有価証券報告書-第172期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期におけるわが国経済は、鉱工業生産指数が前年同期を下回る傾向が続き、製造業を中心に一段と弱さを増しております。物流を取り巻く環境は、人手不足による人件費の上昇、米中間の通商摩擦の長期化等による世界経済の不確実性に加えて、足元では新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が講じられたことによる同感染症の経済に対する影響が深刻化するなど世界経済の下押し圧力が一層高まっており、先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済環境の中、当社グループの連結業績につきましては、「中期経営計画2017」で定めた抜本的事業収益力の強化に関する各種施策の実施や、国内の物流事業における堅調な貨物取扱、不動産事業における賃料収入の増加があった一方、当期における影響は限定的ではありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内外において取扱物量が想定を下回った結果、事業全体としては前期比ほぼ横ばいとなり、連結営業収益は前年同期比7億72百万円減の2,410億80百万円、連結営業利益は同1億78百万円減の118億8百万円、連結経常利益は同5億56百万円減の105億31百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、同12億4百万円増の63億95百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(イ)物流事業
当社グループは「中期経営計画2017」の下、物流事業における抜本的事業収益力の強化を目指し、販管費等のコスト削減、粗利益改善施策の実行等、各種施策の実施に取り組みました。これら施策の実行に加え、倉庫業務において食品原料等の貨物取扱が増加し高い水準で推移したことや、家電メーカー向け物流業務の取扱が増加したこと、その他、医薬品、家電メーカー向け物流の新規取扱開始などにより取扱物量が増加いたしました。一方、家電量販店向け物流において消費増税前後の取扱量に想定以上の波動が生じたことによる在庫保管・運送コストの増加、および2020年2月以降は国内における外出自粛、海外諸国におけるロックダウン等の影響から取扱物量が想定を下回った結果、営業収益は前年同期比14億21百万円減の2,319億82百万円となり、営業利益は同7億39百万円減の91億5百万円となりました。
(ロ)不動産事業
主要テナントとの契約更改に伴い賃料収入が増加し、営業収益は前年同期比6億63百万円増の98億33百万円、営業利益は同7億50百万円増の58億65百万円となりました。
当期の経営成績における新型コロナウイルス感染症の影響を含む前年同期比増減の詳細は以下の通りとなります。
連結営業利益における前年同期比詳細 (単位:億円)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
当期末の総資産は「中期経営計画2017」の下、財務基盤の再建を目指し、手元現預金の圧縮を行い有利子負債の返済に充てたことによる現預金の減少のほか、償却の進行に伴う固定資産の減少、株式相場の下落に伴う時価のある投資有価証券の減少などから、前連結会計年度末より127億68百万円減少し、2,393億9百万円となりました。
純資産は、円高による為替換算調整勘定の減少や、株式相場の下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末より25億99百万円増加し、548億42百万円となりました。
「中期経営計画2017」における経営上の数値目標の達成状況
目標達成に必要な対応につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、法人税等の支払額が減少したことなどから、前年同期比26億14百万円増加の211億12百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、「中期経営計画2017」の下、不要不急の投資は抑制しておりますが、今期は東京港中央防波堤外側外貿コンテナふ頭への進出に伴う設備投資の結果、前年同期比14億43百万円支出増加の54億87百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還及び借入金の返済により、前年同期比1億27百万円支出増加の167億46百万円の支出となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より16億24百万円減少の213億80百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りです。
(イ)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
当社グループの第三者に対する保証は、同業者で共同出資しているターミナル運営会社の銀行借入等に対する債務保証、従業員に対する銀行の住宅ローンに関する債務保証などであります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2020年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計額は1億11百万円であります。
このほか、一部の物流施設の調達をオペレーティング・リース取引によって行っており、これに関する未経過リース料は219億80百万円(1年内69億54百万円、1年超:150億26百万円)であります。
