有価証券報告書-第226期(2025/04/01-2026/03/31)
① 経営成績等の状況の概要
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、輸出入や生産が横ばいとなったものの、雇用・所得環境の改善を受けて緩やかに回復しました。世界経済についても緩やかな持ち直しが続いているものの、中東情勢の物価・経済への影響が懸念されます。加えて、金融資本市場の変動、米国の政策動向をめぐる影響を注視する必要があります。
そのような環境変化の中、2025年10月に経営ビジョン「Compass 2030」を前倒し達成すべく、「2026-2028年度 中期経営計画」を策定しました。当社グループの強みである「顧客基盤」「エネルギーアセット」「オペレーション能力」を組み合わせ、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3事業の成長に注力します。また、生成AI等デジタルの社会実装が加速度的に進展する中、AIとデジタル技術の積極的な活用により、顧客接点の強化から市場競争力の向上まで幅広く取り組んでいきます。そして、事業ポートフォリオマネジメントを徹底するために、セグメント別ROIC管理を導入し、各事業の収益性を向上させつつ、リソースの最適配分によりさらなる成長を目指します。
② 売上高
売上高は、電力の販売量の増加及び北米シェールガス事業での販売単価上昇等により、前連結会計年度比7.5%増の2,834,749百万円となりました。
③ 営業費用及び営業利益
売上原価、販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比5.3%増の2,637,071百万円となりました。
電源調達コストが増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比4.3%増の2,327,493百万円となりました。人件費が増加したこと等により販売費及び一般管理費は前連結会計年度比13.3%増の309,578百万円となりました。
営業費用の増加を上回る売上高の増加となったことから、営業利益は前連結会計年度比48.5%増の197,677百万円となりました。
④ 営業外損益及び経常利益
営業外収益の合計は、前連結会計年度の27,154百万円から、36,212百万円となりました。これは、デリバティブ利益が前連結会計年度比11,625百万円増の15,414百万円となったことが主な要因です。
営業外費用の合計は、前連結会計年度の46,646百万円から、40,187百万円となりました。これは、支払利息が前連結会計年度比12,309百万円減の18,897百万円となったことが主な要因です。
この結果、経常利益は前連結会計年度比70.5%増の193,701百万円となりました。
⑤ 特別損益
特別利益の合計は、前連結会計年度の6,807百万円から、128,742百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった為替換算調整勘定取崩益68,013百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。
特別損失の合計は、前連結会計年度の14,190百万円から、33,334百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった減損損失30,196百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同205.8%増の226,857百万円となりました。
売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度の2.8%から5.2ポイント増加し、8.0%となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の192円22銭から、654円76銭となりました。
⑦ セグメント情報
イ エネルギー・ソリューション
売上高は、ガスの原料費調整による売上単価の減少があったものの、電力の販売量の増加等により、前連結会計年度から145,626百万円(6.2%)増加し、2,486,107百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から116,569百万円(5.3%)増加し、2,336,361百万円となりました。持分法による投資利益は、501百万円と前連結会計年度比513百万円(50.6%)減少しました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度から28,544百万円(23.5%)増加し、150,247百万円となりました。
(ガス)
都市ガス販売量は、前連結会計年度比0.4%減の11,175百万m3となりました。家庭用需要は、低気温影響等による需要増等により、前連結会計年度比2.1%増の2,719百万m3となりました。業務用需要は、低気温影響等による需要増等により、同0.3%増の2,275百万m3となりました。工業用需要は、需要家の稼働減等により、同1.1%減の4,630百万m3となりました。また、他事業者向け供給は、供給先の稼働減等により、同3.2%減の1,552百万m3となりました。
[2025年度連結都市ガス販売量]
(注) 1 小売お客さま件数は、ガス小売事業者としてのガス料金請求対象件数
2 取付メーター数は、導管事業者としてのメーター取付数
3 業務用は、商業用、公用及び医療用
4 都市ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m3
(電力)
販売量は、前連結会計年度比19.5%増の28,021百万kWhとなりました。小売では、件数増により、前連結会計年度比14.0%増の16,461百万kWhとなりました。卸他では、卸先の需要増により、同28.4%増の11,560百万kWhとなりました。
[2025年度連結電力販売量]
(注) 小売お客さま件数は、電力小売事業者としての電気料金請求対象件数
ロ ネットワーク
売上高は前連結会計年度から6,573百万円(2.0%)増加し、334,422百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から659百万円(0.2%)減少し、330,319百万円となりました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べ7,231百万円増加し、4,103百万円となりました。
ハ 海外
