有価証券報告書-第152期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益が高水準で推移したものの、10月以降は消費税増税や自然災害の影響により消費者マインドは冷え込み、さらに年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大が世界各国で深刻さを増すなか、景気は急速に悪化いたしました。同感染症の拡大が収束に向かう見通しは立っておらず、実体経済への負の影響がどこまで及ぶか予断を許さない状況となっています。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、運輸業については新造車両の償却費負担や相鉄・JR直通線関連費用の発生、さらには同感染症の拡大に伴って、内外の移動制限や自粛要請等によって輸送人員の減少があり、また、ホテル業においては外国人宿泊客の減少や国内の外出自粛要請等の影響による客室稼働率の低下等によって減益傾向となりました。
結果といたしまして、当社グループでは鋭意業績の向上に努めました結果、当期の連結営業収益は2,651億円(前年同期比1.8%増)となり、連結営業利益は264億2千3百万円(前年同期比16.4%減)、連結経常利益は239億3百万円(前年同期比19.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億3千1百万円(前年同期比20.2%減)を計上するにいたりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(運輸業)
鉄道業におきましては、輸送面では、11月30日に相鉄・JR直通線が開業し、同日付でダイヤ改正を実施したほか、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映したJR直通線用新型車両12000系60両(うち10両は前期新造、当期取得)を新造いたしました。施設面では、西横浜駅のリニューアル工事が竣工したほか、多様化するライフスタイルに対応するため、オープン型宅配便ロッカーを12駅に設置し、サービスの向上と「人にやさしい」駅づくりに努めました。安全面では、ホームドアの全駅整備に向けたホーム補強工事並びに天王町駅及び星川駅の駅舎改良工事や周辺道路の整備工事を引き続き推進いたしました。また、東急線との相互直通運転計画につきましても鋭意推進しております。営業面では、相鉄・JR直通線と羽沢横浜国大駅の開業を記念して「羽沢横浜国大駅 開業記念 全駅入場券セット」を数量限定で発売したほか、記念イベントとして「ハザコクフェスタ」を開催いたしました。
バス業におきましては、環境に配慮したハイブリッドバス及び安全性に配慮しドライバー異常時対応システムを装備した車両を含む22両を導入したほか、衝突被害軽減ブレーキ等を装備し、より安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス4両を導入いたしました。また、相鉄線全駅の券売機で「ICトクトクていき」を発売するとともに、モバイルPASMOサービスの開始に伴い、スマートフォンで利用できる「ICトクトクていき」の販売を開始し、サービスの向上に努めました。そのほか、群馬大学と共同で、日本初となる大型バスを利用した営業運行での自動運転の実証実験を、よこはま動物園正門と里山ガーデン正面入口間で実施いたしました。
以上の結果、運輸業全体の営業収益は397億9千4百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は58億4千4百万円(前年同期比30.3%減)となりました。このうち、新型コロナウイルス感染症の拡大による2020年3月期の影響といたしましては、営業収益は約11億円の減、営業利益は約8億5千万円の減と分析しております。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(鉄道業)
(注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)
(バス業)
(注) 乗合業収入、貸切業収入は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(流通業)
スーパーマーケット業におきましては、神奈川県大和市に「そうてつローゼン大和駅前店」を開業したほか、横浜市泉区の「そうてつローゼン緑園都市店」をはじめ、18店舗において改装等、店舗の活性化を実施し、収益力の向上に努めました。また、セミセルフレジを全店舗に導入し、省力化を図ったほか、キャッシュレス化の推進として、54店舗でQRコード決済のPayPayを導入するとともに、消費税増税の反動による消費停滞に対応するため、曜日サービスポイント10倍セールを実施し、利便性及び集客力の向上に努めました。
その他流通業におきましても、競争が激化する厳しい事業環境のなか、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、流通業全体の営業収益は1,020億6千8百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は17億3千1百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(不動産業)
不動産分譲業におきましては、海老名市の「グレーシアタワーズ海老名」、三鷹市の「グレーシアタワー三鷹」及び横浜市旭区の「グレーシアみなまきみらい」等の集合住宅並びに横浜市保土ケ谷区の「グレーシアライフ横濱西谷」、横浜市泉区の「グレーシアライフ緑園五丁目」及び横浜市旭区の「グレーシアライフ中希望が丘」等の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅358戸を分譲いたしました。
