12億69百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額3億78百万円、仕入債務の減少額2億49百万円であります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、8億34百万円の収入(前年同期は17億82百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、投資有価証券の売却による収入54億99百万円であり、主なマイナス要因は、投資有価証券の取得による支出42億87百万円であります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、1億98百万円の支出(前年同期は4億85百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、自己株式の処分による収入2億99百万円であり、主なマイナス要因は、配当金の支払額4億98百万円であります。
③仕入及び販売の実績
イ.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
小売事業(千円)16,256,440103.8
飲食事業(千円)234,70376.8
卸売事業(千円)2,040,308119.4
報告セグメント計(千円)18,531,452104.8
その他(千円)--
合計(千円)18,531,452104.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
小売事業(千円)27,911,545104.7
飲食事業(千円)724,18880.6
卸売事業(千円)2,008,873127.8
報告セグメント計(千円)30,644,607105.2
その他(千円)64,33899.4
合計(千円)30,708,946105.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
イ.経営成績
当社グループの当連結会計年度の売上高は、既存店売上高が当初計画をやや上回る一方、不振店を中心に退店を進めたことなどから、概ね当初公表した通期業績予想値で着地いたしました。粗利益率は当初計画を上回りました。また、経費の抑制に努め、これらの結果、営業利益は前年度実績及び通期業績予想値を上回りました。
当社では鮮魚等の小売事業が売上高、営業利益において重要な部分を占めておりますが、各店舗への集客が経営成績に重要な影響を与えます。魚価の上昇、供給量の減少、代替品(肉類)へのシフト、嗜好の変化などによる魚食の減少、魚資源の枯渇化の進行、海外における魚食普及に伴う魚価の高騰など、経営環境は厳しさを増しております。このような中、食品スーパー、コンビニエンスストア、ネット販売など異業態を含む競争に打ち勝つため、これまで以上に、鮮魚専門店ならではのノウハウや知見を活かし、顧客のニーズに対応した商品開発や品揃えに注力し活気ある売り場を提供するとともに、サービスレベルの向上を図ることが重要であります。また、売上原価の削減も重要な課題でありますが、当社は豊洲市場を拠点にチルド物流及び冷凍物流を一本化した物流網を当連結会計年度において完成させました。バイイングパワーに裏打ちされた仕入力、効率的な物流力がこの課題に対応するための力となります。
他方、パート・アルバイト社員はじめ人手不足の深刻化から際限なく出店を行える環境ではないため、出店先との交渉、既存店舗からの退店を含め、限られた経営資源を効率的に活用できる最適な店舗ポートフォリオ(筋肉体質の店舗網)の構築が重要であります。当連結会計年度において、3店舗を出店する一方、経営資源の効率的な活用を図るためなど6店舗を退店し、筋肉体質の店舗網の構築に取り組みました。不振店を退店することが利益の底上げにつながっておりますところ、次年度においても引き続き取り組んでまいります。
なお、次年度につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大への対応が極めて重要になると考えております。売上高が伸びない中において、各店舗の立地による繁閑状況に応じた人員の効率的配置など店舗運営経費削減のための努力、新たな需給環境下における仕入条件や物流体制の見直しなど原価低減のための努力により営業利益の確保を図ってまいります。併せて、長年に亘り培ってきた豊洲市場の卸売業者、配送業者との強いリレーションを活かしサプライチェーンの維持に万全を期し、また、各ディベロッパーの指導に従いつつ各店舗が安全に営業を継続できるよう努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う店舗営業時間短縮などの影響から、2020年4月(単月)の既存店売上高前年比は79.7%、5月(同)は92.6%となっております。売上高の減少がこの程度にとどまれば、設備費(賃料など。当社店舗の大半が歩合賃料制)、人件費、商品販売費(容器包装費など)、店舗運営費(水道光熱費など)の減額と相まって、営業活動により得られるキャッシュ・フローについて概ねプラスを確保することが可能と考えております。
セグメントごとの分析・検討内容は次のとおりであります。
<小売事業>小売事業に関する分析・検討内容は上述のとおりでありますが、これらの事業を円滑かつ効率的に推進するため、2018年10月に開場した豊洲市場を新たな物流拠点と定め、グループとして物流の効率化に取り組んでまいります。これまで豊洲市場を拠点とするチルド物流及び神奈川県内の冷凍倉庫を拠点とする冷凍物流の2本の物流ルートを利用しておりましたが、当連結会計年度において豊洲市場を拠点にこれらを一本化いたしました。これにより物流オペレーションの効率化、物流コストの削減を図ってまいります。
また、併せてグループ情報システムのレベルアップを図ってまいります。
<飲食事業>飲食事業では、前連結会計年度に比べ売上高は減少したため、販管費率が上昇し、営業利益のマイナス幅が拡大しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受ける事業であるため、居酒屋業態など既存店の事業構造の再構築が不可避であると考えております。また、近接する鮮魚店と連携しこだわりの食材をリーズナブルな価格で提供する新業態「魚力食堂」のチェーン化を進めてまいります。
<卸売事業>卸売事業では、前連結会計年度に比べ売上高が伸び、営業利益がプラスに転じました。次年度につきましては、卸売事業が集約された魚力商事において国内外新規販売先の開拓及び業務の効率化に取り組んでまいります。しかしながら、目下、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により米国への輸出が停滞し、また、国内販売が減少するなど予断を許さない状況にあります。
ロ.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資産及び負債のうち主なものは以下のとおりであります。
(資産)
主として小売事業におきまして、商業施設にテナントとして出店する際に必要となる預け金等を敷金及び保証金に、店舗に関わる内装・空調・衛生厨房設備等を有形固定資産に、店舗において販売された当社の商品代金(売上返還金)を受取手形及び売掛金に計上しております。
この他、報告セグメントに属さない資産として、余資運用資金(預金及び投資有価証券)を保有しております。
(負債)
主として小売事業におきまして、商品の購入費用を支払手形及び買掛金に、店舗の運営経費・設備投資に係る費用を未払金に計上しております。
当連結会計年度末における当社グループの流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)は330.5%となっております。売上返還金を含む現金による収入がその多くを占める当社グループの業種特性と照らした場合、流動比率100%を超える一定の健全な水準を維持しているものと判断しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要は、運転資金需要および設備投資資金需要であります。
・運転資金需要のうち主なものは、販売商品の購入費用、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に関わる費用(テナント経費・水道光熱費・販売促進費等)であります。
・設備投資資金需要のうち主なものは、小売事業、飲食事業の新規店舗、改装店舗に関わる店舗内装・空調・衛生厨房設備等の販売拠点の拡充・整備のための資本的支出と、全社的なIT活用推進を図るための、本社・店舗間のネットワーク構築やセキュリティ対策等のシステム投資であります。
当社グループは、現在運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金でまかなう事を基本方針としております。
当社グループの出店は主にターミナル駅近隣の商業施設へのテナント出店であるため、設備投資資金需要においても、通常、営業キャッシュ・フローにより対応することが可能であります。また、更なる成長力獲得のためのM&Aや資本提携を行う場合などにおいても、同様に内部資金を活用する考えであります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は55億41百万円である一方、有利子負債残高は有しておらず、無借金経営政策を継続しております。
資金の手元流動性は十分に確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しておりますが、不測の事態に備えるため、借入枠につきましては、金融機関2行との間に合計6億円の当座貸越契約を締結しております。
当社グループは健全な財政状態を維持しつつ、営業活動により得られるキャッシュ・フローから、成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に際し、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。当社グループはこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

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