四半期報告書-第75期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
| 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況となっております。 当社の事業環境としましては、政府が2020年の訪日外国人旅客数を4,000万人とする目標の中、航空路線の新規就航や増便などによる航空座席供給量の増加に加え、継続的に展開されている訪日旅行プロモーションの効果もあり、訪日外国人旅客数は2018年上半期(1月~6月)に1,589万人と過去最高を更新するなど、堅調に推移しております。 その中で、当第1四半期連結累計期間の航空旅客数につきましては、各航空会社による羽田空港国際線の深夜時間帯での増便や、需要に応じた各種割引運賃設定の効果で、羽田空港国内線、国際線ともに前年を上回ったほか、成田空港などの国際線におきましても好調に推移しております。 このような状況のもと、当社グループは、すべてのステークホルダーに最高に満足していただける空港を目指す長期的な経営ビジョン「To Be a World Best Airport」の実現に向けて、2020年度を視野に入れた5年間の成長戦略として中期経営計画を策定し、本年4月の東京国際空港ターミナル株式会社(以下、「TIAT」という。)の第三者割当増資の引き受けに伴う連結子会社化と、2020年以降の羽田空港の国際線需要のさらなる高まりに対する空港機能強化に、当社の成長戦略を重ね合わせて、中期経営計画の見直しを行いました。そして、今期の経営上の主な課題として、TIATの連結子会社化による効果、目的の具現化と影響の適正化、環境変化への対応、空港型市中免税店のさらなる業績改善、を掲げて、「戦略の3本柱」である「羽田空港の“あるべき姿”の追求」、「強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化」、「収益基盤再構築・競争優位の確立」に基づいて、さまざまな施策に取り組んでおります。 「羽田空港の“あるべき姿”の追求」におきましては、羽田空港の国際線再拡張に向けた旅客ターミナル整備を進めており、その一環として本年5月に国内線旅客用の第2旅客ターミナル北側ボーディングステーションを供用開始し、また本年12月には第2旅客ターミナル北側サテライトを供用開始する予定でおります。それ以外の拡張部分についても2020年3月の供用開始に向けて、計画通り工事を進めております。これに加えて今後の事業環境が大きく変革している中で、羽田空港の立地という資源を最大限活用し、当社の事業をより安定的に成長へと結びつけるために、これまで培った経験とノウハウをより広範囲に活用するとともに、外部の知見を生かしてさらなる事業領域を拡大することを目的に、「株式会社羽田未来総合研究所」の設立に向け準備を進め、本年7月2日に設立いたしました。今後の事業展開としては、アートや文化などをオリンピック後の日本経済を支えていくジャンルとして位置づけ、羽田空港というロケーションの優位性を活かし、全国の自治体等と羽田空港とを繋ぎ、地域再生や地域創生を展開する一方、優れた日本製品やアート、日本文化を海外へ発信するなど、新たな価値を創造してまいります。また、時代の求める人財教育やシンクタンクとしての機能を十分に発揮しつつ、新たなライフスタイルの提案など、日本の未来予想図を具体的に提案してまいります。 「強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化」では、本年4月に羽田空港国際線の到着エリア内に到着時免税店を出店し、新たな購買需要を取り込んで好調に推移しております。また、空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」では、消費税免税販売場の拡大や主要顧客である中国人に人気の高い新規ブランドの展開を始めるなど売上増進策に取り組み、業績は計画を上回るペースで推移しております。 さらに「収益基盤再構築・競争優位の確立」では、本年4月と6月に中部空港で家電製品を中心に展開する「Air BIC CAMERA」を2店舗出店し、訪日外国人旅客を主要ターゲットとした商品を取り揃えたことで好調に推移しております。また、ビジネスパーソンをターゲットとしたビジネスモールプロジェクト「THE HANEDA HOUSE」も、本年12月のグランドオープンを目指して準備を進めております。 なお、羽田空港旅客ターミナルは英国SKYTRAX社より、本年3月に2018年国際空港評価における空港総合評価の「The World's Best Airports」で世界第3位を受賞しており、さらに、部門賞である「The World's Cleanest Airports」については3年連続(5回目)の世界第1位、「The World's Best Domestic Airports」でも6年連続で世界第1位となっております。当社では、引き続きTIATと連携をして、一体的な関係の中でより一層、羽田空港のサービスレベルの向上を目指して取り組んでまいります。 以上の結果、当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績につきましては、次のとおりとなりました。 ①財政状態 (資産) 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は 1,157億5千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ 437億6千6百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が 420億4千3百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は 3,264億1千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,590億1千3百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物が 1,171億2千9百万円増加したこと等によるものであります。 