有価証券報告書-第52期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 16:00
【資料】
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【項目】
122項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における連結貸借対照表上の流動資産の残高は、173億3千万円(前連結会計年度末比16億9千8百万円増)となりました。これは、主に受取手形及び売掛金(同5億8千4百万円増)の増加等によるものであります。
② 固定資産
当連結会計年度末における連結貸借対照表上の固定資産の残高は、82億5千2百万円(前連結会計年度末比3億3千1百万円増)となりました。これは、主に投資有価証券(同3億8千万円増)の増加等によるものであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における連結貸借対照表上の流動負債の残高は、100億2千1百万円(前連結会計年度末比5億9千2百万円増)となりました。これは、主にその他に含まれる前受金(同2億2千4百万円増)の増加等によるものであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における連結貸借対照表上の固定負債の残高は、31億1千3百万円(前連結会計年度末比2億1千3百万円減)となりました。これは、主に退職給付に係る負債(同1億8千8百万円減)の減少等によるものであります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の連結貸借対照表上の純資産合計残高は、124億4千7百万円(前連結会計年度末比16億5千万円増)となりました。これは、当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国の経済は、各種経済対策や金融政策等により企業収益に改善傾向が目立ったものの、経済指標で見ると、雇用や所得関連では改善を示す一方で生産や個人消費関連では回復の鈍い状況が続きました。
こうしたわが国経済の動きや顧客企業の事業環境判断を反映して、広告需要は改善傾向を辿りました。加えて、グループ全体として事業領域の拡大や営業・制作企画力の向上等に取り組んだことにより、当社グループの主力事業である広告制作事業の当連結会計年度の売上高は282億1千7百万円(前連結会計年度比106.4%)となりました。受注状況も、当連結会計年度の受注高が前期比28億2千万円増の288億7千5百万円、当連結会計年度末受注残高が前期末比6億5千7百万円増の33億8百万円と、好調に推移しました。セグメント利益についても21億1千1百万円(前連結会計年度比103.8%)となり、前連結会計年度比、増収増益となりました。
一方で、写真スタジオ事業につきましては、平成26年4月に横浜ベイクォーター店を、同年12月に港北みなも店をオープンさせたこと等により、当連結会計年度の売上高は1億5百万円(前連結会計年度比144.3%)と増加しましたが、これらの出店時の経費負担等により、セグメント損失は5千5百万円(前連結会計年度は1千4百万円のセグメント損失)と拡大しました。
また、メディア関連事業につきましては、当セグメントの主要連結子会社2社が平成26年10月1日付で事業譲渡を行い、平成27年1月6日付で解散を決定、現在清算手続中であり、当連結会計年度の売上高は4億9千4百万円(前連結会計年度比35.5%)、セグメント損失は1億1千5百万円(前連結会計年度は2億9千2百万円のセグメント損失)となりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高288億1千7百万円(前連結会計年度比103.0%)、営業利益19億5千2百万円(前連結会計年度比109.5%)、経常利益19億3千9百万円(前連結会計年度比113.8%)、当期純利益12億3千8百万円(前連結会計年度比192.0%)となりました。なお、当期純利益の増加には、メディア関連事業の連結子会社2社の事業譲渡・清算に伴う税額減少という一時的なプラス要因が含まれています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
詳細は、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、CM作品等の制作費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。制作費用の主なものは、外部技術人件費、編集費、スタジオ代ほか美術費等であります。営業費用の主なものは、人件費、賃借料、支払手数料等であります。
当社グループの設備資金需要のうち主なものは、撮影スタジオに係るもの、編集スタジオにおける設備等の増強もしくは更新によるものであります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金は内部資金又は借入れにより調達することとしております。
借入れによる調達のうち、当連結会計年度末の短期借入金残高は31億8千万円となります。なお、当社は銀行5行とリボルビング・クレジット・ファシリティ契約(融資枠40億円)を締結し機動的に利用しております。
また、同長期借入金残高は37億7千9百万円(1年内返済予定の長期借入金12億2千5百万円含む)で、その大半は中核会社である当社の借入金であり、銀行5行及び生命保険会社3社からの固定金利での借入れであります。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力及びリボルビング・クレジット・ファシリティ契約に基づく融資枠等により、将来とも運転資金及び設備投資資金の調達は可能であると考えております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因、経営者の問題認識と今後の方針について
経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。
今後のわが国経済は、各種経済・金融政策の効果が下支えとなり改善傾向が継続し、顧客企業の事業環境判断を反映して広告需要も引き続き好調に推移するものと考えられます。また、ネットを中心としたデジタルメディアなど媒体の多様化や、スマートフォン・タブレットなどに代表されるデバイスの多様化により、広告を取り巻く事業領域は、その手法や構造の変化を伴いながら徐々に拡大していく傾向が続くと見込まれます。
こうした環境の中、平成27年3月2日に発表した中期経営計画に基づき、デジタル領域や海外拠点の増強に注力する一方で、テレビCMを中心とする広告制作事業の売上高も引き続き堅調に推移するものと考えております。また利益面では、メディア関連事業の損失計上が前述のとおりなくなる一方で、中期経営計画に基づき、動画コンテンツマーケティング事業推進や、人材育成や業務効率化(IT化)への積極な投資も行ってまいります。
こうした状況下で、当社グループが今後も着実に成長し、永続的に発展していく企業であり続けるために、「第2 事業の状況 3対処すべき課題」に記載した「経営課題」を意識し、「新たな強みの創造とそれを支える基本コンセプト」を指針として、グループ一丸となって積極的に取り組んでいく所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。