有価証券報告書-第91期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症の影響を受け経済活動の停滞により急激な景気後退を余儀なくされることとなりましたが、わが国をはじめ各国政府の財政支援や金融緩和政策の継続もあり、世界経済は下半期には徐々に持ち直すこととなりました。しかしながら年明け以降は、変異ウイルスの感染拡大もあり依然として不透明な状況が続いております。
港湾物流業界におきましては、事業者間の競争激化を背景に、企業間の価格競争や受注競争はまだまだ厳しく、顧客の物流効率化、コスト削減要請は企業収益を圧迫しており、また、新型コロナウイルス感染症の再拡大もあり引続き世界経済低迷の長期化が懸念されます。
a.財政状態
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ8億25百万円余増加し、92億91百万円余となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ4億92百万円余増加し、63億84百万円余となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3億33百万円余増加し、29億6百万円余となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、このような状況下におきまして、固定費の削減に努め、収益の改善を図るとともに、従業員の安全に配慮しつつ企業活動を維持してまいりました。コロナ禍で行動が制限されるなか、顧客ニーズに柔軟に対応した積極的な営業展開に努めてまいりました結果、総取扱量は前年同期比0.3%減少しましたが、売上高は149億37百万円余(対前年同期4億52百万円余増)の増収となりました。
損益面につきましては、営業総利益は前年同期比2.7%減少し8億円余(対前年同期21百万円余減)となりましたが、販売費及び一般管理費を抑制した結果、営業利益は前年同期比450.9%増加し61百万円余(対前年同期50百万円余増)、経常利益は前年同期比73.9%増加し1億56百万円余(対前年同期66百万円余増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比112.9%増加し1億8百万円余(対前年同期57百万円余増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分の変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
輸出部門
輸出部門におきましては、下半期から世界的なサプライチェーンによる生産活動が徐々に再開され、機械機器製品等の輸出貨物の取扱量増加により持ち直したものの、上半期の雑貨及び機械機器製品の大幅な減少が響き、輸出部門の売上高は9.6%減(前年同期比)の26億13百万円余、セグメント損失は85百万円余(前年同期はセグメント損失68百万円余)となりました。
輸入部門
輸入部門におきましては、コロナ禍で取扱い増となった衛生・医療関連物資、ステイホームにより取扱い増となった電化製品及び雑貨等の生活関連貨物を中心に荷動きが堅調に推移しましたが、輸入部門の売上高は0.1%減(前年同期比)の54億36百万円余、セグメント利益は9百万円余(前年同期はセグメント損失16百万円余)となりました。
国際部門
国際部門におきましては、昨年12月以降の海上輸送でのスペース不足・空コンテナ不足による海上運賃高騰の追い風を受けたなか、輸出は、中国向け資材・設備、また、中国から北米向けの三国間取扱いが堅調に推移したことにより、売上高は6.5%増(前年同期比)となりました。輸入は、東南アジアからの電化製品、雑貨類が増加したことにより、売上高は14.2%増(前年同期比)となりました。結果、国際部門全体の売上高は12.6%増(前年同期比)の66億91百万円余、セグメント利益は77百万円余(前年同期はセグメント利益30百万円余)となりました。
倉庫部門
倉庫部門におきましては、安定した賃料収入により、売上高は前年同様の59百万円余となりました。第1四半期において倉庫修繕費等を計上したため、セグメント利益は50百万円余(前年同期はセグメント利益53百万円余)の計上となりました。
その他
船内荷役等の売上高合計は前年同期比9.1%減少し1億38百万円余となり、セグメント利益8百万円余(前年同期はセグメント利益11百万円余)の計上となりました。
(注) 上記のセグメントの営業収入には、セグメント間の内部営業収入2百万円余を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7億47百万円余とな
