有価証券報告書-第153期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続くなか、政府による二度の緊急事態宣言の発出により人の移動等が制限された結果、対面型サービス業を中心に経済活動が低迷し、総じて非常に厳しい状況で推移いたしました。この先、新しい生活様式の浸透やワクチンの普及による集団免疫の獲得等によりコロナ禍からの脱却が期待されるものの、依然として感染症が収束する見通しは立っておらず、予断を許さない状況が続いています。
このような情勢下におきまして、相鉄グループでは鋭意業績の向上に努めましたが、当期の連結営業収益は2,211億3千6百万円(前年同期比16.6%減)となり、連結営業損失は31億4千8百万円(前年同期は連結営業利益264億2千3百万円)、連結経常損失は45億7千2百万円(前年同期は連結経常利益239億3百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は130億5千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益146億3千1百万円)を計上するにいたりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(運輸業)
鉄道業におきましては、輸送面では、緊急事態宣言に伴う国土交通大臣及び神奈川県知事からの要請に基づき終電時刻の繰り上げを実施したほか、ダイヤ改正を実施いたしました。また、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映した東急直通線用新型車両20000系60両を新造いたしました。施設面では、南万騎が原駅及び西谷駅のリニューアル工事が竣工し、サービスの向上と「人にやさしい」駅づくりに努めました。安全面では、二俣川駅、大和駅及び湘南台駅の3駅にホームドアを設置したほか、天王町駅及び星川駅の駅舎改良工事等を引き続き推進いたしました。さらに、東急線との相互直通運転計画につきましても鋭意推進しております。営業面では、相鉄・JR直通線の開業1周年を記念して「相鉄・JR直通線開業1周年記念スタンプラリー」を実施したほか、「羽沢横浜国大駅開業1周年記念入場券」等を販売いたしました。
バス業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部のバス路線において運休及び減便を実施いたしました。また、環境に配慮したハイブリッドバス及び安全性を高めるためドライバー異常時対応システムを装備した車両を含む13両を導入したほか、衝突被害軽減ブレーキ等を装備し、より安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス2両を導入いたしました。さらに、将来に向けた取り組みとして、遠隔監視・遠隔操作による大型バスを用いた自動運転の実証実験を営業運行で実施いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による輸送人員の減少により、運輸業全体の営業収益は303億5千4百万円(前年同期比23.7%減)、営業損失は38億9千9百万円(前年同期は営業利益58億4千4百万円)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(鉄道業)
(注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)
(バス業)
(注) 乗合業収入、貸切業収入は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(流通業)
スーパーマーケット業におきましては、横浜市港南区の「そうてつローゼン港南台店」をはじめ、17店舗において改装等、店舗の活性化を実施するとともに、こだわりの逸品として「ROSEN SELECTION」(ローゼンセレクション)の販売等を一部店舗で開始したほか、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う内食需要に対応した品揃えの強化等、収益力の向上に努めました。また、キャッシュレス化を推進するため、交通系電子マネー「PASMO」及び電子マネー「iD」による決済サービスを全店舗に拡大し、利便性の向上に努めました。
その他流通業におきましても、厳しい事業環境のなか、コストの見直しを図るとともに、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、流通業全体の営業収益は1,021億9千7百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は22億2千6百万円(前年同期比28.6%増)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(不動産業)
不動産分譲業におきましては、海老名市の「グレーシアタワーズ海老名」、藤沢市の「グレーシア藤沢鵠沼」及び「グレーシア湘南辻堂」等の集合住宅並びに横浜市保土ケ谷区の「グレーシアライフ横濱西谷」、横浜市泉区の「グレーシアライフ緑園五丁目」及び横浜市旭区の「グレーシアライフ横浜二俣川Ⅱ」等の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅307戸を分譲いたしました。
不動産賃貸業におきましては、緊急事態宣言期間中に行った一部商業施設の休業等により、テナント賃料の減免等の措置を講じました。また、すべての商業施設において消毒を徹底する等、安心してご来館いただける環境づくりに努めるとともに、新たな販売スタイルであるフードデリバリーサービス「ジョイナスデリ」等を積極的に展開いたしました。さらに、東京都港区の「相鉄港海岸ビル」を取得し、事業基盤の拡充に努めました。そのほか、「相鉄ジョイナス」において、地下1階の一部を改装し国内最大級の百貨店食料品フロアが誕生したほか、魅力あるテナントを誘致する等、収益力の向上に努めるとともに、いずみ中央駅近くの高架下スペースを活用し、小規模認可保育園を誘致する等、引き続き沿線の活性化に努めました。また、「みなまきラボ」等においてエリアマネジメントへの取り組みを実施いたしました。
