有価証券報告書-第98期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/21 10:22
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、停滞していた個人消費に持ち直しの動きが見られたほか、好調な企業業績と自動化・省力化需要の高まりから設備投資の増勢が続き、輸出も増加傾向が続くなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。
株式市場におきましては、欧州の政治リスクの後退等で昨年6月に日経平均株価は20,000円台に乗せました。その後、米朝間の緊張の高まりで下落する場面もありましたが、10月の衆議院選挙で連立与党が勝利したことで一段高となり、年が明けた1月には日経平均株価は約26年ぶりに24,000円台を回復しました。ただし、期末にかけては、米長期金利の上昇や円高の進行、米政権による保護主義的な通商政策等が逆風となり、株式市場は調整色を強める展開となりました。
このような環境の下、当社グループの業績は、株式委託手数料及び信託報酬の増収により、連結経常利益は34億11百万円(前連結会計年度比236.9%増)となりました。
(株式部門)
当連結会計年度の株式市場におきましては、欧州の政治情勢への懸念が高まる中、シリアや北朝鮮をめぐる地政学リスクの台頭もあり、日経平均株価は4月14日に18,335円の年初来安値を付けました。しかし、フランス大統領選挙の結果を受けて欧州各国の政治が落ち着きを取り戻すとの見方が広がると株価は大きく上昇し、日経平均株価は6月に20,000円の大台を回復しました。その後、北朝鮮情勢の緊迫化などを背景に8月から9月にかけて調整する場面がありましたが、10月の衆議院選挙で連立与党が勝利したことを機に上値を切り上げる展開となり、日経平均株価は1月23日に24,124円の高値を付けました。ただし、その後は米国の長期金利の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まったうえに、円高の進行や米トランプ政権が打ち出した保護主義的な通商政策の影響で、景気や企業業績の先行きに対する不透明感が台頭したことにより、株式市場は期末にかけて調整色を強める展開となりました。
このような中、対面営業部門ではAI(人工知能)、FA・ロボット、自動車の電装化、半導体などテーマ性のある業績期待の銘柄、バイオ関連を始めとした中小型の成長期待銘柄等の選別及び情報提供に注力しました。
引受業務につきましては、新規上場企業6社、及び日本郵政第2次売出しを含む上場企業5社の株式引受けを行いました。
この結果、株式受入手数料収入は75億8百万円(前連結会計年度比56.6%増)となりました。
(債券部門)
当連結会計年度の債券市場におきましては、期初0.065%で始まった長期金利(新発10年物国債利回り)が、ECB(欧州中銀)の金融緩和策の解除姿勢による欧州国債利回りの上昇を背景に、7月には0.105%に上昇しました。その後、朝鮮半島を巡る地政学リスクの高まりや米長期金利の低下を受け、9月にはマイナス0.015%となりました。年明けには一時利回りが上昇する局面もありましたが、日銀が「指値オペ」など金利上昇抑制策を打ち出したことに加え、米政権の保護主義政策などによる世界的な株式相場の下落と円高を受けて利回りは低下に向い、当連結会計年度末は0.04%となりました。
このような状況の下、当社は個人向け国債の販売に注力し、国内の募集・売出の取扱高は368億円(前連結会計年度比16.1%増)となり、債券受入手数料収入は1億16百万円(同7.5%増)となりました。一方、債券トレーディング損益は、外国債券の取扱高が減少したこと等を受け、41百万円(同70.9%減)となりました。
(投資信託部門)
当連結会計年度の投資信託部門におきましては、国内外の株式に投資するファンドの販売に注力し、残高の増加に努めました。
株式型投信では、今後の成長が期待される世界のロボットやAI関連企業に投資する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の販売に引き続き注力し、残高が増加しました。また、日本の中小型株に投資する「日本株発掘ファンド」、「日本厳選中小型株ファンド」の販売に注力し、残高が増加しました。3月には技術革新が金融・消費分野に革命をもたらすフィンテック(金融とテクノロジーの融合)関連銘柄に投資する「グローバル・フィンテック株式ファンド」の取扱を開始しました。
外債投信では、米国の金利上昇局面においても運用成績が安定的な「PIMCOインカム戦略ファンド」に注力し、着実に残高が増加しました。
また、「投信NAVI(投信分析・販売支援ツール)」を積極的に活用し、お客様の保有ファンドのフォローやポートフォリオ分析などによるサービスの向上と販売促進に努めました。
以上の結果、株式投資信託の取扱高は2,080億円(前連結会計年度比6.5%減)となり、募集手数料は52億39百万円(同5.4%減)となりました。株式投資信託の残高は、新規資金での販売に注力したことにより、7,749億円(同8.5%増)となり、信託報酬は53億8百万円(同18.9%増)と過去最高となりました。この結果、受益証券受入手数料収入は106億36百万円(同5.2%増)となりました。
なお、当期は平成27年4月にスタートした「新株式投信純増3ヵ年計画(平成27年4月から平成30年3月)」の最終年度でした。3年間の純増額は1,325億円(達成率47.8%)に留まりましたが、新規資金での販売に一段と注力したこともあり、第一次純増計画の実績1,127億円を上回りました。
(オンライントレード部門)
当連結会計年度のオンライントレード部門は、定期的なメール配信や対面セミナーのほか、インターネットによるセミナーを夜間にも開催するなど積極的な情報配信を行い、加えて「疾風くん」の無料でのサービスを拡大するなど、マルサントレードの利用促進に努めました。
