有価証券報告書-第114期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 13:00
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【項目】
167項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦を中心とした貿易に関する保護主義の影響が顕在化し、中国経済の減速や、ブレグジット、自動車産業の低迷等を背景とした欧州経済の減速、インドをはじめとする新興国経済の減速に加え、地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
日本国内経済においても、世界経済の影響を受けた輸出や製造業の減速、台風19号などの大型災害の影響、堅調な個人消費も消費増税の影響を受けるなど、下半期を中心に低迷いたしました。そして、第4四半期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界・日本経済双方が大きく影響を受け、厳しい経営環境となりました。
このような経済情勢の中、物流業界におきましても、世界貿易と製造業の減速は貨物輸送需要を押し下げ、特に自動車関連貨物、鉄鋼を中心とした生産関連貨物、建設機械関連貨物の荷動きが鈍化いたしました。また、日本国内貨物の輸送需要につきましても、省力化・効率化投資に係る輸送需要の拡大や消費増税前の駆け込み需要など見られましたが、総じて低調な荷動きに推移いたしました。
日本通運グループは、このような経営環境のもと、新たにスタートいたしました5年間の経営計画「日通グループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」における初年度となり、長期ビジョン実現に向けた変革の第一歩として位置付け、「事業の成長戦略」「長期ビジョン実現のための取組み」に掲げる施策に取り組んでまいりました。
[事業の成長戦略]
「コア事業の成長戦略」における「顧客(産業)軸」につきましては、医薬品事業の立ち上げや半導体産業へのグループ連携した営業提案など重点5産業への取組みを強化するとともに、非日系企業への取組みを強化いたしました。
「事業軸」につきましては、海運・航空フォワーディングの取扱い拡大に加え、倉庫を起点としたロジスティクス等への取組みを強化いたしました。新たな顧客基盤の拡大や各産業・業種向け倉庫・配送を中心としたロジスティクスは好調に推移いたしましたが、中国を中心とした世界経済の失速、自動車販売台数の減少、保護主義の台頭による貿易低迷などを背景に貨物輸送需要が低迷し、取扱い数量が伸び悩む結果となりました。
「顧客(産業)軸」「事業軸」に関する各種KPIの進捗は以下のとおりです。
項目
(売上高)
国内海外
2020年3月期
実績
2020年3月期
予想
進捗率2020年3月期
実績
2020年3月期
予想
進捗率
電機・電子産業への
取組強化
1,038億円1,160億円89%1,070億円1,110億円96%
自動車産業への
取組強化
662億円850億円78%593億円670億円89%
アパレル産業への
取組強化
156億円175億円89%590億円530億円111%
医薬品産業への
取組強化
147億円180億円82%116億円120億円97%

項目
(売上高)
2020年3月期
実績
2020年3月期
予想
進捗率
非日系顧客の拡大299億円298億円100%
項目
(フォワーディング数量)
2020年3月期
実績
2020年3月期
予想
進捗率
海上フォワーディングの
拡大
69万TEU76万TEU91%
航空フォワーディングの
拡大
80万t76万t105%

