四半期報告書-第78期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっております。先行きについては、感染対策を徹底し、ワクチン接種を促進する中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
このような経済情勢のもと、航空業界においては、国内線では新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、7月に東京都に4回目の緊急事態宣言が発出されるなど、デルタ株の感染拡大、宣言期間の延長もあり、需要回復が遅れております。国際線では世界的な感染拡大による需要の低迷が続いております。こうした中、羽田空港国内線の旅客数も、前年同期を上回り着実に回復に向かってはいるものの、2019年同期比では約70%の減少となっております。羽田空港国際線の旅客数も、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手団や大会関係者の受け入れなどもあり前年同期を上回っているものの、2019年同期比では95%以上の減少と低水準で推移しております。また、当社グループが事業を営む成田空港等の国際線拠点空港でも同様の状況にあり、各空港で国際線旅客数の大幅な減少が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(定期航空協会及び全国空港ビル事業者協会共同作成)に基づき、ターミナル各所で感染防止対策を実施することにより空港利用者の安全・安心の確保に努めてまいりました。他にも、第1、第2ターミナルにおける株式会社木下グループのPCR検査センター開設、国や東京都による検査キット配布やモニタリング検査への協力、第3ターミナルでの入国前PCR検査スペースの提供や、東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニックでの海外渡航者向けPCR検査の実施など、羽田空港におけるPCR検査体制の拡充に向けた取り組みを進めております。さらに、当社グループ従業員や協力会社およびテナントを含む空港従業員に対するワクチンの職域接種を行い、海外在留邦人向けのワクチン接種会場も提供しております。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会期間中には、関係者用の専用動線を確保して円滑な入出国を実現するなど徹底した水際対策に努めました。これらの取り組みにより、英国のSKYTRAX社が実施する新型コロナウイルス感染症対策に関する監査“COVID-19 Airport Safety Rating”において、羽田空港は日本国内の空港では初めて世界最高水準である「5スター」を獲得しております。
営業面においては、旅客が段階的に回復する中、東京2020オフィシャルショップ等の開設、軽飲食スペースを併設した北海道公式アンテナショップ「北海道どさんこプラザ羽田空港店」の開業などにより需要の取り込みを図っております。また、当社グループが培ってきた保税管理手法の経験を応用し、10月に国内初となる保税蔵置場を活用したアートオークションを羽田空港第1ターミナルで開催いたしました。EC事業では、直営サイトでご好評を得ております機内食セットの新メニュー等の商品を拡充したほか、新たにLINEミニアプリ版のサイト「HANEDA Shopping」を開設しました。さらに、第2ターミナル国際線施設を映画やドラマなどの撮影場所として提供するほか、放射冷却素材「ラディクール」や多言語翻訳マスク「C-FACE」などの販売代理店事業を強化するなど収益の多元化に取り組んでおります。
施設面においては、羽田空港国内線では、自動運転技術搭載のパーソナルモビリティ「WHILL」による運行サービスを出発ゲート全域に展開し、国際線では、7月から顔認証技術を活用した「Face Express」の本格運用を開始したほか、従来の5倍の規模のビジネスジェット専用施設を供用開始しております。これらの取り組みにより、利便性の向上に加えて非対面・非接触化による感染防止策を強化し、アフターコロナを見据えた羽田空港全体のスマートエアポート化を推進しております。
また、当社が参画するモンゴル国の新ウランバートル国際空港も7月に運営を開始しました。日本・モンゴルの二国間による連携の新たな象徴である新空港の運営を通じて、モンゴルの経済・社会の持続的な発展に貢献してまいります。
なお、羽田空港旅客ターミナルは、SKYTRAX社による国際空港評価“Global Airport Rating”において、6年連続で世界最高水準である「5スターエアポート」を受賞しておりますが、国際空港評価の顧客調査において、本年8月にアジア空港の総合評価である「Best Airports in Asia」部門で日本の空港で初めて第1位、空港の総合評価である「World's Best Airports」で3年連続して世界第2位を獲得しました。さらに、部門賞である「World's Cleanest Airports」(6年連続)と、「World's Best Domestic Airports」(9年連続)、「World's Best PRM / Accessible Facilities」(3年連続)で世界第1位となりました。今後とも、羽田空港をご利用されるすべてのお客さまにご満足いただけるように全スタッフが一丸となってサービス向上に取り組んでまいります。
また環境問題への取り組みとして、当社は、東京都が大規模事業所に対して課している「温室効果ガス排出総量削減義務」における排出削減義務量について、第一計画期間(2010~2014年度)及び第二計画期間(2015~2019年度)ともに達成いたしました。さらに当社は、羽田空港に従事する各事業者が構成員となり東京国際空港長を会長とする「東京国際空港エコエアポート協議会」に参加しており、羽田空港全体の環境負荷削減に向けて同協議会において策定された具体的な実施計画や目標数値の達成を目指しております。それに加えて、本年7月に国土交通省による空港の脱炭素化に向けた具体的な検討を進めるための重点調査空港の一つに羽田空港が選定され、今後、同協議会にて取りまとめを行うことになっておりますので、その一員として、脱炭素社会「2050年カーボンニュートラル」の実現に邁進してまいります。
足元においては、依然、感染動向による影響に注視が必要な状況ですが、国内のワクチン接種が進展し、10月から緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が全面解除されたこと等により国内線を中心に需要回復が期待されます。また、国際線は厳しい状況が続いておりますが、新型コロナワクチン接種証明書の導入やワクチン接種者の日本入国時の待機期間短縮など、国際的な人の往来の再開に向けた環境整備が進んでおります。当社グループとしては旅客需要を的確に捉えた施策を展開し、全てのお客様の安全で円滑な出入国や移動を実現することで、日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港の価値向上に取り組んでまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績につきましては、次のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 159億3千万円減少し、1,274億7千6百万円となりました。これは主に、長期借入金の約定返済などにより、現金及び預金が減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 114億3千2百万円減少し、3,643億5千2百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 273億6千3百万円減少し、4,918億2千9百万円となりました。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末に比べ 57億5千2百万円減少し、3,178億9千6百万円となりました。これは主に、国有財産使用料の計上に伴う未払費用の増加等があるものの、長期借入金が約定返済で減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べ 216億1千1百万円減少し、1,739億3千2百万円となりました。これは主に、その他の包括利益累計額が増加したものの、四半期純損失の計上により利益剰余金及び非支配株主持分が減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、33.5%(前連結会計年度末は 34.3%)となりました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間の業績については、国内線と国際線の旅客数の段階的な回復に伴い施設利用料収入や商品売上高などが前年同期より増加し、営業収益は 258億9千6百万円となりました。一方で、売上の回復と前期からのコスト削減の堅持はあるものの、営業損失は 218億2千5百万円、経常損失は 243億5百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は 144億7千8百万円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しているため、前年同期比(%)を記載せず説明しております。詳細については、「第4.経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)」をご参照ください。