なお、引き続き横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業の事務局業務の受託並びに泉ゆめが丘地区における土地区画整理事業の業務の代行により、沿線の街づくりを推進いたしました。
以上の結果、不動産業全体の営業収益は661億円(前年同期比7.9%減)、営業利益は134億6千万円(前年同期比16.7%減)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(ホテル業)
ホテル業におきましては、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」において、客室の第6期改装を実施し、これにより2016年度から進めてきた客室の改装工事が竣工いたしました。また、with/afterコロナの社会変化に対応するべく、最新の衛生管理基準に即したおもてなし「New Normal Service」(ニューノーマルサービス)の導入により新たな時代と価値への順応をめざしたほか、テイクアウトやオンラインによる商品提供等を実施し、集客力及び収益力の向上に努めました。宿泊特化型ホテルにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大による宿泊需要の減少に伴い、その対策として一部の直営ホテルを一時的に休業いたしましたが、将来の需要回復を見据えて、「相鉄フレッサイン 横浜駅東口」をはじめ4店舗を開業し、事業基盤を拡充いたしました。さらに、利便性の向上を図るべく、公式ホームページから24時間5言語でのお問い合わせが可能なAIサービス及びセルフチェックイン・チェックアウト端末の導入等、ICT(情報通信技術)を活用した非対面型サービスの拡充により運営の効率化を推進いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による観光需要等の減少により、ホテル業全体の営業収益は131億9千1百万円(前年同期比68.8%減)、営業損失は162億1千8百万円(前年同期は営業利益16億8千7百万円)となりました。
(注) 営業収益は、内部取引高を消去した金額であります。
(その他)
ビルメンテナンス業におきましては、ICTを活用した自動清掃ロボットの導入等による業務の効率化を推進いたしました。また、ダイバーシティの観点から外国人技能実習生第2期生を採用する等、多様な人材活用を進めたほか、積極的な営業活動により東京都内及び神奈川県内において新規物件及び既存物件における周辺業務の受注拡大を図るとともに、良質なサービスの提供に努めました。
その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、その他全体の営業収益は236億8千5百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は13億5千7百万円(前年同期比40.2%増)となりました。
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4億7千万円減少し、236億7千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、118億3千7百万円の収入(前年同期比65.5%減)となり、税金等調整前当期純損失を計上したこと等により、前年同期に比べ224億8千4百万円収入が減少いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、247億5千4百万円の支出(前年同期比13.6%減)となり、有形固定資産の取得による支出が増加したものの、工事負担金等受入による収入が増加したこと等により、前年同期に比べ38億9千4百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、125億2千5百万円の収入(前年同期は94億4千万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
(ア)営業収益及び営業利益
当連結会計年度の営業収益は2,211億3千6百万円で前年同期比16.6%(439億6千3百万円)の減少、営業損失は31億4千8百万円(前年同期は連結営業利益264億2千3百万円)となりました。
各セグメントの営業収益、営業利益及び営業損失の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。
運輸業は、新型コロナウイルス感染症の影響による輸送人員の減少により94億3千9百万円の減収となり、鉄道業の減価償却費、線路使用料等の費用の増加により97億4千3百万円の減益となりました。
流通業は、客単価の上昇のほか、前年度開業店舗の通期寄与により1億2千9百万円の増収となり、広告費等の費用の減少により4億9千4百万円の増益となりました。
不動産業は、分譲業において新規分譲戸数の減少により56億9千7百万円の減収となり、販売物件の利益率の低下により27億2百万円の減益となりました。
ホテル業は、新型コロナウイルス感染症の影響による宿泊需要の低下に伴い290億7千5百万円の減収、179億6百万円の減益となりました。
その他の事業は、ビルメンテナンス業において臨時工事等の増加により4億5千5百万円の増収、3億8千9百万円の増益となりました。
(イ)営業外収益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は16億1百万円で、雇用調整助成金の計上等により前年同期比197.2%(10億6千2百万円)の増加となりました。営業外費用は30億2千5百万円で、前年同期比1.1%(3千3百万円)の減少となりました。
この結果、経常損失は45億7千2百万円(前年同期は連結経常利益239億3百万円)となりました。
