有価証券報告書-第81期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)業績等の概要
①経営成績等の業績の概要
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復していますが、米国の通商政策等による不透明感がみられます。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっています。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。
航空業界では、訪日外国人旅客数は過去最高となり、日本人のアウトバウンドや国内線旅客数においても着実な回復が続きました。羽田空港の旅客数は年度を通して堅調に推移し、国内線は前年を上回り、コロナ影響前の2019年(暦年)対比で9割超の水準となりました。国際線は過去最高だった前年を約2割上回りました。
このような中、当社グループは、長期ビジョン“To Be a World Best Airport”の実現に向けて、中期経営計画の各施策を着実に遂行しています。
施設面では、安心・快適で先進的な空港づくりに取り組み、空調機器や照明設備の省エネ対応や、施設・搬送設備の耐震化、防犯設備の更新などを進めました。本年3月には第2ターミナル北側サテライトと本館を接続し、サテライトと本館間のバス移動の必要がなくなったことに加え、ターミナル拡張に伴う移動を支援するサービスとして複数人乗り自動走行モビリティ「iino」を日本で初めて本格導入しました。国内線固定搭乗橋を3か所(5スポット)新設したことにより、ターミナル南側の一部のスポットで行っていた国内線と国際線を時間帯で切り替えるスイング運用を終了し、国際線専用での運用としました。その他、安全対策やCO2削減等の環境対策を含めた施設整備、旅客利便性向上への取組みに係る運用経費等が増加していることから、本年4月に国内線旅客取扱施設利用料を改定しました。さらに、将来へ向けた投資計画として、第1ターミナル北側サテライト建設工事などを着実に推進しています。
営業面では、国内線では商業区画の再編整備を進め、第1ターミナル地下1階フードコートのリモデルに着手したほか、2階の「特選和菓子館」を改装し、“洗練”と“上質”をテーマにした新店舗「HANEDA STAR & LUXE」を2月にオープンしました。また、人気キャラクターとタイアップした催事や全国各地の自治体と連携したイベントを積極的に展開しました。国際線では旺盛なインバウンド需要を取り込むべく、総合免税店のレジ待ち時間短縮を目的としたレジ増設やレイアウト変更を実施するとともに、ブティック店舗の改装・リニューアルを順次行っています。加えて、各店舗の営業時間拡大を進めるとともに、旅客属性(中国人 富裕層等)に見合った商品を豊富に取り揃え潤沢に在庫を確保し、新規ブランドの導入や催事展開を積極的に実施するなど、売上向上に努めました。
なお、羽田空港隣接の「HANEDA INNOVATION CITY」に開設した研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」は開業1年を迎えました。前述の「iino」など、羽田空港のさまざまな課題解決に向けた研究開発や実証実験を行っています。
経営基盤の面では、人財が最重要資本と認識し、引き続き、労働生産性向上と待遇改善に取り組み、専門性向上に向けた各種研修プログラムの強化や、インナーブランディング活動“プラスワンプロモーション”等を通じて、「自ら考え挑戦する人財」の活躍、多様な人財が互いを高め合う企業風土の構築を目指しています。DX戦略では、デジタルの力で事業変革を進める「攻めのDX」と、既存業務を効率化する「守りのDX」の2つの視点からDXを推進し、データドリブン経営や業務効率化など、デジタル技術を活用した変革と進化を追求しています。財務戦略では、今後の環境に配慮した設備投資に向けて、グリーンボンドにより120億円の資金調達を実施し、調達の安定性向上、手段の多様化に努めております。
サステナビリティ関連では、放射冷却素材「Radi-Cool」の販売を拡大し、空港だけでなく、鉄道や飲食店舗等、全国各地のさまざまな業界へ展開しています。また、第2ターミナルサテライト接続施設に建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール®」を採用したほか、空港車両のEV(電気自動車)化を推進するべく、EVと充電設備を一体で提供するサービスを羽田空港にて開始するなど、人にも環境にもやさしい空港の実現に向けた取り組みを推進しています。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、営業収益は2,699億2千3百万円(前期比 24.1%増)となりました。売上増加やターミナル運用の拡大に伴い、営業費用は増加しましたが、国際線売店売上の増加等が牽引し、営業利益は 385億5千7百万円(前期比 30.6%増)、経常利益は 357億2千3百万円(前期比 31.2%増)となり、一部の子会社で繰延税金資産を積み増したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は 274億7千万円(前期比 42.7%増)となりました。
(単位:百万円)
羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、世界最高水準である「5スターエアポート」を11年連続で獲得しました。また、2025年国際空港評価において、空港の清潔さなどを評価する部門(10年連続)、国内線空港総合評価部門(13年連続)、PRM対応部門(7年連続)で世界第1位の評価をいただき、アジア空港の総合評価「Best Airports in Asia」部門で第2位、空港の総合評価「World's Best Airports」部門で世界第3位を受賞しました。
(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略で、高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)
今後とも引き続き、当社グループは、社会インフラである旅客ターミナルにおける絶対安全の確立に努めるとともに、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