(単位:百万円)
| 区 分 | 前第2四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比増減率(%) | |
| 営 業 収 益 | 22,293 | 25,896 | - | |
| 施設管理運営業 | 16,448 | 18,825 | - | |
| 物品販売業 | 4,607 | 5,546 | - | |
| 飲食業 | 1,237 | 1,523 | - | |
| 営 業 損 失 | △32,266 | △21,825 | - | |
| 経 常 損 失 | △30,506 | △24,305 | - | |
| 親会社株主に帰属する 四半期純損失 | △22,879 | △14,478 | - | |
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、営業損失はセグメント損失に該当します。
セグメント別の概況
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比 増減率 (%) | |
| 施設管理運営業 | 16,448 | 18,825 | - | |
| 家賃収入 | 7,974 | 9,099 | - | |
| 施設利用料収入 | 3,021 | 4,265 | - | |
| その他の収入 | 5,452 | 5,460 | - | |
| セグメント間の内部売上高 | 791 | 946 | - | |
| 売上高 合計 | 17,240 | 19,772 | - | |
| セグメント損失 | △ 20,486 | △13,367 | - | |
家賃収入については、第3ターミナルでのPCR検査スペース貸出に伴う増収等により、前年を上回っております。
施設利用料収入については、旅客数の回復に伴う旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前年を上回っております。
その他の収入については、国内線及び国際線の広告料収入が減少したものの、旅客数の回復に伴い駐車料収入やラウンジ収入等が増加したことにより前年を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 197億7千2百万円となり、営業損失は 133億6千7百万円となりました。
(物品販売業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比 増減率 (%) | |
| 物品販売業 | 4,607 | 5,546 | - | |
| 国内線売店売上 | 3,040 | 1,827 | - | |
| 国際線売店売上 | 723 | 2,145 | - | |
| その他の売上 | 843 | 1,573 | - | |
| セグメント間の内部売上高 | 370 | 372 | - | |
| 売上高 合計 | 4,977 | 5,918 | - | |
| セグメント損失 | △ 5,764 | △3,248 | - | |
国内線売店売上については、国内線旅客数の回復に伴い商品売上は前年を上回っておりますが、当期より「収益認識に関する会計基準」等を適用したことの影響により、収益計上額は前年を下回っております。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加により、前年を上回りました。
その他の売上については、地方空港への卸売売上が増加し、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 59億1千8百万円となり、営業損失は 32億4千8百万円となりました。
(飲食業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比 増減率 (%) | |
| 飲食業 | 1,237 | 1,523 | - | |
| 飲食店舗売上 | 938 | 1,003 | - | |
| 機内食売上 | 167 | 343 | - | |
| その他の売上 | 131 | 176 | - | |
| セグメント間の内部売上高 | 548 | 344 | - | |
| 売上高 合計 | 1,786 | 1,868 | - | |
| セグメント損失 | △ 2,393 | △1,735 | - | |
飲食店舗売上については、主に国内線旅客数の回復により、前年を上回りました。
機内食売上については、顧客である外国航空会社の旅客数の回復などにより、前年を上回っております。
その結果、飲食業の営業収益は 18億6千8百万円となり、営業損失は 17億3千5百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 100億9千万円減少し、1,102億6千4百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 23億3千5百万円増加(前第2四半期連結累計期間は 10億3千2百万円の支出)し、13億2百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純損失が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 213億1千3百万円支出が減少(前期比83.9%減)し、41億2百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出等の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べ 299億2千3百万円支出が増加(前第2四半期連結累計期間は 226億9百万円の収入)し、73億1千4百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入等の減少によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
なお、投資予定金額の既支払額、着手及び完了予定年月を変更しております。
①新設等
| 会社名 | 所在地 | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達方法 | 着手及び完了予定年月 | 完成後の増加能力 | ||
| 総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | ||||||
| 当社 | 東京都 大田区 | 施設管理 運営業 | 第1旅客ターミナル 北サテライト (新設工事) | 20,000 ※1 | 185 | 自己資金 及び借入金 | 2022年 以降予定 | 2024年 以降予定 | ※2 |
| 当社 | 東京都 大田区 | 施設管理 運営業 | 第2旅客ターミナル (増築工事) | 30,000 ※1 | 187 | 自己資金 及び借入金 | 2022年 以降予定 | 2024年 以降予定 | ※2 |
※1 工事契約に係る見積合せ実施前であるため変動する可能性があります。
※2 完成後の増加能力については変動する可能性があるため、記載を省略しております。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。