売上高は、前連結会計年度から60,218百万円(33.2%)増加し、241,460百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から8,427百万円(5.2%)増加し、170,729百万円となりました。持分法による投資利益は、3,106百万円と前連結会計年度比822百万円(20.9%)減少しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ50,969百万円(222.9%)増加し、73,837百万円となりました。
ニ 都市ビジネス
売上高は、前連結会計年度から4,391百万円(5.6%)減少し、73,436百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から9,194百万円(16.9%)増加し、63,588百万円となりました。持分法による投資損益は前連結会計年度に比べ691百万円悪化し、104百万円の損失となりました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ14,277百万円(59.4%)減少し、9,743百万円となりました。
なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。
(注) 各セグメントの売上高には、事業間の内部取引を含んでいます。
(2) 経営成績に重要な影響を与える経済フレームについて
① 原料購入価格の変動
当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。
ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。
為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。
為替:1円/ドルの円安により、約6億円減
原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約7億円減
翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が150.67円/ドル、71.41ドル/バレルであったのに対し、それぞれ155.00円/ドル、85.00ドル/バレルを想定しています。
(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。
2 調整の上限があり、原料費調整制度に基づき算定される平均原料価格(1トン当たり)が、2022年3月から5月までの平均原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。
② 気温の変動
当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。
当連結会計年度の平均気温(※)は上期で23.9℃、下期で10.8℃(通期で17.4℃)でしたが、翌連結会計年度の平均気温は通期で16.9℃を想定しています。
(※)平均気温は、各日における平均気温を月間で平均したものです。
③ 金利の変動
当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利ですが、一定割合が変動金利であり、変動金利分は借入れ期間中の金利変動リスクに晒されています。
④ 株価の変動
当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 連結キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の計上及び減価償却費の計上等があったものの、長期借入金の返済、自己株式の取得及び有形固定資産の取得等により、期末の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ57,277百万円減少し、187,043百万円となりました(前期末比23.4%減)。
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果増加した資金は、451,837百万円となりました。これは、為替換算調整勘定取崩益の計上(68,013百万円)等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上(289,109百万円)及び減価償却費の計上(264,299百万円)等があったことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて88,717百万円の収入の増加となります(前期比24.4%増)。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は、206,934百万円となりました。これは、固定資産の売却による収入(63,483百万円)等があったものの、設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(160,909百万円)及び無形固定資産の取得による支出(134,738百万円)等により資金が減少したことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて56,592百万円の支出の減少となります(前期比21.5%減)。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は、296,337百万円となりました。これは、長期借入れによる収入(170,345百万円)等があったものの、長期借入金の返済による支出(266,524百万円)、自己株式の取得による支出(200,071百万円)及び配当金の支払(33,887百万円)等があったことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて40,358百万円の支出の増加となります(前期比15.8%増)。
② 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から37,175百万円(1.0%)増加し、3,892,268百万円となりました。これは、現金及び預金の減少があったものの、投資有価証券が増加したこと等によるものです。また、総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の1.9%から5.9%に上昇しました。
③ 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から42,077百万円(2.0%)増加し、2,095,700百万円となりました。これは、長期借入金の減少があったものの、未払法人税等が増加したこと等によるものです。
④ 有利子負債