家賃収入については、事務室賃料や店舗の歩合賃料が増加し、前期を上回りました。
施設利用料収入については、主に国際線旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前期を上回りました。
その他の収入については、主に国際線において、直営外貨両替所やラウンジ、広告料等の収入が増加し、前期を大きく上回りました。
費用面では、旅客数の増加や物価上昇に伴う業務委託費等のターミナル維持管理コストや、賃借料(国有財産使用料)等が増加しましたが、収益の増加やその他のコスト抑制に努めたことにより、前期から増益となりました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 1,089億3千7百万円(前期比 14.8%増)となり、営業利益は 194億9千5百万円(前期比 9.0%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
国内線売店売上については、国内線旅客数の増加及び催事展開・MD変更等の施策効果により購買単価が上昇し、前期を上回りました。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加や、上期における免税売店での購買率・単価の上昇、銀座市中免税店の売上向上により、前期を大きく上回りました。
その他の売上については、訪日外客数の増加に伴い、他空港への卸売上が増加したこと等により、前期を大きく上回りました。
費用面では、売上増に伴い、商品売上原価や業務委託費、他空港店舗の支払家賃等が増加しましたが、売上の増加により営業利益は前期を大きく上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,493億7千7百万円(前期比 32.5%増)となり、営業利益は 293億8千7百万円(前期比 39.4%増)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
飲食店舗売上については、旅客数の増加のほか、前年に休業や時短営業をしていた店舗の営業を正常化したこと等により、前期を上回りました。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の増加により、前期を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 176億8千万円(前期比 14.9%増)となり、人件費の増加や食材価格高騰の影響を受けながらも、営業利益は 5億7千9百万円(前期比 790%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 104億8千3百万円増加し、858億7千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 60億5千1百万円増加(前年比 12.7%増)し、538億1千3百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 301億4千2百万円支出が減少(前年比 70.1%減)し、128億4千3百万円の支出となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 108億7千9百万円支出が増加(前年比 55.4%増)し、305億2千9百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出、配当金の支払いによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 101億7千7百万円増加し、1,309億3千3百万円となりました。
これは主に、営業収益の増加に伴い売掛金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ6億4千5百万円減少し、3,390億2千1百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 95億3千1百万円増加し、4,699億5千5百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 227億7千8百万円減少し、2,716億8百万円となりました。
これは主に、固定資産の取得に伴う未払金の増加があるものの、約定返済及び期限前弁済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 323億1千万円増加し、1,983億4千7百万円となりました。
これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、39.9%(前連結会計年度末は 36.5%)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「(1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。
当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
当連結会計年度における各指標の進捗状況は次の通りです。
[連結当期純利益][コスト削減策]
当連結会計年度の連結当期純利益は 274億7千万円となりました。
コロナ禍での学びを活かした運用の見直しやポスト削減の継続、ロボット等の技術活用、省エネに向けた設備更新などのコスト削減施策は順調に進捗しております。
[ROA(EBITDA)]
当連結会計年度のROA(EBITDA)は14.3%となっております。
[自己資本比率]
当連結会計年度末時点の自己資本比率は39.9%となっております。
[配当性向]
当連結会計年度の配当性向は30.5%となっております。
[SKYTRAX評価順位]
本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2025”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。
