有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)
本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績等の概要
①経営成績等の業績の概要
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに引き続き注意する必要があります。
航空業界においては、訪日外国人数は2025年暦年で4,200万人を超え、年間最高を更新しました。当連結会計年度の羽田空港の旅客数は、前年比で国内線は約3%、国際線は約7%増加し、堅調に推移しました。国際線では、昨年11月以降の中国の渡航自粛や中東情勢の緊迫化に伴い一部減便や欠航が生じておりますが、他の路線の搭乗率向上等によりカバーし、当連結会計年度における羽田国際線旅客数への影響は軽微でありました。
このような中、当社グループは長期ビジョン“To Be a World Best Airport”に向けて、中期経営計画の最終年度にあたって、計画の総仕上げに注力してまいりました。
施設面では、安心・快適で先進的な空港づくりを目指し、引き続き、施設・搬送設備の耐震化や、老朽化した設備の更新、空調機器や照明設備の省エネ対応などに取り組むとともに、本年5月頃の竣工に向けて第1ターミナル北側サテライト建設工事を順調に進めております。第2ターミナルでは、定時運航性向上の取り組みとして、固定2スポットを増設する北側サテライト延伸工事に着手しました。さらに、空港全体の最適化を目指す「Total Airport Management (TAM)」の実現に向けて、引き続き、国や航空会社等と連携して取り組んでおります。研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」では参画企業とともに、保安検査場における旅客ストレスの軽減・検査員の環境向上に向けた研究を進め、空港での効果検証実験を開始しました。また、当社は、東京ベイeSGプロジェクト「Tokyo Bay Innovation Field」プロジェクトサポート型に代表事業者として採択されており、今後、次世代モビリティプロジェクトの分野で、羽田空港を含む様々な環境下での走行実証を行い、将来的に制限区域内バスのレベル4自動運転の実現を目指します。
営業面では、増加する旅客需要の着実な取り込みや、EC等の空港外収益の拡大に取り組んでまいりました。国内線では、第1ターミナルゲートエリアに無人決済店舗をオープンしたほか、全国の自治体と連携した催事や、ハワイの人気商品を集めた「Aloha Market」を期間限定で開催するなど、多様な需要の獲得に努めております。また、羽田空港で展開している商品の海外輸出など、新規販路の拡大を図っております。国際線では、新規ブランド導入やブランドブティック店舗の営業時間適正化等による、売上増進及び効率的な店舗運営を図りました。中国人旅客の需要が減少傾向にあるものの、各種販売促進キャンペーン等の施策効果や、インバウンドにも人気の高い商材の導入、上期に改装・増床したエルメス及びシャネルブティックが好調に推移したこと等により、第4四半期(1-3月)の売上は第3四半期に続き、前年同期を上回りました。また、免税品事前予約サイトでは、これまで取り扱いのなかったシャネルの香水・化粧品など商品の拡充を図り、お客さまの利便性向上に努め、さらなる収益向上を目指してまいります。
経営基盤の面では、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおり、後継者育成計画の策定を進めるほか、グループ経営を高度化するための体制構築や、役職員に向けたリスク管理教育などを実施し、健全で透明性の高いガバナンス体制の構築に努めております。また、羽田空港は国際空港評議会(ACI: Airport Council International)が運営するカーボンマネジメント認証プログラム「空港カーボン認証」のレベル4を取得しました。これは、空港全体のCO2排出量削減に向けたマネジメントや取り組みを段階的に評価するものであり、当社は羽田空港におけるACI加盟事業者として、空港関係者等による官民連携のもと、主体的に認証取得に取り組んでまいりました。財務戦略では、当連結会計年度において中期経営計画の目標収支・ROA(EBITDA)・自己資本比率のガイドラインを全て達成し、引き続き、設備投資計画や株主還元方針のバランスを踏まえ最適資本構成を追求し、資本コスト経営の一層の強化を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、営業収益は2,898億2千3百万円(前期比 7.4%増)、営業利益は 450億4千3百万円(前期比 16.8%増)、経常利益は 437億4百万円(前期比 22.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 291億3千9百万円(前期比 6.1%増)となりました。
(単位:百万円)
羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、世界最高水準である「5スターエアポート」を12年連続で獲得しました。また、“World Airport Awards 2026”において、国内線空港総合評価部門(14年連続)、空港の清潔さなどを評価する部門(11年連続)、PRM※対応を評価する部門(8年連続)で世界第1位の評価をいただき、空港の総合評価「World's Best Airports」部門で世界第3位を受賞しました。
(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略で、高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)
今後とも引き続き、当社グループは、社会インフラである旅客ターミナルにおける絶対安全の確立に努めるとともに、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
家賃収入については、テナント店舗の売上増加に伴う歩合賃料の増加や国内線における賃料(管理費)改定等により、前年を上回りました。