長期借入金の減少等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ59,059百万円(4.4%)減少し、1,277,239百万円となりました。有利子負債比率(有利子負債÷総資産)は、有利子負債の下落率の方が大きかったため、前連結会計年度末の34.7%から32.8%に下落しました。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,903百万円(0.3%)減少し、1,796,567百万円となりました。これは、株主資本について剰余金の配当や自己株式の取得等により7,536百万円減少したこと等によるものです。
自己資本比率は、前連結会計年度末の44.8%から44.1%に下落し、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の4.3%から13.2%に上昇しました。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.77から0.74へと下落しました。また、ハイブリッドファイナンスを考慮した後の負債資本倍率(D/Eレシオ)は、0.70となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくありません。また、都市ガスの販売が外部顧客に対する売上高及び営業費用の多くを占めています。
このため、以下は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける都市ガスの生産実績について記載しています。
(1) 生産実績
最近2連結会計年度の都市ガスの生産実績は次のとおりです。
(2) 受注実績
都市ガスについては、その性質上受注生産は行いません。
(3) 販売実績
都市ガスは導管を通じて直接需要家に販売していますが、一部については他事業者向け供給を行っています。
最近2連結会計年度の都市ガスの販売実績は次のとおりです。
② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 事業全体及びセグメントごとの経営成績等
<事業全体>当連結会計年度の連結決算は、3期ぶりの増収増益となりました。
増益となった主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおいて、①都市ガス事業の春先の低気温影響に伴う家庭用の都市ガス販売量増加や競争優位性のある原料調達により粗利が増加したこと、②電力事業の小売件数増加や夏場の高気温影響に伴い電力販売量が増加したこと、海外セグメントにおいて、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことです。
<セグメント別>エネルギー・ソリューションセグメントは、電力事業における小売件数増加や夏場の高気温影響による電力販売量増加などにより、売上高は前期比+1,457億円(+6.2%)の2兆4,861億円となり、都市ガス事業の競争優位性のある原料調達や原油価格下落に伴い原材料費が減少したことで、セグメント利益は前期比+285億円(+23.5%)の1,502億円となりました。
ネットワークセグメントは、低気温影響で託送供給収益が増加したことにより、売上高は前期比+66億円(+2.0%)の3,344億円となり、減価償却費の減少により営業費用が減少し、セグメント利益は+72億円の41億円となりました。
海外セグメントは、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことにより、売上高が前期比+602億円(+33.2%)の2,414億円、セグメント利益は前期比+510億円(+222.9%)の738億円となりました。
都市ビジネスセグメントは、不動産販売収益の減少により、売上高が前期比△44億円(△5.6%)の734億円となり、パークハイアット東京のリニューアルに伴う改装費用などの増加により、セグメント利益は前期比△143億円(△59.4%)の97億円となりました。
<認識>当期は3期ぶりの増収増益で、売上高及び当期純利益が歴代2位の好決算となりました。主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける夏場の高気温による電力販売量の増加や、海外セグメントにおける北米シェールガス事業の販売単価上昇などによるものです。また、中期経営計画「Compass Transformation 23-25」の最終年度の結果として、当期セグメント利益が2,011億円(目標1,500億円)、ROEが13.2%(目標8%程度)となり、それぞれ目標達成となりました。足元の事業環境については、生成AIなどデジタルにおける社会実装の加速度的な進展、金利・物価上昇、中東情勢の悪化など、先行きの不透明感は増すばかりです。このような状況下においても、事業ポートフォリオ改革による収益性及び資産効率性の持続的な改善を続けたことで、「Compass Transformation 23-25」で掲げたセグメント利益及びROEの目標を達成できました。今後も2026-2028年度中期経営計画で掲げる主要計数目標をコンスタントかつ早期に達成するため、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3つの成長ドライバーを中心とした取り組みを加速していきます。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金です。
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー4,518億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,069億円となり、フリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュ・フローから、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた額)が2,449億円となりました。
③ 経営計画上の客観的な指標等
2025年10月29日発表の「東京ガスグループ 2026-2028年度 中期経営計画」に基づき、事業ポートフォリオマネ ジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現していきます。
イ 投資・資本効率性
投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。また、稼ぐ力を考慮した投資・資産売却により、資本効率性を向上していきます。
具体的には、ROIC(投下資本利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2028年度における到達点を、ROICは5%、ROEは9%と定め、上記を実現していきます。
