有価証券報告書-第33期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念を掲げています。この実現に向けて、人々の心を豊かにする商品やサービスの企画、開発、提供に努め、持続的成長を目指しています。
当期(2020年4月‐2021年3月)においては、前期に引き続き、4つの中核企業を中心とした運営体制による大規模な経営改革を進めました。あわせて、最適コストでの経営の実現に向けて、様々なコスト削減を強力に実行しました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
①財政状態の状況
資産の部
流動資産は、39,147百万円と前連結会計年度末比11,433百万円の減少となりました。これは主に売上債権の減少、仕掛品の減少によるものです。
有形固定資産は、4,272百万円と前連結会計年度末比462百万円の減少となりました。これは主に建物及び構築物の減少によるものです。
無形固定資産は、2,628百万円と前連結会計年度末比364百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
投資その他の資産は、6,322百万円と前連結会計年度末比313百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券の増加によるものです。
以上の結果、資産の部は52,370百万円と前連結会計年度末比11,946百万円の減少となりました
負債の部
流動負債は、10,895百万円と前連結会計年度末比7,101百万円の減少となりました。これは主に仕入債務の減少によるものです。
固定負債は、11,031百万円と前連結会計年度末比1,009百万円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少によるものです。
以上の結果、負債の部は21,927百万円と前連結会計年度末比8,110百万円の減少となりました。
純資産の部
純資産の部は、30,443百万円と前連結会計年度末比3,836百万円の減少となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものです。
②経営成績の状況
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、38,796百万円と前年同期比41.7%減となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、28,869百万円と前年同期比44.2%減となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,169百万円と前年同期比13.7%減となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ50百万円減少し、386百万円となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ33百万円減少し、178百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は18百万円となりました。
また、当連結会計年度の特別損失は893百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による損失601百万円によるものです。
これらの結果、当連結会計年度の営業損失は2,241百万円(前年同期は営業利益713百万円)、経常損失は2,032百万円(同経常利益939百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,452百万円(同親会社株主に帰属する当期純利益490百万円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ215百万円減少し、24,510百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,692百万円(前年同期は2,427百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失2,908百万円、売上債権の減少10,239百万円、仕入債務の減少6,003百万円、たな卸資産の減少1,569百万円、減価償却費873百万円、未払又は未収消費税等の増減701百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,072百万円(前年同期は876百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得による支出586百万円、出資金の払込による支出260百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,835百万円(前年同期は2,537百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5,329百万円、長期借入れによる収入2,990百万円、自己株式の取得による支出365百万円、配当金の支払331百万円などによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載していません。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次の通りです。
| 区分 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| グループ全社 | 10,654 | 20.7 |
| 合計 | 10,654 | 20.7 |
(注) 1.金額は、製造原価によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主に連結子会社におけるPS開発事業の生産高増加によるものです。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次の通りです。
| 区分 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| グループ全社 | 8,207 | △7.0 | 1,191 | △27.8 |
| 合計 | 8,207 | △7.0 | 1,191 | △27.8 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主に連結子会社における映像事業の受注高減少によるものです。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次の通りです。