当連結会計年度においては、主に国際線旅客数の増加が業績をけん引し、特に上期の国際線売店売上が大幅に増加しました。ターミナル運用の拡大などで費用は増加しましたが、営業利益と経常利益は、2期連続で過去最高益を更新し、連結当期純利益は、中期経営計画の目標数値を1年前倒しで達成することができました。2025年度は、物価上昇が継続し費用の増加が見込まれ、さらなるコスト削減は難しい状況ですが、より筋肉質な運営体制を実現すべく、コスト削減施策の確実な遂行と適正な価格転嫁を実施し、連結当期純利益をはじめとする各指標の目標達成を目指します。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。
旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。
また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は858億7千8百万円、借入金等を含む有利子負債残高は2,057億3千2百万円となりました。
④重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、棚卸資産評価損については滞留品に対して評価損率を乗じて計算して計上し、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤今後の見通し
次期においては、羽田空港の旅客数は、国内線・国際線ともに着実に増加する見通しです。国際線は当期までに順調に復便・新規就航が進み、次期においては発着枠の上限に近づく中で、既就航便の運行数増加や、中国とのビザ緩和措置等の効果が見込まれます。
このような中、当社グループは中期経営計画の最終年度を迎え、コロナ禍から取り組んできた施策の成果を実現し、さらなる収益・利益の拡大を目指してまいります。
当期においては、コロナ禍で抑制してきた人件費や修繕費のほか、国際線国有財産使用料における歩合賃料の発生などにより、費用は前期から大きく増加しました。次期においては費用の増加幅は縮小するものの、物価上昇に加え、ターミナルの拡張に伴う費用増が予想され、引き続き、増収施策により費用増を吸収するとともに、生産性向上に努めます。
セグメント別には、旅客数の増加に伴いすべてのセグメントで増収増益を予想しております。
施設管理運営業では、家賃収入の増加や国内線施設利用料の改定等による増収と、第2ターミナル北側サテライト―本館接続施設の供用に伴い減価償却費や維持管理費等の費用増を見込んでいます。物品販売業では、上期に免税店購買単価の反動減が予想される一方で、購買率の上昇や他空港への卸売上等の増加を見込んでいます。飲食業は、一部店舗のテナント化により飲食店舗売上が減少しますが、機内食売上の増加やコスト低減等により、売上利益ともに当期を上回る予想です。
以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は3,000億円(当期比 11.1%増)、営業利益は 405億円(当期比 5.0%増)、経常利益 385億円(当期比 7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益 245億円(当期比 10.8%減)を予想しております。
※2024年度旅客数は東京航空局発表の速報値より当社集計
①経営成績等の業績の概要
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復していますが、米国の通商政策等による不透明感がみられます。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっています。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。
航空業界では、訪日外国人旅客数は過去最高となり、日本人のアウトバウンドや国内線旅客数においても着実な回復が続きました。羽田空港の旅客数は年度を通して堅調に推移し、国内線は前年を上回り、コロナ影響前の2019年(暦年)対比で9割超の水準となりました。国際線は過去最高だった前年を約2割上回りました。
このような中、当社グループは、長期ビジョン“To Be a World Best Airport”の実現に向けて、中期経営計画の各施策を着実に遂行しています。
施設面では、安心・快適で先進的な空港づくりに取り組み、空調機器や照明設備の省エネ対応や、施設・搬送設備の耐震化、防犯設備の更新などを進めました。本年3月には第2ターミナル北側サテライトと本館を接続し、サテライトと本館間のバス移動の必要がなくなったことに加え、ターミナル拡張に伴う移動を支援するサービスとして複数人乗り自動走行モビリティ「iino」を日本で初めて本格導入しました。国内線固定搭乗橋を3か所(5スポット)新設したことにより、ターミナル南側の一部のスポットで行っていた国内線と国際線を時間帯で切り替えるスイング運用を終了し、国際線専用での運用としました。その他、安全対策やCO2削減等の環境対策を含めた施設整備、旅客利便性向上への取組みに係る運用経費等が増加していることから、本年4月に国内線旅客取扱施設利用料を改定しました。さらに、将来へ向けた投資計画として、第1ターミナル北側サテライト建設工事などを着実に推進しています。
営業面では、国内線では商業区画の再編整備を進め、第1ターミナル地下1階フードコートのリモデルに着手したほか、2階の「特選和菓子館」を改装し、“洗練”と“上質”をテーマにした新店舗「HANEDA STAR & LUXE」を2月にオープンしました。また、人気キャラクターとタイアップした催事や全国各地の自治体と連携したイベントを積極的に展開しました。国際線では旺盛なインバウンド需要を取り込むべく、総合免税店のレジ待ち時間短縮を目的としたレジ増設やレイアウト変更を実施するとともに、ブティック店舗の改装・リニューアルを順次行っています。加えて、各店舗の営業時間拡大を進めるとともに、旅客属性(中国人 富裕層等)に見合った商品を豊富に取り揃え潤沢に在庫を確保し、新規ブランドの導入や催事展開を積極的に実施するなど、売上向上に努めました。
なお、羽田空港隣接の「HANEDA INNOVATION CITY」に開設した研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」は開業1年を迎えました。前述の「iino」など、羽田空港のさまざまな課題解決に向けた研究開発や実証実験を行っています。