(ロ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または社債及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が一年以内の短期借入金で、当社及び関係会社の一部が調達しております。これに対して、倉庫施設などの長期資金は、固定金利の社債及び長期借入金で調達しております。2020年3月31日現在、長期借入金の残高は896億44百万円であり、無担保普通社債の残高は350億円であります。
当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加え、約190億円の実行を確約していない未使用の借入枠もあり、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。
「中期経営計画2017」における当社グループの基本的な財務政策に関する方針は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り「財務基盤の再建」を基本方針としております。当該基本方針に基づき、営業活動等により獲得した資金は、有利子負債の削減、株主還元、持続的成長に資すると判断できる成長投資に資金配分いたします。
有利子負債の削減については当期末時点において「中期経営計画2017」における財務目標値である2022年3月期末までに有利子負債残高1,300億円(当期末残高1,271億1百万円)・ネットD/Eレシオ2.0倍以下(当期末2.11倍)の目標値をほぼ達成している状況ではありますが、引き続き財務バランスの改善が必要という認識の下、継続して取り組む方針であります。
株主への還元は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載されている配当方針に従い、年間配当金を1株につき 50 円とし、これを下限とした安定的配当の継続を基本としつつ、利益水準、有利子負債の削減状況、投資の見通しなどを勘案し決定してまいります。
投資については不要不急の投資は抑制し、当社グループの持続的成長に資すると判断できる経営方針に沿った成長投資等を行ってまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社経営陣は連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び評価を行わなければなりません。経営陣は、たな卸資産、貸倒れ、有価証券、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産、法人税等、繰延税金資産、財務活動、退職給付、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる基準・要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断基礎となります。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当期の連結財務諸表を作成するにあたり、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等については、会計上の見積りを行う上で将来キャッシュ・フロー、資産の回収可能性等を検討するにあたり、入手可能な外部の情報等に基づき新型コロナウイルス感染症の影響を勘案したうえで見積りを行っております。
また、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
(のれん)
当社グループの連結財務諸表にはのれんが5,905百万円計上されており、連結総資産の約2.4%を占めております。
のれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたって均等償却しております。また、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、減損損失の認識が必要となった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。
当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、当社経営陣が作成した事業計画を基礎として行っておりますが、関連取引先の生産計画や国際輸送計画を前提としており、その前提に基づく当社経営陣による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼすため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えております。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、倉庫保管・荷役、港湾作業、国内運送及び国際輸送等の物流の各機能を有機的・効率的に顧客に提供する物流事業並びにビル賃貸業を中心とする不動産事業で構成されており、以下の2つを報告セグメントとしております。
・「物流事業」…倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援業務、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを提供しております。
・「不動産事業」…ビル賃貸業を中心としたサービスを提供しております。
役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難でありますので、これに代えて、セグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。
(イ)セグメント毎の主要業務の営業収益
(注)1 セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)セグメント毎の主要業務の取扱高等