ロ 財務体質
現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。
具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を財務規律とし、2028年度までの期間において0.9倍を目安に財務運営していきます。
ハ 株主還元
中長期的な1株当たり利益の成長に合わせた増配を株主還元の中核と位置付け、累進配当により、成長の成果を安定的に還元していきます。
また、余剰資金は、成長投資と資本コントロールのための自己株式取得へと最適に配分し、持続的な資本効率の向上を実現していきます。
上記方針に則り、2026-2028年度3カ年累計の株主還元は2,000億円以上、累進配当により28年度には1株当たり配当金140円を目指します。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、輸出入や生産が横ばいとなったものの、雇用・所得環境の改善を受けて緩やかに回復しました。世界経済についても緩やかな持ち直しが続いているものの、中東情勢の物価・経済への影響が懸念されます。加えて、金融資本市場の変動、米国の政策動向をめぐる影響を注視する必要があります。
そのような環境変化の中、2025年10月に経営ビジョン「Compass 2030」を前倒し達成すべく、「2026-2028年度 中期経営計画」を策定しました。当社グループの強みである「顧客基盤」「エネルギーアセット」「オペレーション能力」を組み合わせ、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3事業の成長に注力します。また、生成AI等デジタルの社会実装が加速度的に進展する中、AIとデジタル技術の積極的な活用により、顧客接点の強化から市場競争力の向上まで幅広く取り組んでいきます。そして、事業ポートフォリオマネジメントを徹底するために、セグメント別ROIC管理を導入し、各事業の収益性を向上させつつ、リソースの最適配分によりさらなる成長を目指します。
② 売上高
売上高は、電力の販売量の増加及び北米シェールガス事業での販売単価上昇等により、前連結会計年度比7.5%増の2,834,749百万円となりました。
③ 営業費用及び営業利益
売上原価、販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比5.3%増の2,637,071百万円となりました。
電源調達コストが増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比4.3%増の2,327,493百万円となりました。人件費が増加したこと等により販売費及び一般管理費は前連結会計年度比13.3%増の309,578百万円となりました。
営業費用の増加を上回る売上高の増加となったことから、営業利益は前連結会計年度比48.5%増の197,677百万円となりました。
④ 営業外損益及び経常利益
営業外収益の合計は、前連結会計年度の27,154百万円から、36,212百万円となりました。これは、デリバティブ利益が前連結会計年度比11,625百万円増の15,414百万円となったことが主な要因です。
営業外費用の合計は、前連結会計年度の46,646百万円から、40,187百万円となりました。これは、支払利息が前連結会計年度比12,309百万円減の18,897百万円となったことが主な要因です。
この結果、経常利益は前連結会計年度比70.5%増の193,701百万円となりました。
⑤ 特別損益
特別利益の合計は、前連結会計年度の6,807百万円から、128,742百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった為替換算調整勘定取崩益68,013百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。
特別損失の合計は、前連結会計年度の14,190百万円から、33,334百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった減損損失30,196百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同205.8%増の226,857百万円となりました。
売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度の2.8%から5.2ポイント増加し、8.0%となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の192円22銭から、654円76銭となりました。
⑦ セグメント情報
イ エネルギー・ソリューション
売上高は、ガスの原料費調整による売上単価の減少があったものの、電力の販売量の増加等により、前連結会計年度から145,626百万円(6.2%)増加し、2,486,107百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から116,569百万円(5.3%)増加し、2,336,361百万円となりました。持分法による投資利益は、501百万円と前連結会計年度比513百万円(50.6%)減少しました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度から28,544百万円(23.5%)増加し、150,247百万円となりました。
(ガス)
都市ガス販売量は、前連結会計年度比0.4%減の11,175百万m3となりました。家庭用需要は、低気温影響等による需要増等により、前連結会計年度比2.1%増の2,719百万m3となりました。業務用需要は、低気温影響等による需要増等により、同0.3%増の2,275百万m3となりました。工業用需要は、需要家の稼働減等により、同1.1%減の4,630百万m3となりました。また、他事業者向け供給は、供給先の稼働減等により、同3.2%減の1,552百万m3となりました。
[2025年度連結都市ガス販売量]
| 2025年度 | 2024年度 | 増減 | 増減率 (%) | ||||
| 小売お客さま件数 | 千件 | 8,861 | 8,826 | 35 | 0.4 | ||
| 取付メーター数 | 千件 | 12,693 | 12,564 | 129 | 1.0 | ||
| 都市ガス 販売量 | 家庭用 | 百万m3 | 2,719 | 2,663 | 56 | 2.1 | |
| 業務用 | 百万m3 | 2,275 | 2,267 | 8 | 0.3 | ||
| 工業用 | 百万m3 | 4,630 | 4,681 | △51 | △1.1 | ||