り、前連結会計年度末より1億98百万円余の増加となりました。
営業活動による資金は32百万円余の減少(前連結会計年度1億84百万円余増加)となっております。これは、税金等調整前当期純利益1億56百万円余ありますが、営業債権の増加2億65百万円余、その他資産の増加2億66百万円余によるものであります。
投資活動による資金は30百万円余の減少(前連結会計年度1億13百万円余減少)となっております。これは、主に有形・無形固定資産の取得による支出37百万円余によるものであります。
財務活動による資金は2億62百万円余の増加(前連結会計年度2億80百万円余減少)となっております。これは、主に短期借入金の純増額5億33百万円余によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産・販売の形態をとらない業種のため、実態にあわせた表示をしております。
営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前期比につきましては、セグメント区分の変更に合わせ調整を行っております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度において流動資産は前連結会計年度より7億13百万円余増加し、固定資産は前連結会計年度より1億12百万円余増加した結果、総資産は92億91百万円余となり前連結会計年度より8億25百万円余の大幅増となりました。流動資産増加については、突発的な事案発生による資金需要に備えて現金及び預金水準を高めており、また、下半期以降の業績の回復により売掛債権が増加し、それに伴う関税・消費税の立替金が増加したためです。固定資産増加については、国内景況感の持ち直しで当連結会計年度末に株価が上昇し、投資有価証券が大きく増加したためです。今後も突発的な事案発生による資金需要に備えるため、現金及び預金を高い水準に保ち、政策保有株式については株価の動向による財政面への影響を極力回避するため、保有目的の意義を再度十分に検証した上で当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資すると認められない場合は株主として対話を行った後縮減を図ってまいります。
b.経営成績の分析
輸出部門については、経営成績に繋がる外部要因としてグローバルなサプライチェーンの枠組みによる海外経済情勢及び中国経済の影響を受けます。当社グループ主力取扱い貨物である機械機器製品の受注状況は世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世界経済が停滞し生産活動が大幅に抑制されたため、上半期においては大きく減少しました。下半期に入ってからは各国の感染拡大防止策や財政支援策により世界的にサプライチェーンによる生産活動が徐々に再開されたため、機械機器製品の輸出貨物の取扱いは増加に転じ、また、固定費削減の取り組みが功を奏した結果、収支は大幅に改善いたしました。しかしながら上半期の売上高の落ち込みの影響が大きく粗利益も大幅に減少したため、前年同期68百万円余のセグメント損失より悪化し85百万円余の損失となりました。
輸入部門については、当社扱い商品は生活消費材が中心となっており、国内の景況感による消費動向が売上高に影響します。新型コロナウイルス感染症の発生により昨年2月以降中国からの輸入貨物が大幅減少しましたが、国内でのコロナ収束後中国経済はすぐに回復し、当連結会計年度当初はマスク等の感染防止商品やコロナ禍で需要増となった衛生・医療関連物資、また、ステイホームにより取扱い増となった電化製品及び雑貨等の生活関連貨物を中心に荷動きが堅調に推移しました。輸入取扱量全体では大幅に増加したものの取扱い単価は下がったため売上高は微減となり、粗利益も前年程度の確保に留まりましたが、固定費抑制効果により、前年同期16百万円余のセグメント損失から改善し9百万円余のセグメント利益計上となりました。
国際部門については、外貨ベースの売上比率が高いため為替変動の影響を受け易く、また、原価率が高く収益率が低い商品であります。国際輸出に関しては、設備機材等大型スポット案件の受注状況により収益も大きく変動します。当連結会計年度においては、大型設備案件の受注はありませんでしたが、中国向け資材・設備、また、中国から北米向けの三国間貨物の取扱いが堅調に推移しました。国際輸入に関しても、東南アジアからの電化製品、雑貨類が堅調に推移しました。また、昨年12月頃より、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、北米の港湾地区に海上コンテナが大量に滞留したことに端を発したコンテナ船のスペース不足・空コンテナ不足による海上運賃高騰が追い風となり、国際輸入を中心に国際部門の売上高を大きく押し上げました。また、為替レートも当連結会計年度通年にわたり安定して推移したため、セグメント利益は前年同期30百万円余から大幅に増加し77百万円余となりました。
