四半期報告書-第41期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/15 9:57
【資料】
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における国内経済は、回復の動きは見られつつも、第5波となる新型コロナウイルスの感染拡大により、依然として厳しい状況が続きました。グローバルにおいては、ワクチン接種の進捗により経済活動再開へ向かっておりますが、いまだに影響を及ぼしており、先行きは引続きやや不透明な状況となっております。
人材育成業界におきましても、国内では、人が物理的に集合する研修の縮小・延期傾向が、第5波による緊急事態宣言発令中の、当第2四半期連結累計期間の後半においては顕著になりました。米国でもその傾向はありますが、欧州、中国、アジア・パシフィックにおいてはコロナ以前に戻りつつあります。
一方、国内・海外ともオンラインでの研修ニーズは堅調であり、研修コンテンツは同期型、非同期型のオンライン化への転換が継続傾向です。
グループ全体としても、アフターコロナ時代の新しい研修スタイルを睨んだWebマーケティング投資、リーダーシップ領域、オンライン研修領域における新規商品群への開発投資を積極的に推進しております。
日本及び米国での当第2四半期連結累計期間の開発実績は下記となります。
国内
・2021年7月には、行動変容の原理原則のコンテンツを日本向けにデジタル化、学び放題のライブラリー形式などで提供開始しました。(全80タイトル予定)
・2021年9月に、上記の一環として、ハーバード大学 交渉学研究所の共同創設者ウィリアム ユーリー氏と共同で開発した「ハーバード流交渉術(Negotiating to Yes)」をデジタル・ラーニングで提供開始しました。
海外
・2021年9月に、オンライン協働学習プラットフォーム(LXP)上に、主力研修の一つであるBRVのデジタルコンテンツをリリースしました。
これらの商品リリースにより、ワールドワイドでオンライン研修の比重をさらに高めていく計画としております。
しかしながら、全体、特に米国ではいまだ、コロナウイルス感染症の影響が大きく、当第2四半期連結累計期間においては、グループ全体で増収になりましたが、営業損失を計上いたしました。
①財政状態
(イ) 流動資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、16億8百万円(前連結会計年度末は17億3千6百万円)となり、1億2千7百万円減少しました。これは、主に現金及び預金の減少1億4千5百万円があったことによるものです。
(ロ) 固定資産
当第2四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、2億4千2百万円(前連結会計年度末は3億3千5百万円)となり、9千2百万円減少しました。これは、主に投資有価証券の減少7千6百万円があったことによるものです。
(ハ) 流動負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、5億5千4百万円(前連結会計年度末は7億3千7百万円)となり、1億8千2百万円減少しました。これは、主に未払費用の増加4千4百万円がありましたが、買掛金の減少5千万円、短期借入金の減少1億8百万円があったことによるものです。
(ニ) 固定負債
当第2四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、2億2千7百万円(前連結会計年度末は2億3千7百万円)となり、9百万円減少しました。これは、主にリース債務の減少1千1百万円があったことによるものです。
(ホ) 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、10億6千8百万円(前連結会計年度末は10億9千7百万円)となり、2千9百万円減少しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等による利益剰余金の減少4千3百万円があったことによるものです。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高7億5千1百万円(前年同期比49.5%増)、営業損失3億5千万円(前年同期は5億5千1百万円の営業損失)、経常損失3億3千5百万円(前年同期は5億4千5百万円の経常損失)となっております。また親会社株主に帰属する四半期純損失は1億6千5百万円(前年同期は5億5千4百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(イ) 国内
日本では、企業のオンライン・オフラインによる研修実施が回復基調にありましたが、新型コロナウイルス感染症の第5波により集合研修の延期が発生し、売上高は前年同期並みとなりました。iCT分野は前年並みでしたが、売上に関しては、収益認識基準の変更により、利益に影響はありませんが、減収となりました。販売管理費につきましては引続き削減に努めました。
この結果、売上高2億6千6百万円(前年同期比0.9%増)、営業損失1億3千5百万円(前年同期は2億8千1百万円の営業損失)となりました。
(ロ) 北米