| 計 | 百万m3 | 6,905 | 6,948 | △43 | △0.6 | ||
| 他事業者向け供給 | 百万m3 | 1,552 | 1,604 | △52 | △3.2 | ||
| 合計 | 百万m3 | 11,175 | 11,215 | △40 | △0.4 | ||
| 平均気温 | ℃ | 17.4 | 17.6 | △0.2 | - | ||
(注) 1 小売お客さま件数は、ガス小売事業者としてのガス料金請求対象件数
2 取付メーター数は、導管事業者としてのメーター取付数
3 業務用は、商業用、公用及び医療用
4 都市ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m3
(電力)
販売量は、前連結会計年度比19.5%増の28,021百万kWhとなりました。小売では、件数増により、前連結会計年度比14.0%増の16,461百万kWhとなりました。卸他では、卸先の需要増により、同28.4%増の11,560百万kWhとなりました。
[2025年度連結電力販売量]
| 2025年度 | 2024年度 | 増減 | 増減率(%) | |||
| 小売お客さま件数 | 千件 | 4,337 | 4,152 | 185 | 4.5 | |
| 電力販売量 | 小売 | 百万kWh | 16,461 | 14,437 | 2,024 | 14.0 |
| 卸他 | 百万kWh | 11,560 | 9,003 | 2,557 | 28.4 | |
| 合計 | 百万kWh | 28,021 | 23,440 | 4,581 | 19.5 | |
(注) 小売お客さま件数は、電力小売事業者としての電気料金請求対象件数
ロ ネットワーク
売上高は前連結会計年度から6,573百万円(2.0%)増加し、334,422百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から659百万円(0.2%)減少し、330,319百万円となりました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べ7,231百万円増加し、4,103百万円となりました。
ハ 海外
売上高は、前連結会計年度から60,218百万円(33.2%)増加し、241,460百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から8,427百万円(5.2%)増加し、170,729百万円となりました。持分法による投資利益は、3,106百万円と前連結会計年度比822百万円(20.9%)減少しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ50,969百万円(222.9%)増加し、73,837百万円となりました。
ニ 都市ビジネス
売上高は、前連結会計年度から4,391百万円(5.6%)減少し、73,436百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から9,194百万円(16.9%)増加し、63,588百万円となりました。持分法による投資損益は前連結会計年度に比べ691百万円悪化し、104百万円の損失となりました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ14,277百万円(59.4%)減少し、9,743百万円となりました。
なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| エネルギー・ ソリューション | 2,340,481 | 80.0 | 2,486,107 | 79.3 |
| ネットワーク | 327,849 | 11.2 | 334,422 | 10.7 |
| 海外 | 181,242 | 6.2 | 241,460 | 7.7 |
| 都市ビジネス | 77,827 | 2.7 | 73,436 | 2.3 |
| 合計 | 2,927,402 | 100.0 | 3,135,428 | 100.0 |
| 調整額 | △290,592 | - | △300,678 | - |
| 連結 | 2,636,809 | - | 2,834,749 | - |
(注) 各セグメントの売上高には、事業間の内部取引を含んでいます。
(2) 経営成績に重要な影響を与える経済フレームについて
① 原料購入価格の変動
当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。
ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。
為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。
為替:1円/ドルの円安により、約6億円減
原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約7億円減
翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が150.67円/ドル、71.41ドル/バレルであったのに対し、それぞれ155.00円/ドル、85.00ドル/バレルを想定しています。
(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。
2 調整の上限があり、原料費調整制度に基づき算定される平均原料価格(1トン当たり)が、2022年3月から5月までの平均原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。
② 気温の変動
当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。
当連結会計年度の平均気温(※)は上期で23.9℃、下期で10.8℃(通期で17.4℃)でしたが、翌連結会計年度の平均気温は通期で16.9℃を想定しています。
(※)平均気温は、各日における平均気温を月間で平均したものです。
③ 金利の変動
当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利ですが、一定割合が変動金利であり、変動金利分は借入れ期間中の金利変動リスクに晒されています。
④ 株価の変動
当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 連結キャッシュ・フロー
| 営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) | 財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) | |
