有価証券報告書-第36期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念を掲げています。この実現に向けて、人々の心を豊かにする商品やサービスの企画、開発、提供に努め、持続的成長を目指しています。
当期(2023年4月‐2024年3月)においては、成長力と収益力を両輪とし、株主価値向上に取り組んで参りました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の状況
資産の部
流動資産は、64,848百万円と前連結会計年度末比5,979百万円の増加となりました。これは主に仕掛品の増加によるものです。
有形固定資産は、9,440百万円と前連結会計年度末比4,145百万円の増加となりました。これは主に土地の増加によるものです。
無形固定資産は、2,402百万円と前連結会計年度末比485百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
投資その他の資産は、21,447百万円と前連結会計年度末比7,606百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券の増加によるものです。
以上の結果、資産の部は98,139百万円と前連結会計年度末比17,246百万円の増加となりました。
負債の部
流動負債は、30,610百万円と前連結会計年度末比120百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少および未払法人税等の増加によるものです。
固定負債は、11,682百万円と前連結会計年度末比3,097百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。
以上の結果、負債の部は42,293百万円と前連結会計年度末比3,217百万円の増加となりました。
純資産の部
純資産の部は、55,845百万円と前連結会計年度末比14,028百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加および非支配株主持分の増加によるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、売上高141,923百万円(前期比21.2%増)、営業利益11,827百万円(同8.0%増)、持分法による投資利益の計上があり経常利益12,947百万円(同15.4%増)、(株)ソフィアの買収による負ののれん発生益等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益11,551百万円(同40.5%増)となりました。
各事業セグメントの概況は、以下の通りです。
コンテンツ&デジタル事業セグメント
1966年に誕生した「ウルトラマン」は昭和、平成、令和と作品を紡ぎ、日本国内では祖父から孫の3世代に愛されるヒーローとして定着しています。さらにデジタル技術との融合により、より魅力的なヒーローとして、CMキャラクターへの登用や商品コラボレーション、ライセンス収入の増加などその価値と認知度が向上しています。さらに、キャラクタービジネスのビックマーケットである中国では、「平成ウルトラマン」や「ニュージェネレーション」を中心とした映像作品を積極的に展開した結果、キャラクターの好感度、浸透度が増し、これが他のアジア諸国などでのウルトラマン人気を牽引しています。2次元の映像作品をベースに、3次元イベントやマーチャンダイジングなどの複合的戦略によりグローバルなキャラクターとしてのビジネスの展開が図られています。一方で、キャラクタービジネスの健全な発展においては知的財産権の保全が最重要課題の一つであり、生成AIなどの先進技術によるフェイクキャラクター作成などに対しては対抗措置を講じ、キャラクターのブランド価値を保つ体制を構築して参ります。
MD/ライセンス事業は、当期は玩具、アパレル・ファッション等、幅広く商品カテゴリーポートフォリオを拡充致しました。これにより、特定の商品の動向に左右されにくい、より強固な収益基盤を構築することができました。
世界的なブームとなっているカードゲームは、よりゲーム性の高いトレーディングカードのグローバル展開に向け準備を進めており、中国、北米、アジア及び日本において順次販売を開始する予定です。このため、現在販売されているカードゲームにおいては、新商品発売をにらんだ調整の動きがありました。
映像・イベント事業では、テレビシリーズの後継映画作品『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』が2024年2月に国内166館、アジア6ヵ国・地域で公開され、さらに3月にはTSUBURAYA IMAGINATIONでの配信もスタートしています。テレビ、映画、配信という異なるメディアでの映像作品展開により、今まで接触機会のなかった層へのファン拡大が図られています。
また、ウルトラマンの世界観のリアル体験を目指して、中国では4ヵ所のテーマパークで常設ステージを備えたウルトラマンエリアが開設され、多くの家族連れが訪れる人気スポットになっています。また国内におけるウルトラマンショーは集客が拡大しています。
日本では、夏・冬休みに開催された『ウルトラヒーローズEXPO』やファン向けイベント『ツブラヤコンベンション』は盛況でチケットはいずれも完売、グッズ販売も好調でした。ウルトラマングッズを扱うオフィシャルショップに、海外ウルトラマンファンがオリジナル商品を求めて訪れる姿も多く見られました。
