有価証券報告書-第115期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 11:00
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134項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、経済活動の一部に持ち直しの兆しが見られたものの、ウクライナ情勢の緊迫化などを背景とした資源高騰や円安進行により、急激な物価上昇が進んだことで先行きは一層不透明な状況が続いている。
このような情勢のなか、伊予鉄グループでは、交通・観光・まちづくりを柱とした総合企業グループとして、各種施策を実施した。2月には、デジタル化の推進を目的に、愛媛県民の生活を便利で豊かにする県民アプリ「みきゃんアプリ」のサービスを開始し、様々なシーンでの決済や愛媛県のイベント情報の発信など、県内のデジタル化へ向けた一歩を踏み出した。電気料金等のエネルギー価格高騰等の影響を受けたものの、コロナ禍の中でも経費削減や各事業会社において様々な施策を講じたこともあり、グループ全体では一定の収益を確保した。
この結果、当連結会計年度の経営成績については、営業収益について前連結会計年度に比べ2.6%増の297億8,049万4千円となり、運輸業等営業費及び売上原価と販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、15億303万1千円(前連結会計年度は営業損失4,157万3千円)となった。
営業外損益については、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、7,761万5千円の利益計上となった。
以上の結果、経常利益は15億8,064万7千円(前連結会計年度は経常損失8,750万1千円)となった。
特別損益については、減損損失の計上などにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額は5億2,347万4千円の損失計上となった。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ71.9%増の10億5,717万3千円となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ150.8%増の6億2,112万5千円となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
① 交通部門
鉄軌道事業において、伊予鉄道㈱では、市内電車に流線形のデザインや乗り心地の良さが好評な低床式の新型LRT車両を2両追加導入し、現在12両が運行している。11月には、利用実態に応じた市内電車のダイヤ改正を実施した。また、地域の特色を生かしたご当地電車として「みかん電車」などを行政や関連企業と連携して運行し、愛媛の観光振興へ寄与した。郊外電車では、PCまくらぎ及びレール交換工事による安全性の向上を図るとともに、駅のスロープや点字ブロックの設置を進め、バリアフリー化に努めた。
自動車事業において、伊予鉄バス㈱では、高速バス高松線で「特急」の運行を開始し、大幅な時間短縮で利便性の向上を図った。さらに「リピート家族割」や「ハイウェイバス3dayフリーパス」などの企画乗車券を販売することで、コロナ禍で停滞していた需要を促した。また、継続的な車両更新や安全確保に関するコスト上昇へ対応するため、一般路線全線及び高速バスの一部路線において運賃改定を実施した。
なお、鉄道・バスの新たな顧客作り及び施策のPRを目的に、「市内電車50形導入70周年記念イベント」「12両体制となった新型LRT車両」などテーマごとに、施設見学や撮影会を盛り込んだイベントを実施した。観光振興面では、貸切バスで自転車を分解せず車内に積み込んでツアーを行える「サイクリングアイランド四国号」の運行を開始した。
伊予鉄南予バス㈱では、営業エリアにおいて県内でも特に著しく人口減少、少子高齢化が進行しており、大変厳しい経営環境にある。昨年より続く新型コロナウイルスの影響については、一時的に回復の兆しが見えていたものの、非常に厳しい状況は続いており、全従業員が一丸となり業務を遂行している。
以上の結果、鉄軌道事業営業収益は前年度に比べ13.8%増の32億4,369万4千円となり、自動車事業営業収益は前年度に比べ30.0%増の34億5,456万円となった。
乗用自動車事業において、伊予鉄タクシー㈱では、タクシー配車アプリ「GO」のサービスを開始し、デジタル化を推進することで、利便性の向上と増収に努めた。また、観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の認定を受け、観光タクシーを運行したほか、愛媛県の「ぐるっと周遊えひめ旅」事業に参画し、観光振興に寄与した。
以上の結果、乗用自動車事業営業収益は前年度に比べ4.9%増の2億5,921万9千円となった。
この結果、交通部門の営業収益は前連結会計年度に比べ22.0%増の64億1,715万9千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
鉄軌道事業3,243,69413.8
自動車事業3,454,56030.0
乗用自動車事業259,2194.9
消去540,3149.1
営業収益6,417,15922.0

