有価証券報告書-第73期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 16:03
【資料】
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【項目】
105項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な原油価格、新興国経済の減速や為替変動の懸念等、道内・外の景気の先行きは不透明であり、さらに中・長期にわたり、少子高齢化、人口減少が進む中、あらゆる分野において「雇用の維持・確保」「事業の在り方」等、社会経済構造の変化の対応が迫られており、引き続き厳しい状況が続いていくと考えております。
このような情勢のもと、当社グループは、バス事業にあっては「安全輸送と旅客サービスの提供」、その他の事業にあっては「安全・安心な商品・サービスの提供」を通じて地域社会に貢献する企業集団として、グループの経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を最大限活用し、グループの総合力と挑戦心を持って経営にあたるとともに、企業倫理活動を徹底し、地域社会から信頼されるよう弛まぬ努力を重ねてまいります。
また、当社グループは、地域の一員として信頼される事業活動を行ううえで、地球環境問題に対する温暖化対策の取組みを、企業の社会的責務であると考えております。引き続き長年取り組んでおります燃料節約運転の推進などにより、CO2排出量の削減に取り組むとともに、「人と環境にやさしいバス」の利用を促進するPR活動を幅広く展開いたします。
事業別の対処すべき課題は、次のとおりであります。
旅客自動車運送事業においては、平成28年1月、長野県軽井沢町の国道において貸切ツアーバスの転落事故が発生し、会社のずさんな運行管理体制が明るみに出る中で、改めて輸送の安全性の確保がバス業界全体に求められております。こうした事態に、当社グループは危機感を持って「運輸安全マネジメント制度」に基づき、社員一丸となって取り組んでまいります。
乗合運送事業では、「交通政策基本法」の成立により地域公共交通の維持・確保は、地方自治体自らがまちづくりの中で担うことになりました。「民から公へ」の転換が図られました。今後は民間企業の立場で地方自治体と協議、連携のもとで、地域公共交通の維持・確保に努めてまいります。
貸切運送事業では、安全に係わるコストを反映した新運賃・料金制度に基づき、適正な運賃・料金を収受し、安定した事業基盤の確立を目指してまいります。また、「貸切バス事業者安全性評価認定制度」(セーフティバス)について、最高ランクである三つ星の認定を受けたバス各社を中心として、引き続き安全性をセールスポイントとして積極的に世間にPRし、他と差別化した営業活動を展開してまいります。
建設業は、公共投資の減少による受注競争の激化、建設資材の高騰、技能労働者の不足が引き続き見込まれる中、営業力・技術力の強化、施工品質の向上を図ることで、顧客の信頼確保と優良案件の受注獲得を目指すとともに、原価管理の徹底により採算性の向上を図ってまいります。
清掃業・警備業は、競争の激化や人手不足が引き続き見込まれる中、収益性を重視した営業体制の構築、原価管理の徹底などを推進し、経営基盤の強化を図ってまいります。
不動産事業は、新規賃貸契約の獲得や遊休不動産の有効活用により、安定収益を確保してまいります。
観光事業は、ニセコアンヌプリ国際スキー場では、ニセコの他のスキー場と協力しながら、国内外のスキー客や観光客を誘致するためのプロモーション活動を強化してまいります。また、ニセコ温泉郷「いこいの湯宿いろは」と連携し、利用客の増加に向けた施策を実施いたします。さらに、年々増加する外国人旅行客については、受入れ体制をより一層整備・充実し、集客に努めてまいります。
その他の事業においては、飲食業は、品質やサービスを向上させ他店との差別化を図ってまいります。介護福祉事業は、平成28年4月に、サービス付き高齢者向け住宅2棟目となる「マイラシーク南郷」を札幌市内に開業いたしました。長年培ってきた「中央バスグループの安全・安心」ブランドを守りながら、入居者へ質の高いサービスを提供してまいります。