米国では、前年に比較して顧客企業の人材育成計画は回復基調にあり、研修市場も回復を示してきております。しかしながら引続き新型コロナウイルスの感染の影響が残っており、米国ではコロナ以前までの売上回復に至りませんでした。
なお、当第2四半期連結累計期間では、米国子会社同士の合併により日本本社からの米国子会社向け研究開発費用を削減したため、合併後の売上高は昨年度より減収になります。
この結果、売上高2億3千5百万円(前年同期比15.7%減)、営業損失2億6千1百万円(前年同期は2億3百万円の営業損失)となりました。
(ハ) 欧州
ウィルソン・ラーニング ヨーロッパ(英国)は、積極的なマーケティングの展開で新規顧客リードを獲得するとともに、従来の顧客からの受注も好調に推移し、引続きコロナ以前の好業績を維持しております。ウィルソン・ラーニング フランスは、主要大型顧客のオンライン研修への転換により、同じく売り上げを大幅に回復させております。
この結果、売上高1億8千8百万円(前年同期比117.9%増)、営業利益3千7百万円(前年同期は2千1百万円の営業損失)となりました。
(ニ) 中国
中国では、経済活動が回復したこと及び、SNS等を利用したマーケティング効果等により営業パイプラインが増加基調にあったため、売上は引続き堅調に推移し、前年同期比を上回りました。
しかしながら外部への委託費用などの販売管理費が増加したため、当第2四半期連結累計期間では、営業損失を計上しております。
この結果、売上高6千6百万円(前年同期比57.1%増)、営業損失0百万円(前年同期は1千7百万円の営業損失)となりました。
(ホ) アジア・パシフィック
インドでは、当第2四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の影響が残り、売上高に影響がありました。アジアでは、グループ間売上が復活したことと、オーストラリアでの代理店が好調であったため、堅調に推移しました。
この結果、売上高5千2百万円(前年同期比217.2%増)、営業損失1百万円(前年同期は3千6百万円の営業損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億4千6百万円減少し、10億3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果減少した資金は、2億4千4百万円(前第2四半期連結累計期間は3億2千7百万円の資金の減少)となりました。これは、支出として税金等調整前四半期純損失1億6千8百万円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果増加した資金は、1億2千万円(前第2四半期連結累計期間は1千2百万円の資金の増加)となりました。これは、収入として投資有価証券の売却による収入1億6百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果減少した資金は、2千5百万円(前第2四半期連結累計期間は1億7千6百万円の資金の増加)となりました。これは、ファイナンス・リース債務の返済による支出1千5百万円等があったことによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は26百万円となっております。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間においては、販売実績が前年同期比49.5%増加しております。これは主に新型コロナウイルス感染症の影響が世界的に残ってはいるものの、経済活動の回復により、研究開発費の減少の影響を除いて全セグメントで販売高が回復し、増加したためです。
なお、当社グループは主に人材育成事業を行っているため、生産及び受注に関しては該当事項がありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金及び開発投資資金の安定的な確保と維持に向け、グループ内の資金を最大限に有効活用してまいります。民間の金融機関に対しても、新規の資金融資交渉を行うほか、資本の増強策の可能性についても検討しております。また、所有する投資有価証券等の売却により手持ち資金の確保にも努めております。
以上の施策を実施するとともに、今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。しかしながら、収益構造の改善にはアフターコロナ時代における新しい取り組みが含まれていることから不確実性が認められるとともに、我が国における度重なる緊急事態宣言の影響など、新型コロナウイルス感染拡大による業績へのマイナス影響は今後も継続する可能性があります。
また、財務基盤の安定化については、新規の資金融資及び資本の増強の可能性などについて継続的に検討しているものの、その実現には時間を要しており、確実な見通しが得られている状況ではありません。
(8)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
新型コロナウイルス感染症の影響は、少なくとも2022年3月末頃まで続き、以降ゆるやかに正常化に向かっていくと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、現時点で全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。