ウルトラマンの世界観に触れたファン層の拡大がグッズ販売に結びつき、ライセンス商品の拡充につながる好循環を生み出しています。
(単位:億円)
国内/海外MDライセンス(除カードゲーム)収入 事業別(グローバル・除カードゲーム)収入

主要商品カテゴリー別(グローバル)収入

※「玩具」カテゴリーは「カードゲーム」を除いております。
最先端のCG映像制作技術を有する(株)デジタル・フロンティアは、Amazon Prime Video『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』、Netflix『幽☆遊☆白書』のVFX制作に加え大型アニメ映画やゲーム案件を受注しています。加えて、「デジタル・ヒューマン」技術を活用した新規領域での取り組みを進めています。(株)ユニキャストと共同開発したアバター遠隔接客サービス「KSIN」は、経済産業省により「IT導入補助金2023」の対象に認定されました。
以上の結果、コンテンツ&デジタル事業セグメントの当連結会計年度の業績は、売上高153.3億円(前期比5.5%増)、営業利益は37.8億円(同13.6%減)となりました。
PS事業セグメント
PS事業は「収益力」を担う事業の一つであり、フィールズ(株)を中核に「唯一無二のディストリビューター」として、市場環境に左右されない経営体制を構築しつつ中長期的な目標に向かい、着実に事業を推進しています。
当期(2024年3月期)の遊技機業界における市場販売台数は、パチンコ約84万台(前期比15%減)、パチスロ約82万台(同26%増)、計約166万台(同5%減)となりました。パチスロは、2022年11月にスマートパチスロが投入されて以降、多くのヒット機種が登場しパチスロ設置台数全体のうち、約35%がスマート機へと移行しました。また、パチンコは当期よりスマートパチンコの導入が開始されたものの、パチンコ設置台数のうち約4%に留まっています。一方で、2024年3月に新たに登場した「ラッキートリガー」搭載のパチンコがユーザーから高い支持を獲得し好調に推移していることから、今後はパチンコに対するパーラーの投資意欲も回復することが見込まれます。
こうした中、当期のPS事業セグメントでは、パチンコ7機種18.7万台(前期比23.6%増)、パチスロ6機種7.2万台(同6.7%増)、計26.0万台(同18.4%増)を販売し、市場シェアは14.7%(前期は12.9%)となりました。
以上の結果、PS事業セグメントの当連結会計年度の業績は売上高1,255.9億円(同24.6%増)、営業利益104.1億円(同35.0%増)となりました。
当期の販売実績は下表の通りです。
[PS事業セグメントの遊技機販売台数]
| 2023年3月期(前期) | 2024年3月期(当期) | 増減 | ||
| パチンコ | 151,688台 | 187,471台 | +23.6% | |
| パチスロ | 68,196台 | 72,780台 | +6.7% | |
| 合計 | 219,884台 | 260,251台 | +18.4% | |
[2024年3月期の主な販売タイトル]
| 区分 | 販売時期 | 納品月 | 主な販売タイトル(※PBはプライベートブランド) | スマート 遊技機 | 販売台数 (万台) | |
| パ チ ン コ | 上半期 | 5月 | P コードギアス 反逆のルルーシュ Rebellion to Re;surrection | 2.0 | 18.7 | |
| 9月 | P 百花繚乱 | 1.0 | ||||
| - | P 新世紀エヴァンゲリオン ~未来への咆哮~ | 2.4 | ||||
| 下半期 | 12月 | ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン | 6.8 | |||
| その他、シリーズ機や再販など | 6.3 | |||||
| パ チ ス ロ | 上半期 | 6月 | L ベルセルク無双 | 〇 | 1.4 | 7.2 |
| 7月 | S 織田信奈の野望 全国版(PB) | - | ||||
| 10月 | L エヴァンゲリオン ~未来への創造~ | 〇 | 1.7 | |||
| 下半期 | 11月 | L ひぐらしのなく頃に 業 | 〇 | - | ||
| 12月 | L リングにかけろ1 V(PB) | 〇 | 1.7 | |||
| 2月 | L ゴジラ対エヴァンゲリオン | 〇 | - | |||
| その他 | 0.4 | |||||
| 合計 | 26.0 | |||||
※販売台数1万台未満のタイトルは販売台数を非公表としております。
その他事業
その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,607百万円、営業利益19百万円となりました。
(注1)本報告書に記載の数値は各社・各団体の公表値または当社推計によるものです。