不動産賃貸業におきましては、横浜市西区の「相鉄南幸第12ビル」を取得したほか、大和市に商業施設「相鉄大和南ビル」をオープンし、事業基盤の拡充に努めました。また、弥生台駅前の再開発において、「KNOCKS横浜弥生台」の1階商業区画をオープンし、これにより弥生台駅前街区リノベーション計画が竣工いたしました。さらに、「相鉄ジョイナス」をはじめとした商業施設において、魅力あるテナントを誘致する等、収益力の向上に努めたほか、利便性の向上を図るため、横浜駅中央自由通路と横浜駅西口地下街との接続工事を推進し、地下階での連絡通路の全面供用を開始いたしました。
そのほか、横浜駅西口及び相鉄線沿線の価値向上に寄与するため、地域の皆さまと連携した各種イベントの開催及び「みなまきラボ」等におけるエリアマネジメントへの取り組みを実施いたしました。
なお、引き続き横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業の事務局業務の受託並びに泉ゆめが丘地区における土地区画整理事業の業務の代行により、沿線の街づくりを推進いたしました。
以上の結果、不動産業全体の営業収益は717億9千7百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は161億6千3百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(ホテル業)
ホテル業におきましては、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」において、客室第4期及び第5期並びにメインロビー及びラウンジ「シーウインド」等の改装を実施し、より快適にお過ごしいただける環境を整えました。また、ラグビーワールドカップ2019出場チームを受け入れたほか、ディナーショーをはじめとしたさまざまなイベントを開催する等、ニーズを捉えた多様な商品やメニューの提供を行い、集客力及び収益力の向上に努めました。宿泊特化型ホテルにおいては、「相鉄フレッサイン 神戸三宮」をはじめ4店舗を開業したほか、「相鉄フレッサイン」ブランドとして海外初となる「相鉄フレッサイン ソウル明洞」を開業し、事業基盤を拡充いたしました。また、セルフチェックイン・チェックアウト端末等、ICT(情報通信技術)を活用した機器を導入し、利便性の向上を図ったほか、「ホテルサンルート」の直営店舗を順次「相鉄フレッサイン」にリブランドし、シナジー(相乗効果)創出やスケールメリットの発揮による運営効率化を推進いたしました。
以上の結果、ホテル業全体の営業収益は422億6千6百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は16億8千7百万円(前年同期比59.7%減)となりました。このうち、新型コロナウイルス感染症の拡大による2020年3月期の影響といたしましては、営業収益は約37億円の減、営業利益は約21億1千万円の減と分析しております。
(注) 営業収益は、内部取引高を消去した金額であります。
(その他)
ビルメンテナンス業におきましては、ICTを活用した自動清掃ロボットの導入等による業務の効率化を推進いたしました。また、ダイバーシティの観点から外国人技能実習生を採用する等、多様な人材を活用したほか、積極的な営業活動により東京都内及び神奈川県内において新規物件及び既存物件における周辺業務の受注拡大を図るとともに、良質かつ安定したサービスの提供に努めました。
その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、その他全体の営業収益は232億3千万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は9億6千8百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ37億8千6百万円減少し、241億4千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、343億2千2百万円の収入(前年同期比52.6%増)となり、仕入債務の減少額が小さかったこと等により、前年同期に比べ118億2千4百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、286億4千8百万円の支出(前年同期比2.6%減)となり、有形固定資産の取得による支出が増加したものの、工事負担金等受入による収入が増加したこと等により、前年同期に比べ7億7千9百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、94億4千万円の支出(前年同期は31億3千8百万円の収入)となりました。これは、社債の償還による支出があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
(ア)営業収益及び営業利益
当連結会計年度の営業収益は2,651億円で前年同期比1.8%(45億9千8百万円)の増加、営業利益は264億2千3百万円で前年同期比16.4%(51億9千8百万円)の減少となりました。
各セグメントの営業収益及び営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。
運輸業は、相鉄・JR直通線の開業等により1億8千9百万円の増収となりましたが、関連した費用の増加等により25億4千3百万円の減益となりました。
流通業は、新店が寄与し45億5千7百万円の増収となりましたが、人件費の増加等により3千6百万円の減益となりました。
不動産業は、分譲業において一戸当たりの販売価格が前年と比べて上昇したこと等により20億9千8百万円の増収となりましたが、粗利益率の低下や経費の増加により2億2千3百万円の減益となりました。