(2) 次期の見通し
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が引き続き講じられることによる各国経済の停滞に伴い、国内外の荷動き低迷は依然続く厳しい状況が見込まれます。
当社グループにおきましては、5ヶ年計画である「中期経営計画2017」の次期から始まる後半2年間においては、前半3年間で取り組んだ抜本的事業収益力の強化、財務基盤の再建、統合ソリューションサービスの構築に加え、人が担うローテクと機械が担うハイテクの融合により安価で高品質なサービスをお客様に提供すべく「圧倒的な現場力の構築」に取り組み、一気通貫の統合ソリューションサービスの構築を加速させるべく事業間の機能見直し、ネットワーク強化に取り組むことで更なるグループシナジー実現を追及してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響を除いた物流事業における次期見通しについては、航空輸送業務を中心に電子部品、半導体の取扱減少を見込んでおります。物流事業におけるその他の業務については個別案件の増減はございますが、全体としては概ね当期と同等の取扱となることを見込んでおります。
次期の連結業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提の下、物流事業においては、海外を中心に主要顧客の生産活動停止や世界的な荷動き低迷を要因に国際輸送の取扱が減少し、国内においては家電量販店物流を中心に荷動きの鈍化を見込んでいるものの、上記前提を基にした厳しい事業環境の見通しにおいても、「中期経営計画2017」の前半3年間で取り組んだコスト削減、粗利益改善施策の結果、一定の利益水準は維持できる見通しであります。不動産事業においては新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり当期と同水準の賃料収入を見込んでおります。これらの見込みから、次期の連結営業収益は2,200億円(前期比8.7%減)、連結営業利益は85億円(同28.0%減)、連結経常利益は79億円(同25.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億円(同24.9%減)を見込んでおります。
次期の見通しにおける新型コロナウイルス感染症の影響を含む当期実績と見通しの増減詳細は以下の通りとなります。上記に記載の通り新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提で次期の業績を予想しております。
連結営業利益における当期実績および次期見通しの増減詳細 (単位:億円)
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期におけるわが国経済は、鉱工業生産指数が前年同期を下回る傾向が続き、製造業を中心に一段と弱さを増しております。物流を取り巻く環境は、人手不足による人件費の上昇、米中間の通商摩擦の長期化等による世界経済の不確実性に加えて、足元では新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が講じられたことによる同感染症の経済に対する影響が深刻化するなど世界経済の下押し圧力が一層高まっており、先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済環境の中、当社グループの連結業績につきましては、「中期経営計画2017」で定めた抜本的事業収益力の強化に関する各種施策の実施や、国内の物流事業における堅調な貨物取扱、不動産事業における賃料収入の増加があった一方、当期における影響は限定的ではありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内外において取扱物量が想定を下回った結果、事業全体としては前期比ほぼ横ばいとなり、連結営業収益は前年同期比7億72百万円減の2,410億80百万円、連結営業利益は同1億78百万円減の118億8百万円、連結経常利益は同5億56百万円減の105億31百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、同12億4百万円増の63億95百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(イ)物流事業
当社グループは「中期経営計画2017」の下、物流事業における抜本的事業収益力の強化を目指し、販管費等のコスト削減、粗利益改善施策の実行等、各種施策の実施に取り組みました。これら施策の実行に加え、倉庫業務において食品原料等の貨物取扱が増加し高い水準で推移したことや、家電メーカー向け物流業務の取扱が増加したこと、その他、医薬品、家電メーカー向け物流の新規取扱開始などにより取扱物量が増加いたしました。一方、家電量販店向け物流において消費増税前後の取扱量に想定以上の波動が生じたことによる在庫保管・運送コストの増加、および2020年2月以降は国内における外出自粛、海外諸国におけるロックダウン等の影響から取扱物量が想定を下回った結果、営業収益は前年同期比14億21百万円減の2,319億82百万円となり、営業利益は同7億39百万円減の91億5百万円となりました。
(ロ)不動産事業
主要テナントとの契約更改に伴い賃料収入が増加し、営業収益は前年同期比6億63百万円増の98億33百万円、営業利益は同7億50百万円増の58億65百万円となりました。
当期の経営成績における新型コロナウイルス感染症の影響を含む前年同期比増減の詳細は以下の通りとなります。
連結営業利益における前年同期比詳細 (単位:億円)
| 2019年3月期連結営業利益 | 120(11,986百万円) | |
| 航空輸送関連 | 電子部品・半導体等 航空貨物取扱減 自動車関連プロジェクト輸送減 | : ▲ 4 : ▲ 2 |