(注2)本報告書に記載の商品名は各社の商標または登録商標です。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,683百万円減少し、34,814百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5,563百万円(前年同期は12,561百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13,811百万円、棚卸資産の増加4,558百万円、仕入債務の減少4,371百万円、売上債権の減少3,926百万円、法人税等の支払額2,643百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,101百万円(前年同期は7,642百万円の支出)となりました。これは主に持分法適用関連会社株式取得による支出3,167百万円、固定資産の取得による支出1,762百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1,732百万円、投資有価証券の取得による支出439百万円、貸付けによる支出370百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,145百万円(前年同期は725百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,617百万円、長期借入れによる収入2,950百万円、配当金の支払額1,959百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 6,643 | △5.4 |
| PS事業 | 10,931 | 5.3 |
| 合計 | 17,574 | 1.0 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.金額は、製造原価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 14,219 | 9.6 | 2,121 | 37.2 |
| PS事業 | 648 | △44.1 | 1,612 | 3,109.3 |
| 合計 | 14,868 | 5.2 | 3,734 | 133.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主に株式の取得により新たに株式会社ソフィアおよび同社子会社の株式会社エース電研を連結子会社化したことによるPS事業の受注残高増加によるものです。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 14,998 | 6.9 |
| PS事業 | 125,328 | 24.3 |
| その他 | 1,597 | △30.3 |
| 合計 | 141,923 | 21.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にPS事業における遊技機販売の増加によるものです。
d. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| PS事業 | 107,924 | 53.8 |
| 合計 | 107,924 | 53.8 |
(注)1.金額は、仕入価格によっています。
2.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは主にPS事業における遊技機仕入の増加によるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における我が国の経済は、30年続いた長期低迷からの脱却を見据えた展開となっています。2023年5月に新型コロナウイルス感染症による制限が解除され、企業活動や人流増加が経済の活性化を押し上げる要因となりました。物価高騰はあるものの賃上げが消費マインドを刺激して内需の好循環をもたらし、宿泊・飲食やエンタテインメントなど広くサービス業界への追い風となっています。また訪日外国人数は2024年3月に過去最高を更新し、さらに34年ぶりの円安が国内での旺盛な消費の原動力となっています。一方世界では、長引くロシアによるウクライナ侵攻に加えハマスとイスラエルの武力衝突拡大など地政学的リスクはあるものの、アメリカ経済の底堅さもあり、世界経済はやや上向きで推移しています。
このような経済状況の中、当社グループは強力なキャラクターを核に複合コンテンツビジネスの一層の強化を推進し、「グローバルコンテンツ企業」に向けて着実なスタートをきりました。
コンテンツ&デジタル事業では、今や世界にファン層が拡大しつつある「ウルトラマン」をキーキャラクターとして、映像作品での世界観の構築とキャラクターブランディングを実施しています。その世界観を顧客が体験できるライブ・イベントやテーマパーク内ウルトラマンエリアの開設、さらにオリジナルのキャラクター関連商品の開発などメディア横断的な事業展開でグローバルにファン層の深耕と拡大を進めています。
また、PS事業では、日本最大の余暇産業の一つである遊技機業界の健全な発展に貢献すべく、魅力的なIPを活用し、定性・定量データに基づくユーザーニーズを充たした機種の開発を提携メーカーとともに進めています。
この2事業を軸として、当社グループの理念である「すべての人に最高の余暇を」の実現を目指して参ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、運転資金および設備投資資金等です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしています。
手許の運転資金につきましては、当社および一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、突発的な資金需要に対しては、当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。