有価証券報告書-第76期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 16:10
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)におけるわが国経済は、好調な海外経済を背景に、政府の経済政策の浸透や日本銀行の金融緩和政策の継続などから、企業収益や雇用情勢に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調が続きました。先行きについては、米国の金融政策の転換に伴う資金の流れの変化や保護主義的な政策動向に対する懸念、また、北朝鮮・中東情勢などの地政学リスクの高まり、英国のEU離脱問題等、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動に留意する必要があるものの、世界的なインフレ期待の高まりに伴い、一層の経済成長が期待されております。
このような経済環境の中、当事業年度の国内株式市場では、日経平均株価は18,988円でスタートし、米国軍によるシリア攻撃や、北朝鮮情勢の緊迫化で、18,000円台前半での軟調な展開で推移しました。その後、北朝鮮情勢の緊張度が低下したことで上昇基調に転じ4月25日に19,000円台を回復すると、国内企業の良好な決算発表や円安の進行を受けて20,000円台目前まで上昇しましたが、米国トランプ政権を巡るロシアゲート問題を警戒して米国株式市場が急落した影響から19,000円台後半でのもみ合いとなり、好調な日米経済指標を背景に6月2日に20,000円を回復したものの、国内株式市場は膠着感の強い動きとなりました。7月以降も、北朝鮮によるミサイル発射や安倍内閣の支持率の低下による国内政治の不透明感などが意識されて、国内株式市場は上値の重い展開となりましたが、堅調な企業業績への期待を背景に下値は底堅く、20,000円を挟んでの値動きの乏しい相場が続きました。その後、8月9日に北朝鮮がグアムへの攻撃を示唆すると、北朝鮮と米国の緊迫による地政学リスクの高まりを受けて国内株式市場は下落し、8月29日のミサイル発射、9月3日の核実験でさらに緊張が高まったため、投資家のリスク回避姿勢を背景に円高が進行し、一時19,200円台まで下落しましたが、国連安全保障理事会による北朝鮮への制裁決議が採択されたことで、米朝軍事衝突への過度な警戒感は後退したため、国内株式市場は戻り歩調となり、9月19日には20,000円台を回復しました。
10月に入ると、米国株式市場の過去最高値の更新を受けて、国内株式市場も上昇基調となり、衆議院選挙での与党が優勢との見方が強まる中、国内政治に関する期待感から、過去最高の16連騰を記録するなど堅調に推移しました。10月下旬以降も、中間決算発表において良好な企業業績が確認されたことで、外国人投資家の買いは途切れず、10月27日に21年3カ月振りに22,000円台を回復すると、11月9日に23,000円台へと上昇を続け、その後も世界景気拡大による企業業績拡大を期待した買いが支えとなり、1月18日には24,000円台を回復しました。しかし、1月下旬以降、日本銀行の金融緩和縮小観測や米国財務長官のドル安容認発言を受け円高が進行すると、国内株式市場は下落基調となり、米国長期金利の急騰による米国株式市場の急落を受けて21,000円台まで下落するなど軟調な展開となりました。3月後半も、財務省の決裁文書改ざん問題を巡り内閣支持率が急低下したことや、米国による中国への貿易制裁措置の発表で米中貿易摩擦が懸念され、一時は21,000円を割り込むなど大きく下落しましたが、その後は、米朝首脳会談実現の見通しによる北朝鮮非核化への期待や米中貿易摩擦に対する過度な懸念が後退したことにより下げ幅は縮小し、日経平均株価は21,454円で当事業年度を終えております。
このような状況のもと、当社はお客様に徹底した満足をしていただくことを最重要事項と位置付け、役職員の資質向上に努めるとともに、お客様とのより親密な信頼関係を築くため、地域社会に密着したお客様本位の営業を展開いたしました。具体的には、中長期で成長の見込まれるAI・IoTなどの第4次産業革命関連を中心に、好調が続く米国株式、国内株式等の提案営業を継続的に推進するとともに、お客様のニーズの高い投資信託および新興国の外貨建債券の販売に取り組みました。
また、本店および各支店で投資セミナーや講演会を開催し、お客様の資産運用・財産形成に役立てていただくため、お客様への情報提供に努めました。
この結果、当事業年度の営業収益は28億15百万円(前期比15.3%増)、営業利益は4億33百万円(同498.5%増)、経常利益は4億44百万円(同437.0%増)、当期純利益は3億75百万円(同425.2%増)となりました。
なお、財政状態およびキャッシュ・フローの状況の概要につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当期における経営の重点施策と成果
あらゆる分野に急速に広がりつつある第4次産業革命や、少子高齢化と人口減少の急速な進展に伴う構造改革、「貯蓄から資産形成へ」に向けた証券政策の進展等、証券市場を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。これらの変化について、対面営業を営む当社が大きく活躍できる機会と捉え、「お客様に選ばれる証券会社」をめざし、お客様への対応力(情報提供力と相談機能)の一層の充実強化とお客様本位の業務運営に取り組んでまいりました。
商品の提案は、中長期的な成長が期待される第4次産業革命関連と構造改革関連の国内外の株式や投資信託を中心に、お客様の中長期的なパフォーマンスの向上を図ってまいりました。その成果として、第4次産業革命関連の投資信託および外国株式の残高が増加し、お客様のパフォーマンスが向上するとともに、新規のお客様を紹介していただく件数および資金導入が増加いたしましたが、途半ばと考え継続してまいります。
また、関連会社であるエース経済研究所と協調して投資情報の提供に努め、本店および各支店で投資セミナーや講演会を開催し、お客様の資産運用・財産形成に役立てていただくためお客様への情報提供に取り組み、当期に開催したセミナー・講演会には約5,000名の方にご参加いただき、好評を得ております。また、お客様の高齢化、税制の改正等によりニーズが高くなっている相続や事業承継に関する相談について、迅速かつ適切に対応するため「相続サポート」の専任担当者を増員したり、税理士事務所と提携するなどサービス体制の強化に努めており、相談依頼件数も増加しております。