| 区分 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| グループ全社 | 38,796 | △41.7 |
| 合計 | 38,796 | △41.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にPS流通事業における遊技機販売の減少によるものです。
d. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次の通りです。
| 区分 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| グループ全社 | 14,881 | △60.8 |
| 合計 | 14,881 | △60.8 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは主にPS流通事業における遊技機販売の減少によるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界の社会経済環境は、新型コロナウイルスが経済全体や個人の生活に大きな影響を与えた、まさにコロナ禍の1年となりました。感染拡大防止のため多くの国でロックダウンが実施される等経済活動が停滞し、2020年の世界全体のGDP成長率は-3.3%となり、1930年代の大恐慌以来最悪の景気後退を余儀なくされました。一方で、各国政府が経済対策として財政出動や金融緩和による景気の下支えを図ったこと等により世界各国で株価が上昇し、2020年(1-12月)の米国NASDAQ総合指数騰落率が+43.6%となる等、世界全体の上場企業の株式時価総額は大きく増加しました。
日本国内においても、新型コロナウイルスの影響は同様に大きく、景況感は不透明な状況が続いています。それに連動し、総務省家計調査によれば総世帯の消費支出は2020年は前年比-6.5%、消費支出の中の「教養娯楽サービス」では前年比-33.1%となる等、一般生活者の方々の消費動向が大きく停滞しました。その一方で、テレワーク、オンラインショッピング、非接触型決済の浸透等、生活様式の変化が著しく進み、産業セクターにおいては、コロナ禍によるライフスタイルの変化の恩恵を受けた業種と、直接打撃を受けた業種とで、二極化が進みました。
パチンコ業界におきましては、政府の緊急事態宣言に応じてホールが休業や営業自粛を強いられる局面もありましたが、その後は万全の感染症対策を講じて営業を継続し、業界全体でクラスターは発生していない状況です。また、高齢者の遊技機会が減少する一方、若年層の遊技機会が増え、若者に適した遊技機が市場に浸透する傾向が見られました。ただし、前述の通り一般生活者の方々の消費動向が大きく停滞する中、商品の販売への影響は大きく、当期末時点におけるホール軒数は8,063店舗(前年比647店舗減)、市場総設置台数は360万台(同22万台減)、市場総販売台数は、パチンコ81万台(前年比35万台減)、パチスロ43万台(同14万台減)、合計125万台(同49万台減)と、いずれも減少しました。
こうした状況の中、当社グループの主力事業であるPS事業では、政府の方針を遵守してテレワーク勤務を導入する等感染症対策を徹底しつつ、ホールのニーズにお応えする商品の販売に注力しました。しかしながら、市場の購買マインド低下や度重なる緊急事態宣言の影響により販売台数の伸び悩みや商品の販売スケジュールの延期を余儀なくされた結果、当期のパチンコ・パチスロ総販売数は9.5万台(前期は19.1万台)となりました。
IPビジネス領域については、グループ中期事業戦略に基づき、まずは(株)円谷プロダクションと(株)デジタル・フロンティアの2社をグローバルなIP企業として育成し、そこで得られた知見や仕組みを次のステップで拡張・横展開していくという展望のもと進めていますが、当期は両社において、これまでの水面下での戦略的取組みが目に見える形で現れる結果となりました。
当社グループの成長ドライバーとしてIPビジネスを担う位置付けの(株)円谷プロダクションは、ファン層に適した実写・アニメ等の映像作品を映画・テレビ・配信等を通じて国内外に提供して『ウルトラマン』ファンを拡大し、映像事業とライセンス事業の双方で収益化する中期事業戦略を推進しています。映像事業では、企画・脚本/庵野秀明氏、監督/樋口真嗣氏の映画『シン・ウルトラマン』の特報映像・特別ビジュアルを解禁し、現在、新たな公開時期を調整しています。また、NTTドコモ社との協業により、円谷プロ公式定額制デジタル・プラットフォーム・サービス『TSUBURAYA IMAGINATION』の提供を開始したほか、ライセンス事業領域においてはアパレル・食品等の大手企業とのパートナーシップを新たに獲得、海外事業領域においても中国市場中心に大きく利益に貢献する等国内外とも順調に推移しました。
PS事業とIPビジネスにおけるCG映像領域の中核企業である(株)デジタル・フロンティアでは、国内ゲーム会社を中心としたCG映像制作や、国内外からのVFX映像制作に継続して対応しました。また、世界最大級のストリーミングサービスを提供するNetflixと、 Netflixオリジナル作品において、複数年にわたりVFX制作およびバーチャル・プロダクションの映像制作リソースを提供する業務提携を行いました。これは、国内企業において同社が初となります。
以上の結果、当期の連結業績は売上高38,796百万円(前年同期比58.3%)、営業損失2,241百万円(前年同期の営業利益713百万円)、経常損失2,032百万円(同経常利益939百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,452百万円(同親会社株主に帰属する当期純利益490百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループの主な資金需要は、運転資金および設備投資資金等です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしています。
手許の運転資金につきましては、当社および一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、突発的な資金需要に対しては、当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大に伴い、その収束時期が現時点では見通せないことに加えて、国内外の経済活動や消費活動への影響等、様々な不確定要素が懸念されますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っています。