施設利用料収入については、旅客数の増加や昨年4月に国内線旅客取扱施設利用料を改定したこと等により、前年を上回りました。
その他の収入については、旅客数の増加に加え、ラウンジや駐車場における価格改定効果や、外貨両替所、広告料収入等が増加したこと等により、前年を上回りました。
費用面では、第2ターミナル北側サテライトと本館の接続に伴う減価償却費や、物価上昇に伴うターミナル維持管理コストが増加しました。その結果、施設管理運営業の営業収益は 1,212億5百万円(前期比 11.3%増)となり、営業利益は 283億1千2百万円(前期比 45.2%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
国内線売店売上については、国内線旅客数の増加及び催事展開・MD変更等の施策効果により購買単価が上昇し、前期を上回りました。国内線売店売上については、国内線旅客数の増加や、積極的な催事・イベント展開による需要の取り込みに努めたことなどで、前年を上回りました。
国際線売店売上については、免税店売上は上期に前年好調の反動で減少となりましたが、下期は売上が回復し、通期で前年を上回りました。
その他の売上については、訪日外国人数の増加に伴い、他空港への卸売上が増加したこと等により、前年を上回りました。
費用面において、売上増に伴う商品売上原価や他空港店舗の支払家賃等の変動費のほか、人件費や業務委託費、広告宣伝費等が増加したことにより、営業利益は前年を下回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,555億8千3百万円(前期比 4.2%増)となり、営業利益は 274億8千9百万円(前期比 6.5%減)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
飲食店舗売上については、第1ターミナルフードコート店舗のテナント化に伴い、前年から直営店舗数が減少したものの、旅客数の増加等により、前年をわずかに上回りました。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の増加及び単価の改定等により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 190億8百万円(前期比 7.5%増)となり、人件費の増加や食材価格高騰の影響を受けながらも、営業利益は 11億5千万円(前期比 98.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 109億5千8百万円増加し、968億3千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 177億5千6百万円収入が増加(前年比 33.0%増)し、715億6千9百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 265億9千8百万円支出が増加(前年比 207.1%増)し、394億4千2百万円の支出となりました。
これは主に、有価証券の売却による収入が減少し、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 93億6千万円支出が減少(前年比 30.7%減)し、211億6千8百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が増加したものの、長期借入れによる収入及び社債の発行による収入が増加し、社債の償還による支出が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 124億9千5百万円増加し、1,434億2千9百万円となりました。
これは主に、営業収益の増加に伴い現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円増加し、3,485億4千2百万円となりました。これは主に、建物及び構築物の改修及び更新によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 220億1千6百万円増加し、4,919億7千2百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円減少し、2,620億8千6百万円となりました。
これは主に、社債が増加したものの約定返済及び期限前弁済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 315億3千8百万円増加し、2,298億8千5百万円となりました。
これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、42.7%(前連結会計年度末は 39.9%)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「(1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。
当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。
当連結会計年度における各指標の進捗状況は次のとおりです。
[連結当期純利益][コスト削減策]
当連結会計年度の連結当期純利益は 291億3千9百万円となりました。
コロナ禍での学びを活かしたオペレーションの見直し、ロボット等の技術活用、省エネのための設備更新などのコスト削減を実行するとともに、計画策定時の想定を上回る物価高騰に対応すべくサービス価格等の改定を実施し、目標を上回る利益成長を達成しました。
[ROA(EBITDA)]
当連結会計年度のROA(EBITDA)は15.5%となりました。
[自己資本比率]
当連結会計年度末時点の自己資本比率は42.7%となりました。
[配当性向]
当連結会計年度の配当性向は30.4%となっております。コロナ禍から業績回復し黒字転換した2023年度以降は、いずれも配当性向30%を上回っております。
[SKYTRAX評価順位]
