有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 11:24
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118項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における日本経済は、米中の貿易摩擦に起因する中国経済の悪化懸念などから輸出不振や投資意欲の減退などの不安があるものの、引き続き良好な雇用環境のもと、景気は依然として緩やかな回復の様相を見せておりました。しかしながら、第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動への悪影響が懸念される状況となっております。
このような経済環境の中、当事業年度の国内株式市場では、日経平均株価は21,500円でスタートし、中国の景気減速に底打ちの兆しが見られたことや、米国企業の好調な1-3月期決算を背景に堅調な推移となりました。ユーロ圏では、英国の欧州連合(EU)からの離脱が再延長され、合意なき離脱がひとまず回避されたことをうけ、4月24日に日経平均株価は22,362円まで上昇しました。その後は、トランプ大統領による対中関税引上げ拡大やメキシコに対する関税引上げ表明など、貿易摩擦激化への懸念を背景に軟調な推移を示したものの、6月に入り、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待の高まりや米中首脳会談開催による通商協議の進展期待などから、日経平均株価は再び上昇傾向を強めていきました。
8月に入り米中双方が追加関税引上げを表明し合うなど米中対立が一段と激しさを増したことから、リスクオフの動きが再び高まり、加えて円高の進行もあり、日経平均株価は下落基調を強め、20,000円を割り込む水準が視野に入る推移となりました。その後、割安感から次第に下げ止まりの動きが強まったことや、米国が対中関税引上げを延期したことなどによる米中協議の進展期待や米国の好調な経済指標などを背景に、米国株の主要3指数が最高値を更新し、日経平均株価も上昇傾向を強めていきました。また、FRBの予防的利下げが次第に好感される形となり、リスクオンの動きの強まりに加えて円安の進行も追い風となり、日経平均株価は1月に期中高値となる24,115円まで上昇しました。
2月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界経済の悪化見通しが強まり、16,358円まで急落した日経平均株価は、各国での都市封鎖や外出制限などの措置の発表に加え、政府や中央銀行による積極的な経済対策等の発表を好感しやや落ち着きを取り戻す展開となり、18,917円で当事業年度を終えています。
このような状況のもと、当社はお客様の利益の最大化と堅実な資産形成を最重要事項と位置付け、役職員の資質向上に努めるとともに、地域に密着したお客様本位の営業を展開いたしました。具体的には、お客様の資産運用・財産形成にお役立ていただくための情報提供に努めるとともに、中長期で成長の見込まれるAI・IoTなどの第4次産業革命関連、宇宙開発関連を中心に米国株式、国内株式、投資信託および外貨建債券の提案営業を継続的に推進しました。
この結果、当事業年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当事業年度末の資産合計は前事業年度末に比べ24百万円減少し86億98百万円、負債合計は前事業年度末に比べ2億87百万円増加し19億46百万円、純資産合計は前事業年度末に比べ3億12百万円減少し67億52百万円となりました。
2)経営成績
当事業年度の純営業収益は23億84百万円(前期比17.2%減)、営業利益は81百万円(同83.8%減)、経常利益は2億28百万円(同58.4%減)、当期純利益は1億63百万円(同59.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当期末残高は、期首残高に比べ6億85百万円減少し、36億82百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは3億5百万円の収入(前期は13億48百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、7億92百万円の支出(前期は25百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、1億99百万円の支出(前期は1億59百万円の支出)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当期における経営の重点施策と成果
あらゆる分野に急速に広がりつつあるAI・IoTなどの第4次産業革命や、少子高齢化と人口減少の急速な進展に伴う構造改革、「貯蓄から資産形成へ」に向けた証券政策の進展等、証券市場を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。これらの変化について、対面営業を営む当社が大きく活躍できる機会と捉え、「お客様に選ばれる証券会社」をめざし、お客様への対応力(情報提供力と相談機能)の一層の充実強化とお客様本位の業務運営に取り組んでまいりました。
商品の提案は、中長期的な成長が期待されるAI・IoTなどの第4次産業革命関連と構造改革関連の国内外の株式や投資信託および高利回りの新興国通貨建ての債券を中心に、お客様の中長期的なパフォーマンスの向上を図ってまいりました。
当期は経済活動における米中対立の高まりにより不安定な株式市況が継続したことや、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な景気の減速懸念の高まりによる株式市況の悪化、原油価格の値下がりなどによる新興国通貨の下落により、充分な成果をあげることができませんでしたが、今後も関連会社であるエース経済研究所と協調して、お客様の資産運用・財産形成に役立てていただくための投資情報の提供に努めてまいります。
また、お客様に適切な助言を行うためには、高い専門性が求められることから、全社員に対してFP資格および相続診断士資格取得を進めております。