| 主な荷動きの趨勢 | 食品原料等 貨物取扱増 家電メーカー物流取扱増 新規取扱(医薬品・家電メーカー等) 家電量販店物流一過性の荷役コスト発生 原価増(人件費・運送費等) 国際輸送業務取扱減等 | : + 5 : + 4 : + 3 : ▲ 5 : ▲ 6 : ▲ 4 |
| 抜本的な事業収益力強化施策の実行 | 適正料金収受等 計画通り進捗 コスト削減 計画通り進捗 不動産事業における契約改定に伴う増 | : + 7 : + 5 : + 7 |
| 一過性費用 | 働き方改革関連等の一過性費用 退職給付費用 | : ▲ 5 : ▲ 3 |
| 新型コロナウイルス感染症の影響 | 海外諸国ロックダウンに伴う取扱大幅減 中国経済停止に伴う通関・船社取扱減 外出自粛に伴う家電量販店向け物流取扱減 その他 | : ▲1.2 : ▲ 1 : ▲ 1 : ▲0.8 |
| 2020年3月期連結営業利益 | 118(11,808百万円) | |
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
当期末の総資産は「中期経営計画2017」の下、財務基盤の再建を目指し、手元現預金の圧縮を行い有利子負債の返済に充てたことによる現預金の減少のほか、償却の進行に伴う固定資産の減少、株式相場の下落に伴う時価のある投資有価証券の減少などから、前連結会計年度末より127億68百万円減少し、2,393億9百万円となりました。
純資産は、円高による為替換算調整勘定の減少や、株式相場の下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末より25億99百万円増加し、548億42百万円となりました。
「中期経営計画2017」における経営上の数値目標の達成状況
| 2022年3月期末(計画最終年度) | 2020年3月期末(本計画3年目) | |
| 営業利益 | 100億円 | 118億8百万円 |
| 有利子負債残高 | 1,300億円 | 1,271億1百万円 |
| ネットD/Eレシオ | 2.0倍以下 | 2.11倍 |
| ROE | 9.0%超 | 13.2% |
目標達成に必要な対応につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、法人税等の支払額が減少したことなどから、前年同期比26億14百万円増加の211億12百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、「中期経営計画2017」の下、不要不急の投資は抑制しておりますが、今期は東京港中央防波堤外側外貿コンテナふ頭への進出に伴う設備投資の結果、前年同期比14億43百万円支出増加の54億87百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還及び借入金の返済により、前年同期比1億27百万円支出増加の167億46百万円の支出となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より16億24百万円減少の213億80百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りです。
(イ)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超 2年内 | 2年超 3年内 | 3年超 4年内 | 4年超 5年内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 2,456 | 2,456 | - | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 89,644 | 15,493 | 13,106 | 9,681 | 8,263 | 4,868 | 38,230 |
| 社債 | 35,000 | 10,000 | - | - | - | 14,000 | 11,000 |
| リース債務 | 2,498 | 956 | 473 | 328 | 258 | 149 | 332 |
当社グループの第三者に対する保証は、同業者で共同出資しているターミナル運営会社の銀行借入等に対する債務保証、従業員に対する銀行の住宅ローンに関する債務保証などであります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2020年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計額は1億11百万円であります。
このほか、一部の物流施設の調達をオペレーティング・リース取引によって行っており、これに関する未経過リース料は219億80百万円(1年内69億54百万円、1年超:150億26百万円)であります。
(ロ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または社債及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が一年以内の短期借入金で、当社及び関係会社の一部が調達しております。これに対して、倉庫施設などの長期資金は、固定金利の社債及び長期借入金で調達しております。2020年3月31日現在、長期借入金の残高は896億44百万円であり、無担保普通社債の残高は350億円であります。
当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加え、約190億円の実行を確約していない未使用の借入枠もあり、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。