本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2026”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。
当連結会計年度においては、コロナ禍において回収できなかった設備投資や物価高騰を適切に転嫁した価格改定効果等により、営業利益と経常利益は3期連続で過去最高益を更新し、前年度に中期経営計画目標を1年前倒しで達成した連結当期純利益を、さらに上積みすることができました。
2026-2030年度の中期経営計画においては、最終年度にあたる2030年度の業績目標を設定するとともに、すべてのステークホルダーへの貢献を可視化すべく、ガイドラインを拡充いたしました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。
旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。
また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は968億3千7百万円、借入金等を含む有利子負債残高は1,954億4千9百万円となりました。
④重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤今後の見通し
当社グループは2026年度を初年度とする中期経営計画を策定し、2030年度までの5年間を企業変革の推進期間と位置付け、キャッシュ・フロー創出力の強化と、ステークホルダーとの共創による需要の創造に取り組んでまいります。
次期においては、中国の渡航自粛や中東情勢の悪化に伴う燃料価格の高騰等により、航空需要が低迷するリスクがあります。一方で、足元の羽田空港の旅客数は、国内線・国際線ともに堅調に推移しており、現段階においては、引き続き緩やかに増加すると見込んでおります。
施設管理運営業では、本年7月頃に第1ターミナル北側サテライト施設の完成を予定しております。施設の供用開始に伴い減価償却費等が増加するほか、インフレによる運営経費の上昇に対応するため、国内線旅客取扱施設利用料の改定を申請するとともに、引き続きオフィス賃料等の適正価格への見直しを行います。物品販売業では、羽田国際線旅客数の増加や為替の円安基調は免税店売上に追い風となりますが、市中免税事業の見直しや一部店舗の改装に伴う一時休業による売上の減少を見込んでおります。飲食業では、原材料価格の高騰を適切な価格転嫁とコスト削減施策により吸収し、売上・利益率の向上を目指します。
以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は2,967億円(当期比 2.4%増)、営業利益は 456億円(当期比 1.2%増)、経常利益 458億円(当期比 4.8%増)、一部の子会社において繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上が減少し、税負担が増加することから、親会社株主に帰属する当期純利益 242億円(当期比 17.0%減)を予想しております。
※2025年度旅客数は東京航空局発表の速報値より当社集計
(1)業績等の概要
①経営成績等の業績の概要
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに引き続き注意する必要があります。
航空業界においては、訪日外国人数は2025年暦年で4,200万人を超え、年間最高を更新しました。当連結会計年度の羽田空港の旅客数は、前年比で国内線は約3%、国際線は約7%増加し、堅調に推移しました。国際線では、昨年11月以降の中国の渡航自粛や中東情勢の緊迫化に伴い一部減便や欠航が生じておりますが、他の路線の搭乗率向上等によりカバーし、当連結会計年度における羽田国際線旅客数への影響は軽微でありました。
このような中、当社グループは長期ビジョン“To Be a World Best Airport”に向けて、中期経営計画の最終年度にあたって、計画の総仕上げに注力してまいりました。
施設面では、安心・快適で先進的な空港づくりを目指し、引き続き、施設・搬送設備の耐震化や、老朽化した設備の更新、空調機器や照明設備の省エネ対応などに取り組むとともに、本年5月頃の竣工に向けて第1ターミナル北側サテライト建設工事を順調に進めております。第2ターミナルでは、定時運航性向上の取り組みとして、固定2スポットを増設する北側サテライト延伸工事に着手しました。さらに、空港全体の最適化を目指す「Total Airport Management (TAM)」の実現に向けて、引き続き、国や航空会社等と連携して取り組んでおります。研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」では参画企業とともに、保安検査場における旅客ストレスの軽減・検査員の環境向上に向けた研究を進め、空港での効果検証実験を開始しました。また、当社は、東京ベイeSGプロジェクト「Tokyo Bay Innovation Field」プロジェクトサポート型に代表事業者として採択されており、今後、次世代モビリティプロジェクトの分野で、羽田空港を含む様々な環境下での走行実証を行い、将来的に制限区域内バスのレベル4自動運転の実現を目指します。
営業面では、増加する旅客需要の着実な取り込みや、EC等の空港外収益の拡大に取り組んでまいりました。国内線では、第1ターミナルゲートエリアに無人決済店舗をオープンしたほか、全国の自治体と連携した催事や、ハワイの人気商品を集めた「Aloha Market」を期間限定で開催するなど、多様な需要の獲得に努めております。また、羽田空港で展開している商品の海外輸出など、新規販路の拡大を図っております。国際線では、新規ブランド導入やブランドブティック店舗の営業時間適正化等による、売上増進及び効率的な店舗運営を図りました。中国人旅客の需要が減少傾向にあるものの、各種販売促進キャンペーン等の施策効果や、インバウンドにも人気の高い商材の導入、上期に改装・増床したエルメス及びシャネルブティックが好調に推移したこと等により、第4四半期(1-3月)の売上は第3四半期に続き、前年同期を上回りました。また、免税品事前予約サイトでは、これまで取り扱いのなかったシャネルの香水・化粧品など商品の拡充を図り、お客さまの利便性向上に努め、さらなる収益向上を目指してまいります。