(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、工事負担金等受入額298億4千9百万円を主なものとして総額303億4千1百万円となり、特別損失は固定資産圧縮損298億8千万円、減損損失66億4百万円など、総額378億2千6百万円となりました。
以上から税金等調整前当期純損失は120億5千7百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益230億5千4百万円)となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は130億5千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益146億3千1百万円)となりました。
(財政状態)
総資産は、分譲マンションの引き渡しによりたな卸資産が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて15億1千9百万円減少し、6,194億1千万円となりました。
負債は、資金調達による借入金及び社債の増加により112億2百万円増加し、4,801億1百万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして3,446億9千7百万円となり、186億8千2百万円増加いたしました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少等により127億2千1百万円減少し、1,393億9百万円となりました。なお、自己資本比率は22.5%、1株当たり純資産は1,421円07銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア)資金調達
当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。
(イ)資金の流動性
当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の流行により資金繰りへの影響が生じておりますが、金融機関からの借入や社債の発行等により、手元資金は十分に確保しております。
また、急激な資金繰りの悪化に備えて、機動的に資金調達が可能な体制を構築しております。
(ウ)設備投資による資本の投下
各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、グループ経営基本方針として「魅力ある沿線の創造によるブランドの向上」「ブランド力を活かした事業領域の拡大とさらなる事業基盤の選択と集中」を掲げ、継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては、総額268億9千6百万円の設備投資を実施しました。
運輸業における東急線との相互直通運転計画の推進、全駅へのホームドア設置、不動産業における沿線開発、ホテル業における海外展開など、さらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は借入金+社債により算出しております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(エ)新型コロナウイルス感染症への対応策
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う鉄道業及びホテル業の減収に対応し、当面の流動性資金を手当てするため、新規借入約300億円の実行、社債発行300億円(2020年5月発行)、当座貸越枠約400億円増額の他、役員報酬自主返上などの対応を行っており、安全投資や将来に向けた設備投資は予定通り進める方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、新型コロナウイルス感染症に関して前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(ア)固定資産の減損
固定資産の減損の兆候の有無の検討、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画などを考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※10 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(66億4百万円)を計上いたしました。
回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しており、正味売却価額の算定にあたっては、不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額もしくは固定資産税評価額等に合理的な調整を行って算定した金額を使用しております。また、使用価値の算定の用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続くなか、政府による二度の緊急事態宣言の発出により人の移動等が制限された結果、対面型サービス業を中心に経済活動が低迷し、総じて非常に厳しい状況で推移いたしました。この先、新しい生活様式の浸透やワクチンの普及による集団免疫の獲得等によりコロナ禍からの脱却が期待されるものの、依然として感染症が収束する見通しは立っておらず、予断を許さない状況が続いています。
このような情勢下におきまして、相鉄グループでは鋭意業績の向上に努めましたが、当期の連結営業収益は2,211億3千6百万円(前年同期比16.6%減)となり、連結営業損失は31億4千8百万円(前年同期は連結営業利益264億2千3百万円)、連結経常損失は45億7千2百万円(前年同期は連結経常利益239億3百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は130億5千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益146億3千1百万円)を計上するにいたりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(運輸業)