この結果、総資産は 4,421億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ 2,027億8千万円増加しました。 (負債) 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は 431億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ 54億5千1百万円増加しました。これは主に、短期借入金が 60億4千万円増加したこと等によるものであります。固定負債は 2,057億3千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,401億9千1百万円増加しました。これは主に、長期借入金が 1,076億9千2百万円増加したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は 2,488億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,456億4千2百万円増加しました。 (純資産) 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は 1,932億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ 571億3千7百万円増加しました。これは主に、非支配株主持分が 331億円増加したことや、利益剰余金が 229億3千4百万円増加したこと等によるものであります。 この結果、自己資本比率は 35.6%(前連結会計年度末は 55.7%)となりました。 ②経営成績 当第1四半期連結累計期間の経営成績につきましては、TIATの連結子会社化による収益構造の変化や特別損益の発生もあり、営業収益は 681億2千2百万円(前年同期比 31.6%増)、営業利益は 63億9千8百万円(前年同期比 129.6%増)、経常利益は 61億1千4百万円(前年同期比 62.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 248億8千4百万円(前年同期比 842.5%増)となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。 |
(施設管理運営業)
TIATの連結子会社化に伴い、羽田空港国際線旅客ターミナルにおける家賃収入、国際線旅客取扱施設利用料収入、駐車場収入、広告・ラウンジ収入等が追加される一方で、これまでの国際線業務受託料収入は減少しております。
連結子会社化以外の影響では、家賃収入につきましては、国内線旅客ターミナルでの航空会社事務室の貸室増等により、前年同期を上回りました。
施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、国内線旅客取扱施設利用料収入が増加して、前年同期を上回りました。
その他の収入につきましては、国内線ラウンジ収入の増加等により、前年同期を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 205億4千9百万円(前年同期比 48.9%増)、営業利益は 42億4百万円(前年同期比 150.3%増)となりました。
(物品販売業)
TIATの連結子会社化に伴い、羽田空港国際線旅客ターミナルにおける免税売店売上が追加される一方で、これまでの卸売上が相殺されております。
連結子会社化以外の影響では、国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び購買単価を引き上げる施策を実施した結果、前年同期を上回りました。
国際線売店売上につきましては、羽田空港国際線航空旅客数の増加、到着時免税店の開業、中部国際空港での新規店舗を開業したことに加え、空港免税店で顧客の嗜好に合わせた商品構成や店舗オペレーションの効率化などにより、購買客数、購買単価ともに増加傾向が続いていること、さらに空港型市中免税店での営業施策の効果により前年同期を上回りました。
その他の売上につきましては、地方空港への卸売上が好調に推移しており、前年同期を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 436億7千8百万円(前年同期比 28.6%増)、営業利益は 41億5千3百万円(前年同期比 76.9%増)となりました。
(飲 食 業)
TIATの連結子会社化に伴い、羽田空港国際線旅客ターミナルにおける飲食店舗売上が追加される一方で、これまでの国際線業務受託料収入が相殺されております。
連結子会社化以外の影響では、飲食店舗売上につきましては、国内線旅客ターミナルで飲食店舗のリニューアルや国際化工事の進展に伴う一部飲食店舗の閉鎖等により前年同期を下回りました。
機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の前期からの増便や新規取引開始等により、前年同期を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 55億4千1百万円(前年同期比 4.0%増)、営業利益は、一部飲食店舗の閉鎖等により、1億5千万円(前年同期比 2.6%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の“あるべき姿”の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取組んでおります。