倉庫部門については、安定した収益源となっており、セグメント利益は50百万円余と業績に大きく貢献をしています。
その他については、船内荷役の取扱量が減少したためセグメント利益は8百万円余となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
資本の財源及び資金の流動性に関して、当社グループの港湾運送業界には、輸入部門において取引先が輸入申告時に課税納付する関税・消費税を一旦立替える旧来からの商習慣が根強く残っており、関税等の立替のため多額の運転資金を必要とします。また、今後不測の事態に備えて定常的資金に加え現金及び預金を手厚く確保することも非常に重要との認識により、現金及び預金の最適水準を従来より引上げて手元資金を維持しております。長期借入金においては以前組成したシンジケートローンによる計画的な有利子負債の圧縮を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な売上額減少等の不測の事態に備え、期間1年のコミットメントライン契約を新たに締結し、短期資金調達の金額枠を増やし流動性を維持確保しつつ両者の調整をとりながら安定した資金運用をしております。また、配当政策として上場企業の安定した市場の立ち位置を維持するためには、確保した収益を一定の水準で内部留保した上で配当を行うことは安定株主を確保するため非常に重要であり、財務の健全性に留意しつつ現在の配当水準の維持を目指しております。投資戦略については、コロナ禍の状況下では財政的にも困難であるため大型倉庫等の設備投資に向けるのではなく、基本的には減価償却費の範囲内にて既存設備の維持更新と業務の効率化のためのIT関連投資等の合理化を主軸とし、また、新たに形成されつつある社会様式に対応するため「働き方改革」を積極的に推進します。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症の影響を受け経済活動の停滞により急激な景気後退を余儀なくされることとなりましたが、わが国をはじめ各国政府の財政支援や金融緩和政策の継続もあり、世界経済は下半期には徐々に持ち直すこととなりました。しかしながら年明け以降は、変異ウイルスの感染拡大もあり依然として不透明な状況が続いております。
港湾物流業界におきましては、事業者間の競争激化を背景に、企業間の価格競争や受注競争はまだまだ厳しく、顧客の物流効率化、コスト削減要請は企業収益を圧迫しており、また、新型コロナウイルス感染症の再拡大もあり引続き世界経済低迷の長期化が懸念されます。
a.財政状態
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ8億25百万円余増加し、92億91百万円余となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ4億92百万円余増加し、63億84百万円余となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3億33百万円余増加し、29億6百万円余となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、このような状況下におきまして、固定費の削減に努め、収益の改善を図るとともに、従業員の安全に配慮しつつ企業活動を維持してまいりました。コロナ禍で行動が制限されるなか、顧客ニーズに柔軟に対応した積極的な営業展開に努めてまいりました結果、総取扱量は前年同期比0.3%減少しましたが、売上高は149億37百万円余(対前年同期4億52百万円余増)の増収となりました。
損益面につきましては、営業総利益は前年同期比2.7%減少し8億円余(対前年同期21百万円余減)となりましたが、販売費及び一般管理費を抑制した結果、営業利益は前年同期比450.9%増加し61百万円余(対前年同期50百万円余増)、経常利益は前年同期比73.9%増加し1億56百万円余(対前年同期66百万円余増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比112.9%増加し1億8百万円余(対前年同期57百万円余増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分の変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
輸出部門