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 451,837 | △206,934 | △296,337 |
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 363,120 | △263,526 | △255,979 |
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の計上及び減価償却費の計上等があったものの、長期借入金の返済、自己株式の取得及び有形固定資産の取得等により、期末の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ57,277百万円減少し、187,043百万円となりました(前期末比23.4%減)。
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果増加した資金は、451,837百万円となりました。これは、為替換算調整勘定取崩益の計上(68,013百万円)等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上(289,109百万円)及び減価償却費の計上(264,299百万円)等があったことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて88,717百万円の収入の増加となります(前期比24.4%増)。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は、206,934百万円となりました。これは、固定資産の売却による収入(63,483百万円)等があったものの、設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(160,909百万円)及び無形固定資産の取得による支出(134,738百万円)等により資金が減少したことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて56,592百万円の支出の減少となります(前期比21.5%減)。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は、296,337百万円となりました。これは、長期借入れによる収入(170,345百万円)等があったものの、長期借入金の返済による支出(266,524百万円)、自己株式の取得による支出(200,071百万円)及び配当金の支払(33,887百万円)等があったことによるものです。
また、これは、前連結会計年度に比べて40,358百万円の支出の増加となります(前期比15.8%増)。
② 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から37,175百万円(1.0%)増加し、3,892,268百万円となりました。これは、現金及び預金の減少があったものの、投資有価証券が増加したこと等によるものです。また、総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の1.9%から5.9%に上昇しました。
③ 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から42,077百万円(2.0%)増加し、2,095,700百万円となりました。これは、長期借入金の減少があったものの、未払法人税等が増加したこと等によるものです。
④ 有利子負債
長期借入金の減少等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ59,059百万円(4.4%)減少し、1,277,239百万円となりました。有利子負債比率(有利子負債÷総資産)は、有利子負債の下落率の方が大きかったため、前連結会計年度末の34.7%から32.8%に下落しました。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,903百万円(0.3%)減少し、1,796,567百万円となりました。これは、株主資本について剰余金の配当や自己株式の取得等により7,536百万円減少したこと等によるものです。
自己資本比率は、前連結会計年度末の44.8%から44.1%に下落し、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の4.3%から13.2%に上昇しました。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.77から0.74へと下落しました。また、ハイブリッドファイナンスを考慮した後の負債資本倍率(D/Eレシオ)は、0.70となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくありません。また、都市ガスの販売が外部顧客に対する売上高及び営業費用の多くを占めています。
このため、以下は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける都市ガスの生産実績について記載しています。
(1) 生産実績
最近2連結会計年度の都市ガスの生産実績は次のとおりです。
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 都市ガス(千m3) | 11,844,218 | 13,339,700 |
(2) 受注実績
都市ガスについては、その性質上受注生産は行いません。
(3) 販売実績
都市ガスは導管を通じて直接需要家に販売していますが、一部については他事業者向け供給を行っています。
最近2連結会計年度の都市ガスの販売実績は次のとおりです。
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 数量(千m3) | 金額(百万円) | 数量(千m3) | 金額(百万円) | |
| 家庭用 | 2,662,964 | 468,888 | 2,718,733 | 464,598 |
| その他 | 8,551,703 | 830,071 | 8,456,281 | 750,522 |
| 計 | 11,214,667 | 1,298,959 | 11,175,014 | 1,215,120 |
② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 事業全体及びセグメントごとの経営成績等
<事業全体>当連結会計年度の連結決算は、3期ぶりの増収増益となりました。