経営基盤の面では、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおり、後継者育成計画の策定を進めるほか、グループ経営を高度化するための体制構築や、役職員に向けたリスク管理教育などを実施し、健全で透明性の高いガバナンス体制の構築に努めております。また、羽田空港は国際空港評議会(ACI: Airport Council International)が運営するカーボンマネジメント認証プログラム「空港カーボン認証」のレベル4を取得しました。これは、空港全体のCO2排出量削減に向けたマネジメントや取り組みを段階的に評価するものであり、当社は羽田空港におけるACI加盟事業者として、空港関係者等による官民連携のもと、主体的に認証取得に取り組んでまいりました。財務戦略では、当連結会計年度において中期経営計画の目標収支・ROA(EBITDA)・自己資本比率のガイドラインを全て達成し、引き続き、設備投資計画や株主還元方針のバランスを踏まえ最適資本構成を追求し、資本コスト経営の一層の強化を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、営業収益は2,898億2千3百万円(前期比 7.4%増)、営業利益は 450億4千3百万円(前期比 16.8%増)、経常利益は 437億4百万円(前期比 22.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 291億3千9百万円(前期比 6.1%増)となりました。
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比増減率(%) | |
| 営 業 収 益 | 269,923 | 289,823 | 7.4 | |
| 施設管理運営業 | 105,540 | 117,765 | 11.6 | |
| 物品販売業 | 147,666 | 154,053 | 4.3 | |
| 飲食業 | 16,716 | 18,004 | 7.7 | |
| 営 業 利 益 | 38,557 | 45,043 | 16.8 | |
| 経 常 損 益 | 35,723 | 43,704 | 22.3 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 27,470 | 29,139 | 6.1 | |
羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、世界最高水準である「5スターエアポート」を12年連続で獲得しました。また、“World Airport Awards 2026”において、国内線空港総合評価部門(14年連続)、空港の清潔さなどを評価する部門(11年連続)、PRM※対応を評価する部門(8年連続)で世界第1位の評価をいただき、空港の総合評価「World's Best Airports」部門で世界第3位を受賞しました。
(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略で、高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)
今後とも引き続き、当社グループは、社会インフラである旅客ターミナルにおける絶対安全の確立に努めるとともに、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 105,540 | 117,765 | 11.6 | |
| 家賃収入 | 20,693 | 21,958 | 6.1 | |
| 施設利用料収入 | 60,258 | 68,374 | 13.5 | |
| その他の収入 | 24,587 | 27,432 | 11.6 | |
| セグメント間の内部売上高 | 3,397 | 3,439 | 1.2 | |
| 売上高 合計 | 108,937 | 121,205 | 11.3 | |
| セグメント利益 | 19,495 | 28,312 | 45.2 | |
家賃収入については、テナント店舗の売上増加に伴う歩合賃料の増加や国内線における賃料(管理費)改定等により、前年を上回りました。
施設利用料収入については、旅客数の増加や昨年4月に国内線旅客取扱施設利用料を改定したこと等により、前年を上回りました。
その他の収入については、旅客数の増加に加え、ラウンジや駐車場における価格改定効果や、外貨両替所、広告料収入等が増加したこと等により、前年を上回りました。
費用面では、第2ターミナル北側サテライトと本館の接続に伴う減価償却費や、物価上昇に伴うターミナル維持管理コストが増加しました。その結果、施設管理運営業の営業収益は 1,212億5百万円(前期比 11.3%増)となり、営業利益は 283億1千2百万円(前期比 45.2%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 147,666 | 154,053 | 4.3 | |
| 国内線売店売上 | 14,445 | 15,572 | 7.8 | |
| 国際線売店売上 | 95,282 | 97,174 | 2.0 | |
| その他の売上 | 37,938 | 41,306 | 8.9 | |
| セグメント間の内部売上高 | 1,711 | 1,529 | △10.6 | |
| 売上高 合計 | 149,377 | 155,583 | 4.2 | |
| セグメント利益 | 29,387 | 27,489 | △6.5 | |
国内線売店売上については、国内線旅客数の増加及び催事展開・MD変更等の施策効果により購買単価が上昇し、前期を上回りました。国内線売店売上については、国内線旅客数の増加や、積極的な催事・イベント展開による需要の取り込みに努めたことなどで、前年を上回りました。
国際線売店売上については、免税店売上は上期に前年好調の反動で減少となりましたが、下期は売上が回復し、通期で前年を上回りました。