(鉄軌道事業の運輸成績)
種別単位当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
対前期増減率(%)
営業日数3650.0
営業キロキロ43.50.0
客車走行キロキロ5,210,5920.2
延人キロ千キロ75,9757.2
旅客人員定期千人7,5941.0
定期外千人8,35619.3
千人15,9509.8
旅客運輸収入定期千円1,095,0695.8
定期外千円1,745,67322.3
千円2,840,74315.4
運輸雑収千円402,9513.9
収入合計千円3,243,69413.8
乗車効率%12.86.9

(注) 乗車効率の算出は延人キロによる
客車走行キロ×平均客車定員

(自動車事業の運輸成績)
種別単位当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
対前期増減率(%)
営業日数3650.0
走行キロ千キロ10,57813.5
旅客人員千人6,30315.1
旅客運送収入千円2,825,60037.3
運送雑収千円628,9594.9
収入合計千円3,454,56030.0


(乗用自動車事業の運輸成績)
種別単位当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
対前期増減率(%)
営業日数3650.0
走行キロ千キロ1,67828.6
旅客人員千人178△10.8
旅客運送収入千円228,2885.8
運送雑収千円30,931△0.9
収入合計千円259,2194.9

② 流通部門
百貨店業において、㈱伊予鉄髙島屋では、新型コロナウイルスの影響が残る厳しい状況のなか、「百貨店営業力の強化」を重点課題とし、収益拡大と企業価値の向上に取り組んだ。同社は、「いよてつ髙島屋誕生20周年」を迎え、多様化する顧客のニーズに応えるため、デジタル化の取り組みの一環として新たにオンラインショップを導入した。また、他店との差異化を際立たせた催事を実施するなど賑わい創出と魅力向上に努めた。
以上の結果、百貨店業営業収益は前年度に比べ4.6%増の110億474万7千円となった。
自動車販売修理業において、愛媛日野自動車㈱では、メーカーのトラック・バスの生産及び出荷停止の影響により、販売部門は低調に推移したが、整備部門の強化により利益確保に努めた。伊予鉄オート㈱では、慢性的な半導体不足の影響を受け納期の遅延が生じたものの、積極的な営業活動により業績は好調に推移した。
以上の結果、自動車販売修理業営業収益は前年度に比べ33.9%減の45億7,803万3千円となった。
この結果、流通部門の営業収益は前連結会計年度に比べ11.5%減の149億8,093万円(消去後)となった。
(営業成績)
種別当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
百貨店業11,004,7474.6
自動車販売修理業4,578,033△33.9
消去601,85013.7
営業収益14,980,930△11.5

③ 不動産部門
不動産賃貸業において、当社では、社有地の有効活用や賃貸マンション・月極駐車場等の営業を強化し、安定した賃貸収入確保に努めた。また、三町・福音寺で営業しているスポーツ施設について概ね4年後を目途に営業の終了を決定した。今後の活用方法として、地域経済の活性化に繋がる再開発を予定している。
なお、伊予鉄道㈱では、期間満了に伴い、松山城関連施設等の指定管理業務を当連結会計年度をもって終了した。
この結果、不動産部門の営業収益は前連結会計年度に比べ11.8%増の16億3,235万2千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
不動産賃貸業3,322,2747.5
消去1,689,9213.5
営業収益1,632,35211.8