増益となった主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおいて、①都市ガス事業の春先の低気温影響に伴う家庭用の都市ガス販売量増加や競争優位性のある原料調達により粗利が増加したこと、②電力事業の小売件数増加や夏場の高気温影響に伴い電力販売量が増加したこと、海外セグメントにおいて、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことです。
<セグメント別>エネルギー・ソリューションセグメントは、電力事業における小売件数増加や夏場の高気温影響による電力販売量増加などにより、売上高は前期比+1,457億円(+6.2%)の2兆4,861億円となり、都市ガス事業の競争優位性のある原料調達や原油価格下落に伴い原材料費が減少したことで、セグメント利益は前期比+285億円(+23.5%)の1,502億円となりました。
ネットワークセグメントは、低気温影響で託送供給収益が増加したことにより、売上高は前期比+66億円(+2.0%)の3,344億円となり、減価償却費の減少により営業費用が減少し、セグメント利益は+72億円の41億円となりました。
海外セグメントは、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことにより、売上高が前期比+602億円(+33.2%)の2,414億円、セグメント利益は前期比+510億円(+222.9%)の738億円となりました。
都市ビジネスセグメントは、不動産販売収益の減少により、売上高が前期比△44億円(△5.6%)の734億円となり、パークハイアット東京のリニューアルに伴う改装費用などの増加により、セグメント利益は前期比△143億円(△59.4%)の97億円となりました。
| 売上高 (億円) | セグメント利益 (億円) | |||||||
| 2025年度 | 2024年度 | 増減 | 増減率(%) | 2025年度 | 2024年度 | 増減 | 増減率(%) | |
| エネルギー・ ソリューション | 24,861 | 23,404 | 1,457 | 6.2 | 1,502 | 1,217 | 285 | 23.5 |
| ネットワーク | 3,344 | 3,278 | 66 | 2.0 | 41 | △31 | 72 | - |
| 海外 | 2,414 | 1,812 | 602 | 33.2 | 738 | 228 | 510 | 222.9 |
| 都市ビジネス | 734 | 778 | △44 | △5.6 | 97 | 240 | △143 | △59.4 |
| 調整額 | △3,006 | △2,905 | △101 | - | △367 | △268 | △99 | - |
| 連結 | 28,347 | 26,368 | 1,979 | 7.5 | 2,011 | 1,386 | 625 | 45.1 |
<認識>当期は3期ぶりの増収増益で、売上高及び当期純利益が歴代2位の好決算となりました。主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける夏場の高気温による電力販売量の増加や、海外セグメントにおける北米シェールガス事業の販売単価上昇などによるものです。また、中期経営計画「Compass Transformation 23-25」の最終年度の結果として、当期セグメント利益が2,011億円(目標1,500億円)、ROEが13.2%(目標8%程度)となり、それぞれ目標達成となりました。足元の事業環境については、生成AIなどデジタルにおける社会実装の加速度的な進展、金利・物価上昇、中東情勢の悪化など、先行きの不透明感は増すばかりです。このような状況下においても、事業ポートフォリオ改革による収益性及び資産効率性の持続的な改善を続けたことで、「Compass Transformation 23-25」で掲げたセグメント利益及びROEの目標を達成できました。今後も2026-2028年度中期経営計画で掲げる主要計数目標をコンスタントかつ早期に達成するため、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3つの成長ドライバーを中心とした取り組みを加速していきます。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金です。
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー4,518億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,069億円となり、フリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュ・フローから、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた額)が2,449億円となりました。
③ 経営計画上の客観的な指標等
2025年10月29日発表の「東京ガスグループ 2026-2028年度 中期経営計画」に基づき、事業ポートフォリオマネ ジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現していきます。
イ 投資・資本効率性
投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。また、稼ぐ力を考慮した投資・資産売却により、資本効率性を向上していきます。
具体的には、ROIC(投下資本利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2028年度における到達点を、ROICは5%、ROEは9%と定め、上記を実現していきます。
ロ 財務体質
現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。
具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を財務規律とし、2028年度までの期間において0.9倍を目安に財務運営していきます。
ハ 株主還元
中長期的な1株当たり利益の成長に合わせた増配を株主還元の中核と位置付け、累進配当により、成長の成果を安定的に還元していきます。
また、余剰資金は、成長投資と資本コントロールのための自己株式取得へと最適に配分し、持続的な資本効率の向上を実現していきます。
上記方針に則り、2026-2028年度3カ年累計の株主還元は2,000億円以上、累進配当により28年度には1株当たり配当金140円を目指します。
| 2025年度実績 | 2028年度 (中期経営計画) | |
| ROIC | 6.3% | 5% |
| ROE | 13.2% | 9% |
| D/Eレシオ | 0.74 | 0.9程度 |