ホテル業は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により23億3千7百万円の減収、25億5百万円の減益となりました。
その他の事業は、ビルメンテナンス業において新規契約が増加したこと等により、2億7千7百万円の増収、5千8百万円の増益となりました。
(イ)営業外収益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は5億3千8百万円で、前年同期比10.5%(6千3百万円)の減少となりました。営業外費用は30億5千9百万円で、リース債務に係る支払利息が新たに計上されたことにより、前年同期比16.4%(4億3千万円)の増加となりました。
この結果、経常利益は239億3百万円で前年同期比19.2%(56億9千2百万円)の減少となりました。
(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、工事負担金等受入額99億円を主なものとして総額114億7千8百万円となり、特別損失は固定資産圧縮損108億6百万円を主なものとして総額123億2千7百万円となりました。
以上から税金等調整前当期純利益は230億5千4百万円で前年同期比19.1%(54億5千8百万円)の減少となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は146億3千1百万円で前年同期比20.2%(37億9百万円)の減少となりました。
(財政状態)
総資産は、使用権資産の計上等により、前連結会計年度末に比べて93億7千4百万円増加し、6,209億2千9百万円となりました。
負債は、リース債務の増加等により83億1千7百万円増加し、4,688億9千8百万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして3,260億1千4百万円となり、45億3千2百万円増加いたしました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により10億5千6百万円増加し、1,520億3千1百万円となりました。なお、自己資本比率は24.5%、1株当たり純資産は1,550円74銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア)資金調達
当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。
(イ)資金の流動性
当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。
(ウ)設備投資による資本の投下
各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、中期経営計画の基本方針として「選ばれる沿線の創造」「さらなる事業基盤の拡大」を掲げ、継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては、総額325億7千7百万円の設備投資を実施しました。
運輸業における東急線との相互直通運転計画の推進、流通業における店舗網拡大、不動産業における沿線再開発、ホテル業における海外展開など、さらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利息を支払っているすべての負債を対象としております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(エ)新型コロナウイルス感染症への対応策
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う鉄道収入、ホテル収入減少に対応し、当面の流動性資金を手当てするため、新規借入約300億円の実行、社債発行300億円(2020年5月発行)、当座貸越枠約400億円増額の他、役員報酬自主返上などの対応を行っており、安全投資や将来に向けた設備投資は予定通り進める方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、新型コロナウイルス感染症に関して前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(ア)固定資産の減損
固定資産の減損の兆候の有無の検討、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画などを考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する各事業の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※9 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(9億3千7百万円)を計上いたしました。
回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しており、正味売却価額の算定にあたっては、不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額もしくは固定資産税評価額等に合理的な調整を行って算定した金額を使用しております。また、使用価値の算定の用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。当該見積りには、売上高に影響する各事業の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益が高水準で推移したものの、10月以降は消費税増税や自然災害の影響により消費者マインドは冷え込み、さらに年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大が世界各国で深刻さを増すなか、景気は急速に悪化いたしました。同感染症の拡大が収束に向かう見通しは立っておらず、実体経済への負の影響がどこまで及ぶか予断を許さない状況となっています。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、運輸業については新造車両の償却費負担や相鉄・JR直通線関連費用の発生、さらには同感染症の拡大に伴って、内外の移動制限や自粛要請等によって輸送人員の減少があり、また、ホテル業においては外国人宿泊客の減少や国内の外出自粛要請等の影響による客室稼働率の低下等によって減益傾向となりました。