輸出部門におきましては、下半期から世界的なサプライチェーンによる生産活動が徐々に再開され、機械機器製品等の輸出貨物の取扱量増加により持ち直したものの、上半期の雑貨及び機械機器製品の大幅な減少が響き、輸出部門の売上高は9.6%減(前年同期比)の26億13百万円余、セグメント損失は85百万円余(前年同期はセグメント損失68百万円余)となりました。
輸入部門
輸入部門におきましては、コロナ禍で取扱い増となった衛生・医療関連物資、ステイホームにより取扱い増となった電化製品及び雑貨等の生活関連貨物を中心に荷動きが堅調に推移しましたが、輸入部門の売上高は0.1%減(前年同期比)の54億36百万円余、セグメント利益は9百万円余(前年同期はセグメント損失16百万円余)となりました。
国際部門
国際部門におきましては、昨年12月以降の海上輸送でのスペース不足・空コンテナ不足による海上運賃高騰の追い風を受けたなか、輸出は、中国向け資材・設備、また、中国から北米向けの三国間取扱いが堅調に推移したことにより、売上高は6.5%増(前年同期比)となりました。輸入は、東南アジアからの電化製品、雑貨類が増加したことにより、売上高は14.2%増(前年同期比)となりました。結果、国際部門全体の売上高は12.6%増(前年同期比)の66億91百万円余、セグメント利益は77百万円余(前年同期はセグメント利益30百万円余)となりました。
倉庫部門
倉庫部門におきましては、安定した賃料収入により、売上高は前年同様の59百万円余となりました。第1四半期において倉庫修繕費等を計上したため、セグメント利益は50百万円余(前年同期はセグメント利益53百万円余)の計上となりました。
その他
船内荷役等の売上高合計は前年同期比9.1%減少し1億38百万円余となり、セグメント利益8百万円余(前年同期はセグメント利益11百万円余)の計上となりました。
(注) 上記のセグメントの営業収入には、セグメント間の内部営業収入2百万円余を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7億47百万円余とな
り、前連結会計年度末より1億98百万円余の増加となりました。
営業活動による資金は32百万円余の減少(前連結会計年度1億84百万円余増加)となっております。これは、税金等調整前当期純利益1億56百万円余ありますが、営業債権の増加2億65百万円余、その他資産の増加2億66百万円余によるものであります。
投資活動による資金は30百万円余の減少(前連結会計年度1億13百万円余減少)となっております。これは、主に有形・無形固定資産の取得による支出37百万円余によるものであります。
財務活動による資金は2億62百万円余の増加(前連結会計年度2億80百万円余減少)となっております。これは、主に短期借入金の純増額5億33百万円余によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産・販売の形態をとらない業種のため、実態にあわせた表示をしております。
営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 営業実績(千円) | 前期比(%) |
| 輸出部門 | 2,613,828 | △9.6 |
| 輸入部門 | 5,436,981 | △0.1 |
| 国際部門 | 6,691,425 | 12.6 |
| 倉庫部門 | 59,520 | 0.0 |
| その他 | 138,185 | △9.1 |
| 小計 | 14,939,942 | 3.1 |
| 消去 | △2,400 | - |
| 合計 | 14,937,542 | 3.1 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前期比につきましては、セグメント区分の変更に合わせ調整を行っております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度において流動資産は前連結会計年度より7億13百万円余増加し、固定資産は前連結会計年度より1億12百万円余増加した結果、総資産は92億91百万円余となり前連結会計年度より8億25百万円余の大幅増となりました。流動資産増加については、突発的な事案発生による資金需要に備えて現金及び預金水準を高めており、また、下半期以降の業績の回復により売掛債権が増加し、それに伴う関税・消費税の立替金が増加したためです。固定資産増加については、国内景況感の持ち直しで当連結会計年度末に株価が上昇し、投資有価証券が大きく増加したためです。今後も突発的な事案発生による資金需要に備えるため、現金及び預金を高い水準に保ち、政策保有株式については株価の動向による財政面への影響を極力回避するため、保有目的の意義を再度十分に検証した上で当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資すると認められない場合は株主として対話を行った後縮減を図ってまいります。