鉄道業におきましては、輸送面では、緊急事態宣言に伴う国土交通大臣及び神奈川県知事からの要請に基づき終電時刻の繰り上げを実施したほか、ダイヤ改正を実施いたしました。また、「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映した東急直通線用新型車両20000系60両を新造いたしました。施設面では、南万騎が原駅及び西谷駅のリニューアル工事が竣工し、サービスの向上と「人にやさしい」駅づくりに努めました。安全面では、二俣川駅、大和駅及び湘南台駅の3駅にホームドアを設置したほか、天王町駅及び星川駅の駅舎改良工事等を引き続き推進いたしました。さらに、東急線との相互直通運転計画につきましても鋭意推進しております。営業面では、相鉄・JR直通線の開業1周年を記念して「相鉄・JR直通線開業1周年記念スタンプラリー」を実施したほか、「羽沢横浜国大駅開業1周年記念入場券」等を販売いたしました。
バス業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部のバス路線において運休及び減便を実施いたしました。また、環境に配慮したハイブリッドバス及び安全性を高めるためドライバー異常時対応システムを装備した車両を含む13両を導入したほか、衝突被害軽減ブレーキ等を装備し、より安全性を高めたASV(先進安全自動車)仕様の高速バス2両を導入いたしました。さらに、将来に向けた取り組みとして、遠隔監視・遠隔操作による大型バスを用いた自動運転の実証実験を営業運行で実施いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による輸送人員の減少により、運輸業全体の営業収益は303億5千4百万円(前年同期比23.7%減)、営業損失は38億9千9百万円(前年同期は営業利益58億4千4百万円)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 (%) |
| 鉄道業営業収益 | 百万円 | 33,668 | 25,605 | △23.9 |
| バス業営業収益 | 百万円 | 6,162 | 4,798 | △22.1 |
| 合計 | 百万円 | 39,831 | 30,404 | △23.7 |
| 消去 | 百万円 | △37 | △50 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 39,794 | 30,354 | △23.7 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(鉄道業)
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 営業日数 | 日 | 366 | 365 | |
| 営業キロ | ㎞ | 40.2 | 40.2 | |
| 客車走行キロ | 千㎞ | 49,423 | 51,293 | |
| 1日平均延人キロ | 人キロ | 7,058,944 | 5,059,645 | |
| 輸送 人員 | 定期 | 千人 | 153,642 | 117,620 |
| 定期外 | 千人 | 80,009 | 57,206 | |
| 合計 | 千人 | 233,651 | 174,827 | |
| 旅客 運輸 収入 | 定期 | 百万円 | 15,861 | 12,175 |
| 定期外 | 百万円 | 15,646 | 11,020 | |
| 小計 | 百万円 | 31,508 | 23,196 | |
| 運輸雑収 | 百万円 | 2,160 | 2,409 | |
| 収入合計 | 百万円 | 33,668 | 25,605 | |
| 乗車効率 | % | 37.3 | 25.7 | |
(注) 乗車効率=延人キロ÷(客車走行キロ×平均定員)
(バス業)
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 乗合業 | 営業日数 | 日 | 366 | 365 | |
| 免許キロ | ㎞ | 626 | 652 | ||
| 走行キロ | 千㎞ | 10,388 | 9,365 | ||
| 輸送 人員 | 定期 | 千人 | 13,129 | 11,528 | |
| 定期外 | 千人 | 20,429 | 14,194 | ||
| 合計 | 千人 | 33,558 | 25,723 | ||
| 旅客 運送 収入 | 定期 | 百万円 | 2,160 | 1,983 | |
| 定期外 | 百万円 | 3,833 | 2,685 | ||
| 小計 | 百万円 | 5,993 | 4,669 | ||
| 運輸雑収 | 百万円 | 74 | 67 | ||
| 収入小計 | 百万円 | 6,068 | 4,737 | ||
| 貸切業収入 | 百万円 | 94 | 61 | ||
| 収入合計 | 百万円 | 6,162 | 4,798 | ||
(注) 乗合業収入、貸切業収入は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(流通業)
スーパーマーケット業におきましては、横浜市港南区の「そうてつローゼン港南台店」をはじめ、17店舗において改装等、店舗の活性化を実施するとともに、こだわりの逸品として「ROSEN SELECTION」(ローゼンセレクション)の販売等を一部店舗で開始したほか、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う内食需要に対応した品揃えの強化等、収益力の向上に努めました。また、キャッシュレス化を推進するため、交通系電子マネー「PASMO」及び電子マネー「iD」による決済サービスを全店舗に拡大し、利便性の向上に努めました。
その他流通業におきましても、厳しい事業環境のなか、コストの見直しを図るとともに、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、流通業全体の営業収益は1,021億9千7百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は22億2千6百万円(前年同期比28.6%増)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 (%) |