結果といたしまして、当社グループでは鋭意業績の向上に努めました結果、当期の連結営業収益は2,651億円(前年同期比1.8%増)となり、連結営業利益は264億2千3百万円(前年同期比16.4%減)、連結経常利益は239億3百万円(前年同期比19.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億3千1百万円(前年同期比20.2%減)を計上するにいたりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(運輸業)
鉄道業におきましては、輸送面では、11月30日に相鉄・JR直通線が開業し、同日付でダイヤ改正を実施したほか、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映したJR直通線用新型車両12000系60両(うち10両は前期新造、当期取得)を新造いたしました。施設面では、西横浜駅のリニューアル工事が竣工したほか、多様化するライフスタイルに対応するため、オープン型宅配便ロッカーを12駅に設置し、サービスの向上と「人にやさしい」駅づくりに努めました。安全面では、ホームドアの全駅整備に向けたホーム補強工事並びに天王町駅及び星川駅の駅舎改良工事や周辺道路の整備工事を引き続き推進いたしました。また、東急線との相互直通運転計画につきましても鋭意推進しております。営業面では、相鉄・JR直通線と羽沢横浜国大駅の開業を記念して「羽沢横浜国大駅 開業記念 全駅入場券セット」を数量限定で発売したほか、記念イベントとして「ハザコクフェスタ」を開催いたしました。
バス業におきましては、環境に配慮したハイブリッドバス及び安全性に配慮しドライバー異常時対応システムを装備した車両を含む22両を導入したほか、衝突被害軽減ブレーキ等を装備し、より安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス4両を導入いたしました。また、相鉄線全駅の券売機で「ICトクトクていき」を発売するとともに、モバイルPASMOサービスの開始に伴い、スマートフォンで利用できる「ICトクトクていき」の販売を開始し、サービスの向上に努めました。そのほか、群馬大学と共同で、日本初となる大型バスを利用した営業運行での自動運転の実証実験を、よこはま動物園正門と里山ガーデン正面入口間で実施いたしました。
以上の結果、運輸業全体の営業収益は397億9千4百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は58億4千4百万円(前年同期比30.3%減)となりました。このうち、新型コロナウイルス感染症の拡大による2020年3月期の影響といたしましては、営業収益は約11億円の減、営業利益は約8億5千万円の減と分析しております。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 (%) |
| 鉄道業営業収益 | 百万円 | 33,490 | 33,668 | 0.5 |
| バス業営業収益 | 百万円 | 6,150 | 6,162 | 0.2 |
| 合計 | 百万円 | 39,640 | 39,831 | 0.5 |
| 消去 | 百万円 | △36 | △37 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 39,604 | 39,794 | 0.5 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(鉄道業)
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業日数 | 日 | 365 | 366 | |
| 営業キロ | ㎞ | 38.1 | 40.2 | |
| 客車走行キロ | 千㎞ | 48,178 | 49,423 | |
| 1日平均延人キロ | 人キロ | 7,103,653 | 7,058,944 | |
| 輸送 人員 | 定期 | 千人 | 152,246 | 153,642 |
| 定期外 | 千人 | 80,970 | 80,009 | |
| 合計 | 千人 | 233,216 | 233,651 | |
| 旅客 運輸 収入 | 定期 | 百万円 | 15,752 | 15,861 |
| 定期外 | 百万円 | 15,822 | 15,646 | |
| 小計 | 百万円 | 31,575 | 31,508 | |
| 運輸雑収 | 百万円 | 1,915 | 2,160 | |
| 収入合計 | 百万円 | 33,490 | 33,668 | |
| 乗車効率 | % | 38.4 | 37.3 | |
(注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)
(バス業)
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 乗合業 | 営業日数 | 日 | 365 | 366 | |
| 免許キロ | ㎞ | 625 | 626 | ||
| 走行キロ | 千㎞ | 10,255 | 10,388 | ||
| 輸送 人員 | 定期 | 千人 | 12,596 | 13,129 | |