現在、国土交通省では「2018年度(平成30年度)航空局関係予算の決定概要」に基づき、2020年東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据えた首都圏空港の機能強化や、テロ対策の強化や安全な運航の確保など万全なセキュリティ・セイフティに向けた取組みが進められております。
当社におきましても、その確実な対応が求められている中で、羽田空港国内線、国際線旅客ターミナルの拡張整備を推進するほか、経営方針である旅客ターミナルにおける絶対安全の確立のもと、ハード面とソフト面におきましてさまざまな安全対策を行っております。また、バリアフリーへの対策や内際旅客ターミナルの一体運用に伴う案内方法への対応など、今後も空港利用者のあらゆるニーズをとらえて利便性、快適性、機能性の向上に努めてまいります。さらに、国管理空港などで民間による航空系事業と非航空系事業の経営を一体化した運営形態への取り組みが進められており、当社もこの動向について幅広く注視し、情報を収集しております。
このように当社を取り巻く事業環境が大きく変革している中で、当社グループは「株式会社羽田未来総合研究所」の事業展開等により羽田空港の立地という資源を最大限活用し、地域再生、地域創生を展開する一方、優れた日本製品やアート、日本文化を海外へ発信するなど、新規事業の創造に繋げて、当社の事業をより安定的に成長へと結びつけてまいります。また、旅客ターミナルでのさらなる顧客満足度の向上を目指し、SKYTRAX社の空港評価の連続受賞を含めた羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。
その他の課題としては、営業面において市中免税店事業の対策に取組んでまいりましたが、さまざまな営業施策の効果で好調に推移しております。一方で、訪日外国人の「モノ消費」から「コト消費」への転換など消費動向の変化に加え、越境ECビジネスの拡大や決済方法の多様化など物品販売を取り巻く環境が大きく変動しており、特に免税事業全般におきまして、今後の事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、主要な事業領域の一つとして一層強化してまいります。
このように事業環境に応じた当社の課題を的確に捉えつつ、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
また、働き方関連法案が可決され、改正法施行に向けた動きが活発化する中で、従業員のワークライフバランスの適正化と仕事の効率化を目指し対応してまいります。
今後も当社は、空港法に基づく羽田空港における国内線旅客ターミナルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国際線旅客ターミナルを建設・管理運営する連結子会社であるTIATと連携して、日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
(3)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、東京国際空港ターミナル株式会社を連結子会社化したことにより、同子会社が所有する設備を当社の国内子会社の主要な設備の範囲に含めております。
| 会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額 | 従業員数 (人) | |||||
| 建物及び構築物 (百万円) | 機械装置及び運搬具 (百万円) | 土地 (百万円) (面積㎡) | リース資産 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) | |||||
| 東京国際空港ターミナル㈱ | 羽田空港 (東京都大田区) | 施設管理 運営業 | 国際線旅客ターミナルビル | 101,736 | 5,691 | - (-) | - | 11,962 | 119,390 | 25 |
| 〃 | 〃 | 〃 | 国際線駐車場 | 11,502 | - | - (-) | - | 37 | 11,539 | - |
| 〃 | 〃 | 物品販売業 | 店舗施設 | 2,244 | - | - (-) | - | 455 | 2,700 | 16 |
| 〃 | 〃 | 飲食業 | 〃 | 628 | - | - (-) | - | 37 | 665 | - |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)重要な設備の新設等
当第1四半期連結累計期間において、東京国際空港ターミナル株式会社を連結子会社化したことにより、著しい変更があったものは、次のとおりであります。
| 会社名 | 所在地 | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達方法 | 着手及び完了予定年月 | 完成後の能力 | ||
| 総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | ||||||
| 東京国際空港ターミナル㈱ | 東京都 大田区 | 施設管理運営業 | 国際線旅客ターミナルビル等 (増築工事) | 50,000 | 7,605 | 自己資金及び借入金 | 平成29年 11月 | 平成32年 3月 | ※1 |
※1 国際線旅客ターミナルビル増改築等
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。