その他の売上については、訪日外国人数の増加に伴い、他空港への卸売上が増加したこと等により、前年を上回りました。
費用面において、売上増に伴う商品売上原価や他空港店舗の支払家賃等の変動費のほか、人件費や業務委託費、広告宣伝費等が増加したことにより、営業利益は前年を下回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,555億8千3百万円(前期比 4.2%増)となり、営業利益は 274億8千9百万円(前期比 6.5%減)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 16,716 | 18,004 | 7.7 | |
| 飲食店舗売上 | 8,515 | 8,551 | 0.4 | |
| 機内食売上 | 6,899 | 7,888 | 14.3 | |
| その他の売上 | 1,302 | 1,564 | 20.2 | |
| セグメント間の内部売上高 | 963 | 1,004 | 4.2 | |
| 売上高 合計 | 17,680 | 19,008 | 7.5 | |
| セグメント利益 | 579 | 1,150 | 98.6 | |
飲食店舗売上については、第1ターミナルフードコート店舗のテナント化に伴い、前年から直営店舗数が減少したものの、旅客数の増加等により、前年をわずかに上回りました。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の増加及び単価の改定等により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 190億8百万円(前期比 7.5%増)となり、人件費の増加や食材価格高騰の影響を受けながらも、営業利益は 11億5千万円(前期比 98.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 109億5千8百万円増加し、968億3千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 177億5千6百万円収入が増加(前年比 33.0%増)し、715億6千9百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 265億9千8百万円支出が増加(前年比 207.1%増)し、394億4千2百万円の支出となりました。
これは主に、有価証券の売却による収入が減少し、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 93億6千万円支出が減少(前年比 30.7%減)し、211億6千8百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が増加したものの、長期借入れによる収入及び社債の発行による収入が増加し、社債の償還による支出が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 施設管理運営業(百万円) | 105,540 | 117,765 | 11.6 | |
| 家賃収入(百万円) | 20,693 | 21,958 | 6.1 | |
| 施設利用料収入(百万円) | 60,258 | 68,374 | 13.5 | |
| その他の収入(百万円) | 24,587 | 27,432 | 11.6 | |
| 物品販売業(百万円) | 147,666 | 154,053 | 4.3 | |
| 国内線売店売上(百万円) | 14,445 | 15,572 | 7.8 | |
| 国際線売店売上(百万円) | 95,282 | 97,174 | 2.0 | |
| その他の売上(百万円) | 37,938 | 41,306 | 8.9 | |
| 飲食業(百万円) | 16,716 | 18,004 | 7.7 | |
| 飲食店舗売上(百万円) | 8,515 | 8,551 | 0.4 | |
| 機内食売上(百万円) | 6,899 | 7,888 | 14.3 | |
| その他の売上(百万円) | 1,302 | 1,564 | 20.2 | |
| 合計(百万円) | 269,923 | 289,823 | 7.4 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
| 区 分 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 比率(%) | 比率(%) | ||||
| 所有総面積 (㎡) | 1,010,556 | 1,010,556 | |||
| 貸付可能面積(㎡) | 334,673 | 100.0 | 340,088 | 100.0 | |
| 貸付面積 (㎡) | 328,148 | 98.1 | 334,862 | 98.5 | |
| 航空会社 (㎡) | 159,546 | 47.7 | 160,217 | 47.1 | |
| 一般テナント (㎡) | 63,446 | 19.0 | 63,802 | 18.8 | |
| 当社グループ使用(㎡) | 105,155 | 31.4 | 110,842 | 32.6 | |
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 124億9千5百万円増加し、1,434億2千9百万円となりました。
これは主に、営業収益の増加に伴い現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円増加し、3,485億4千2百万円となりました。これは主に、建物及び構築物の改修及び更新によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 220億1千6百万円増加し、4,919億7千2百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 95億2千1百万円減少し、2,620億8千6百万円となりました。