| 定期外 | 千人 | 20,816 | 20,429 | ||
| 合計 | 千人 | 33,413 | 33,558 | ||
| 旅客 運送 収入 | 定期 | 百万円 | 2,053 | 2,160 | |
| 定期外 | 百万円 | 3,946 | 3,833 | ||
| 小計 | 百万円 | 5,999 | 5,993 | ||
| 運輸雑収 | 百万円 | 77 | 74 | ||
| 収入小計 | 百万円 | 6,077 | 6,068 | ||
| 貸切業収入 | 百万円 | 73 | 94 | ||
| 収入合計 | 百万円 | 6,150 | 6,162 | ||
(注) 乗合業収入、貸切業収入は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(流通業)
スーパーマーケット業におきましては、神奈川県大和市に「そうてつローゼン大和駅前店」を開業したほか、横浜市泉区の「そうてつローゼン緑園都市店」をはじめ、18店舗において改装等、店舗の活性化を実施し、収益力の向上に努めました。また、セミセルフレジを全店舗に導入し、省力化を図ったほか、キャッシュレス化の推進として、54店舗でQRコード決済のPayPayを導入するとともに、消費税増税の反動による消費停滞に対応するため、曜日サービスポイント10倍セールを実施し、利便性及び集客力の向上に努めました。
その他流通業におきましても、競争が激化する厳しい事業環境のなか、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、流通業全体の営業収益は1,020億6千8百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は17億3千1百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 (%) |
| スーパーマーケット業 営業収益 | 百万円 | 90,669 | 92,774 | 2.3 |
| その他流通業営業収益 | 百万円 | 6,841 | 9,293 | 35.8 |
| 合計 | 百万円 | 97,510 | 102,068 | 4.7 |
| 消去 | 百万円 | - | - | - |
| 営業収益 | 百万円 | 97,510 | 102,068 | 4.7 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(不動産業)
不動産分譲業におきましては、海老名市の「グレーシアタワーズ海老名」、三鷹市の「グレーシアタワー三鷹」及び横浜市旭区の「グレーシアみなまきみらい」等の集合住宅並びに横浜市保土ケ谷区の「グレーシアライフ横濱西谷」、横浜市泉区の「グレーシアライフ緑園五丁目」及び横浜市旭区の「グレーシアライフ中希望が丘」等の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅358戸を分譲いたしました。
不動産賃貸業におきましては、横浜市西区の「相鉄南幸第12ビル」を取得したほか、大和市に商業施設「相鉄大和南ビル」をオープンし、事業基盤の拡充に努めました。また、弥生台駅前の再開発において、「KNOCKS横浜弥生台」の1階商業区画をオープンし、これにより弥生台駅前街区リノベーション計画が竣工いたしました。さらに、「相鉄ジョイナス」をはじめとした商業施設において、魅力あるテナントを誘致する等、収益力の向上に努めたほか、利便性の向上を図るため、横浜駅中央自由通路と横浜駅西口地下街との接続工事を推進し、地下階での連絡通路の全面供用を開始いたしました。
そのほか、横浜駅西口及び相鉄線沿線の価値向上に寄与するため、地域の皆さまと連携した各種イベントの開催及び「みなまきラボ」等におけるエリアマネジメントへの取り組みを実施いたしました。
なお、引き続き横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業の事務局業務の受託並びに泉ゆめが丘地区における土地区画整理事業の業務の代行により、沿線の街づくりを推進いたしました。
以上の結果、不動産業全体の営業収益は717億9千7百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は161億6千3百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 (%) |
| 分譲業営業収益 | 百万円 | 28,943 | 30,783 | 6.4 |
| 賃貸業営業収益 | 百万円 | 40,969 | 41,241 | 0.7 |
| 合計 | 百万円 | 69,912 | 72,025 | 3.0 |
| 消去 | 百万円 | △212 | △228 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 69,699 | 71,797 | 3.0 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(ホテル業)
ホテル業におきましては、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」において、客室第4期及び第5期並びにメインロビー及びラウンジ「シーウインド」等の改装を実施し、より快適にお過ごしいただける環境を整えました。また、ラグビーワールドカップ2019出場チームを受け入れたほか、ディナーショーをはじめとしたさまざまなイベントを開催する等、ニーズを捉えた多様な商品やメニューの提供を行い、集客力及び収益力の向上に努めました。宿泊特化型ホテルにおいては、「相鉄フレッサイン 神戸三宮」をはじめ4店舗を開業したほか、「相鉄フレッサイン」ブランドとして海外初となる「相鉄フレッサイン ソウル明洞」を開業し、事業基盤を拡充いたしました。また、セルフチェックイン・チェックアウト端末等、ICT(情報通信技術)を活用した機器を導入し、利便性の向上を図ったほか、「ホテルサンルート」の直営店舗を順次「相鉄フレッサイン」にリブランドし、シナジー(相乗効果)創出やスケールメリットの発揮による運営効率化を推進いたしました。
