有価証券報告書-第55期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/20 13:01
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の状況
前連結会計年度末と比較した当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。
資産については、流動資産が、大型の設備投資による現金及び預金の減少などにより、3,028百万円減少しました。固定資産は、加須新倉庫の建設などにより2,407百万円増加しました。これにより資産合計は、前連結会計年度末比620百万円減の75,604百万円となりました。
負債については、流動負債が、営業未払金の減少などによって2,398百万円減少しました。また、固定負債は673百万円増加し、負債合計は、前連結会計年度末比1,725百万円減の25,082百万円となりました。
純資産については、当社の配当金支払、円高進行に伴う為替換算調整勘定の減少、子会社における外部株主への配当金支払がありましたが、利益の確保によって、前連結会計年度末比1,104百万円増の50,521百万円となりました。
自己資本比率は、前連結会計年度末比2.0ポイント上昇の59.5%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及適用後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
②経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国では雇用・所得環境が安定し、個人消費を中心に堅調に推移しました。欧州では緩やかな成長が続きましたが、英国のEU離脱の行方が不透明要因となっています。中国経済は米中貿易摩擦の長期化が影響し、成長に鈍化がみられました。日本経済は景気拡大が長期間に及んでいますが、基調は弱く低成長での推移となりました。
このような事業環境において、当社グループでは、3カ年の第3次中期経営計画の最終年度となる当期は、『高度化する物流QCDSに挑戦』し、新たな施策を展開することを事業方針に掲げ、①新領域に挑戦しビジネス、物量を拡大 ②「現場革・進」による生産性向上と利益の確保 ③お客様と従業員の信頼のもとに競争優位性を拡大 の3つを重点戦略として取り組みました。
当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。
[電子部品物流事業]
当事業の主要顧客である電子部品業界においては、自動車関連は底堅く推移しましたが、スマートフォン向けや設備関連の出荷が後半スローダウンしました。
このような需要動向のもとで、当社グループでは、引き続きグローバルに拠点・倉庫・ネットワークの拡充を行い、国内・海外一体となった提案営業を推進しました。国内では昨年5月に埼玉県加須市に竣工した大型の新倉庫が立ち上がり、質の高い保管環境とサービスにより、取り扱い貨物の拡大に寄与しました。
海外においても事業基盤強化に向けて、拠点の拡充を進めました。中国では上海近隣の江蘇省太倉での需要増に伴う倉庫拡張、アセアン・南アジアでは保管ビジネス拡大のためのシンガポール倉庫の移転拡張、インドでは輸出業務や保管業務を開始しました。また、電子部品・自動車関連部品の取扱貨物増加が見込まれるタイにおける新たな倉庫建設の着工、ベトナムの体制整備などを行いました。北米においては、メキシコで従来の保税ビジネスに加え国内事業の拡大に取り組み、欧州では東欧展開に向けてハンガリーに拠点設立準備を進めました。
また、㈱ロジコムとの間で、自動車部品向けに競争力のある高付加価値な物流サービスの構築、事業拡大を目的に合弁会社を設立することに合意しました。今後、海外市場をターゲットに事業を推進していく計画です。
当連結会計年度の業績は、国内・海外での拡販により、アルプスアルパイングループ向け以外に、一般の顧客向けを中心に売上高を伸ばすことができました。利益面では、新規拠点・ビジネスの安定稼働・効率化を進めると共に、人手不足対応として作業の自働化などを推進しましたが、新規拠点の立上げ費用や航空運賃の高止まりなどが影響し減益となりました。
当セグメントの売上高は53,200百万円(前期比 3.1%増)、営業利益は3,354百万円(同 3.4%減)となりました。
[商品販売事業]
商品販売事業では、電子部品に関連する包装資材・成形材料・電子デバイスの販売を行っています。調達と物流を一元化した電子デバイスの販売ビジネス、物流改善を意識した包装資材の提案営業を進めました。
当連結会計年度におきましては、売上高は北米向けが車載関連を中心に増加した一方、欧州や中国向けが減少し、利益面では仕入原価率の上昇により減益となりました。
当セグメントの売上高は27,399百万円(前期比 4.7%減)、営業利益は725百万円(同 6.1%減)となりました。
[消費物流事業]
消費物流分野では、小売企業の宅配サービスや通信販売ビジネスの成長に伴って需要が拡大していますが、ドライバーを始めとする人手不足が業界全体の課題として深刻化しております。
このような事業環境において、当社グループで消費物流を担う㈱流通サービスは、生協物流や通販物流など、強みを活かした分野への事業の集中・拡販を進めるとともに、人材の確保・育成に重点的に取り組みました。
