有価証券報告書-第74期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況となっております。
航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて訪日外国人旅客数について2020年の目標値を4,000万人としており、2017年の訪日外国人旅客数は2,800万人を超えるなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
当連結会計年度の航空旅客数につきましては、羽田空港国内線、羽田空港・成田空港・関西空港の国際線の航空旅客数はいずれも前年を上回っております。
このような状況の中、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の“あるべき姿”の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・人財・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
羽田空港の強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、ビジネスパーソンをターゲットとしたビジネスモールプロジェクト「THE HANEDA HOUSE」を進めており、「羽田で過ごす」通過する場所から滞在する場所へ、をコンセプトに、昨年5月に国内線第1旅客ターミナルにレンタルオフィス、会議室、ビジネスラウンジを置く「リージャスエクスプレス」をオープンし、本年12月のグランドオープンを目指して準備を進めております。また、既存ラウンジをリニューアルし、名称を「POWER LOUNGE」に改め、贈答品など事前に予約できるサービス等を開始しました。また、視認性と操作性の向上を目的に、ショッピングWEBサイト「HANEDA Shopping」及び免税品事前注文WEBサイト「JAPAN DUTY FREE」をリニューアルしたことに加え、昨年11月には中国の越境ECサイト「Kaola.com」にEC店舗、昨年12月には中部空港にブランドブティック3店舗、本年4月には家電製品を中心に訪日外国人旅客に人気のアイテムを取り揃えた「Air BIC CAMERA」、羽田国際線到着エリア内に到着時免税店を出店いたしました。空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」につきましては、本年2月に新規ブランドの取り扱いを始めるなど各種集客対策に努めた結果、売上が順調に推移いたしました。今後も引き続き中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費の機会や、出国する日本人による消費機会を確実に捉え、収益の確保に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は2,259億5千3百万円(前期比 10.2%増)、営業利益は134億2千9百万円(前期比 41.4%増)、経常利益は 166億9千6百万円(前期比 30.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千6百万円(前期比 71.0%増)となりました。
なお、羽田空港旅客ターミナルビルは、昨年9月に英国SKYTRAX社より、世界最高水準との評価を受け、「5スターエアポート」を4年連続で獲得し、さらには本年3月に実施された2018年国際空港評価の空港総合評価である「The World's Best Airports」においても世界第3位を受賞いたしました。また、部門賞である「The World's Cleanest Airports」については3年連続(5回目)の世界第1位、「The World's Best Domestic Airports」では6年連続で世界第1位となりました。今後もこれに満足することなく、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今まで以上に羽田空港全体で連携しながら、空港を利用されるお客様を第一に考え、安全性はもちろん、利便性、快適性及び機能性に優れたサービスを提供し、お客様から信頼され続ける世界ナンバーワン品質の旅客ターミナルビルを目指し、航空輸送の発展に貢献してまいりたいと考えております。
羽田空港におきましては、現在、さらなる首都圏空港の機能強化に向け、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。
このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、この一環として、東京国際空港ターミナル株式会社(以下「TIAT」という。)としては、国際線旅客ターミナルビルの拡充計画を進めており、同施設の拡充に要する資金調達計画の一つとして、新株発行により株主から資金を調達する計画を策定いたしました。
これを受け、当社はTIATの代表企業としての責務を果たし、本事業のさらなる確実な実施に向けて協力していくため、TIATが発行する株式を本年4月27日に追加取得いたしました。これにより、当社の株式持分が51%となったことから、TIATは持分法適用会社から、連結子会社となりました。今後、国内線旅客ターミナルビル事業者である当社は、国際線旅客ターミナルビル事業者であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおける航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。
施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、前年を上回りました。
その他の収入につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前年を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 604億5千1百万円(前期比 6.4%増)、営業利益は、修繕費や業務委託費の増加、国有財産一時使用料の増加等により、67億1千4百万円(前期比 3.8%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び商品の販売促進に努めたこと等により、前年を上回りました。
国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより、前年を上回りました。
その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,486億4千7百万円(前期比 12.7%増)、営業利益は空港型市中免税店での売上総利益の増加や営業費用の減少があったこと等により、113億2千2百万円(前期比 56.1%増)となりました。
(飲 食 業)
飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたこと等により、前年を上回りました。
機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の搭乗率の増加や新規取引等により、前年を上回りました。
その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 222億8千5百万円(前期比 4.2%増)、営業利益は各種コスト削減効果もあり、8億9千6百万円(前期比 18.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上し、退職給付債務や退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は当社グループの状況から適切なものであると考えております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2)財政状態の分析
① 資産面では、満期償還により有価証券が 70億円減少したものの、現金及び預金が 102億4千6百万円、売掛金が 25億7千5百万円増加し、また、設備投資等により有形固定資産が 172億9千6百万円、持分法による投資利益の計上等により投資有価証券が 41億6百万円増加となりました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末と比較して 264億7千2百万円増加し、2,394億9千9百万円となりました。
② 負債面では、商品仕入の増加等により買掛金が 10億1千2百万円増加し、長期借入金が、国内線第2旅客ターミナルビルの国際化に伴う増築を目的とした工事資金の借入等で 147億6千万円の増加となりました。
これらの結果、負債総額は前連結会計年度末と比較して 157億5千4百万円増加し、1,033億4千2百万円となりました。
(3)経営成績の分析
① 収益面では、家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおいて航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、国内線旅客取扱施設利用料が増加となる等、前年を上回りました。その結果、家賃・施設利用料収入は前期比 2.4%増の 320億3千2百万円となりました。
その他の収入は、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前期比 13.2%増の 296億6千5百万円となりました。
商品売上は、国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加等により、前年を上回りました。国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店等の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより前年を上回りました。その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。その結果、商品売上は前期比 12.5%増の 1,471億1千7百万円となりました。
飲食売上は、飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたことと等により、前年を上回りました。機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の新規取引や増便等により、前年を上回りました。その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。その結果、飲食売上は前期比 2.5%増の 171億3千8百万円となりました。
これらの結果、営業収益合計では、前期比 10.2%増の 2,259億5千3百万円となりました。
② 費用面では、売上原価は、商品売上高が増加したこと等の影響により、前期比 11.6%増の 1,222億2千6百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び業務委託料の増加等により、前期比 5.0%増の 902億9千6百万円となりました。
これらの結果、営業利益は、前期比 41.4%増の 134億2千9百万円となり、経常利益は、前期比 30.0%増の 166億9千6百万円となりました。
③ 特別損益では、関西空港等における固定資産減損損失 1億3千8百万円等を計上しました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期比 47.1%増の 165億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比 71.0%増の 117億7千6百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売及び飲食や旅行サービスの提供であることから、主要賃貸先である航空会社や物品販売等の主要顧客である航空旅客の動向への依存度が高く、国際情勢の変化や自然災害発生等の航空業界を取り巻く環境の変化が与える国内線・国際線の運航便数や航空旅客数の変動が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。また、景気の動向、少子高齢化等に伴う消費行動の構造的変化等による影響も大きいと考えております。
当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
航空業界におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据えた首都圏空港の機能強化に向けた取り組みや、「観光先進国」の実現に向けて訪日外国人旅行者の目標2020年4,000万人、2030年6,000万人に向けた地方空港等のゲートウェイ機能強化が進められています。また、テロ対策の強化や安全な運航の確保に向けたセキュリティ・セイフティの万全な確保の取り組みも進められています。このように事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
このような状況の下、当社は本年4月27日にTIATを連結子会社とし、羽田空港国際線事業の業績も取り込むことになりました。今後も国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取り組んでまいります。
具体的には、2020年東京オリンピック・パラリンピック及び羽田空港におけるさらなる首都圏空港の機能強化に向けて、国土交通省の「平成30年度航空局関係予算の決定概要」に基づき、国内線第2旅客ターミナルビルの一部国際化等の計画を着実に推進してまいります。
