四半期報告書-第40期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 15:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における国内経済は、2020年4月の新型コロナウイルスの感染拡大による「緊急事態宣言」の発出や各自治体による自粛要請以降減退をしておりましたが、第2四半期連結会計期間は回復傾向にありました。しかしながら、グローバル全体における経済活動へは引続き大きな影響を及ぼしており、世界経済の先行きは非常に不透明な状況となっております。
第3四半期連結会計期間以降の企業研修市場は、国内におきましては、前年と比較しても回復傾向にありましたが、海外では新型コロナウイルスの感染の拡大により、欧州での第2回、第3回のロックダウンの実施、アメリカでは第3波のピークを迎えるなどにより、大きな影響を受けております。
一方、オンラインでの研修ニーズが非常に高まり、研修コンテンツは同期型、非同期型のオンライン化への急速な変化を遂げております。グループ全体としても、この変化に対応する商品開発や提携を行っております。また、日本におけるiCTビジネスは、引続き比較的堅調に推移をいたしました。
日本及び海外での当第3四半期連結累計期間の開発、提携実績は下記となります。
国内
・2020年10月に、オンラインでの実施に最適化した、集合研修では最も定評のある主力3コースの提供を開始しました。
・2020年2月にリリースし、市場評価が非常に高評価であった「価値創造リーダーシップカードゲーム」のオンライン版のリリース(2020年11月1日)等によりオンライン商品群での収益機会の拡大を図ってまいります。
海外
・2020年11月コラボレーション・プラットフォームで業界最先端のアセスメントサービスを提供するProfiling Online社との戦略的提携を発表しました。
・2020年12月子会社のウィルソン・ラーニング アジアが、APACにおける大手IT研修会社Red Education社とオーストラリア、ニュージーランド市場での当社コンテンツの販売代理契約を結びました。
これらの商品リリースや販売提携により、ワールドワイドでオンライン研修の比重をさらに高めていく計画としております。
しかしながら、グローバル全体では、新型コロナウイルス第3波の感染者増による企業研修凍結、縮小の影響が大きく、当第3四半期連結累計期間においては、グループ全体で減収になり、営業損失を計上いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
(イ) 流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、15億4千3百万円(前連結会計年度末は21億7千9百万円)となり、6億3千6百万円減少しました。これは、主に現金及び預金の減少2億8千8百万円、受取手形及び売掛金の減少2億6百万円があったことによるものです。
(ロ) 固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、3億4千7百万円(前連結会計年度末は3億6千1百万円)となり、1千3百万円減少しました。これは、主に投資有価証券の減少7百万円があったことによるものです。
(ハ) 流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、5億5百万円(前連結会計年度末は6億5千3百万円)となり、1億4千7百万円減少しました。これは、主に未払金の減少9千4百万円、買掛金の減少5千7百万円があったことによるものです。
(ニ) 固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、2億5千6百万円(前連結会計年度末は1億9千9百万円)となり、5千6百万円増加しました。これは、主に長期借入金の増加8千5百万円があったことによるものです。
(ホ) 純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、11億2千8百万円(前連結会計年度末は16億8千7百万円)となり、5億5千9百万円減少しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等による利益剰余金の減少5億2千5百万円があったことによるものです。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間における連結業績は、売上高9億4千7百万円(前年同期比46.2%減)、営業損失6億3千9百万円(前年同期は3億5千7百万円の営業損失)、経常損失6億4千8百万円(前年同期は3億6千6百万円の経常損失)となっております。また親会社株主に帰属する四半期純損失は5億2千5百万円(前年同期は5億5千2百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(イ) 国内
日本では、企業のオンラインによる研修実施により、復調基調にありましたが、第1四半期連結累計期間における集合研修の延期や凍結が相次いだ影響で、売上高は前年同期を下回りました。また、グループ会社の売上が減少した影響で、ロイヤリティ収入も引続き減少しております。iCT分野は堅調に推移をいたしました。販売管理費については、オフィスの移転効果による家賃の減少やテレワーク化での交通費節減等により経費の節減に継続して努めました。