④ その他部門
航空代理店事業において、当社では、前年からの新型コロナウイルスの影響が緩和され、人の移動が活発化したこともあり、大幅な需要喚起へと繋がった。
以上の結果、航空代理店事業営業収益は前年度に比べ32.3%増の2,121万1千円となった。
物品販売業において、㈱伊予鉄会館では、「全国旅行支援」による観光客増加に合わせ、サービスエリアでのイベント開催や店舗内の商品配置適正化・利益率を重視した商品入替などを実施し利益確保に努めた。
以上の結果、物品販売業営業収益は前年度に比べ55.4%増の25億868万6千円となった。
旅行業において、㈱伊予鉄トラベルでは、「全国旅行支援」を活用し、各種団体・企画旅行等の親睦視察旅行や順拝旅行の営業活動を積極的に展開した。また、ベトナム・台湾へのチャーターや国際定期路線の運航再開など、海外旅行においても明るい兆しが見え始めた。
以上の結果、旅行業営業収益は前年度に比べ113.2%増の3億1,752万8千円となった。
デジタル事業・広告事業において、伊予鉄総合企画㈱では、企業の業務効率化への需要に対応し、RPAなどを活用したデジタル化の推進、デジタルを活用した業務の一括受託などを積極的に展開した。広告事業では、コロナ禍で企業の広告費が減少傾向にある中、低コストで導入できるWEB広告の提案営業を行った。
以上の結果、デジタル事業・広告事業営業収益は前年度に比べ15.0%増の36億5,857万5千円となった。
前払式特定取引業において、㈱いよてつ友の会では、物価高による生活防衛意識の高まりなどマイナス影響が懸念されたこともあり、お買物カード残高の利用促進に向けて、当初年1回で予定していた「お買物キャンペーン」を年2回で実施するなど、収入拡大を図った。
以上の結果、前払式特定取引業営業収益は前年度に比べ8.0%増の2億4,214万4千円となった。
スポーツ業において、伊予鉄不動産㈱では、上半期の新型コロナウイルス第7波が、イヨテツスポーツセンター内プールの営業期間と重なったことで外出自粛の煽りを受け、利用客数は伸び悩んだ。また、電気代の高騰に伴う維持コストの上昇により、プール・アイススケートともに利用料の値上げを実施したが、業績は厳しい状況で推移した。
以上の結果、スポーツ業営業収益は前年度に比べ14.8%減の5億8,839万5千円となった。
クレジットカード事業において、㈱いよてつカードサービスでは、大手カード会社との競争激化に加え、セキュリティ対策強化への対応もあり厳しい環境下にある。そのような中でも、クレジットカード利用促進や損害保険代理店の営業強化を実施し、収益力の向上化と経営の健全化に努めた。
以上の結果、クレジットカード事業営業収益は前年度に比べ0.1%増の3億9,714万6千円となった。
この結果、その他部門の営業収益は前連結会計年度に比べ25.2%増の67億5,005万2千円(消去後)となった。
(営業成績)
種別当連結会計年度
(2022/4~2023/3)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
航空代理店事業21,21132.3
物品販売業2,508,68655.4
旅行業317,528113.2
デジタル事業・広告事業3,658,57515.0
前払式特定取引業242,1448.0
スポーツ業588,395△14.8
クレジットカード事業397,1460.1
消去983,63511.5
営業収益6,750,05225.2

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当社グループの流通部門を除く運輸部門他は、サービス業が多い。そのため生産、受注については、金額あるいは数量で示すことにしていないが、販売の状況については、各セグメントごとの業績に関連付けて示している。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ0.1%増の630億3,295万4千円となった。
流動資産は、受取手形及び売掛金の減少により、前連結会計年度末に比べ0.1%減の204億6,478万5千円となった。
固定資産は、投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ0.2%増の425億6,816万9千円となった。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ4.3%減の220億5,411万6千円となった。
流動負債は、短期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ0.3%減の156億178万4千円となった。
固定負債は、長期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ12.9%減の64億5,233万1千円となった。
当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度末に比べ2.7%増の409億7,883万8千円となった。
今後も、当社グループは、経営環境の変化に対応した効果的な事業運営を進め、利用客の利便性の向上や収益性の増加を目的とした効率的な設備投資を継続的に行い、財務基盤の強化に努めて行く考えである。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、120億6,577万6千円(対前連結会計年度末1億7,809万9千円増加)となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は37億7,079万9千円(対前連結会計年度21億2,930万4千円増加)となった。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は21億8,480万1千円(対前連結会計年度12億1,879万円減少)となった。これは主に有形固定資産の取得によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14億789万8千円(前連結会計年度は、16億9,552万2千円の収入)となった。これは主に長期借入金の返済によるものである。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安全輸送の完遂を最優先課題とし、バス車両等の設備投資を自己資金及び借入金にて継続的に実施していく予定である。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。

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