当連結会計年度の業績は、通販関係の受託業務が増加しましたが、取引の一部見直しを行った影響で減収となり、また、人手不足対策に伴う労務関連費用、支払運賃・燃料費などの諸経費が増加し減益となりました。
当セグメントの売上高は24,318百万円(前期比 1.1%減)、営業利益は642百万円(同 6.7%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当期末の残高は、前連結会計年度末と比べ2,884百万円減少の15,170百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、税金等調整前当期純利益4,619百万円等により4,607百万円(前期比1,242百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は5,436百万円(前期比1,105百万円の支出増)となりました。主な支出は、加須やタイ倉庫建設代金の支払など有形固定資産の取得支出3,939百万円及びソフトウエアなど無形固定資産の取得支出1,236百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,678百万円(前期比126百万円の支出減)となりました。主な支出は、当社の配当金支払635百万円、子会社での外部株主への配当金支払395百万円、長期借入金の純減213百万円、リース債務の支払483百万円です。
④生産、受注及び販売の実績
売上高実績
当連結会計年度における売上高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
売上高(百万円)前年同期比(%)
電子部品物流事業53,200103.1
商品販売事業27,39995.3
消費物流事業24,31898.9
セグメント間の内部売上高又は振替高--
合計104,91999.9

(注)1 外注実績は、次のとおりであります。なお、外注比率は、売上高に対する外注費の割合であります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
外注費(百万円)前年同期比(%)外注比率(%)
電子部品物流事業24,73397.546.5
商品販売事業42598.11.6
消費物流事業2,56378.210.5
セグメント間の内部振替高---
合計27,72295.326.4

2 最近2連結会計年度における主な相手先別の売上高実績及び当該売上高実績の総売上高実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先名前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
売上高(百万円)総売上高に対する割合(%)売上高(百万円)総売上高に対する割合(%)
アルプスアルパイン株式会社 (注)410,46110.09,7549.3
TDK株式会社3,9913.84,4134.2
アルパイン株式会社8680.88110.8

3 上記金額には消費税等は、含まれておりません。
4 アルプスアルパイン株式会社は、2019年1月1日にアルプス電気株式会社とアルパイン株式会社が経営統合し、商号変更したものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値及び報告期間における収入・費用の数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。この見積りは過去の実績や状況に応じ合理的と考えられるさまざまな要因に基づき行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに影響を及ぼすものと考えております。
a. たな卸資産、有価証券
通常の販売目的で保有するたな卸資産は主に移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を、時価の無い有価証券は移動平均法による原価法を、時価のある有価証券は時価法を採用しております。また、その価値が帳簿価額より50%以上下落した時は評価損を計上し、時価のある有価証券についてはその価値が30%以上50%未満の場合は時価の回復可能性等を判断し、評価損を計上しております。
たな卸資産では顧客の将来需要の減少などに伴う陳腐化が生じた場合、有価証券では将来の景気変動などによって投資先が業績不振になった場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産については、回収可能性があると判断できる金額のみ計上しています。繰延税金資産の回収可能
性を判断するにあたっては、将来の課税所得等を考慮しています。
すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った
期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。逆に回収可能性がないとして未計上で
あった繰延税金資産が回収可能になったと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を計上し、税金
費用を減少させることになります。
c. 退職給付に係る負債