* 海上・航空フォワーディング数量の実績は、2020年3月期より対象期間を1月~12月としております。
* 2020年3月期より、航空フォワーディング数量(日本発)の計測方法を変更しております。詳細につきましては、2020年3月期決算説明会資料をご参照ください。
「エリア軸」につきましては、成長著しいインドへの更なる投資として、インド消費流通最大手Future Supply Chain Solutions Limitedとの資本提携を実施いたしました。また、アフリカではモロッコ、中央アジアではカザフスタンにおいて新たな拠点を開設、東南アジア各国におきましても新規倉庫を竣工するなど新興エリアでの事業拡大に取り組みました。
「日本事業の強靭化戦略」につきましては、当社グループ事業の核となる日本ロジスティクス事業の収益性の更なる改善と人手不足という課題解決に向け、2019年10月に日本国内組織の大規模再編による支店の統廃合を実施いたしました。
[長期ビジョン実現のための取組み]
「取組みを支える機能の強化」における「IT戦略のイノベーション」では、ITセキュリティ強化によるグループガバナンス強化の取組み、営業事務生産性向上に向けたRPA導入と普及に向けた取組みを加速させました。
「R&Dのイノベーション」では、物流先端技術の実用化に向け、顧客企業や外部団体と連携した様々な実証実験に加え、倉庫現場などでの導入を進めました。
「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営の確立」におきましては、CO2排出量削減にこだわる「E:環境」では、中欧鉄道の利用拡大に向けた取組みなどモーダルシフトや複合輸送商品の拡販に取り組みました。また、社員が幸せを感じる企業への変革を目指す「S:社会」では、多様な人材が活躍する組織づくりに取り組むとともに、新社員制度による同一労働・同一賃金への前倒し対応に加え、長時間労働の撲滅に取り組みました。企業価値向上の肝となる「G:ガバナンス」では、IR活動における各種説明会や情報発信の充実に努めるとともに、グループ経営体制の検討の開始など様々な取組みを実施いたしました。
この結果、売上高は2兆803億円と前連結会計年度に比べ581億円、2.7%の減収となりました。売上高減少の主な内容は、新型コロナウイルス感染症拡大による減少42億円等によるものであります。
売上原価は1兆9,110億円で前連結会計年度に比べ385億円、2.0%減となり、売上総利益は1,693億円で前連結会計年度に比べ195億円、10.4%減となりました。売上原価減少の主な内容は、利用運送費の減少等によるものであります。
販売費及び一般管理費は1,100億円で前連結会計年度に比べ8億円、0.7%増となりました。販売費及び一般管理費増加の主な内容は、コンサルティング費用の増加等によるものであります。
以上により、営業利益は592億円で前連結会計年度に比べ203億円、25.6%減、経常利益は574億円で前連結会計年度に比べ283億円、33.1%減となりました。営業利益減少の主な内容は、新型コロナウイルス感染症拡大による減少13億円等によるものであります。
特別利益は44億円で前連結会計年度に比べ9億円、26.6%増、特別損失は234億円で前連結会計年度に比べ120億円、104.9%増となりました。特別利益増加の主な内容は、投資有価証券売却益の増加22億円等によるものであります。また、特別損失増加の主な内容は、減損損失の増加86億円等によるものであります。
税金等調整前当期純利益は383億円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、さらに非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は174億円となり、前連結会計年度に比べ319億円、64.7%減となりました。
報告セグメントの業績概況は以下のとおりであります。
(売上高の明細)
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月 1日
至 2019年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2019年4月 1日
至 2020年3月31日)
(百万円)
増 減
(百万円)
増減率(%)






日本1,256,8021,213,597△43,204△3.4
米州98,69991,068△7,631△7.7
欧州114,812119,3384,5263.9
東アジア122,754112,048△10,705△8.7
南アジア・
オセアニア
91,87490,112△1,762△1.9
警備輸送72,64772,589△58△0.1
重量品建設47,75152,3584,6079.6
物流サポート483,965471,201△12,764△2.6
2,289,3082,222,315△66,993△2.9
調整額△150,806△141,9628,843-
合計2,138,5012,080,352△58,149△2.7

(セグメント利益(営業利益)の明細)
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月 1日
至 2019年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2019年4月 1日
至 2020年3月31日)
(百万円)
増 減
(百万円)
増減率(%)






日本55,96642,852△13,113△23.4
米州4,2642,793△1,470△34.5
欧州2,2711,777△494△21.7
東アジア3,0072,992△14△0.5
南アジア・
オセアニア
3,7103,155△555△15.0
警備輸送1,240△1,073△2,313-
重量品建設4,5206,1931,67337.0
物流サポート12,77812,357△420△3.3
87,75971,050△16,708△19.0
調整額△8,161△11,826△3,665-
合計79,59859,224△20,373△25.6