この結果、売上高5億2千3百万円(前年同期比34.9%減)、営業損失3億2千5百万円(前年同期は2億3百万円の営業損失)となりました。
(ロ) 北米
米国では、引続き新型コロナウイルスの感染拡大が顕著であり、当第3四半期連結会計期間に感染者数はピークを迎えており、企業研修市場に大きな影響を与えました。米国子会社の売上高にも影響が引続き出ております。販売管理費については、人件費・マーケティング費用を中心に継続して節減をしております。
この結果、売上高4億6千2百万円(前年同期比51.4%減)、営業損失2億3千5百万円(前年同期は1億3千7百万円の営業損失)となりました。
(ハ) 欧州
ウィルソン・ラーニング ヨーロッパ(英国)及びウィルソン・ラーニング フランスは、他セグメントに比較して第2四半期連結累計期間まで堅調な推移を見せておりましたが、当第3四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染症による第2回、第3回のロックダウンが実施され、その影響を受けております。
この結果、売上高1億5千万円(前年同期比49.9%減)、営業損失2千4百万円(前年同期は4千万円の営業利益)となりました。
(ニ) 中国
中国では、新型コロナウイルスの感染収束が見られ経済活動が回復したこと及び営業パイプラインが増加基調にあったため、売上高は他セグメントに比較して堅調な結果となり、第2四半期連結累計期間に引続いて前年同期比を上回りました。
また、第2四半期連結会計期間での香港での人員削減による退職にかかる経費により販売管理費が一時的に増加しております。
この結果、売上高5千6百万円(前年同期比3.1%増)、営業損失2千2百万円(前年同期は3千4百万円の営業損失)となりました。
(ホ) アジア・パシフィック
インドでは、2020年3月からの長期間のロックダウンが当第3四半期連結会計期間に段階的に解除されましたが、インド国内のネットワークインフラの問題により、オンライン研修の販売活動は引続き停滞しました。また、オーストラリアは新型コロナウイルス感染症の影響が少ない国ですが、営業体制の変更のため売上高が減少しております。アジアでは、新型コロナウイルス感染症の影響でグループ間で売上が引続き減少しております。
この結果、売上高4千4百万円(前年同期比61.7%減)、営業損失4千6百万円(前年同期は2千8百万円の営業損失)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は6千2百万円となっております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間においては、販売実績が前年同期比46.2%減少しております。これは主に新型コロナウイルス感染症の世界的な急拡大による緊急事態宣言やロックダウン、及びその後の企業の研修実施計画の凍結・延期により、各国において主要事業である集合研修の実施が不可能になったためであります。
なお、当社グループは主に人材育成事業を行っているため、生産及び受注に関しては該当事項がありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、以下のように新型コロナウイルスに関連する各国政府・自治体の資金融資等の申込を進めており、運転資金の改善に努めております。(実際の融資の可否、金額や時期について、現時点では未確定の申請も含めております。)
ウィルソン・ラーニングワールドワイド株式会社において申請した融資の内、「感染症対応緊急融資(一般)」は2020年7月において80百万円、「感染症対応緊急融資(全国制度 セーフティネット4号)」は、2020年9月において20百万円、それぞれ融資が確定し、入金が完了しております。現在申請中の融資は、「新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口に係る制度融資」110百万円であります。
また、ウィルソン・ラーニング コーポレーション(米国)、ウィルソン・ラーニング ワールドワイド インク(米国)において申請した雇用助成金については2020年4月において、合計$1,015,750を既に受領し、同年12月に返済不要と認定されました。また、2回目の同助成金につきましても、2021年2月に$997,000を受領致しました。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について見直しを行いました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本、米国、欧州、中国、インド、オーストラリア等、当社グループの全ての拠点において、集合研修の凍結、減少の状態が続いており、研修のカスタマイズ納品、ライセンス売上、iCTビジネス領域の商品やオンライン研修を除き、売上高の減少等が想定されます。財務諸表の作成に当たっては、新型コロナウイルス感染拡大の影響が2021年3月末頃まで続き、以降徐々に正常化に向かっていくなどの仮定を置き、見積り及び予測を行っておりますが、現時点で全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。