また、新規に口座開設されたお客様の株式手数料優遇措置、お友達紹介制度を継続実施し、顧客層の拡大を図りました。
これらの結果、個人投資家の売買代金の拡大もあり、株式委託売買金額は1兆1,073億円(前連結会計年度比18.7%増)となりました。
(損益状況)
以上のような事業活動の結果、当連結会計年度の当社グループの連結業績は、営業収益189億85百万円(前連結会計年度比21.0%増)、経常利益34億11百万円(同236.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億65百万円(同196.7%増)となりました。
また、当社個別の業績は、営業収益189億85百万円(前期比21.0%増)、経常利益33億71百万円(同245.5%増)、当期純利益23億30百万円(同206.0%増)となりました。
(経営上の目標の達成状況)
当社は、お客様本位の業務運営にとっては、「売買手数料依存の収益構造から脱し、残高連動報酬をベースにした収益構造を確立すること」が必要であると考えてきました。
また、日本経済の成長力が低下した1990年代以降、お客様に「投資信託を通じてグローバルな資産運用をしていただくこと」が、当社の社会的使命であると考えてきました。
以上の考えから、投資信託によるグローバルな資産運用をお客様にご提案し、そのお預り資産を拡大することにより、信託報酬を収益の柱のひとつとして育ててまいりました。
即ち、当社は、ブローカービジネスから脱却し、投資信託を通じて「助言による投資顧問業」へとビジネスモデルの転換を目指しています。
また、お客様の株式投資信託の平均保有期間の長期化は、資産運用のコストパフォーマンスの向上に寄与すると考えます。
当社の成果指標(KPI)は、①お客様の株式投資信託の平均保有期間※1の長期化、及び②信託報酬の販売費・一般管理費カバー率(対面営業部門)※2の上昇の二点であります。
上記の成果指標①につきましては、平成30年3月期末における当社のお客様の株式投資信託の平均保有期間は5.1年でした。
また成果指標②につきましては、長年の地道な積上げにより、平成30年3月期末の信託報酬による販売費・一般管理費カバー率(対面営業部門)は過去最高の35.7%となりました。
(※1) 平均保有期間は、平均残高(基準月の月末残高と1年前の月末残高の平均)を解約・償還額の年度合計で除して算出しています。
(※2) 信託報酬の販売費・一般管理費カバー率(対面営業部門)は、信託報酬の年度合計額を販売費・一般管理費の年度合計額で除して算出しています。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、現金・預金が25億89百万円減少したことや募集等払込金が12億15百万円減少した一方で、信用取引貸付金が56億76百万円増加したことなどにより前連結会計年度末比27億16百万円増加しました。
負債合計は、信用取引負債が12億39百万円減少した一方、主に顧客の譲渡益税などの納税預り金であるその他の預り金が31億64百万円増加したことなどから、負債合計は前連結会計年度末比38億80百万円増加しました。
純資産合計は、主に配当金の支払いにより利益剰余金が20億85百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末比11億63百万円減少しました。
(3)キャッシュ・フロー
(キャッシュ・フローの分析)
営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引貸付金の増加で資金が減少する一方、主に納税預り金であるその他の預り金の増加や募集等払込金の減少により資金が増加したことなどとの差し引きにより、19億48百万円の資金の増加(前連結会計年度は62億98百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより、1億17百万円の資金の減少(同84百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより、43億98百万円の資金の減少(同38億22百万円の資金の減少)となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比25億89百万円減少し、231億63百万円となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の普通配当の方針につきましては、内部留保を充実させることにより企業体質の強化を図りつつ、安定的な利益還元を行うことを基本方針としております。また、好況期には安定的なものを意識しつつも、毎期の業績変化をより反映したものとする所存であります。配当性向につきましては、連結当期純利益を基準に、連結配当性向50%以上の配当を行う方針です。
特別配当の実施予定につきましては、当社は平成32年3月期期末配当まで、以下のとおり特別配当を実施する方針を公表しています。なお、平成33年3月期以降に特別配当を行う予定はございません。
1株当たり特別配当額
中間配当期末配当年間配当計
平成31年(2019年)3月期
特別配当
10円00銭10円00銭20円00銭
平成32年(2020年)3月期
特別配当
5円00銭5円00銭10円00銭
平成33年(2021年)3月期
特別配当
0円00銭0円00銭0円00銭

(注)期末配当は、各期終了後に開催される定時株主総会での決議を条件と致します。
信用取引貸付金の増減等に対応した経常的な調達について、現在内部留保を中心に対応しております。また、手許資金の大半を、日本銀行をはじめとする取引先銀行に預け入れております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

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