羽田空港における首都圏空港の機能強化につきましては、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、当社においては、連結子会社であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図るとともに、国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取組んでまいりたいと考えております。
強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、海外での空港運営事業としては初めてとなるパラオ国際空港の運営事業に、双日株式会社とともに参画しており、当社の空港運営における品質管理等のノウハウを、パラオ国際空港の利便性の向上や収益力の強化に生かしていく予定であります。
また、今後は羽田空港で培った当社の経験とノウハウをより広範囲に活用するとともに、外部の知見も活かして、さらなる事業領域を拡大するために専門の子会社を設立し、新たなビジネス機会の創出を通じ、収益機会の拡大を推進してまいります。
また、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。そして、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。
営業面における課題としては、市中免税店事業の対策に取組んでまいりましたが、各種営業施策の効果が表れております。今後は、免税事業全般について、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費機会を確実に捉え、主要な事業領域の一つとしてより一層強化するべく努めてまいります。
さらに、航空業界における脅威として、航空機自体又は旅客ターミナルビル施設等を標的とした犯罪行為が起こる可能性がある中、当社は日本の空の玄関口である羽田空港の旅客ターミナルビルを管理運営する空港機能施設事業者として、安全性確保により一層取組んでまいります。
このように当社を取り巻く事業環境の変化及び課題を的確に捉えつつ、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国際線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する連結子会社であるTIATと連携して、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況となっております。
航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて訪日外国人旅客数について2020年の目標値を4,000万人としており、2017年の訪日外国人旅客数は2,800万人を超えるなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
当連結会計年度の航空旅客数につきましては、羽田空港国内線、羽田空港・成田空港・関西空港の国際線の航空旅客数はいずれも前年を上回っております。
このような状況の中、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の“あるべき姿”の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・人財・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
羽田空港の強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、ビジネスパーソンをターゲットとしたビジネスモールプロジェクト「THE HANEDA HOUSE」を進めており、「羽田で過ごす」通過する場所から滞在する場所へ、をコンセプトに、昨年5月に国内線第1旅客ターミナルにレンタルオフィス、会議室、ビジネスラウンジを置く「リージャスエクスプレス」をオープンし、本年12月のグランドオープンを目指して準備を進めております。また、既存ラウンジをリニューアルし、名称を「POWER LOUNGE」に改め、贈答品など事前に予約できるサービス等を開始しました。また、視認性と操作性の向上を目的に、ショッピングWEBサイト「HANEDA Shopping」及び免税品事前注文WEBサイト「JAPAN DUTY FREE」をリニューアルしたことに加え、昨年11月には中国の越境ECサイト「Kaola.com」にEC店舗、昨年12月には中部空港にブランドブティック3店舗、本年4月には家電製品を中心に訪日外国人旅客に人気のアイテムを取り揃えた「Air BIC CAMERA」、羽田国際線到着エリア内に到着時免税店を出店いたしました。空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」につきましては、本年2月に新規ブランドの取り扱いを始めるなど各種集客対策に努めた結果、売上が順調に推移いたしました。今後も引き続き中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費の機会や、出国する日本人による消費機会を確実に捉え、収益の確保に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は2,259億5千3百万円(前期比 10.2%増)、営業利益は134億2千9百万円(前期比 41.4%増)、経常利益は 166億9千6百万円(前期比 30.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千6百万円(前期比 71.0%増)となりました。
なお、羽田空港旅客ターミナルビルは、昨年9月に英国SKYTRAX社より、世界最高水準との評価を受け、「5スターエアポート」を4年連続で獲得し、さらには本年3月に実施された2018年国際空港評価の空港総合評価である「The World's Best Airports」においても世界第3位を受賞いたしました。また、部門賞である「The World's Cleanest Airports」については3年連続(5回目)の世界第1位、「The World's Best Domestic Airports」では6年連続で世界第1位となりました。今後もこれに満足することなく、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今まで以上に羽田空港全体で連携しながら、空港を利用されるお客様を第一に考え、安全性はもちろん、利便性、快適性及び機能性に優れたサービスを提供し、お客様から信頼され続ける世界ナンバーワン品質の旅客ターミナルビルを目指し、航空輸送の発展に貢献してまいりたいと考えております。
羽田空港におきましては、現在、さらなる首都圏空港の機能強化に向け、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。
このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、この一環として、東京国際空港ターミナル株式会社(以下「TIAT」という。)としては、国際線旅客ターミナルビルの拡充計画を進めており、同施設の拡充に要する資金調達計画の一つとして、新株発行により株主から資金を調達する計画を策定いたしました。
これを受け、当社はTIATの代表企業としての責務を果たし、本事業のさらなる確実な実施に向けて協力していくため、TIATが発行する株式を本年4月27日に追加取得いたしました。これにより、当社の株式持分が51%となったことから、TIATは持分法適用会社から、連結子会社となりました。今後、国内線旅客ターミナルビル事業者である当社は、国際線旅客ターミナルビル事業者であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおける航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。
施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、前年を上回りました。
その他の収入につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前年を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 604億5千1百万円(前期比 6.4%増)、営業利益は、修繕費や業務委託費の増加、国有財産一時使用料の増加等により、67億1千4百万円(前期比 3.8%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び商品の販売促進に努めたこと等により、前年を上回りました。
国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより、前年を上回りました。
その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,486億4千7百万円(前期比 12.7%増)、営業利益は空港型市中免税店での売上総利益の増加や営業費用の減少があったこと等により、113億2千2百万円(前期比 56.1%増)となりました。
(飲 食 業)
飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたこと等により、前年を上回りました。
機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の搭乗率の増加や新規取引等により、前年を上回りました。
その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 222億8千5百万円(前期比 4.2%増)、営業利益は各種コスト削減効果もあり、8億9千6百万円(前期比 18.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 施設管理運営業(百万円) | 58,443 | 54,975 | 6.3 | |
| 家賃収入(百万円) | 13,278 | 13,078 | 1.5 | |
| 施設利用料収入(百万円) | 18,754 | 18,194 | 3.1 | |
| その他の収入(百万円) | 26,410 | 23,703 | 11.4 | |
| 物品販売業(百万円) | 147,787 | 131,098 | 12.7 | |
| 国内線売店売上(百万円) | 35,153 | 33,829 | 3.9 | |
| 国際線売店売上(百万円) | 35,497 | 32,991 | 7.6 | |
| その他の売上(百万円) | 77,136 | 64,277 | 20.0 | |
| 飲食業(百万円) | 19,722 | 18,879 | 4.5 | |
| 飲食店舗売上(百万円) | 9,846 | 9,657 | 2.0 | |
| 機内食売上(百万円) | 6,588 | 6,405 | 2.9 | |
| その他の売上(百万円) | 3,286 | 2,816 | 16.7 | |
| 合計(百万円) | 225,953 | 204,953 | 10.2 | |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
| 区 分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | |||
| 比率(%) | 比率(%) | ||||
| 所有総面積 (㎡) | 616,142 | 616,310 | |||
| 貸付可能面積(㎡) | 232,648 | 100.0 | 232,798 | 100.0 | |
| 貸付面積 (㎡) | 221,258 | 95.1 | 218,801 | 94.0 | |
| 航空会社 (㎡) | 122,754 | 52.8 | 121,735 | 52.3 | |
| 一般テナント (㎡) | 56,291 | 24.2 | 55,962 | 24.0 | |
| 当社グループ使用(㎡) | 42,212 | 18.1 | 41,103 | 17.7 | |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上し、退職給付債務や退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は当社グループの状況から適切なものであると考えております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2)財政状態の分析
① 資産面では、満期償還により有価証券が 70億円減少したものの、現金及び預金が 102億4千6百万円、売掛金が 25億7千5百万円増加し、また、設備投資等により有形固定資産が 172億9千6百万円、持分法による投資利益の計上等により投資有価証券が 41億6百万円増加となりました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末と比較して 264億7千2百万円増加し、2,394億9千9百万円となりました。
② 負債面では、商品仕入の増加等により買掛金が 10億1千2百万円増加し、長期借入金が、国内線第2旅客ターミナルビルの国際化に伴う増築を目的とした工事資金の借入等で 147億6千万円の増加となりました。
これらの結果、負債総額は前連結会計年度末と比較して 157億5千4百万円増加し、1,033億4千2百万円となりました。
(3)経営成績の分析
① 収益面では、家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおいて航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、国内線旅客取扱施設利用料が増加となる等、前年を上回りました。その結果、家賃・施設利用料収入は前期比 2.4%増の 320億3千2百万円となりました。