①日本(ロジスティクス)
航空輸出貨物取扱数量減少及び人件費増加等により、売上高は1兆2,135億円と前連結会計年度に比べ432億円、3.4%の減収となり、営業利益は428億円と前連結会計年度に比べ131億円、23.4%の減益となりました。
②米州(ロジスティクス)
航空輸出貨物の取扱数量減少等により、売上高は910億円と前連結会計年度に比べ76億円、7.7%の減収となり、営業利益は27億円と前連結会計年度に比べ14億円、34.5%の減益となりました。
③欧州(ロジスティクス)
自動車運送並びに倉庫配送業務が堅調に推移したこと等により、売上高は1,193億円と前連結会計年度に比べ45億円、3.9%の増収となりましたが、人件費の増加等もあり、営業利益は17億円と前連結会計年度に比べ4億円、21.7%の減益となりました。
④東アジア(ロジスティクス)
航空輸出貨物の取扱数量減少等により、売上高は1,120億円と前連結会計年度に比べ107億円、8.7%の減収となりましたが、営業利益は29億円と前連結会期年度並みとなりました。
⑤南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
航空輸出貨物の取扱数量減少等により、売上高は901億円と前連結会計年度に比べ17億円、1.9%の減収となり、営業利益は31億円と前連結会計年度に比べ5億円、15.0%の減益となりました。
⑥警備輸送
SD機の外販等により、売上高は725億円と前連結会計年度並みとなりましたが、人件費の増加等により、営業損失は10億円と前連結会計年度に比べ23億円の減益となりました。
⑦重量品建設
国内における風力発電関係輸送の取扱いが増加したこと等により、売上高は523億円と前連結会計年度に比べ46億円、9.6%の増収となり、営業利益は61億円と前連結会計年度に比べ16億円、37.0%の増益となりました。
⑧物流サポート
石油販売単価が低下したこと及び輸出梱包業務の取扱いが減少したこと等により、売上高は4,712億円と前連結会計年度に比べ127億円、2.6%の減収となり、営業利益は123億円と前連結会計年度に比べ4億円、3.3%の減益となりました。
なお、当社グループの取り扱う輸送手段は多岐にわたるとともに、実運送や利用運送も行っており、セグメント情報に関連付けて、輸送手段ごとの販売実績の的確な表示を行うことは困難であります。
このため生産、受注及び販売の状況につきましては、上記セグメントの業績に示しており、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は1兆5,180億円となり、前連結会計年度末に比べ186億円、1.2%減となりました。
セグメントごとの資産は、警備輸送においてCSDサービスに係る現金が減少したこと等により825億円となり、前連結会計年度末に比べ309億円、27.3%減となり、物流サポートにおいて、リース投資資産が増加したこと等により3,770億円となり、前連結会計年度末に比べ359億円、10.5%増となりましたが、警備輸送、物流サポート以外のセグメントごとの資産は、概ね前年並みとなりました。
流動資産は6,723億円で前連結会計年度末に比べ399億円、5.6%減、固定資産は8,457億円で前連結会計年度末に比べ213億円、2.6%増となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金の減少等によるものです。
固定資産増加の主な要因は、リース資産の増加等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は9,615億円で前連結会計年度末に比べ147億円、1.5%減となりました。
流動負債は4,652億円で前連結会計年度末に比べ108億円、2.4%増、固定負債は4,963億円で前連結会計年度末に比べ255億円、4.9%減となりました。
流動負債増加の主な要因は、コマーシャルペーパーの増加等によるものです。
固定負債減少の主な要因は、長期借入金の減少等によるものです。
当連結会計年度末の純資産は5,565億円で前連結会計年度末に比べ39億円、0.7%減となりました。
純資産減少の主な要因は、その他有価証券評価差額金等の減少によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、961億円で、前連結会計年度末に比べ59億円減となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは982億円の収入となり、前連結会計年度に比べ255億円収入が増加しました。その主な要因は、売上債権の回収による収入が増加したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは918億円の支出となり、前連結会計年度に比べ8億円支出が増加しました。その主な要因は、固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは117億円の支出となり、前連結会計年度に比べ29億円支出が減少しました。その主な要因は、コマーシャルペーパーの発行による収入が増加したこと等によるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主要な資金需要は、利用運送費、燃油費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備の新設、改修及びリース資産の取得等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金の一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りとなります。なお、新型コロナウイルス感染症により連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しておりますが、割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいて課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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