b.経営成績の分析
輸出部門については、経営成績に繋がる外部要因としてグローバルなサプライチェーンの枠組みによる海外経済情勢及び中国経済の影響を受けます。当社グループ主力取扱い貨物である機械機器製品の受注状況は世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世界経済が停滞し生産活動が大幅に抑制されたため、上半期においては大きく減少しました。下半期に入ってからは各国の感染拡大防止策や財政支援策により世界的にサプライチェーンによる生産活動が徐々に再開されたため、機械機器製品の輸出貨物の取扱いは増加に転じ、また、固定費削減の取り組みが功を奏した結果、収支は大幅に改善いたしました。しかしながら上半期の売上高の落ち込みの影響が大きく粗利益も大幅に減少したため、前年同期68百万円余のセグメント損失より悪化し85百万円余の損失となりました。
輸入部門については、当社扱い商品は生活消費材が中心となっており、国内の景況感による消費動向が売上高に影響します。新型コロナウイルス感染症の発生により昨年2月以降中国からの輸入貨物が大幅減少しましたが、国内でのコロナ収束後中国経済はすぐに回復し、当連結会計年度当初はマスク等の感染防止商品やコロナ禍で需要増となった衛生・医療関連物資、また、ステイホームにより取扱い増となった電化製品及び雑貨等の生活関連貨物を中心に荷動きが堅調に推移しました。輸入取扱量全体では大幅に増加したものの取扱い単価は下がったため売上高は微減となり、粗利益も前年程度の確保に留まりましたが、固定費抑制効果により、前年同期16百万円余のセグメント損失から改善し9百万円余のセグメント利益計上となりました。
国際部門については、外貨ベースの売上比率が高いため為替変動の影響を受け易く、また、原価率が高く収益率が低い商品であります。国際輸出に関しては、設備機材等大型スポット案件の受注状況により収益も大きく変動します。当連結会計年度においては、大型設備案件の受注はありませんでしたが、中国向け資材・設備、また、中国から北米向けの三国間貨物の取扱いが堅調に推移しました。国際輸入に関しても、東南アジアからの電化製品、雑貨類が堅調に推移しました。また、昨年12月頃より、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、北米の港湾地区に海上コンテナが大量に滞留したことに端を発したコンテナ船のスペース不足・空コンテナ不足による海上運賃高騰が追い風となり、国際輸入を中心に国際部門の売上高を大きく押し上げました。また、為替レートも当連結会計年度通年にわたり安定して推移したため、セグメント利益は前年同期30百万円余から大幅に増加し77百万円余となりました。
倉庫部門については、安定した収益源となっており、セグメント利益は50百万円余と業績に大きく貢献をしています。
その他については、船内荷役の取扱量が減少したためセグメント利益は8百万円余となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
資本の財源及び資金の流動性に関して、当社グループの港湾運送業界には、輸入部門において取引先が輸入申告時に課税納付する関税・消費税を一旦立替える旧来からの商習慣が根強く残っており、関税等の立替のため多額の運転資金を必要とします。また、今後不測の事態に備えて定常的資金に加え現金及び預金を手厚く確保することも非常に重要との認識により、現金及び預金の最適水準を従来より引上げて手元資金を維持しております。長期借入金においては以前組成したシンジケートローンによる計画的な有利子負債の圧縮を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な売上額減少等の不測の事態に備え、期間1年のコミットメントライン契約を新たに締結し、短期資金調達の金額枠を増やし流動性を維持確保しつつ両者の調整をとりながら安定した資金運用をしております。また、配当政策として上場企業の安定した市場の立ち位置を維持するためには、確保した収益を一定の水準で内部留保した上で配当を行うことは安定株主を確保するため非常に重要であり、財務の健全性に留意しつつ現在の配当水準の維持を目指しております。投資戦略については、コロナ禍の状況下では財政的にも困難であるため大型倉庫等の設備投資に向けるのではなく、基本的には減価償却費の範囲内にて既存設備の維持更新と業務の効率化のためのIT関連投資等の合理化を主軸とし、また、新たに形成されつつある社会様式に対応するため「働き方改革」を積極的に推進します。