その他の収入は、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前期比 13.2%増の 296億6千5百万円となりました。
商品売上は、国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加等により、前年を上回りました。国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店等の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより前年を上回りました。その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。その結果、商品売上は前期比 12.5%増の 1,471億1千7百万円となりました。
飲食売上は、飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたことと等により、前年を上回りました。機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の新規取引や増便等により、前年を上回りました。その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。その結果、飲食売上は前期比 2.5%増の 171億3千8百万円となりました。
これらの結果、営業収益合計では、前期比 10.2%増の 2,259億5千3百万円となりました。
② 費用面では、売上原価は、商品売上高が増加したこと等の影響により、前期比 11.6%増の 1,222億2千6百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び業務委託料の増加等により、前期比 5.0%増の 902億9千6百万円となりました。
これらの結果、営業利益は、前期比 41.4%増の 134億2千9百万円となり、経常利益は、前期比 30.0%増の 166億9千6百万円となりました。
③ 特別損益では、関西空港等における固定資産減損損失 1億3千8百万円等を計上しました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期比 47.1%増の 165億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比 71.0%増の 117億7千6百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売及び飲食や旅行サービスの提供であることから、主要賃貸先である航空会社や物品販売等の主要顧客である航空旅客の動向への依存度が高く、国際情勢の変化や自然災害発生等の航空業界を取り巻く環境の変化が与える国内線・国際線の運航便数や航空旅客数の変動が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。また、景気の動向、少子高齢化等に伴う消費行動の構造的変化等による影響も大きいと考えております。
当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
航空業界におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据えた首都圏空港の機能強化に向けた取り組みや、「観光先進国」の実現に向けて訪日外国人旅行者の目標2020年4,000万人、2030年6,000万人に向けた地方空港等のゲートウェイ機能強化が進められています。また、テロ対策の強化や安全な運航の確保に向けたセキュリティ・セイフティの万全な確保の取り組みも進められています。このように事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
このような状況の下、当社は本年4月27日にTIATを連結子会社とし、羽田空港国際線事業の業績も取り込むことになりました。今後も国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取り組んでまいります。
具体的には、2020年東京オリンピック・パラリンピック及び羽田空港におけるさらなる首都圏空港の機能強化に向けて、国土交通省の「平成30年度航空局関係予算の決定概要」に基づき、国内線第2旅客ターミナルビルの一部国際化等の計画を着実に推進してまいります。
羽田空港における首都圏空港の機能強化につきましては、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、当社においては、連結子会社であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図るとともに、国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取組んでまいりたいと考えております。
強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、海外での空港運営事業としては初めてとなるパラオ国際空港の運営事業に、双日株式会社とともに参画しており、当社の空港運営における品質管理等のノウハウを、パラオ国際空港の利便性の向上や収益力の強化に生かしていく予定であります。
また、今後は羽田空港で培った当社の経験とノウハウをより広範囲に活用するとともに、外部の知見も活かして、さらなる事業領域を拡大するために専門の子会社を設立し、新たなビジネス機会の創出を通じ、収益機会の拡大を推進してまいります。
また、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。そして、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。
営業面における課題としては、市中免税店事業の対策に取組んでまいりましたが、各種営業施策の効果が表れております。今後は、免税事業全般について、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費機会を確実に捉え、主要な事業領域の一つとしてより一層強化するべく努めてまいります。
さらに、航空業界における脅威として、航空機自体又は旅客ターミナルビル施設等を標的とした犯罪行為が起こる可能性がある中、当社は日本の空の玄関口である羽田空港の旅客ターミナルビルを管理運営する空港機能施設事業者として、安全性確保により一層取組んでまいります。
このように当社を取り巻く事業環境の変化及び課題を的確に捉えつつ、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国際線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する連結子会社であるTIATと連携して、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。