経営基盤の面では、人財が最重要資本と認識し、引き続き、労働生産性向上と待遇改善に取り組み、専門性向上に向けた各種研修プログラムの強化や、インナーブランディング活動“プラスワンプロモーション”等を通じて、「自ら考え挑戦する人財」の活躍、多様な人財が互いを高め合う企業風土の構築を目指しています。DX戦略では、デジタルの力で事業変革を進める「攻めのDX」と、既存業務を効率化する「守りのDX」の2つの視点からDXを推進し、データドリブン経営や業務効率化など、デジタル技術を活用した変革と進化を追求しています。財務戦略では、今後の環境に配慮した設備投資に向けて、グリーンボンドにより120億円の資金調達を実施し、調達の安定性向上、手段の多様化に努めております。
サステナビリティ関連では、放射冷却素材「Radi-Cool」の販売を拡大し、空港だけでなく、鉄道や飲食店舗等、全国各地のさまざまな業界へ展開しています。また、第2ターミナルサテライト接続施設に建材一体型太陽光発電ガラス「サンジュール®」を採用したほか、空港車両のEV(電気自動車)化を推進するべく、EVと充電設備を一体で提供するサービスを羽田空港にて開始するなど、人にも環境にもやさしい空港の実現に向けた取り組みを推進しています。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、営業収益は2,699億2千3百万円(前期比 24.1%増)となりました。売上増加やターミナル運用の拡大に伴い、営業費用は増加しましたが、国際線売店売上の増加等が牽引し、営業利益は 385億5千7百万円(前期比 30.6%増)、経常利益は 357億2千3百万円(前期比 31.2%増)となり、一部の子会社で繰延税金資産を積み増したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は 274億7千万円(前期比 42.7%増)となりました。
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年比増減率(%) | |
| 営 業 収 益 | 217,578 | 269,923 | 24.1 | |
| 施設管理運営業 | 91,736 | 105,540 | 15.0 | |
| 物品販売業 | 111,175 | 147,666 | 32.8 | |
| 飲食業 | 14,667 | 16,716 | 14.0 | |
| 営 業 利 益 | 29,527 | 38,557 | 30.6 | |
| 経 常 損 益 | 27,225 | 35,723 | 31.2 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 19,225 | 27,470 | 42.7 | |
羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社の“World Airport Star Rating”において、世界最高水準である「5スターエアポート」を11年連続で獲得しました。また、2025年国際空港評価において、空港の清潔さなどを評価する部門(10年連続)、国内線空港総合評価部門(13年連続)、PRM対応部門(7年連続)で世界第1位の評価をいただき、アジア空港の総合評価「Best Airports in Asia」部門で第2位、空港の総合評価「World's Best Airports」部門で世界第3位を受賞しました。
(※ PRMは、Persons with Reduced Mobilityの略で、高齢者、障がいのある方や怪我をされた方の意味。)
今後とも引き続き、当社グループは、社会インフラである旅客ターミナルにおける絶対安全の確立に努めるとともに、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 91,736 | 105,540 | 15.0 | |
| 家賃収入 | 20,020 | 20,693 | 3.4 | |
| 施設利用料収入 | 52,436 | 60,258 | 14.9 | |
| その他の収入 | 19,279 | 24,587 | 27.5 | |
| セグメント間の内部売上高 | 3,126 | 3,397 | 8.7 | |
| 売上高 合計 | 94,862 | 108,937 | 14.8 | |
| セグメント利益 | 17,880 | 19,495 | 9.0 | |
家賃収入については、事務室賃料や店舗の歩合賃料が増加し、前期を上回りました。
施設利用料収入については、主に国際線旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前期を上回りました。
その他の収入については、主に国際線において、直営外貨両替所やラウンジ、広告料等の収入が増加し、前期を大きく上回りました。
費用面では、旅客数の増加や物価上昇に伴う業務委託費等のターミナル維持管理コストや、賃借料(国有財産使用料)等が増加しましたが、収益の増加やその他のコスト抑制に努めたことにより、前期から増益となりました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 1,089億3千7百万円(前期比 14.8%増)となり、営業利益は 194億9千5百万円(前期比 9.0%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 111,175 | 147,666 | 32.8 | |
| 国内線売店売上 | 13,097 | 14,445 | 10.3 | |
| 国際線売店売上 | 70,039 | 95,282 | 36.0 | |
| その他の売上 | 28,037 | 37,938 | 35.3 | |
| セグメント間の内部売上高 | 1,561 | 1,711 | 9.6 | |
| 売上高 合計 | 112,736 | 149,377 | 32.5 | |
| セグメント利益 | 21,084 | 29,387 | 39.4 | |
国内線売店売上については、国内線旅客数の増加及び催事展開・MD変更等の施策効果により購買単価が上昇し、前期を上回りました。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加や、上期における免税売店での購買率・単価の上昇、銀座市中免税店の売上向上により、前期を大きく上回りました。