「中期経営計画2017」における当社グループの基本的な財務政策に関する方針は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り「財務基盤の再建」を基本方針としております。当該基本方針に基づき、営業活動等により獲得した資金は、有利子負債の削減、株主還元、持続的成長に資すると判断できる成長投資に資金配分いたします。
有利子負債の削減については当期末時点において「中期経営計画2017」における財務目標値である2022年3月期末までに有利子負債残高1,300億円(当期末残高1,271億1百万円)・ネットD/Eレシオ2.0倍以下(当期末2.11倍)の目標値をほぼ達成している状況ではありますが、引き続き財務バランスの改善が必要という認識の下、継続して取り組む方針であります。
株主への還元は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載されている配当方針に従い、年間配当金を1株につき 50 円とし、これを下限とした安定的配当の継続を基本としつつ、利益水準、有利子負債の削減状況、投資の見通しなどを勘案し決定してまいります。
投資については不要不急の投資は抑制し、当社グループの持続的成長に資すると判断できる経営方針に沿った成長投資等を行ってまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社経営陣は連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び評価を行わなければなりません。経営陣は、たな卸資産、貸倒れ、有価証券、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産、法人税等、繰延税金資産、財務活動、退職給付、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる基準・要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断基礎となります。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当期の連結財務諸表を作成するにあたり、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等については、会計上の見積りを行う上で将来キャッシュ・フロー、資産の回収可能性等を検討するにあたり、入手可能な外部の情報等に基づき新型コロナウイルス感染症の影響を勘案したうえで見積りを行っております。
また、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
(のれん)
当社グループの連結財務諸表にはのれんが5,905百万円計上されており、連結総資産の約2.4%を占めております。
のれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたって均等償却しております。また、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、減損損失の認識が必要となった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。
当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、当社経営陣が作成した事業計画を基礎として行っておりますが、関連取引先の生産計画や国際輸送計画を前提としており、その前提に基づく当社経営陣による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼすため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えております。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、倉庫保管・荷役、港湾作業、国内運送及び国際輸送等の物流の各機能を有機的・効率的に顧客に提供する物流事業並びにビル賃貸業を中心とする不動産事業で構成されており、以下の2つを報告セグメントとしております。
・「物流事業」…倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援業務、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを提供しております。
・「不動産事業」…ビル賃貸業を中心としたサービスを提供しております。
役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難でありますので、これに代えて、セグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。
(イ)セグメント毎の主要業務の営業収益
| セグメント | 営業収益(百万円) | 前連結会計年度比増減 | ||
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額(百万円) | 比率(%) | |
| 物流事業 | ||||
| (倉庫保管) | 31,763 | 33,980 | 2,216 | 7.0 |
| (倉庫荷役) | 28,732 | 28,973 | 241 | 0.8 |
| (港湾作業) | 18,162 | 17,616 | △546 | △3.0 |
| (運送) | 112,578 | 110,141 | △2,437 | △2.2 |
| (その他) | 42,166 | 41,270 | △896 | △2.1 |
| 計 | 233,404 | 231,982 | △1,421 | △0.6 |
| 不動産事業 | ||||
| (不動産賃貸) | 9,170 | 9,833 | 663 | 7.2 |