従業員の退職給付に備えるため、当社グループは当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当連結会計年度末の発生費用及び負債の計上を行っております。退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。この前提条件である割引率、期待収益率、脱退率などが実際の結果と異なる場合、又はこの前提条件の変更は一般的には将来期間における費用及び債務に影響を及ぼします。
d. 固定資産の減損に係る会計基準の適用
減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フローの見積り等により行っています。
今後、市場環境の変化等により固定資産の収益性が見積りより低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループにおける連結業績は、売上高104,919百万円(前期比 0.1%減)、営業利益4,722百万円(同 4.3%減)、経常利益4,830百万円(同 2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,499百万円(同 2.5%増)となりました。
売上高については、電子部品物流事業において、国内・海外での拡販により、アルプスアルパイングループ向け以外に一般の顧客向けを中心に売上高を伸ばすことができましたが、商品販売事業や消費物流事業の減少により、当社グループ全体の売上高としては減収となりました。
利益については、新規拠点の立上げ費用や航空運賃の高止まりなどによる影響、労務関連費用等の増加などにより減益となりました。
電子部品関連の物流と商品販売を主体とする当社及び国内外の子会社20社、そして消費物流を主体とする国内子会社の㈱流通サービスは、2019年度よりスタートした3カ年の第4次中期経営計画の達成に向けて、それぞれの専門分野における戦略・重点施策を着実に実行し、更なるグローバル成長を図ってまいります。
なお、各セグメントの状況は、以下のとおりです。
[電子部品物流事業・商品販売事業]
当連結会計年度は、電子部品物流事業と商品販売事業を合わせた電子部品関連の事業で売上高81,000百万円、営業利益4,360百万円の計画を設定しました。実績は上記に記載の要因によって、売上高が計画比0.5%減の80,600百万円、営業利益は計画比6.4%減の4,079百万円となりました。また、グローバル成長の度合いを測る指標として「外販比率(親会社であるアルプス・グループ以外の売上構成比率)」、「海外売上比率」の向上に取り組んでおり、当連結会計年度においては、外販比率が前期比2.9ポイント増の52.8%に、海外売上比率については、電子部品物流において国内売上高の増加が海外売上高の増加を上回ったため、前期比0.1ポイント減の37.4%となりました。
今後については、主要顧客が属する電子部品産業は、さまざまな機器や自動車の電子化の進展、そして新興国需要の拡大によって、今後も成長が予想されております。一方で、商品やマーケットの変化に対応した最適地生産や生販合理化が進んでおり、顧客の物流改革ニーズは高度化かつ多様化しております。このような事業環境において、電子部品関連の事業をドメインとする当社及び国内外の子会社では、2019年度より3カ年の第4次中期経営計画をスタートしました。中期基本方針を「進化する『最適物流』をより多くのお客様に」と定め、グローバルにビジネスの拡大を図ってまいります。
[消費物流]
消費物流分野では、生協物流や通販物流など、強みを活かした分野への事業の集中・拡販、ドライバーや倉庫作業員の人手不足とそれに伴うコスト・アップが経営課題となっております。売上高25,000百万円、営業利益740百万円の計画を設定しました。当連結会計年度は、通販関係の受託業務が増加しましたが、取引の一部見直しを行った影響による減少を補いきれず、売上高は計画比2.7%減の24,318百万円、営業利益が13.2%減の642百万円となりました。
事業の運営体制や営業体制の強化を図り、主要顧客である生協向けビジネスの更なる拡大、シェアアップを図るとともに、「EC通販物流」の拡販・強化を進めてまいります。また、業界課題である人手不足に対処すべく、採用力や教育制度の強化、働き方改革の推進によって、定着率の更なる向上を図り、人材の確保・育成につなげてまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループでは、当連結会計年度におきまして、事業規模の拡大、顧客サービスの向上などを目的とした物流インフラ強化のための設備投資として、土地の取得を含めた倉庫建設、車両の購入、情報システム構築など、総額5,550百万円の投資を行いました。
当社グループにおける運転資金及び設備投資資金については、営業キャッシュ・フローの確保による自己資金と、金融機関からの借入によって調達を行っています。当連結会計年度末における借入金の残高は3,007百万円(前期比164百万円減)、現金及び現金同等物の残高は15,170百万円(前期末比2,884百万円減)となりました。
今後の重要な設備投資としては、引き続き国内外における倉庫建設を中心とした拠点・ネットワーク投資、生産性向上のための投資を行う計画です。なお、これらの設備投資資金については、現金及び現金同等物と、営業キャッシュ・フローから充当する計画です。

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