②重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、投資有価証券の評価、立替金等にかかる貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損処理などの資産・負債および収益・費用の状況に影響を与える見積りおよび判断については、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。多くの不確実な要素が存在する状況において、もっとも適切と考えられる前提条件、情報を通じて実施しておりますが、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期の見通しが依然困難な状況にあるものの、当社の事業活動および業績への影響は限定的であることから、この財務諸表の作成における重要な会計上の見積りおよび判断の変更は見込んでおりません。
③財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
1)財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ24百万円減少し、86億98百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が5億70百万円、長期差入保証金が1億21百万円、それぞれ増加したものの、現金・預金が6億85百万円減少したことなどによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ2億87百万円増加し、19億46百万円となりました。その主な要因は、預り金が2億56百万円、信用取引負債が81百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末に比べ3億12百万円減少し、67億52百万円となりました。その主な要因は、当期純利益1億63百万円を計上したものの、その他有価証券評価差額金が2億75百万円減少し、配当金1億99百万円を支払ったことなどによるものであります。
2)経営成績
(ⅰ)純営業収益
・受入手数料
株式売買高が増加したため、株式の委託手数料は6億64百万円(前期比18.9%増)となり、債券および受益証券を含めた委託手数料の合計は7億2百万円(同19.6%増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、外貨建債券および投資信託の販売手数料が増加したことにより、3億94百万円(同17.7%増)となりました。
また、その他の受入手数料は、投資信託の信託報酬が減少したことなどにより、1億20百万円(同34.6%減)となり、受入手数料は全体で12億17百万円(同10.0%増)となりました。
・トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、外国株式の店頭取引による収益が減少したことなどにより、5億59百万円(同9.9%減)となりました。債券等トレーディング損益は、外貨建債券による収益が減少したことなどにより、5億54百万円(同49.4%減)となり、トレーディング損益は全体で11億13百万円(同35.1%減)となりました。
・金融収支
金融収益は、受取配当金および受取債券利子が増加したことなどにより、90百万円(同18.1%増)となりました。一方、金融費用は為替差損が増加したことなどにより36百万円(同108.8%増)となり、金融収支は53百万円(同8.8%減)となりました。
以上の結果、当事業年度の純営業収益は、23億84百万円(同17.2%減)となりました。
(ⅱ)販売費・一般管理費
事務費が39百万円減少し3億95百万円(同9.0%減)、取引関係費が24百万円減少し2億31百万円(同9.6%減)、不動産費が15百万円減少し1億80百万円(同8.1%減)となったことなどにより、販売費・一般管理費の合計は73百万円減少の23億2百万円(同3.1%減)となりました。
(ⅲ)営業外損益および特別損益
営業外収益として受取配当金および投資有価証券売却益などにより1億46百万円を計上いたしました。
特別利益として名証取引参加者協会の清算に伴う残余財産分配金の受取などにより18百万円、特別損失として投資有価証券評価損および営業店舗移転に伴う減損損失などにより27百万円を計上いたしました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は2億28百万円(同58.4%減)、当期純利益は1億63百万円(同59.8%減)となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性にかかる情報
1)キャッシュ・フローの状況の分析
現金及び現金同等物の当期末残高は、期首残高に比べて6億85百万円減少し、36億82百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億5百万円の収入(前期は13億48百万円の収入)となりました。これは主として、預託金の増加が1億11百万円、法人税等の支払いが99百万円あったものの、預り金及び受入保証金の増加が2億93百万円、税引前当期純利益が2億19百万円あったことなどによるものであります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、7億92百万円の支出(前期は25百万円の支出)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出が28億80百万円、投資有価証券の売却による収入が20億94百万円あったことなどによるものであります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億99百万円の支出(前期は1億59百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払いが1億99百万円あったことによるものであります。
2)資本の財源及び資金の流動性について
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は36億82百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行6行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、現在重要な資金の支出の予定はございません。
⑤経営指標の達成状況
当社は2019年4月に修正しました中期経営計画において、2022年3月末までに預り資産を3,200億円(そのうち投資信託残高1,000億円)に積み上げることを目標としております。当事業年度末の預り資産は1,551億円(そのうち投資信託残高248億円)となりました。

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