| 計 | 9,170 | 9,833 | 663 | 7.2 |
| セグメント間取引消去 | △721 | △736 | △14 | - |
| 合計 | 241,852 | 241,080 | △772 | △0.3 |
(注)1 セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)セグメント毎の主要業務の取扱高等
| セグメント の名称 | 業務の種類 | 取扱高等 | ||
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 物流事業 | 倉庫保管 | 国内平均保管残高(千トン) | 489 | 464 |
| 国内貨物回転率(%) | 30.1 | 29.1 | ||
| 所管面積(千㎡) | 1,314 | 1,376 | ||
| 倉庫荷役 | 国内入庫高(千トン) | 1,767 | 1,618 | |
| 国内出庫高(千トン) | 1,768 | 1,625 | ||
| 港湾作業 | CT作業取扱高(TEU) | 898,136 | 876,618 | |
| 運送 | (国内運送) | |||
| 国内コンテナ運送取扱高(本数) | 227,485 | 215,256 | ||
| (国際運送NVOCC) | ||||
| 取扱高(TEU) | 40,840 | 35,556 | ||
| (陸上貨物運送) | ||||
| 貸切輸送(千トンキロ) | 620,439 | 627,626 | ||
| 取扱数量(千個) | 32,791 | 33,506 | ||
| (航空貨物輸送) | ||||
| 取扱高(トン数) | 57,540 | 49,945 | ||
| (3PL) | ||||
| 取扱個数(千個) | 139,202 | 138,854 | ||
| (サプライチェーンマネジメント支援) | ||||
| 販売物流入出庫高(千㎥) | 410.7 | 411.0 | ||
| 不動産事業 | 不動産賃貸 | 賃貸面積(千㎡) | 172 | 172 |
| (注) 貨物回転率= | (年間入庫高+年間出庫高)×1/2 | × 100 |
| 月末保管残高年間合計 |
(2) 次期の見通し
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、国内外において感染症対策として外出自粛、ロックダウン等が引き続き講じられることによる各国経済の停滞に伴い、国内外の荷動き低迷は依然続く厳しい状況が見込まれます。
当社グループにおきましては、5ヶ年計画である「中期経営計画2017」の次期から始まる後半2年間においては、前半3年間で取り組んだ抜本的事業収益力の強化、財務基盤の再建、統合ソリューションサービスの構築に加え、人が担うローテクと機械が担うハイテクの融合により安価で高品質なサービスをお客様に提供すべく「圧倒的な現場力の構築」に取り組み、一気通貫の統合ソリューションサービスの構築を加速させるべく事業間の機能見直し、ネットワーク強化に取り組むことで更なるグループシナジー実現を追及してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響を除いた物流事業における次期見通しについては、航空輸送業務を中心に電子部品、半導体の取扱減少を見込んでおります。物流事業におけるその他の業務については個別案件の増減はございますが、全体としては概ね当期と同等の取扱となることを見込んでおります。
次期の連結業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提の下、物流事業においては、海外を中心に主要顧客の生産活動停止や世界的な荷動き低迷を要因に国際輸送の取扱が減少し、国内においては家電量販店物流を中心に荷動きの鈍化を見込んでいるものの、上記前提を基にした厳しい事業環境の見通しにおいても、「中期経営計画2017」の前半3年間で取り組んだコスト削減、粗利益改善施策の結果、一定の利益水準は維持できる見通しであります。不動産事業においては新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり当期と同水準の賃料収入を見込んでおります。これらの見込みから、次期の連結営業収益は2,200億円(前期比8.7%減)、連結営業利益は85億円(同28.0%減)、連結経常利益は79億円(同25.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億円(同24.9%減)を見込んでおります。
次期の見通しにおける新型コロナウイルス感染症の影響を含む当期実績と見通しの増減詳細は以下の通りとなります。上記に記載の通り新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの低迷が2020年9月末までは継続し、以降収束に向かうという前提で次期の業績を予想しております。
連結営業利益における当期実績および次期見通しの増減詳細 (単位:億円)
| 2020年3月期連結営業利益 | 118(11,808百万円) | |
| 航空輸送関連 | 自動車関連プロジェクト輸送減 | : ▲ 8 |
| 新型コロナウイルス感染症の影響 | 自動車メーカーの生産活動停止に伴う自動 車関連航空輸送取扱減 家電メーカーの生産活動停止に伴う家電 メーカー関連物流取扱減 米欧・東南アジアにおけるロックダウン等 に伴う消費低迷・物量大幅減 国内における顧客の仕入減少に伴う家電 量販店向け物流取扱減 | : ▲ 8 : ▲ 8 : ▲ 7 : ▲ 4 |
| コスト増 | 新規稼働施設 定率償却による当初償却増 | : ▲ 3 |
| 収益力強化等 | 適正料金収受等 コスト削減 その他 | : + 3 : + 1 : + 1 |
| 2021年3月期連結営業利益(予想) | 85(8,500百万円) | |