| スーパーマーケット業 営業収益 | 百万円 | 92,774 | 95,320 | 2.7 |
| その他流通業営業収益 | 百万円 | 9,293 | 6,876 | △26.0 |
| 合計 | 百万円 | 102,068 | 102,197 | 0.1 |
| 消去 | 百万円 | - | - | - |
| 営業収益 | 百万円 | 102,068 | 102,197 | 0.1 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(不動産業)
不動産分譲業におきましては、海老名市の「グレーシアタワーズ海老名」、藤沢市の「グレーシア藤沢鵠沼」及び「グレーシア湘南辻堂」等の集合住宅並びに横浜市保土ケ谷区の「グレーシアライフ横濱西谷」、横浜市泉区の「グレーシアライフ緑園五丁目」及び横浜市旭区の「グレーシアライフ横浜二俣川Ⅱ」等の戸建住宅を中心に、集合住宅及び戸建住宅307戸を分譲いたしました。
不動産賃貸業におきましては、緊急事態宣言期間中に行った一部商業施設の休業等により、テナント賃料の減免等の措置を講じました。また、すべての商業施設において消毒を徹底する等、安心してご来館いただける環境づくりに努めるとともに、新たな販売スタイルであるフードデリバリーサービス「ジョイナスデリ」等を積極的に展開いたしました。さらに、東京都港区の「相鉄港海岸ビル」を取得し、事業基盤の拡充に努めました。そのほか、「相鉄ジョイナス」において、地下1階の一部を改装し国内最大級の百貨店食料品フロアが誕生したほか、魅力あるテナントを誘致する等、収益力の向上に努めるとともに、いずみ中央駅近くの高架下スペースを活用し、小規模認可保育園を誘致する等、引き続き沿線の活性化に努めました。また、「みなまきラボ」等においてエリアマネジメントへの取り組みを実施いたしました。
なお、引き続き横浜駅きた西口鶴屋地区における市街地再開発事業の事務局業務の受託並びに泉ゆめが丘地区における土地区画整理事業の業務の代行により、沿線の街づくりを推進いたしました。
以上の結果、不動産業全体の営業収益は661億円(前年同期比7.9%減)、営業利益は134億6千万円(前年同期比16.7%減)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 (%) |
| 分譲業営業収益 | 百万円 | 30,783 | 26,689 | △13.3 |
| 賃貸業営業収益 | 百万円 | 41,241 | 39,609 | △4.0 |
| 合計 | 百万円 | 72,025 | 66,298 | △8.0 |
| 消去 | 百万円 | △228 | △198 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 71,797 | 66,100 | △7.9 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
(ホテル業)
ホテル業におきましては、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」において、客室の第6期改装を実施し、これにより2016年度から進めてきた客室の改装工事が竣工いたしました。また、with/afterコロナの社会変化に対応するべく、最新の衛生管理基準に即したおもてなし「New Normal Service」(ニューノーマルサービス)の導入により新たな時代と価値への順応をめざしたほか、テイクアウトやオンラインによる商品提供等を実施し、集客力及び収益力の向上に努めました。宿泊特化型ホテルにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大による宿泊需要の減少に伴い、その対策として一部の直営ホテルを一時的に休業いたしましたが、将来の需要回復を見据えて、「相鉄フレッサイン 横浜駅東口」をはじめ4店舗を開業し、事業基盤を拡充いたしました。さらに、利便性の向上を図るべく、公式ホームページから24時間5言語でのお問い合わせが可能なAIサービス及びセルフチェックイン・チェックアウト端末の導入等、ICT(情報通信技術)を活用した非対面型サービスの拡充により運営の効率化を推進いたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による観光需要等の減少により、ホテル業全体の営業収益は131億9千1百万円(前年同期比68.8%減)、営業損失は162億1千8百万円(前年同期は営業利益16億8千7百万円)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 (%) |
| ホテル業営業収益 | 百万円 | 42,266 | 13,191 | △68.8 |
(注) 営業収益は、内部取引高を消去した金額であります。
| 種別 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減 | 増減率 (%) | |
| 客室稼働率(%) | |||||
| フレッサイン・サンルート | 81.2 | 34.2 | △47.0pt | - | |
| 横浜ベイシェラトン | 81.8 | 43.9 | △37.9pt | - | |
| 平均客室単価(円) | |||||
| フレッサイン・サンルート | 9,384 | 5,231 | △4,153 | △44.3 | |
| 横浜ベイシェラトン | 21,884 | 18,835 | △3,049 | △13.9 | |
(その他)
ビルメンテナンス業におきましては、ICTを活用した自動清掃ロボットの導入等による業務の効率化を推進いたしました。また、ダイバーシティの観点から外国人技能実習生第2期生を採用する等、多様な人材活用を進めたほか、積極的な営業活動により東京都内及び神奈川県内において新規物件及び既存物件における周辺業務の受注拡大を図るとともに、良質なサービスの提供に努めました。