その他の売上については、訪日外客数の増加に伴い、他空港への卸売上が増加したこと等により、前期を大きく上回りました。
費用面では、売上増に伴い、商品売上原価や業務委託費、他空港店舗の支払家賃等が増加しましたが、売上の増加により営業利益は前期を大きく上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,493億7千7百万円(前期比 32.5%増)となり、営業利益は 293億8千7百万円(前期比 39.4%増)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年比 増減率 (%) | |
| 外部顧客への売上高 | 14,667 | 16,716 | 14.0 | |
| 飲食店舗売上 | 7,206 | 8,515 | 18.2 | |
| 機内食売上 | 6,179 | 6,899 | 11.7 | |
| その他の売上 | 1,281 | 1,302 | 1.6 | |
| セグメント間の内部売上高 | 722 | 963 | 33.4 | |
| 売上高 合計 | 15,389 | 17,680 | 14.9 | |
| セグメント利益 | 65 | 579 | 790.0 | |
飲食店舗売上については、旅客数の増加のほか、前年に休業や時短営業をしていた店舗の営業を正常化したこと等により、前期を上回りました。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の増加により、前期を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 176億8千万円(前期比 14.9%増)となり、人件費の増加や食材価格高騰の影響を受けながらも、営業利益は 5億7千9百万円(前期比 790%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 104億8千3百万円増加し、858億7千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 60億5千1百万円増加(前年比 12.7%増)し、538億1千3百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 301億4千2百万円支出が減少(前年比 70.1%減)し、128億4千3百万円の支出となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 108億7千9百万円支出が増加(前年比 55.4%増)し、305億2千9百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出、配当金の支払いによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 施設管理運営業(百万円) | 91,736 | 105,540 | 15.0 | |
| 家賃収入(百万円) | 20,020 | 20,693 | 3.4 | |
| 施設利用料収入(百万円) | 52,436 | 60,258 | 14.9 | |
| その他の収入(百万円) | 19,279 | 24,587 | 27.5 | |
| 物品販売業(百万円) | 111,175 | 147,666 | 32.8 | |
| 国内線売店売上(百万円) | 13,097 | 14,445 | 10.3 | |
| 国際線売店売上(百万円) | 70,039 | 95,282 | 36.0 | |
| その他の売上(百万円) | 28,037 | 37,938 | 35.3 | |
| 飲食業(百万円) | 14,667 | 16,716 | 14.0 | |
| 飲食店舗売上(百万円) | 7,206 | 8,515 | 18.2 | |
| 機内食売上(百万円) | 6,179 | 6,899 | 11.7 | |
| その他の売上(百万円) | 1,281 | 1,302 | 1.6 | |
| 合計(百万円) | 217,578 | 269,923 | 24.1 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
| 区 分 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |||
| 比率(%) | 比率(%) | ||||
| 所有総面積 (㎡) | 970,497 | 1,010,556 | |||
| 貸付可能面積(㎡) | 332,792 | 100.0 | 334,673 | 100.0 | |
| 貸付面積 (㎡) | 324,519 | 97.5 | 328,148 | 98.1 | |
| 航空会社 (㎡) | 158,359 | 47.6 | 159,546 | 47.7 | |
| 一般テナント (㎡) | 62,281 | 18.7 | 63,446 | 19.0 | |
| 当社グループ使用(㎡) | 103,877 | 31.2 | 105,155 | 31.4 | |
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 101億7千7百万円増加し、1,309億3千3百万円となりました。
これは主に、営業収益の増加に伴い売掛金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ6億4千5百万円減少し、3,390億2千1百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 95億3千1百万円増加し、4,699億5千5百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 227億7千8百万円減少し、2,716億8百万円となりました。
これは主に、固定資産の取得に伴う未払金の増加があるものの、約定返済及び期限前弁済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 323億1千万円増加し、1,983億4千7百万円となりました。