②重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、投資有価証券の評価、立替金等にかかる貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損処理などの資産・負債および収益・費用の状況に影響を与える見積りおよび判断については、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。多くの不確実な要素が存在する状況において、もっとも適切と考えられる前提条件、情報を通じて実施しておりますが、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。
③経営成績の分析
1)純営業収益
・受入手数料
堅調な株式市況の中で株式売買高が増加したため、株式の委託手数料は8億67百万円(前期比11.5%増)となり、債券および受益証券を含めた委託手数料の合計は8億97百万円(同5.6%増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売手数料が増加したことにより、3億96百万円(同41.2%増)となりました。
また、その他の受入手数料は、投資信託の残高の増加に伴い投資信託の信託報酬が増加したことにより、1億81百万円(同18.7%増)となり、受入手数料は全体で14億83百万円(同15.4%増)となりました。
・トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、外国株式の店頭取引による収益が増加したことなどにより、5億17百万円(同789.2%増)となりました。債券等トレーディング損益は、外貨建債券による収益が減少したことにより、7億53百万円(同28.3%減)となり、トレーディング損益は全体で12億71百万円(同14.7%増)となりました。
・金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の増加に伴い受取利息が増加したことにより、61百万円(同28.7%増)となりました。一方、金融費用は、信用取引借入金の期中平均残高の増加に伴い支払利息が増加したことにより、11百万円(同33.6%増)となり、金融収支は50百万円(同27.7%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の純営業収益は、28億4百万円(同15.3%増)となりました。
2)販売費・一般管理費
取引関係費が9百万円減少したものの、事業税の増加により租税公課が16百万円増加したことなどにより、販売費・一般管理費の合計は10百万円増加の23億71百万円(同0.5%増)となりました。
3)営業外損益および特別損益
営業外収益として受取配当金など12百万円、営業外費用として為替差損など1百万円、特別利益として投資有価証券清算益など23百万円、特別損失として減損損失など13百万円を計上いたしました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は4億44百万円(同437.0%増)、当期純利益は3億75百万円(同425.2%増)となりました。
4)経営指標の達成状況
当社は平成29年3月31日に公表しました中期経営計画において、平成32年3月末までに預り資産を3,000億円(そのうち投資信託残高1,000億円)に積み上げることを目標としております。当事業年度末の預り資産は1,938億円(そのうち投資信託残高373億円)となりました。
④当期の財政状態の概況
1)資産、負債、純資産の概況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ4億80百万円増加し、88億15百万円となりました。その主な要因は、現金・預金が6億43百万円、預託金が2億15百万円減少したものの、信用取引資産が8億円、投資有価証券が2億10百万円、約定見返勘定が1億78百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ2億2百万円増加し、19億46百万円となりました。その主な要因は、信用取引負債が1億4百万円、未払法人税等が93百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末に比べ2億78百万円増加し、68億69百万円となりました。その主な要因は、配当金79百万円を支払い、その他有価証券評価差額金が17百万円減少したものの、当期純利益3億75百万円を計上したことによるものであります。
2)キャッシュ・フローの概況
現金及び現金同等物の当期末残高は、期首残高に比べて6億43百万円減少し、32億4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2億20百万円の支出(前期は8億5百万円の収入)となりました。これは主として、税引前当期純利益4億54百万円を計上し、預託金が2億15百万円減少したものの、信用取引資産及び信用取引負債の差引資産残高が6億96百万円、約定見返勘定の差引資産残高が1億78百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億43百万円の支出(前期は82百万円の収入)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出が3億39百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、79百万円の支出(前期は1億79百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払いが79百万円あったことなどによるものであります。
⑤資本の財源および資金の流動性にかかる情報
当社の資金は、自己資金と金融機関からの借入れが主な源泉となっており、必要に応じて機動的に資金が調達できる体制を構築しております。

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