その他の各社におきましても、業績の向上を図るべく、積極的な営業活動に努めました。
以上の結果、その他全体の営業収益は236億8千5百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は13億5千7百万円(前年同期比40.2%増)となりました。
| 種別 | 単位 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 (%) |
| ビルメンテナンス業 営業収益 | 百万円 | 16,780 | 17,678 | 5.3 |
| その他の営業収益 | 百万円 | 7,253 | 6,782 | △6.5 |
| 合計 | 百万円 | 24,033 | 24,460 | 1.8 |
| 消去 | 百万円 | △803 | △774 | - |
| 営業収益 | 百万円 | 23,230 | 23,685 | 2.0 |
(注) 各業の営業収益は、それぞれの内部取引高を消去した金額であります。
財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態)」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 34,322 | 11,837 | △22,484 |
| (百万円) | |||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △28,648 | △24,754 | 3,894 |
| (百万円) | |||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △9,440 | 12,525 | 21,966 |
| (百万円) | |||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 24,145 | 23,675 | △470 |
| (百万円) |
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4億7千万円減少し、236億7千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、118億3千7百万円の収入(前年同期比65.5%減)となり、税金等調整前当期純損失を計上したこと等により、前年同期に比べ224億8千4百万円収入が減少いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、247億5千4百万円の支出(前年同期比13.6%減)となり、有形固定資産の取得による支出が増加したものの、工事負担金等受入による収入が増加したこと等により、前年同期に比べ38億9千4百万円支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、125億2千5百万円の収入(前年同期は94億4千万円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、運輸業、不動産賃貸業などのいわゆる「役務提供」を営業収益の中心としているため、ほとんどが受注生産形態をとっておりません。このため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは適切でないと判断し、生産、受注及び販売の状況は「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
(ア)営業収益及び営業利益
当連結会計年度の営業収益は2,211億3千6百万円で前年同期比16.6%(439億6千3百万円)の減少、営業損失は31億4千8百万円(前年同期は連結営業利益264億2千3百万円)となりました。
各セグメントの営業収益、営業利益及び営業損失の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載がありますが、次のとおりであります。
運輸業は、新型コロナウイルス感染症の影響による輸送人員の減少により94億3千9百万円の減収となり、鉄道業の減価償却費、線路使用料等の費用の増加により97億4千3百万円の減益となりました。
流通業は、客単価の上昇のほか、前年度開業店舗の通期寄与により1億2千9百万円の増収となり、広告費等の費用の減少により4億9千4百万円の増益となりました。
不動産業は、分譲業において新規分譲戸数の減少により56億9千7百万円の減収となり、販売物件の利益率の低下により27億2百万円の減益となりました。
ホテル業は、新型コロナウイルス感染症の影響による宿泊需要の低下に伴い290億7千5百万円の減収、179億6百万円の減益となりました。
その他の事業は、ビルメンテナンス業において臨時工事等の増加により4億5千5百万円の増収、3億8千9百万円の増益となりました。
(イ)営業外収益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は16億1百万円で、雇用調整助成金の計上等により前年同期比197.2%(10億6千2百万円)の増加となりました。営業外費用は30億2千5百万円で、前年同期比1.1%(3千3百万円)の減少となりました。
この結果、経常損失は45億7千2百万円(前年同期は連結経常利益239億3百万円)となりました。
(ウ)特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、工事負担金等受入額298億4千9百万円を主なものとして総額303億4千1百万円となり、特別損失は固定資産圧縮損298億8千万円、減損損失66億4百万円など、総額378億2千6百万円となりました。
以上から税金等調整前当期純損失は120億5千7百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益230億5千4百万円)となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は130億5千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益146億3千1百万円)となりました。