以上の結果、ホテル業全体の営業収益は422億6千6百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は16億8千7百万円(前年同期比59.7%減)となりました。このうち、新型コロナウイルス感染症の拡大による2020年3月期の影響といたしましては、営業収益は約37億円の減、営業利益は約21億1千万円の減と分析しております。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 (%) |
| ホテル業営業収益 | 百万円 | 44,604 | 42,266 | △5.2 |
(注) 営業収益は、内部取引高を消去した金額であります。
(その他)
ビルメンテナンス業におきましては、ICTを活用した自動清掃ロボットの導入等による業務の効率化を推進いたしました。また、ダイバーシティの観点から外国人技能実習生を採用する等、多様な人材を活用したほか、積極的な営業活動により東京都内及び神奈川県内において新規物件及び既存物件における周辺業務の受注拡大を図るとともに、良質かつ安定したサービスの提供に努めました。
その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、その他全体の営業収益は232億3千万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は9億6千8百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 (%) |
| ビルメンテナンス業 営業収益 | 百万円 | 16,702 | 16,780 | 0.5 |
| その他の営業収益 | 百万円 | 7,039 | 7,253 | 3.0 |
| 合計 | 百万円 | 23,741 | 24,033 | 1.2 |
| 消去 | 百万円 | △788 | △803 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 22,952 | 23,230 | 1.2 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 22,497 | 34,322 | 11,824 |
| (百万円) | |||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △29,428 | △28,648 | 779 |
| (百万円) | |||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,138 | △9,440 | △12,578 |
| (百万円) | |||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 27,931 | 24,145 | △3,786 |
| (百万円) |
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ37億8千6百万円減少し、241億4千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、343億2千2百万円の収入(前年同期比52.6%増)となり、仕入債務の減少額が小さかったこと等により、前年同期に比べ118億2千4百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、286億4千8百万円の支出(前年同期比2.6%減)となり、有形固定資産の取得による支出が増加したものの、工事負担金等受入による収入が増加したこと等により、前年同期に比べ7億7千9百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、94億4千万円の支出(前年同期は31億3千8百万円の収入)となりました。これは、社債の償還による支出があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
(ア)営業収益及び営業利益
当連結会計年度の営業収益は2,651億円で前年同期比1.8%(45億9千8百万円)の増加、営業利益は264億2千3百万円で前年同期比16.4%(51億9千8百万円)の減少となりました。
各セグメントの営業収益及び営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。
運輸業は、相鉄・JR直通線の開業等により1億8千9百万円の増収となりましたが、関連した費用の増加等により25億4千3百万円の減益となりました。
流通業は、新店が寄与し45億5千7百万円の増収となりましたが、人件費の増加等により3千6百万円の減益となりました。
不動産業は、分譲業において一戸当たりの販売価格が前年と比べて上昇したこと等により20億9千8百万円の増収となりましたが、粗利益率の低下や経費の増加により2億2千3百万円の減益となりました。
ホテル業は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により23億3千7百万円の減収、25億5百万円の減益となりました。
その他の事業は、ビルメンテナンス業において新規契約が増加したこと等により、2億7千7百万円の増収、5千8百万円の増益となりました。