これは主に、社債が増加したものの約定返済及び期限前弁済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 315億3千8百万円増加し、2,298億8千5百万円となりました。
これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、42.7%(前連結会計年度末は 39.9%)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「(1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。
当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。
| 分類 | 指標 | 2025年度目標値 |
| 収益性(総合) | 連結当期純利益 | 200億円以上 |
| 収益性 | コスト削減策 | 25億円 (前中計の営業利益目標250億円の10%相当) |
| 効率性 | ROA(EBITDA) | 12%以上 |
| 安定性 | 自己資本比率 | 40%台への回復を目指す |
| 株主還元 | 配当性向 | 30%以上 |
| 空港評価 | SKYTRAX評価順位 | World's Best Airports TOP3 |
当連結会計年度における各指標の進捗状況は次のとおりです。
[連結当期純利益][コスト削減策]
当連結会計年度の連結当期純利益は 291億3千9百万円となりました。
コロナ禍での学びを活かしたオペレーションの見直し、ロボット等の技術活用、省エネのための設備更新などのコスト削減を実行するとともに、計画策定時の想定を上回る物価高騰に対応すべくサービス価格等の改定を実施し、目標を上回る利益成長を達成しました。
[ROA(EBITDA)]
当連結会計年度のROA(EBITDA)は15.5%となりました。
[自己資本比率]
当連結会計年度末時点の自己資本比率は42.7%となりました。
[配当性向]
当連結会計年度の配当性向は30.4%となっております。コロナ禍から業績回復し黒字転換した2023年度以降は、いずれも配当性向30%を上回っております。
[SKYTRAX評価順位]
本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2026”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。
当連結会計年度においては、コロナ禍において回収できなかった設備投資や物価高騰を適切に転嫁した価格改定効果等により、営業利益と経常利益は3期連続で過去最高益を更新し、前年度に中期経営計画目標を1年前倒しで達成した連結当期純利益を、さらに上積みすることができました。
2026-2030年度の中期経営計画においては、最終年度にあたる2030年度の業績目標を設定するとともに、すべてのステークホルダーへの貢献を可視化すべく、ガイドラインを拡充いたしました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。
旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。
また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は968億3千7百万円、借入金等を含む有利子負債残高は1,954億4千9百万円となりました。
④重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤今後の見通し
当社グループは2026年度を初年度とする中期経営計画を策定し、2030年度までの5年間を企業変革の推進期間と位置付け、キャッシュ・フロー創出力の強化と、ステークホルダーとの共創による需要の創造に取り組んでまいります。
次期においては、中国の渡航自粛や中東情勢の悪化に伴う燃料価格の高騰等により、航空需要が低迷するリスクがあります。一方で、足元の羽田空港の旅客数は、国内線・国際線ともに堅調に推移しており、現段階においては、引き続き緩やかに増加すると見込んでおります。
施設管理運営業では、本年7月頃に第1ターミナル北側サテライト施設の完成を予定しております。施設の供用開始に伴い減価償却費等が増加するほか、インフレによる運営経費の上昇に対応するため、国内線旅客取扱施設利用料の改定を申請するとともに、引き続きオフィス賃料等の適正価格への見直しを行います。物品販売業では、羽田国際線旅客数の増加や為替の円安基調は免税店売上に追い風となりますが、市中免税事業の見直しや一部店舗の改装に伴う一時休業による売上の減少を見込んでおります。飲食業では、原材料価格の高騰を適切な価格転嫁とコスト削減施策により吸収し、売上・利益率の向上を目指します。
以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は2,967億円(当期比 2.4%増)、営業利益は 456億円(当期比 1.2%増)、経常利益 458億円(当期比 4.8%増)、一部の子会社において繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上が減少し、税負担が増加することから、親会社株主に帰属する当期純利益 242億円(当期比 17.0%減)を予想しております。
| 2025年度 (実績)※ | 2026年度 (予想) | 増減率 (%) | |
| 羽田国内線 | 6,709万人 | 6,716万人 | 0.1 |
| 羽田国際線 | 2,457万人 | 2,493万人 | 1.5 |
| 羽田空港全体 | 9,166万人 | 9,210万人 | 0.5 |
| 営業収益 | 2,898億円 | 2,967億円 | 2.4 |
| 営業利益 | 450億円 | 456億円 | 1.2 |
| 経常利益 | 437億円 | 458億円 | 4.8 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 291億円 | 242億円 | △ 17.0 |
※2025年度旅客数は東京航空局発表の速報値より当社集計