(財政状態)
総資産は、分譲マンションの引き渡しによりたな卸資産が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて15億1千9百万円減少し、6,194億1千万円となりました。
負債は、資金調達による借入金及び社債の増加により112億2百万円増加し、4,801億1百万円となりました。なお、有利子負債の残高は、借入金・社債合わせまして3,446億9千7百万円となり、186億8千2百万円増加いたしました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少等により127億2千1百万円減少し、1,393億9百万円となりました。なお、自己資本比率は22.5%、1株当たり純資産は1,421円07銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア)資金調達
当社グループは、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、生保・銀行等からの長期借入金や社債の発行等により長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、主要な事業である鉄道業の設備投資の調達に当たっては、㈱日本政策投資銀行からの借入を活用しております。社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら資金調達を行っております。
(イ)資金の流動性
当社グループは、鉄道業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、グループ会社については、銀行などの外部からの資金の調達は行わず、相鉄ビジネスサービス㈱を通じたキャッシュマネジメントシステム(CMS)の活用により資金の集中管理と資金効率化、流動性の確保を図っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の流行により資金繰りへの影響が生じておりますが、金融機関からの借入や社債の発行等により、手元資金は十分に確保しております。
また、急激な資金繰りの悪化に備えて、機動的に資金調達が可能な体制を構築しております。
(ウ)設備投資による資本の投下
各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、グループ経営基本方針として「魅力ある沿線の創造によるブランドの向上」「ブランド力を活かした事業領域の拡大とさらなる事業基盤の選択と集中」を掲げ、継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては、総額268億9千6百万円の設備投資を実施しました。
運輸業における東急線との相互直通運転計画の推進、全駅へのホームドア設置、不動産業における沿線開発、ホテル業における海外展開など、さらなる事業基盤の拡大、将来の収益確保につながる投資を進めてまいります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 21.7 | 22.9 | 24.2 | 24.5 | 22.5 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 43.7 | 46.0 | 54.6 | 43.8 | 39.2 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | 7.9 | 6.3 | 14.3 | 9.5 | 29.1 |
| インタレスト ・カバレッジ・レシオ(倍) | 13.0 | 19.8 | 9.3 | 12.7 | 4.2 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は借入金+社債により算出しております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(エ)新型コロナウイルス感染症への対応策
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う鉄道業及びホテル業の減収に対応し、当面の流動性資金を手当てするため、新規借入約300億円の実行、社債発行300億円(2020年5月発行)、当座貸越枠約400億円増額の他、役員報酬自主返上などの対応を行っており、安全投資や将来に向けた設備投資は予定通り進める方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、以下のとおりです。また、新型コロナウイルス感染症に関して前提とした主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
(ア)固定資産の減損
固定資産の減損の兆候の有無の検討、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画などを考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※10 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(66億4百万円)を計上いたしました。
回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しており、正味売却価額の算定にあたっては、不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額もしくは固定資産税評価額等に合理的な調整を行って算定した金額を使用しております。また、使用価値の算定の用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報に基づき見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。