これは主に、利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、39.9%(前連結会計年度末は 36.5%)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「(1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。
当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。
| 分類 | 指標 | 2025年度目標値 |
| 収益性(総合) | 連結当期純利益 | 200億円以上 |
| 収益性 | コスト削減策 | 25億円 (前中計の営業利益目標250億円の10%相当) |
| 効率性 | ROA(EBITDA) | 12%以上 |
| 安定性 | 自己資本比率 | 40%台への回復を目指す |
| 株主還元 | 配当性向 | 30%以上 |
| 空港評価 | SKYTRAX評価順位 | World's Best Airports TOP3 |
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
当連結会計年度における各指標の進捗状況は次の通りです。
[連結当期純利益][コスト削減策]
当連結会計年度の連結当期純利益は 274億7千万円となりました。
コロナ禍での学びを活かした運用の見直しやポスト削減の継続、ロボット等の技術活用、省エネに向けた設備更新などのコスト削減施策は順調に進捗しております。
[ROA(EBITDA)]
当連結会計年度のROA(EBITDA)は14.3%となっております。
[自己資本比率]
当連結会計年度末時点の自己資本比率は39.9%となっております。
[配当性向]
当連結会計年度の配当性向は30.5%となっております。
[SKYTRAX評価順位]
本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2025”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。
当連結会計年度においては、主に国際線旅客数の増加が業績をけん引し、特に上期の国際線売店売上が大幅に増加しました。ターミナル運用の拡大などで費用は増加しましたが、営業利益と経常利益は、2期連続で過去最高益を更新し、連結当期純利益は、中期経営計画の目標数値を1年前倒しで達成することができました。2025年度は、物価上昇が継続し費用の増加が見込まれ、さらなるコスト削減は難しい状況ですが、より筋肉質な運営体制を実現すべく、コスト削減施策の確実な遂行と適正な価格転嫁を実施し、連結当期純利益をはじめとする各指標の目標達成を目指します。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。
旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。
また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は858億7千8百万円、借入金等を含む有利子負債残高は2,057億3千2百万円となりました。
④重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、棚卸資産評価損については滞留品に対して評価損率を乗じて計算して計上し、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤今後の見通し
次期においては、羽田空港の旅客数は、国内線・国際線ともに着実に増加する見通しです。国際線は当期までに順調に復便・新規就航が進み、次期においては発着枠の上限に近づく中で、既就航便の運行数増加や、中国とのビザ緩和措置等の効果が見込まれます。
このような中、当社グループは中期経営計画の最終年度を迎え、コロナ禍から取り組んできた施策の成果を実現し、さらなる収益・利益の拡大を目指してまいります。
当期においては、コロナ禍で抑制してきた人件費や修繕費のほか、国際線国有財産使用料における歩合賃料の発生などにより、費用は前期から大きく増加しました。次期においては費用の増加幅は縮小するものの、物価上昇に加え、ターミナルの拡張に伴う費用増が予想され、引き続き、増収施策により費用増を吸収するとともに、生産性向上に努めます。
セグメント別には、旅客数の増加に伴いすべてのセグメントで増収増益を予想しております。
施設管理運営業では、家賃収入の増加や国内線施設利用料の改定等による増収と、第2ターミナル北側サテライト―本館接続施設の供用に伴い減価償却費や維持管理費等の費用増を見込んでいます。物品販売業では、上期に免税店購買単価の反動減が予想される一方で、購買率の上昇や他空港への卸売上等の増加を見込んでいます。飲食業は、一部店舗のテナント化により飲食店舗売上が減少しますが、機内食売上の増加やコスト低減等により、売上利益ともに当期を上回る予想です。
以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は3,000億円(当期比 11.1%増)、営業利益は 405億円(当期比 5.0%増)、経常利益 385億円(当期比 7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益 245億円(当期比 10.8%減)を予想しております。
| 2024年度 (実績)※ | 2025年度 (予想) | 増減率 (%) | |
| 羽田国内線 | 6,417万人 | 6,704万人 | 4.5 |
| 羽田国際線 | 2,292万人 | 2,365万人 | 3.2 |
| 羽田空港全体 | 8,709万人 | 9,069万人 | 4.1 |
| 営業収益 | 2,699億円 | 3,000億円 | 11.1 |
| 営業利益 | 385億円 | 405億円 | 5.0 |
| 経常利益 | 357億円 | 385億円 | 7.8 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 274億円 | 245億円 | △ 10.8 |
※2024年度旅客数は東京航空局発表の速報値より当社集計