(イ)営業外収益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は5億3千8百万円で、前年同期比10.5%(6千3百万円)の減少となりました。営業外費用は30億5千9百万円で、リース債務に係る支払利息が新たに計上されたことにより、前年同期比16.4%(4億3千万円)の増加となりました。
この結果、経常利益は239億3百万円で前年同期比19.2%(56億9千2百万円)の減少となりました。
(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、工事負担金等受入額99億円を主なものとして総額114億7千8百万円となり、特別損失は固定資産圧縮損108億6百万円を主なものとして総額123億2千7百万円となりました。
以上から税金等調整前当期純利益は230億5千4百万円で前年同期比19.1%(54億5千8百万円)の減少となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は146億3千1百万円で前年同期比20.2%(37億9百万円)の減少となりました。
(財政状態)
総資産は、使用権資産の計上等により、前連結会計年度末に比べて93億7千4百万円増加し、6,209億2千9百万円となりました。
負債は、リース債務の増加等により83億1千7百万円増加し、4,688億9千8百万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして3,260億1千4百万円となり、45億3千2百万円増加いたしました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等により10億5千6百万円増加し、1,520億3千1百万円となりました。なお、自己資本比率は24.5%、1株当たり純資産は1,550円74銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア)資金調達
当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。
(イ)資金の流動性
当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。
(ウ)設備投資による資本の投下
各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、中期経営計画の基本方針として「選ばれる沿線の創造」「さらなる事業基盤の拡大」を掲げ、継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては、総額325億7千7百万円の設備投資を実施しました。
運輸業における東急線との相互直通運転計画の推進、流通業における店舗網拡大、不動産業における沿線再開発、ホテル業における海外展開など、さらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 19.7 | 21.7 | 22.9 | 24.2 | 24.5 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 60.0 | 43.7 | 46.0 | 54.6 | 43.8 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | 9.6 | 7.9 | 6.3 | 14.3 | 9.5 |
| インタレスト ・カバレッジ・レシオ(倍) | 9.5 | 13.0 | 19.8 | 9.3 | 12.7 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利息を支払っているすべての負債を対象としております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(エ)新型コロナウイルス感染症への対応策
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う鉄道収入、ホテル収入減少に対応し、当面の流動性資金を手当てするため、新規借入約300億円の実行、社債発行300億円(2020年5月発行)、当座貸越枠約400億円増額の他、役員報酬自主返上などの対応を行っており、安全投資や将来に向けた設備投資は予定通り進める方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、新型コロナウイルス感染症に関して前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(ア)固定資産の減損
固定資産の減損の兆候の有無の検討、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画などを考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する各事業の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※9 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(9億3千7百万円)を計上いたしました。
回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しており、正味売却価額の算定にあたっては、不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額もしくは固定資産税評価額等に合理的な調整を行って算定した金額を使用しております。また、使用価値の算定の用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。当該見積りには、売上高に影響する各事業の市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。